星野源 ジェイコブ・コリアー来日公演で感動した話

星野源 ジェイコブ・コリアー来日公演で感動した話 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2022年11月29日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でジェイコブ・コリアーの来日公演を見に行った話を紹介。素晴らしいライブで感動したポイントを話していました。

(星野源)昨日、久しぶりにライブ見てきたんすよ。ジェイコブ・コリアーというね、ロンドン出身のミュージシャンの方のライブに行ってきたんです。見てきて。めっちゃくちゃ良かったんですよ。ちょっとメールが来ているんですけど。愛知県の方。「今日の源さんのインスタストーリーズ、『ジェイコブ・コリアーのライブに行ったから、今夜ラジオで話すね』って友達リスナーである私たちへの匂わせですよね? 感想を聞くの、楽しみです」っていう。だから友達じゃないって(笑)。いや、たしかにインスタのストーリーズには「J」っていうね、すごいかわいい照明が後ろにあって。舞台の上に。

で、ライブが終わった後にそれの写真をピッと撮って。で、「すごいいいライブだったから、久しぶりにインスタストーリーズに載せよう」と思って載せただけなんです。だからその、友達に「今日、話しするから」みたいなことじゃないんですよ(笑)。あと、友達に匂わせって、しなくない?(笑)。まだ言ってんの? 友達って……だからリスナーは友達じゃないですから。何回も言ってるけど(笑)。いや、だからそういうパーソナリティーになりたくないじゃないですか。ねえ。

フフフ(笑)。またいっぱい送ってくるんだろうな。こういうメールを(笑)。ちょっとね、ジャンプ問題(あるリスナーが星野源さんに貸してくれた少年ジャンプを他のリスナーにまた貸してあげること)はまだ解決してないね? ジャンプ、まだ貸し出せてないんですけど(笑)。ちょっといろいろ、まだやってますんでね。少々お待ちいただければと思ってますけども。

そうなんですよ。で、ジェイコブ・コリアーのライブを見てきて。もうね、すごくて! で、前から大好きなミュージシャン、音楽家ではあるんですけど、生で見たのは初めてで。もうマルチプレイヤーで、もうピアノもめちゃくちゃ上手いし、キーボードもめちゃくちゃ上手いし、歌もめちゃくちゃ上手いし、ギターもめちゃくちゃ上手いし、ベースもめちゃくちゃ上手い。で、パーカッションもめちゃくちゃ上手いし。1人でいろんな楽器を演奏して、アルバムを作ったりとかで。で、ライブ中もルーパーとか使って。ループステーションみたいなのを使って、1人でどんどん音楽を構築してくみたいなのもやってるし。

本当にもう、なんていうんだろう? 神童ってこういうことだなっていう。で、ライブパフォーマンスはものすごい元気で楽しそうで。楽しそうに音楽を奏でいて。すごい幸せな空間だったんですよ。で、僕はステイホームの時期に『All I Need』っていう曲があって。それをジェイコブがですね、自宅のお風呂場で、全部自分で楽器演奏して。それを重ねて。映像も合成して。全部、お風呂場でジェイコブが1人で演奏してるみたいな、そういうビデオがあって。それをYouTubeで公開していて。出た番組の映像として出てるんですけど。なんかそれがもう大好きすぎて、いろんな人に送って。「これ、最高だよ!」って。そんなことを当時、やっていて。

(星野源)で、その曲も聞けたし、アレンジも最高だったりとか。もうとにかく良かったんですよ。で、なんて言えばいいんだろう? こう、非常に元気をもらいましたね。あの、この間、6月ぐらいにフィラデルフィアに行った時に、フェスを見に行ったりはしたんだけども。日本でのライブって結構久しぶりに見たんじゃないかな? それで、いわゆる海外から来て、それで日本のオーディエンスの前でライブをするっていうライブだったんだけど。ジェイコブがもう、なんて言えばいいんですかね? もう走り回って盛り上げていて。本当にもう、ベースを持ったり、キーボードを弾いたり。もう、すごいんですよ。

で、いろんなミュージシャンの方がいて。メンバーの方がいて。で、そのメンバー、とりあえずベースの担当の方がいるじゃないですか。でも、ジェイコブがベースを持ったら、そのベースの人はキーボードを弾いたり、ギター弾いたりするの。で、ジェイコブがギターを持つと、ギターの人は歌に集中したりとか、パーカッションをやったりとか。もう、それが曲の中で何回も何回も変わって。で、世界を回っていて、80公演やるって言ってたのかな? だからもう、洗練されまくっていてですね、素晴らしいステージでしたね。

だからもう、なんかすごい遠く感じちゃいそうだったんだけど、めちゃくちゃ身近に感じたんですよ。で、なんでかっていうと、ライブの途中で「I wanna go pee.」って言って。「トイレに行く」っつって、トイレに行ったんだよね(笑)。俺、自分以外でライブ中にトイレに行く人、初めて見たの。「俺じゃん!」と思って(笑)。しかも、「トイレに行きたくなったから、ちょっと歌ってて」とか言って、ギタリストの方に1曲、歌ってもらっていて。そのギタリストの方も「前々からこういうことがあるんじゃないかと思ったけど、今日初めて実現した」みたいなことを言っていて。

自分以外でライブ中にトイレに行く人をはじめて見た

(星野源)だから、なんていうの? 「ちょっとトイレに行くから、やっといて」っていうその構成までが、俺がやることと一緒なのよ(笑)。で、最後にメンバー紹介するんだけど。メンバー紹介が、いるメンバーを紹介した後に、スタッフ全員を紹介していくのね。で、それは俺もテンションが上がるとやっちゃうんだけど。すごい、なんか知らないけど親近感みたいな。で、あと後ろに銅鑼みたいなのがあって。銅鑼を使うみたいなのも僕もやっていたし。なんか知らないけど、すごい親近感みたいな感じで。すごい嬉しいライブでしたね。

で、すごいいいなと思っていたのが、そのバンドメンバーの皆さんを紹介する時に、「音楽をやる時には、たとえばメロディーとかコードとか理論とか、いろいろ大事なものがあるんだけど。でも一番大事なのは、ハートなんだ。ハートが大事で、こういう風にツアーを一緒に回ってきて、このメンバーたちはそのハートがすごくよくて。こういうハートで音楽を奏でる人たちなんだ。そういう人たちと一緒にこういう風にツアーができて僕は嬉しい」みたいなことを言ってて。なんて言えばいいんですかね? そういうのって、本当に僕はすごく、一番大事だと思うんですよ。そういうことって。

たとえばテクニックもそうだし……めちゃめちゃテクニックはすごいんだけど。なんていうか、そのテクニックが一番なんじゃなくて、人間的なハートっていう部分もそうだと思うし。音楽に相対するものとしてのハートっていうものがやっぱり大事で。そこを言葉にして、ライブ中にお客さんに伝える人っていうのは初めて見たから、とても感動したし。で、なにに一番感動したって、お客さんが超よかったですよ! もう感動しちゃった、俺。楽しそうでさ(笑)。まあ、楽しそうなのはみんな、楽しそうなんだけども。

なんていうか、ジェイコブが「歌って」って求めると、全部歌うんですよ。全部歌って。で、なんていうか、もうニューヨークにいるみたいだった。ニューヨークでライブを見てるみたいな感じで。なんかもう、すごい多幸感にあふれていて。でも、それはジェコがもう周りを引っ張り上げる力があるっていうことなんだろうけど。そういうのも含めて、非常に感動して。「いいライブをを見たな」って。で、自分も久しぶりに有観客ライブをね、来年の1月にやりますから。そういう意味でも「ああ、見れてよかったな」と思いました。

なので今日、ちょっと1曲目はジェイコブ・コリアーをね、聞いてもらいたいと思います。本当は『All I Need』をかけようかなと思ったけれども、ちょっと違う曲にしましょうね。ジェイコブ・コリアーで『Count The People』。

Jacob Collier『Count The People』

(星野源)お送りしたのはジェイコブ・コリアーで『Count The People』でした。このカオスな曲を、この速さでライブで生でやりますからね。しかも、走り回りながら。走り回って、もうタンバリンとかガチャガチャガチャッ!ってやりながら。もう本当に最高でした。東京都の25歳の方。「ジェイコブ・コリアーのライブ、僕も行きました。YouTubeで何度も見ていたジェイコブが目の前で楽器を弾く、歌う、はしゃぐ、飛び跳ねる……ステージを駆け回り、子供のような様相でとんでもない大迫力の音楽を生み出して奏でていく姿は衝撃的でした」。本当にね、子供みたいなんだよ。マジで。でも28歳なんだよ。もう。なんだけど、もう超子供みたいで。マジで神童って思った。

「終演後、終わりの合図として流れたはずの(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)『September』をみんなで歌い踊ったあの時、僕らはこんなに見境なく音楽を楽しめるんだなと、またひとつ音楽沼に深く深くズボッとはまった感覚がありました」。そう。みんな、帰らないの。『September』歌って(笑)。いや、そういうね、幸せなライブってあるんですよ。帰らないみたいな。で、その会場の人が「もう本当に早く出ていってくれ!」みたいな。会場の人はたぶん今、ちょっとしんどいんだろうけど。でも、それでもうみんな、すぐに帰ってましたけど。

でも、その『September』でもう楽しくて。みんなも踊っているのよ。『September』で(笑)。陽気に。いやー、いいなって思った。「そしてあの時、あの場所で『Blackbird』を共に歌った僕らはもう友達どころか、ブラザーということで間違いないよな、源ちゃん?」。出たよー(笑)。友達……そうね、あのアンコールのやつね。お客さんをさ、ソプラノ、アルト、テナーかな? そんな感じで分けて。「アー♪」とかって歌わせてさ。その3声を手で上げたり下げたりしてさ。ジェイコブ、いろんな楽器を弾くじゃん? で、最終的にはお客さんを弾くんだよね。歌わせて。で、すごいハーモニーでブワーッてやって。それで「Thank you」って終わるの。「うわーっ! すっげー!」って思った。

で、ちゃんとそれをお客さんもYouTubeを見て、超予習をしているみたいな感じもあったし。でも、それを知らない人もつられて歌っちゃって。すごく綺麗に歌えて、気持ちいいみたいな。なんか、いい瞬間でしたね。

観客を「弾く」ジェイコブ・コリアー

(星野源)それで……(笑)。「友達どころか、ブラザー」って、まだブラザーの方が、ちょっといいかも。うん。媚びてる感じ、しない。パーソナリティが媚びてる感じ、しないね? 「Brother」ね。続いて、埼玉県のラジオネーム「タクヨシムラ」。「わかるぜ、源ちゃん。リスナーの総称が『友達』って、さすがにダセえよな? そこで。提案リスナーの総称は『Friend』の頭文字を取って『F』でどう? 『Fリスナー』とか『Fの皆さん』みたいな感じで。源ちゃん、今週も2時間、俺たち、Fと遊ぼうぜ?」。ええと、出禁ですね。これはもう、却下ですね。

普通にダサいね。Fって(笑)。そうね。ダサくはないけど、いいね!っていう感じじゃないね。「おお、タクヨシムラ、さすがだね! いいセンスだ!」っていうことじゃないね。もう一通、送ってきてください(笑)。そんなわけでね、でもあの時、ジェイコブはお客さんと友達になってたね。やっぱりそこが器の違いかな?(笑)。俺はもう「友達になんてならない!」みたいなことを言ってるから、ダメなんだね。

いや、それでね、なんかインスタを見たら、もう違う国に行ってしまったようなのでね。寂しいですけれども。いつかね、また来たりするかもしれませんから。また……松重さんとか、見に行ったのかな? 松重さんも好きだからね。見れたら、見てくださいと思いました。はい。

<書き起こしおわり>

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