渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でバッド・バニーがドレイクをフィーチャーした新曲『Mia』を紹介していました。
(渡辺志保)というわけでお送りしていますがここで私からもう1曲、推しチューンを紹介したいと思います。待ってた、待ってた、待ってた! 夏はまだ終わっていないと確信しました。バッド・バニー。プエルトリコ出身の方。それで「ラテン・トラップ」というジャンルがあって。バッド・バニーに関しては去年からちょいちょい『INSIDE OUT』で触れているし、今年やった若手……フレッシュマンを私とヤナタケさんがお互いに紹介し合うというところでもバッド・バニー、たしか紹介したし。
なんせ今年はカーディ・Bのアルバム『Invasion of Privacy』が発売されましたけど、その中でもいちばんヒットしているシングル『I Like It』のフィーチャリングでも知られるバッド・バニー。プエルトリコのトラップ王子が新曲『MIA』を発表しました。
そしてフィーチャリング相手はなんとド、ド、ドレイク! バッド・バニーとドレイクが一緒にスタジオに入ったっていうのは実は今年、2018年の1月下旬にすでにバッド・バニーがInstagramで紹介していて。「Drizzyと一緒にスタジオ入ったぜ!」みたいな。で、ドレイクもそれをストーリーかなんかに上げていたんですよ。バッド・バニーと一緒にいるっていうのを。もうすごい、匂わせていたのね。
で、まあファンはさ、順当にいくとドレイクの新しいアルバムにその曲が入っているんじゃないか?っていう風に推察していたんですけども、ドレイクのアルバム、今年出た『Scorpion』にはそのバッド・バニーとの曲は入っていなかった。なので「うーん? お蔵入りになったのかな?」って思っていたんですよね。あと、もうひとつ。ニューヨークで行われたレッドブル・アカデミーでレゲトン系のプロデューサーが「たしかバッド・バニーの曲はドレイクがなんとスペイン語でラップしてるんだよね」っていうのをポロッと種明かししていて。「なんだと!?」っていう感じになったんですけども。
まあ、お蔵入りではなくて無事に日の目を見たというところです。タイトルは『MIA』。スペイン語で「Mine(僕のもの)」のことを『MIA』と言うそうで、それがタイトルになっている。で、この曲はバッド・バニーの来るニューアルバム『La Nueva Religión』に収録されるんじゃないか?っていう風に言われているということですね。
で、いま申し上げた通りドレイクがスペイン語でラップしているの。で、よくこういう「ラテン・トラップとかラテン系の曲とレゲエはどう違うんですか?」みたいに言われることがたまにあるんですけど。レゲエはパトワ語。英語に近い言語ですね。で、こういうラテン系の曲は全てスペイン語でラップ、歌唱されますので、そこがひとつ線引きのポイントかなと思うんですけども。まあ、それにならってというか、ドレイクも全てスペイン語でラップしている。
ちなみにもうすでにこの曲はあるひとつの記録を樹立しまして。アメリカのSpotify、AppleMusicで1位になった史上はじめてのスペイン語楽曲ということですので、ここまでラテン系というかヒスパニック系、ドミネートしているんだなっていう風に思わされた1曲でした。
(DJ YANATAKE)あとね、インスタを見ていたらラッパーのRene Marsくん、いるじゃないですか。彼はスペイン語がめちゃくちゃしゃべれる人じゃないですか。で、彼も「ドレイクのスペイン語、めちゃめちゃ上手い!」みたいな。
(渡辺志保)おおっ、そうなんだ! すごい。
(DJ YANATAKE)っていう風に言っていたんで、発音的なところもばっちりなんじゃないですか?
(渡辺志保)だってさ、きっとドレイクはいままで、たとえば『More Life』っていうアルバムを出したけども、その『More Life』もパトワ語のスラングだったりするのよ。だからそういうちょっとさ、いままでジャマイカ訛りっぽくラップしていたりとか、ジャマイカっぽいスラングを使かっているとすぐにそっちの方の人たちから、本筋の人から「お前、わかったようなことを……またそうやって俺らのカルチャー盗んでんの? ええっ?」みたいに言われ続けて早10年っていう感じだと思うわけ。
だからさ、たぶんわかんないよ。バッド・バニーさんが「ドレイクさん、すいません。今回、俺と一緒にスペイン語でラップしてくれないっすか?」って言ったのか、もっと大きい神の見えざる手が「ドレイク! お前、いまこのタイミングでスペイン語でラップするんだ!」って言われたのかはわからないけど……。
(DJ YANATAKE)あと、そっち側は数字、ありますからね。スペイン語圏の数字、ありますからね。
(渡辺志保)このカーディ・Bの数字を見ろ! みたいになっているかもしれない。だからなにが、どういうマジックが働いたかはわからないけど。だからドレイクもめっちゃめっちゃめっちゃ真剣に「俺、ここでしくじれねえわ……」って思って「MIA, MIA♪」ってやっていたんじゃないでしょうか。
(DJ YANATAKE)でもそういうところに努力が見えるのはすごくいいと思うし。
(渡辺志保)いや、素晴らしい。清々しい。
(DJ YANATAKE)なんか押し出しているものが「カルチャー・バルチャー」って言われちゃうぐらいだから、逆に気をつけてやっている感じも。僕、マーチャンダイズをずっとチェックしていると、いちばん新しいドレイクのロンTは、もう売り切れちゃったけど、背中にガッツリと「Rap-A-Lot」って書いてあるっていう(笑)。
(渡辺志保)はー!(笑)。
(DJ YANATAKE)『Mob Ties』っていう曲があるじゃないですか。あれのマーチャンダイズで。そういうのも一応あったりね。なのでそういう風に言われちゃうかな? みたいなのもあると思うんですけども。ちゃんと今回のこの『MIA』はね、そういうのも気を遣っているんだなっていう。
(渡辺志保)素晴らしい。拍手をおくりたいと思います。というわけでいちばん最初がドレイクのバースになっているのかな? ぜひぜひ……ドレイクのコーラスになってるのか。まあ、どんな感じなのか?っていうことで聞いていただきたいと思います。バッド・バニー『MIA feat. ドレイク』。
Bad Bunny feat. Drake『Mia』
<書き起こしおわり>