町山智浩 園子温監督作品『ラブ&ピース』を語る

町山智浩 園子温監督作品『ラブ&ピース』を語る たまむすび

町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で園子温監督の最新作、長谷川博己さん主演の映画『ラブ&ピース』を紹介していました。

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(町山智浩)今日は怪獣映画2本っていうか、俺、なんかこの番組で怪獣映画ばっかり紹介している(笑)。50すぎて大丈夫か?っていう(笑)。

(赤江珠緒)ええ、ええ。もう大丈夫です。

(山里亮太)みんな知ってますから。

(町山智浩)思いますが。もういいですね。もう。で、怪獣仲間の友達が作った映画をまず紹介します。はい(笑)。えー、園子温監督ですね。

(赤江珠緒)はい。うん。

(町山智浩)今週末公開なんですけども、『ラブ&ピース』という映画をまず紹介します。はい。これはですね、園子温がこの前にですね、『地獄でなぜ悪い』っていう映画を作りまして。それは、自分自身の青春時代。映画監督になろうとした時代の話をですね、長谷川博己さん主演で作ったんですけども。

町山智浩 園子温監督『地獄でなぜ悪い』を語る
映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『赤江珠緒たまむすび』で、園子温監督の最新作『地獄でなぜ悪い』を紹介していました。 (赤江珠緒)で、ですね、町山さん。今週は『バカ倍返しウィーク』ということでね、もう十分におバカな感じになっておるんです

(赤江珠緒)はい。

(町山智浩)今回もですね、長谷川博己さんが園子温監督の分身を演じます。で、これはね、結構前に書いたシナリオで、園子温監督がなかなかブレイクできなくて苦しんでいる時に、彼のその鬱屈した思いを込めて書いたシナリオがこのラブ&ピースなんですね。で、まあいま、世界的な映画監督になりましたけども。今回、やっと作れることになってですね。はい。で、主人公の長谷川博己さんはもう、うだつのあがらない、いじめられっ子のサラリーマンなんですよ。

(赤江珠緒)ふーん。

(町山智浩)なにをやってもダメで、1人で暮らしていてモテなくて貧乏で。で、ただね、ミドリガメを大事に飼ってるんですね。

(赤江珠緒)はい。

(町山智浩)これね、『ロッキー』がそうだったですね。

(赤江珠緒)ああ、そうでしたっけね?

長谷川博己の演技が見もの

(町山智浩)そう。ロッキーがダメボクサーだった時に、亀を大事に飼ってるんですよ。はい。だから要するにダメ人間と亀が結びついてるんですけど。はい。で、それがなぜか大怪獣映画に展開していくんですが、どう展開するか、ちょっと言いにくいんで言えないんですけども。ストーリーがバレますんで。このね、ただラブ&ピースっていう映画はとにかくこの長谷川博己さんっていう俳優の、まあめちゃくちゃな演技がですね、もうとにかく見ものなんですよ。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)で、長谷川博己さんいまね、いちばんはっちゃけてる俳優じゃないかな?と思うんですね。

(赤江珠緒)ああ、たしかに。

(山里亮太)もう怪演ばっかりですね。変わった役・・・

(町山智浩)そう!怪獣の『怪』の怪演ですよね。

(赤江珠緒)(笑)

(町山智浩)で、なんか結構この人、童貞の役をいろんな映画で演じてたりするのがおかしいですよね(笑)。

(赤江珠緒)あ、そうですよね。

(山里亮太)つい最近のドラマでも、ねえ。ニートの役でしたよね。

(赤江珠緒)うん。不思議な役でしたもんね。

(町山智浩)そうそう。で、『海月姫』でも童貞イケメンっていう不思議な役をやってましたね。はい。でね、この映画もね、そういう感じの役なんですけども。これがね、どんどんどんどん別人に変化していくんですよ。

(赤江珠緒)ほー。

(町山智浩)最初はね、亀みたいにして縮こまっているような男で。コタツにいつも入っていて、コタツ亀をやっているような人なんですけど。それがだんだんね、ロックンロールのスーパースターになっていくっていう話なんですよ。

(赤江珠緒)ええっ!?そんなに変わるんですか?

(町山智浩)そう。それで、もうギンギラギンの衣装で歌いまくってるんですけど。本当に。で、この映画でね、長谷川博己さん、1秒たりともね、普通の状態でいないんですよ。

(赤江珠緒)(笑)。そんなに?

(町山智浩)全部、どうかしてる感じなんですよ。全てのシーンにおいて。でね、TBSテレビで去年やっていたドラマで『MOZU』っていうのがありまして。あれ、見てました?

(赤江珠緒)MOZUは結構深刻な感じのドラマでしたよ。

(町山智浩)まあ、そうなんですけど。国際謀略ものだったんですけど、長谷川博己さんだけどっかおかしいんですよ。

(赤江珠緒)はー!

(町山智浩)どこからともなくやって来て、どこからともなく去っていくというですね。まったく人間ではない存在をやってまして。MOZUの中で。1人だけ、リアリティーがまったくないんですよ。

(赤江珠緒)ああ!

(町山智浩)それでもう、出てくるたびに大爆笑してたんですけども。だんだんこういう人になってきましたね。この人ね。

(山里亮太)変な役といえば、この方!みたいな。

(町山智浩)そうそうそう。もう俳優として、いまいちばん飛ばしてるんじゃないのかな?で、この人、次はね、実写版『進撃の巨人』ですんで。はい。

(山里亮太)あ、そうだそうだ。最強の兵士の役ですよね。

(町山智浩)そっちも、なんかいろいろと、とんでもないすごいことになっていますんで。お楽しみにということですけど。はい。

(山里亮太)オリジナルのキャラなんですよね。たしかね。

(町山智浩)そう。まあいろいろ言えませんけど。いまはね。で、このラブ&ピースはまあ、6月27日、今週末公開で。まあ、見てですね、笑ってもらいたいという映画ですけども。はい。

(中略)

(赤江珠緒)なんか、『ラブ&ピース』も予告を見るとね、泣いてる方もいらっしゃる。

(山里亮太)そう。感動作みたいになってますね。

(町山智浩)あ、泣けるところもありますよ、本当に。こんなに園子温も辛かったんだな!とか、いろいろ感じますから。俺もこういう時、あったよ!っていうね。

(赤江珠緒)なるほど!

<書き起こしおわり>

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