町山智浩 映画『ブラックパンサー』を語る

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町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でマーベル映画『ブラックパンサー』について話していました。

(町山智浩)今日は『ブラックパンサー』という映画を紹介します。これ、もうアメリカでは大変なことになっています。

(町山智浩)はい。音楽、どんな感じですか?

(山里亮太)『ライオンキング』とかが始まりそうな……。

(海保知里)うんうん。そう!

(町山智浩)その通り! これ、『ブラックパンサー』って『ライオンキング』のスーパーヒーローなんですよ。

(山里亮太)えっ? 本当にそうなんですか?

(町山智浩)全くそうです。はい。説明をしますと、ブラックパンサーっていうのは1966年に生まれたコミック史上初の黒人スーパーヒーローなんですね。これはマーベル・コミックというアベンジャーズやアイアンマンとか、あのシリーズから出てきたものなんですけども。今回はそのブラックパンサーが主人公なんですが。これ、音楽はアフリカの音楽ですよね?

(山里亮太)ああ、はいはい。そうですね。感じがそう。

(町山智浩)これね、ブラックパンサーっていうのはアフリカの王様なんです。話の始まりのところではまだ王子様なんですけど、王様が亡くなったんで王様を継承するんですね。で、アフリカにワカンダという架空の国があることになっていまして。そこの王様です。このワカンダという国はアフリカの中でも最も真ん中らへんにあって、最も貧乏で資源も産業も何もない国だと思われているんですよ。

(山里亮太)はいはい。

(町山智浩)ところが実は、ヴィブラニウムという宇宙から来た非常に特殊な物質があって。それによって実はものすごい科学力と資源を持っているんですよ。そのヴィブラニウムというのはダイヤモンドみたいに硬くて。しかもウランみたいにものすごいエネルギーを出すんですよ。だけど、それがわかると白人たちの国に侵略をされてしまうので、500年間それを隠していたんです。

(山里亮太)なるほど。ふんふん。

(町山智浩)壁みたいなものを作って、バリアみたいなものを作って、そこで豊かに暮らしていたんですけども、その王様がブラックパンサーというヴィブラニウムを使ったスーツを着て……つまり、ヴィブラニウムというのは世界一硬い物質なので、どんなものも貫通できないんですね。

(山里亮太)はい。

(町山智浩)それを着て、あと特殊な薬を飲んで体を強化してスーパーヒーローになったブラックパンサーが、そのワカンダという国を守るために戦うという話なんですよ。で、さっき「ライオンキングみたい」って言ったのは、王様の話だからなんですけども。

(山里亮太)王様。キングつながりで。

(町山智浩)そうなんです。本当に王様なんですけど。ただ、このヴィブラニウムというのはものすごいエネルギーを持っていて、彼らの国は地球でいちばん科学が発達している国なんですよ。そこで、ヴィブラニウムとかを使った新兵器をいろいろと使って、いろんなスパイ戦をするという『007』のジェームズ・ボンドみたいにもなっています。

(山里亮太)なるほど。

(町山智浩)だからスーパーヒーロー物+007+ライオンキングなんですよ。

(山里亮太)フフフ(笑)。贅沢だな! まとまるのかな、これ?

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スーパーヒーロー物+007+ライオンキング

Hero. Legend. King. #BlackPanther

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(町山智浩)そう。全部盛りなんで、これは結構行くっていうことはわかるんですけども。ただひとつ、すごいのはアフリカの民族的なデザインを元にしたスーパーハイテクマシーンとスーパーハイテク都市のデザインなんですよ。

(山里亮太)アフリカ? イメージがあまりわかないですね。

(町山智浩)あのね、これはたとえば昔、『ブレードランナー』っていう映画があったんですね。それは、アジア的な、日本とか韓国とか中国みたいな文化をそのまま、未来に持っていったようなデザインで。具体的に言うと、上海とかソウルとか東京のハイテクイメージから作られた未来の世界っていうのが『ブレードランナー』で描かれた世界なんですね。それは、いわゆる「アジアン・フューチャリズム(アジア的未来像)」と言われるものなんですね。

(海保知里)はいはい。

(町山智浩)ところが、今回の『ブラックパンサー』はたぶん映画史上はじめて、アフリカ的未来像を出したSF映画なんですよ。これをね、「アフロ・フューチャリズム」といま、呼んでいます。

(海保知里)アフロ・フューチャリズム。ふーん!

アフロ・フューチャリズム

(町山智浩)だから、ものすごいハイテクマシーンなんだけども、アフリカの独特の装飾が入っているんですよ。で、服のデザインとかもアフリカってほら、どんなに貧しいところでも、女性がすごいきれいな服を着ているじゃないですか。きれいに染めた。あのセンスなんですよ。だから、ツルンツルンのマシーンじゃなくて、みんなすっごくおしゃれなんですよ。いろんな模様とかが入っていて。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)で、センスがアフリカの民族芸術みたいなセンスになっているんですけど。これはものすごく事実にある程度基いていて。まず、アフリカって中世はヨーロッパよりも科学とか文明は発展していたんですよ。先に行っていたんです。特に、医学であるとか薬学であるとか数学とかはヨーロッパよりも進んでいたんですね。科学は。で、実際にアフリカが地中海を侵略していたんです。だから、シチリアとかスペインはアフリカの占領地だったんですよ。

(山里亮太)うんうん。

(町山智浩)で、その後に逆転して、逆に白人に攻め込まれちゃったんですけども。で、攻め込まれた時になにがいちばん問題だったか?っていうと、彼ら白人の目的って地下資源だったんです。ダイヤモンドと金、銀が目的で。ベルギーやオランダとかがアフリカに侵略していったんですよ。だからこの『ブラックパンサー』のワカンダっていう国に地下資源があって……っていうのは現実の歴史を反映しているんですよ。だって、ヴィブラニウムはダイヤモンドみたいな鉱物ですから。しかも、その後はアフリカで石油が出るようになったんですね。で、いまはウランとかも出ていますけど。そういった地下資源は全て金もダイヤモンドも、白人によって搾取されることでアフリカってずっと貧しかったんですね。

(山里亮太)うんうん。

(町山智浩)採掘権というのは実は土地の権利とは別になっているんですよ。彼ら、白人は採掘権を持っちゃったんで、アフリカから出る富を全部奪っていったんですね。だから、このワカンダは「それを奪われなかった国があったんだ」という想定のもとで……「もし、白人たちに奪われなかったら、アフリカはこんなに進んでいて、こんなに豊かだったはずなんだ!」っていう話なんですよ。

(山里亮太)なるほど!

(海保知里)へー!

(町山智浩)500年の復讐のような話なんです。しかも、現実に最近ここ20年ぐらい、アフリカは地下資源を自分たちのものにしていったんですよね。国際法廷に訴えたり、法的な手段を取ったり、政治的な手段によっていままで白人や英米の企業に横取りされていた地下資源の権利を全部、アフリカの国が取り返したんですよ。だから、アフリカはいますごく豊かになっているし、安倍さんもそうですけど世界中、中国とかがアフリカに行って外交をしなければならないようになったんですね。

(山里亮太)うんうん。

(町山智浩)特にナイジェリアはすごくて。ナイジェリアは地下資源、特に石油がすごくて。そのお金を学校につぎ込んでいったんですよ。で、公立大学でハイテクを教えていったんですよ。ところが、卒業をした後に就職先がないもんで、ナイジェリアではみんなハッカーになっちゃったんですけどね(笑)。

(山里・海保)ええーっ!

(町山智浩)ナイジェリア・ハッカーって大変な問題になったんですけども。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)ただ、いまはだいぶよくなって。ナイジェリアはいまGDPが世界第20位ですからね。先進国ですよ、だからはっきり言って。で、いままで問題だった飢餓問題とかもハイテクによって、要するに農産物を工業的に作るということで解決していっているんですよ。僕は実は、ナイジェリアで、ロンドンでいろんな資金を集めているダニエルさんという人と友達になって話したんですけど。彼の家に行くと、もうすごいわけですよ。大金持ちで。で、自家用ジェットのカタログとか、そんなのを読んでいるんですよ。

(山里亮太)ええーっ! 大富豪……。

(町山智浩)そういう現状も反映しているのが今回の『ブラックパンサー』なんですね。だからその、ハイテクなアフリカの未来を見せていくということと、あともうひとつ、すごく大きいのは「ブラックパンサー」というのはすごく政治的に非常に重要な名前なんですよ。「黒い豹」っていう意味なんですけども、この映画は僕が住んでいる街、バークレーというのとオークランドというのは隣同士の街になるんですけど。そのオークランドから始まるんです、この映画は。

(海保知里)そうなんですか。

(町山智浩)1992年のオークランドから始まるんですけど、オークランドというのは人口の30%ぐらいがアフリカ系の人たちで。しかも、ほとんどが貧しくて。ギャングが多くて、全米でも第5位とか第3位とか、そのぐらいになるぐらい、ギャング同士の銃撃戦が多い街なんですよ。

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(山里亮太)ふーん!

(町山智浩)うちの近所なんですけども。そこから話が始まるんですね。で、このブラックパンサーには2つの意味があるんですよ。これ、監督のライアン・クーグラーという人はここの出身なんです。彼は、僕の家の裏にあるカトリックの高校を卒業しているんですが。この人、最初に注目された映画がオークランドのフルートベールという駅で白人の警官が黒人の若者を何の意味もなく射殺した実話を描いた『フルートベール駅で』という映画なんですね。ライアン・クーグラー監督は。

(山里亮太)ふーん!

(町山智浩)だから、オークランドから出てきた黒人の監督で、今回『ブラックパンサー』もそこから話を始めているので。僕はオークランドの映画館で見ましたから。

(海保知里)ああ、そうなんだ(笑)。

(町山智浩)そう。「オークランド」って出た瞬間にみんな「うおおおおおーっ!」って。

(山里亮太)「あそこだ! あそこだ!」って。

(町山智浩)っていう感じでしたよ。「おおっ、地元!」みたいな(笑)。で、もうひとつはただ地元出身だから地元にオマージュしただけじゃなくて、ブラックパンサーっていうのは実在の政治組織だったんですよ。

(山里亮太)あ、その名前だったんですか?

(町山智浩)そうなんです。「ブラックパンサー党」という政党みたいなものがあって、それはオークランドから発生しているんですよ。で、もともとブラックパンサーというヒーローが漫画にはじめて登場したのは1966年なんですけども。ブラックパンサー党も全く同じ1966年に、ほとんど同時に発生しているんですよ。

(山里亮太)おおっ! えっ、偶然じゃないんですか?

(町山智浩)これはね、どっちが先かいまでもちょっとわからないんですけど。ブラックパンサー党というのはちょっと過激な組織で。銃で黒人たちが武装することによって、警官たちの無意味な暴力から黒人を守るんだという自衛組織なんですよ。

(海保知里)へー!

(町山智浩)自警団なんですよ。写真がそこにあるかと思うんですけども。そこでまあ、ブラックパンサーのリーダーがアフリカ式の玉座に座っている写真がそっちにあるかな?

(海保知里)ちょっとないですね。

(町山智浩)ライフルを持って、ベレーをかぶってブラックパンサーのリーダーが座っている写真っていうのは、今回の『ブラックパンサー』で王座に座っているブラックパンサーの写真の姿で真似されているんですよ。

ブラックパンサー党

(山里亮太)へー!

(町山智浩)で、ブラックパンサーが出てきた背景というのは、1965年にキング牧師がとうとうずっと100年間禁じられていたアフリカ系の黒人の投票権を取り返して、とうとう投票権を得たのが1965年なんですね。で、その時に、マーベル・コミックスを描いていたスタン・リーという人が「あっ、黒人のスーパーヒーローがいないじゃないか! 白人ばっかりじゃないか! おかしいぞ」っていうことで、黒人ヒーローのブラックパンサーを生み出したんですけども、政治政党の方のブラックパンサーは「これからはブラックパワーなんだ! 我々はいままで非暴力でキング牧師が戦ってきたけども、警官の暴力があまりにもひどいから、暴力には暴力で対抗しなければいけないんだ!」っていうことで、銃を取ったんですよ。

(海保知里)へー!

(町山智浩)だから、キング牧師が穏健派だと、ブラックパンサーは過激派なんですね。これが面白いのは、『X-MEN』っていうのは全くそういう話で。その頃、同時に描かれていたスタン・リーのマーベル・コミックは、『X-MEN』というのはミュータントの権利を守る穏健派とミュータントが権利を守るためには旧人類と戦わなければいけないんだという過激派との戦いとして描いていたんですけども。それはその当時にあった黒人の人権運動の穏健派と過激派の戦いを反映させているんですよ。『X-MEN』は。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)だからものすごく政治的な背景があるんですよ。『ブラックパンサー』って。で、その部分を今回の『ブラックパンサー』という映画は全部盛りしているんです!

(海保知里)ええーっ?

(山里亮太)全部盛り!

(町山智浩)全部盛りにしてますよ。これ、すごいなと思って。

(山里亮太)ゴチャゴチャってなってないんですか? ちゃんときれいに盛り付けできているんですか?

(町山智浩)これはね、一瞬だけ通りすぎるようなところもあるんで、あとで解説すると分かるところもあるんですけど。ただ、映画としての『007』みたいな面白さと『ライオンキング』みたいなところにさっき言った政治的なアフリカの500年の歴史と、アメリカの1966年からのオークランドを中心とした黒人の人権運動とが全部入っているんですよ。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)これはすごいなと思って。しかも、さっきアフロ・フューチャリズムといったアフリカ的なデザインは全部本当にアフリカ系の女性たちがデザインしているんです。

(海保知里)へー! そこまでこだわっているんですね。

(町山智浩)美術監督とか衣装監督とか、全部アフリカ系の女性なんですよ。で、監督もそうなんですけど、うちの近所の黒人の若者なんですよ。だから完全にアフリカ系の人による物語なんですよ。全部作っているんです。絵も全部、スタッフが。撮影だけは白人なんですが、撮影監督も女性(レイチェル・モリソン)なんですよ。

(海保知里)へー!

(町山智浩)だからいままで横にやられてあんまり仕事をもらえなかった人たちが全員、これに参加して大成功しているんですね。で、さっき言った監督は男性なんですけど、周りを女性で固めているというところがポイントなんですね。美術監督とか。これね、ブラックパンサーって王子様なんでね、ちょっと甘やかされているんですよ。

(海保知里)あれ? 坊っちゃん?

製作陣を女性で固めている理由

(町山智浩)そう。ティ・チャラっていう名前のお坊ちゃんです。だって、超お金持ちの国でチヤホヤされて育ったものだから、スパイとして韓国の釜山に行くっていうシーンがあるんですけど、ゾロゾロお付きがついてくるんですよ(笑)。

(山里亮太)スパイなのに(笑)。

(町山智浩)でも、王様だから。スパイだけど。で、恋人がナキアっていう、ウォードッグというワカンダのCIAみたいなスパイ組織があって、そこの女スパイがついていくし。

(町山智浩)で、007みたいに新兵器をたくさん持っているんですね。秘密兵器をいっぱい。で、それを開発するのはシュリちゃんっていう名前の天才発明少女の妹なんですよ。

(山里亮太)はい。

(町山智浩)で、さらに、それにガードマンというか近衛兵として、ものすごい強い女兵士がついてくるんですね。オコエっていう女兵士なんですけど、槍1本で自動車だろうとどんなマシンガンを持っている敵だろうと、全部倒しちゃうっていうものすごい強い女兵士オコエっていうのが出てくるですけど……この人が強すぎるんですよ! ほとんどブラックパンサーがいなくてもいいですよ(笑)。

(山里・海保)ええーっ!

(町山智浩)で、ブラックパンサーはさっき言ったみたいにヴィブラニウムのスーパースーツと特殊な薬物を飲んではじめて強くなっているんですけど、このオコエっていう女戦士は何も使わないでめちゃくちゃ強いんで(笑)。

(山里亮太)じゃあ、もうオコエがスーツ着ればいいのに(笑)。

(町山智浩)そう。この人ね、いますごくアメリカで大人気の『ウォーキング・デッド』というTVシリーズで女侍を演じているダナイ・グリラさんっていう人がやっていて。

(山里亮太)ああーっ!

(町山智浩)日本刀で斬りまくる人。

(海保知里)ああ、あの人だ!

(町山智浩)あの人がこのオコエを演じているので、この人1人でいいんじゃね?っていう感じなんですけども。

(海保知里)『ウォーキング・デッド』でも超強いじゃないですか!

(町山智浩)そう。すっげー強いんです。ちなみにこの人はナミビアの人なんですけど、実はニューヨーク大学で修士をとっているインテリなんですけどね。はい。

(海保知里)すごいです。そんな方だったんですね。

(町山智浩)あのね、ルピタ・ニョンゴっていう女優さんもね、実はお姫様みたいな人で。この人はケニアの大学教授で政治家のお嬢さんなんですよ。オタクなんですけども(笑)。

(山里亮太)ああ、そうなんですか?

(町山智浩)そういう人たちが集まって、王子様をみんなでチヤホヤするっていうね(笑)。「甘やかされてんじゃねえの?」って思ってちょっとイラッとくるところがチラッとあるんですけども(笑)。

(山里・海保)アハハハハッ!

(町山智浩)それともうひとつは、なんでこんなに金持ちなのか?って。要するに、資源を独占しているから。でも、アフリカの人たちは世界中に移民したりして。アメリカにもいますけども、かなり多くの人たちが昔、簒奪された後遺症で非常に貧しく、差別に苦しんでいるじゃないですか。それなのに、彼らがワカンダで富を独占しているのはおかしいと思いませんか?

(山里亮太)そうですね。

(町山智浩)自分たちだけが良ければいいのかよ?って問題があるじゃないですか。その2つの疑問があるわけですよ。「これ、王子様が甘やかされていない?」っていうのと、「ワカンダは自分たちだけが良ければいいのか?」問題があるんですよ。

(山里亮太)うんうん。

(町山智浩)これもに、ちゃんと答えを出すんです。この映画は。そのワカンダの王子・ブラックパンサーに立ち向かう、いちばん強い敵っていうのはキルモンガーっていう……まあ、「キルモンガー」っていうのは「殺しまくり屋」みたいな名前なんですけども、そう呼ばれているエリックという若者が出てくるんですね。彼は、オークランド出身の貧しい黒人なんですよ。

(山里亮太)ああーっ!

(町山智浩)で、ものすごく苦労して勉強して、貧困のどん底の中から軍隊に入って。で、ネイビーシールズに入って、アフガンとイラクでものすごい戦闘を体験して。で、奨学金でマサチューセッツ工科大学を出たというですね。

(海保知里)すごいじゃないですか!

(町山智浩)そう。ブラックパンサーと全く逆の、どん底から一生懸命勉強して戦って、勝ち抜いてのし上がってきた男がブラックパンサーに立ち向かうという話なんですよ。

(山里亮太)どっちかって言うと、そっちの方がいい者な感じが……。

(町山智浩)そっちを応援しますよ。やっぱりどう考えても(笑)。

(山里亮太)応援しちゃいますよ。キルモンガーを。

(町山智浩)そう(笑)。ねえ。っていう話が全部盛り込んであるというね。すごいですよ。だからそれこそアフリカの人たちは資源を簒奪されただけじゃなくて、奴隷としてさらわれていったわけですね。誘拐されて。そこもちゃんと押さえてます。この『ブラックパンサー』は。これ、すごいですよ! ちょっとこれは深すぎる。で、しかも、めちゃくちゃ面白いですよ。

(山里亮太)うわーっ、見よう! 再来週ぐらいでしょ?

(海保知里)そうですね。

(町山智浩)3月1日です。日本の観客にはルピタ・ニョンゴちゃんみたいなロリ系の女の子が人気出ると思いますけど、僕はなんと言ってもオコエさんですね!

(山里亮太)僕もオコエ見たいな! そうか!

(町山智浩)すごいですよ!

(山里亮太)めちゃくちゃ強い?

(町山智浩)めちゃくちゃ強くて、他にいらないんじゃないか?って思いましたけど(笑)。

(山里亮太)フハハハハッ!

(町山智浩)ただ、これはライオンキングなんで。王子の成長物語なんですよね。

(山里亮太)はー、なるほど。そこにライオンキング要素が。

(町山智浩)そうなんですよ。はい。というところでね、まあすごかったですね。もうぜひ見ていただきたいと思います。3月1日公開です!

(海保知里)楽しみですね!

(山里亮太)そうか。マーベルっぽいところももちろんありながら。

(海保知里)そしてライオンキング要素も忘れずに。そして、先ほどのアフロ・フューチャリズムね。ぜひぜひ注目ということで。

(町山智浩)盛り盛りでした。

(海保知里)今日はマーベル・スタジオ最新作『ブラックパンサー』を紹介していただきました。そして町山さん、来週スタジオに、それも早めに登場していただけるということで。よろしくお願いいたします。

(町山智浩)よろしくお願いします。

(山里亮太)町山さん、なんでも言っていいそうです。

(町山智浩)ああ、そうですか? でも、ほとんど放送できなくなりますよ(笑)。

(山里亮太)アハハハハッ! 「覚悟の上」だそうです(笑)。

(町山智浩)ああ、本当に? すげーな! じゃあ、俺も行くぞ!

(山里・海保)フハハハハッ!

(山里亮太)お待ちしております、町山さん!

(海保知里)ありがとうございました!

(町山智浩)どもでした!

<書き起こしおわり>

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