星野源 TBS新春ドラマ『スロウトレイン』の反響を語る

星野源 クインシー・ジョーンズ追悼選曲 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2025年ん1月21日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で2025年1月2日にオンエアーされたTBS新春スペシャルドラマ『スロウトレイン』についてトーク。リスナーからのメールを紹介しながら、ドラマを振り返っていました。

(星野源)1月2日にTBSにて新春スペシャルドラマ『スロウトレイン』がオンエアーされました。で、僕は作家の百目鬼見役を演じました。5月30日にBlu-ray&DVの発売も決定しているということで。感想をたくさんもらっていて、全然読みきれないんですけどちょこっと紹介しようと思います。三重県17歳の方。「『スロウトレイン』見ました。特に人といる孤独、今まで悩んでいたこのモヤモヤがこれだったのかと共感しかなく、涙が出てしまいました。それぞれの幸せの形は違うし、いい意味でリアルな内容で私も日常を大切に丁寧に過ごしたいなと思いました。たくさんの人に届く、置いてけぼりにしない素敵な作品でした。百目鬼見さん役は当て書きだったことを思い出して『野木さん、ありがとうございます』という気持ちでいっぱいです。新年早々、素敵な作品を見ることができたのでいい1年になりそうです。ありがとうございます」という。

そうですね。いや、本当にいい作品だったなと僕もリアルタイムで見てましたけど。僕、だいたいドラマって完パケっていうのを貰えるんですよ。放送する前に。だけども「放送で見たい」と思って一切、見ずにリアルタイムで、みんなと一緒のタイミングでね、見たんですけど。で、その百目鬼の役のセリフで「人といる時の孤独」っていうセリフがあって。「それが一番つらいと思っている」っていう。

「人といる時の孤独が一番つらいと思っている」

(星野源)そこがですね、そのセリフを読んだ時にですね、こう、なんですかね? ちょっとボロボロ涙が出てしまって。「すごいセリフを書くな」っていう。なんか、それがなんて言うんですかね? そこがもう、完全に自分と一緒だったんですよね。そういうところだと思うんですよね。その野木さんが当て書きって言っているところって。表面的なところとか設定ではなくてっていう。なんかそういうところを見られているっていうか、よく分かってくださって言語化してくださるなっていう。すごいなっていうのをすごく思いましたね。はい、ありがとうございます。

続いて兵庫県19歳の方。「新春TBSドラマ『スロウトレイン』、見ました。『家族のあり方を描く新時代のホームドラマ』とあるように、ひとつの普遍的な形だけに当てはめないストーリーが素晴らしかったです。別に結婚もしたくないし、まだ19歳なのに『早く結婚しろ』と親戚に言われて憂鬱な正月でしたが『スロウトレイン』を見て、自分の好きに生きていいんだと勇気をもらって少し前を向くことができました。年末の紅白からお正月のラジオ、1月2日の『せっかくグルメ』と『スロウトレイン』など年末から年始にかけて、たくさんの幸せをありがとうございます」。ありがとうございます。よかった、よかった。楽しんでくれてね。

いや、本当にそうだね。本当にだから、ああいうドラマが新春ドラマとして流れるっていうのは本当に、前も言ったけどすごく素敵なことだなと思いますね。なんかさ、「元気を出そう」とかさ、「頑張ろう」なんて言葉が一言もないし、そんな意図は感じないじゃない? そのドラマに。「人を元気づけよう」みたいな意図が演出にも脚本にも、全然感じないんですよ。だけど、すごく元気をもらうよね。なんか「生きていこう」っていうかさ、好きに……好きにっていうかね、「一生懸命、生きていこう」って思えるようなドラマだったなと思います。

大阪の方。「『スロウトレイン』、リアルタイムで見ました。繊細でとても素敵なお話でした。私は同性愛者です。今回、百目鬼見さんと潮くんは普通の2人として描かれていると感じました。『逃げるは恥だが役に立つ』でも同性のカップルが登場しますが、その扱い方はちょっと特別なアクセントになっていたように勝手に感じています。(『逃げ恥』も大好きなドラマです)。時代が進んで、私たちがもっと普通になったのかなと感じ、とても嬉しく思いました。その役が源さんだったのも本当に嬉しいです。寒い日が続きますのでどうぞご自愛ください」。ありがとうございます。

神奈川県23歳の方。「『スロウトレイン』、見ました。私は女性が好きな女性です。いわゆる同性愛者です。世間の『普通』と自分の『普通』は違くて、偏見にまみれていると思っていました。ですが『スロウトレイン』の中では同性愛も国籍の違う者同士の恋愛も普通の恋愛と同じように感じました。今では作品の中で同性愛というものがごく当たり前になっている世の中ですが、こんなにも性を感じず、それが自然であるように物語に組み込まれているのが心地よかったです。誰かを愛する気持ちに性別や国籍は関係ないんだなと思いました。世間と自分を比べて、勝手に『自分は普通じゃない』と思っている自分がよっぽど偏見にまみれているんだなと感じました。年始からこんな素敵な作品に出会えてよかったです。源さん、お体にお気をつけて。寒い冬を一緒に乗り越えていきましょう」。

ありがとうございます。そうですね。でも、そうだな。うーん。なんかこの方は「世間と自分を比べて、勝手に『自分は普通じゃない』と思っている自分がよっぽど偏見にまみれているんだなと感じた」って書いているけど、そんなことはないと思うんですけどね。やっぱりその世間とか社会っていうのは、なんだろう? なんかものすごくさ、別に本当は形のないものなんだと思うんだけど。なんか、人格があるように感じるじゃない? なんでか知らないけど。

で、その人格が当たり前で。それ以外はなんかまあ、排除するようなこともないとはもちろん思うんだけど。なんか、そう感じてしまうと、自分がそこにはまっていないと思うと、やっぱりそう感じてしまうっていうのって、なんだろうな? 自分が偏見があるってことでは全然、もちろんなくて。だからなんかそんなことをね、思っちゃうのかもしれないけれども。なんですかね? なんか、あのドラマ……そうだな。うん。「そこにある」っていう感じだったと思います。なんていうのかな? うん。「もう、ある」っていう。

なんか物語のものすごく大きなスイッチというか、フックというか、とかっていうよりも、なんかもう、ただあるっていう。で、なんかそこが全部そうだったんですよね。いろんな点において。で、そういうドラマってすごく少ないと思うんですよ。だから、すごく素敵だなと思いましたね。脚本を読んでいる時もそう思ったし、完成したものを見てもそう思いました。はい。で、なんかいろんな人からですね、連絡をいただいたりとかして。「すごく良かったです」みたいな。で、なんかさ、「何回も見てます」っていう人が多いんですよ。それってすごいなと思って。で、なんて言えばいいのかな? めちゃめちゃ、すごいどデカいことが起きるとかではないじゃないですか。あと考察要素があるとか、そういうことじゃないじゃないですか。

ずっと見ていられるドラマ

(星野源)だけど、なんかずっと見ていられるっていうか。なんか、素晴らしいドラマだなと思うし。「ドラマっていいな」みたいな(笑)。なんか、思いましたね。いや、本当に参加させてもらえて本当に嬉しかったです。はい。だからなんかね、『スロウトレイン』の特番でいろんな人に制作してる時にインタビューみたいな。で、リリー・フランキーさんが「もう毎年、やったらいいんじゃない?」みたいに言っていて。「いや、たしかに」と思って。あの渋谷家を毎年、見たいなっていうか。毎年っていうか……『やっぱり猫が好き』みたいな感じで見たいんですけど。週イチ、30分とかで見たいんですけど、みたいな(笑)。もちろん、野木さんが超大変になると思うんだけど。「それ、見たいな!」みたいな。すごい思ったなー。やりません?(笑)。

俺、出なくていいからっていうか。渋谷家を……だから『フルハウス』みたいなさ。なんか、そういう感じで見たいなって。だから、あれでだよ。『フルハウス』における、ええと……名前、ド忘れちゃった。ええと、うわっー! 山寺さんが声をやってる人。ジョーイおじさん? ジョーイおじさん、またはキミーみたいな感じで百目鬼見が出てくるっていうの、ちょっといいですよね。勝手に楽しみにしてます。はい(笑)。

新春ドラマ『スロウトレイン』、しみじみいいドラマでしたね。星野さんが言っているように『やっぱり猫が好き』とか『フルハウス』みたいな感じであの家族のあれこれをずっと描き続けてくれたらとても楽しいなと思ってしまいました!

新春スペシャルドラマ『スロウトレイン』

星野源のオールナイトニッポン・2025年1月21日放送回

タイトルとURLをコピーしました