渡辺志保 最新アメリカヒップホップ馬鹿リリック解説

渡辺志保 最新アメリカヒップホップ馬鹿リリック解説 INSIDE OUT

渡辺志保さんがニコニコ生放送『俺たちの一番長い日 タマフル24時間ラジオ』の中で、アメリカのヒップホップの最新楽曲の馬鹿リリックを紹介。ドクター・ドレ、2チェインズ、マック・ミラー、ニッキー・ミナージュ、カニエ・ウェストなどの馬鹿リリックについて解説していました。

渡辺志保 最新アメリカヒップホップ馬鹿リリック解説

(宇多丸)まずじゃあ、志保ちゃんの。

(渡辺志保)ありがとうございます。いろいろ馬鹿リリック、タマフルリスナーの皆さんにも、どういうのが刺さるのかな?って、いろいろ持ってきたんですけど。まず、いま映画も非常に話題になっているんですけど。西海岸の大御所、ドクター・ドレ(Dr.Dre)がなんともう16年ぶりに新しいアルバム、『Compton』というのを出しまして。

(宇多丸)『Detox』は結局、デトックスされなかったという。その前にずーっと作っていたアルバムがあるけど。

(渡辺志保)そうですね。出さなかったっていうね。で、本当世界中が待ち望んでいたアルバムでもあるんですけど。

(宇多丸)もうヘッドホン屋になってね、やる気ないのかと思って。

(渡辺志保)ビーツをね、作って。もうアップルの人になってましたから。ああ、ドレさん、またラップするんだってことで、みなさんワッ!っとね、買い求めた方も多いと思うんですね。で、基本的には、アルバム全体のトーンはいまと昔のコンプトン、変わらないじゃん。いまもずっとマッドなシティー。あまり治安もよろしくないし、いったい現状、どうなっとんねん?というような問題定義を投げかける、真面目なトーンのアルバムなんですけども。

(宇多丸)うんうん。

Dr.Dre『Talk About It』

(渡辺志保)そこにちょいちょい、ドレさんのユーモアというか。私もちょっと『Compton』が発売になって気になったのは、ドレさん、今年でもう50才なんですね。なので、もう世界中が待ち焦がれたラッパー。50才のラッパーがいま、何をラップしてるのか、ちょっと気になって。で、まあ基本的には真面目トーンなんですよ。なんですけど、1曲。イントロが明けて1曲目。『Talk About It』という曲の中で、『Goddammit, I’m too old, I forgot I got it all』っていう。

(宇多丸)うん。

(渡辺志保)あの、老化ネタを。自分で自虐ネタみたいな感じで。『畜生、俺は歳をとりすぎて、何もかも手に入れたことを忘れちゃったよ』っていうですね。結構ヒップホップって若者カルチャーなので、若ければ若いほどおもろい。若ければ若いほどフレッシュだっていうところがございますけども。その50才になった自分を、アルツハイマーネタじゃないですけど、ボケネタを差し込むところがちょっとドレさんならではというか。

(宇多丸)まあ、余裕ですよね。だって、『全てを手に入れた』っていうのは比喩じゃないですからね。

(DJ YANATAKE)そうですよね。リアル・ビリオネアですからね。

(渡辺志保)いや、そうですよ。アップルの人ですから。でもその後、ドクター・ドレの本名、『アンドレ・ヤング(Andre Young)』っていうんですよ。名前がもう『ヤング』ってついているので、『アンドレ・ヤングはまだぜんぜん食い込むぜ(And Andre still young enough to say fuck y’all)』っていう。その自分の本名プラス、ヤングとかけて。で、『まだまだファッキュー、ファッキューっていう元気もあるんだぜ(Fuck you, fuck you, and you in the corner too)』っていうのがその後に続くということでね。

(宇多丸)うんうんうん。

(渡辺志保)まあ本当に、アメリカ社会のいろんな所を、まずはまじまじと考えさせられるんですけど。で、まあそこのヴァースの締めで、『もしもビーフがほしいなら、それが本当にお前のほしいものなのか、考えろよ(If you wanna beef, make sure that that’s somethin’ you wanna do)』っていう。まあ、ビーフって、いろんな意味が。

(宇多丸)最近、ようやくね、タマフル界隈でも、こういうことかっていうのが浸透しております。ビーフ。まあ、諍いごとですよね。

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(渡辺志保)そうですね。そういうところにちょっと釘を刺すドレさん50才。

(宇多丸)まあでも『ビーフがほしいのか?』って、ビーフって、もちろん牛肉でもあるわけだから。そういうものとしての、その・・・

(渡辺志保)いろんなメタファーがあるという、ちょっとドレさんの50才をね、迎えられた・・・

(宇多丸)ビーフもクソもないけどね。いま、ドレ。だって。そんな対等にビーフになる人、いないでしょ?なに言っても惨めになるだけでしょ。だって(笑)。そういう余裕を感じさせますね。

(渡辺志保)そうですね。もう50才になってもまだまだ現役っていうね。それがまたこう、ビルボードのチャート、2位ですか?いま最高位。駆け上がるっていうのは、またドラマチックかなっていう風に思うんですけども。で、ヒップホップ、まあ馬鹿リリックすごく多いんですね。で、私がいちばん心を揺さぶられる馬鹿リリックって、『ヤンキーリア充自慢』。もうヤンキーのラッパーたちが、『いかに俺たちの生活が普段潤っているのか?』っていうのをもう、本当手を変え品を変え、いろんな表現でモテ自慢っていうのをするんですけども。

(宇多丸)うんうんうん。

(渡辺志保)たとえばですね、2チェインズ(2 Chainz)というカニエ・ウェスト(Kanye West)なんかとね、仲のいい、アトランタ出身のすごい背の高い、セクシーな出で立ちのラッパーがいるんですけども。

(宇多丸)はい。

2 Chainz『A Milli Billi Trilli』

(渡辺志保)彼のリリックの中で『Spend all these racks and I go crazy』。『Racks』というのはね、札束の積み上がった様子を『Racks』と言うんですけども。『それ(札束)を使い切ること』。そして『時速300キロで駐車場を走り去る(Leave out the parking lot doing a 180)』。イコール、高級車を乗り回すこと。で、『オープンカーの幌を上げて日焼けする(Drop the top and start sun bathing)』。で、『それで女を嫉妬させること。これが僕の生活なんです(Got all my side hoe frustrated This the life I waited on)』っていう。これが神様が作りたもうた俺なんですっていうね。

(宇多丸)うんうん。

(渡辺志保)リリックがあるんですけども。その中に、『ロレックスをつけたまま寝る』(I go to sleep with a rollie on)』っていう。

(宇多丸)(笑)

(渡辺志保)まあ、泥棒に入られてもいいように、ロレックスをつけたまま。

(宇多丸)自慢なんだかセコいんだか、よくわかんない・・・

(渡辺志保)寝る。そして、たくさんおモテになりますから、ロレックスと、『コンドームをつけたまま寝る(I go to sleep with a condom on)』っていうリリックが・・・

(DJ YANATAKE)(笑)

(宇多丸)それは・・・リア充なんですか?それは。

(渡辺志保)いつでも、こう・・・

(宇多丸)いつでもヤレる。

(渡辺志保)行為に及ぶことができるように。

(宇多丸)『コンドームは行為の寸前につけるように』って説明書にも書いてありますけどね。あれね。そうですか。

(渡辺志保)そうなんですよ。だから外す暇もないっていうね、感じの。

(宇多丸)なんか途中、ムレちゃったりなんかして大変だと思いますけどね。そうですか。

(渡辺志保)そうですね。伸縮したりしてね、ちょっといろいろ。

(宇多丸)そうですね。たしかに、ありますけどね。

(渡辺志保)と、思うんですけど。まあそういうね、おモテになる方は、そういうこともね。

(宇多丸)そういう、だから自慢の仕方ね。

(渡辺志保)ライフスタイル自慢。

(宇多丸)込みなんですかね?ひょっとしたら。『お前、それいいのか?』みたいなところも。

(渡辺志保)あ、そうです。そうです。だからもう、突っ込まれたいんですね。

(宇多丸)突っ込まれ待ちみたいなの、あるのかもしれないですね。

(渡辺志保)そうなんです。で、いま結構ね、世界中のリスナーがみんなネットとかでどんどんどんどん突っ込むような時代ですから。それでまた炎上みたいな感じになるんですけど。

(宇多丸)ふんふん。

(渡辺志保)後ですね、ヤンキーリア充自慢ですごくいいなと思ったリリックが、マック・ミラー(Mac Miller)というですね、新人の、本当ボンクララッパーみたいな男の子がいて。

(宇多丸)マック・ミラー?

(渡辺志保)マック・ミラーという男の子ですね。で、タトゥーとかバーッ!と入っていて、見た目はちょっと悪そうなんですけども。で、結構音楽的にもすごく注目をされているような若手のラッパーなんですが。彼のですね、新曲のリリックの中にもですね、最初1ライン目。曲の最初、何を言うか?ってところ、ラッパーの方はすごく・・・

Mac Miller『Break The Law』

(宇多丸)最初の掴みのところ。

(渡辺志保)こだわると思うんですけど。『うーん、朝起きて、まだお口の中がチョメチョメの味がする(Yeah, okay, I wake up with the taste of pussy still in my mouth)』っていう。まあ、チョメチョメはいろいろご想像にお任せ・・・

(宇多丸)朝起きると。要するに前夜に、オーラル的なことを、かなりガッツリやられて。歯も磨かずに寝てしまった。

(渡辺志保)はい。味がすると。で、そのまま起きちゃったと。で、『Bitch in my bed, homegirl still asleep on the couch』。やる女はベッドにいるんですよ。でもホームガール。地元の友達はちゃんとソファーに寝ているっていう。ボンクラなりにやっぱそこは境界線があるんだなっていう。

(宇多丸)どういうことですか?ちょっと、よくわかんないんですけど。

(渡辺志保)(笑)。そうなんです。女の子がたくさんいても、本命の・・・あ、ちょっといま、お子さんたちが・・・

(宇多丸)あ、そうですね。お子さんがいらっしゃるので。(収録現場を子供が横切る)あ、どうぞどうぞ。

(渡辺志保)お気になさらず。ちょっとね。はい。

(宇多丸)いまね、ちょっとね、あんまりお子さんには聞かせられない話が・・・

(DJ YANATAKE)夏休みのスタジオ見学ツアー見たいな。

(宇多丸)アナウンサー講座ですか?みたいなことを。

(渡辺志保)いや、素晴らしいですよね。本当。

(宇多丸)またこれもね、TBSのまあ、影の部分と言いますかね。

(DJ YANATAKE)影じゃないんじゃないですか?(笑)。

(渡辺志保)まあ、エデュケーショナルなね、部分ということで。はい。

(宇多丸)まあね、英語の勉強です。

(渡辺志保)ということがございます。いろんな女がいて。ベッドに寝る女もいれば、ソファーの上にも別の女がおるんですね。おるんやでというようなね、歌詞の内容なんですけども。で、その中でですね、『俺の頭がメタリカみたいにバンギングしてる(My head is banging like Metallica, swallow a bottle of Advil up)』っていうね。もう二日酔いなんですね。で、頭痛薬をボトルごと飲むみたいな。で、『その後にベッドルームに即戻ると、女がドラキュラのように俺のイチモツをくわえる(Then head back to the bedroom where she suck me dry like Dracula)』っていう。まあ、ヴァンパイア的なね。

(宇多丸)ああー、なるほど。ブチュー!って。ドラキュラっていうと、ぶっちゃけ噛むイメージがあるんでね、なんか、あんまりうらやましくないっていうか。

(渡辺志保)ホラーな感じが。

(宇多丸)痛い痛い!っていう感じしかないんですけどね。なるほど、なるほど。

(渡辺志保)っていうようなこう、リア充自慢がね。

(宇多丸)サックするわけですね。まさにね。

(渡辺志保)そういうところがございましたり。いいですか?このまま。ちょっとこういう下らない・・・

(DJ YANATAKE)下ネタ、受けてますよ。

(宇多丸)大丈夫ですよ。本当にね。

(渡辺志保)すいません、こんな明るいうちからね(笑)。そうなんです。あとですね、日本でそんなに過激なことをバンバンスピットする女性ラッパーって、ちょっと少ないのかな?まだ少ないのかな?と思うんですけど、アメリカのシーンですごくチャートを賑わせている女性ラッパーと言えば、ニッキー・ミナージュ(Nicki Minaj)という女の子がおりまして。彼女が結構馬鹿リリの宝庫というか。

(宇多丸)あ、そうですか?

(渡辺志保)もう本当、いままでに誰も思いつかなかったようなことを、バシバシバシバシ、パンチラインをね。で、最近ちょっと薄れてきたんですけど、もともとニッキー・ミナージュちゃんが3つのキャラクターを使い分けてラップしていて。まあ、ニッキー・ミナージュというラップキャラ。あとはオニカ(Onika)ちゃんという、自分の本名のオニカちゃんを使って、素の女の子のキャラ。あともう1個はね、自分がオカマちゃんに成りきったおネエキャラっていうのを自分の中で作っていて。

(宇多丸)おおー。

(渡辺志保)なのでこう、すごく面白い含蓄あふれる・・・

(宇多丸)オルターエゴを使うのはね、アメリカのラッパー、結構ありますもんね。日本はまだそんなにないけどね。

(渡辺志保)まあ、多重人格性というんですかね?

(宇多丸)やるかな。

(渡辺志保)あ、宇多丸さんも。

(宇多丸)いい加減、もうちょっと引き出し。もうちょっと行けるもんね。これね。もうちょっと伸びるもんね。

(渡辺志保)人格を増やせば、いろんな知見で・・・

(宇多丸)ぜんぜん、もう。俺の言ってることは最初から全部嘘っぱちだから。ぜんぜん、いくらでも。全部いけるからね。これね。

(渡辺志保)嘘っぱちってことはない・・・

(宇多丸)まあまあ、そのオルターエゴ。

(渡辺志保)で、彼女がですね、いちばん女の子としてグッと来るのは素の女の子。オニカちゃんとしてラップしているのがやっぱり女性のね、共感を呼ぶところなんですけども。彼女の最新アルバム『The Pinkprint』という中からですね・・・

(宇多丸)うん。

Nicki Minaj『Bed Of Lies』

(渡辺志保)『Bed Of Lies』。『嘘でまみれたベッド』っていうね。これは10年以上連れ添った元カレを攻撃する。辛辣に攻撃する。

(宇多丸)はあはあ。

(渡辺志保)で、元カレがまたちょっとかわいそうなんですけど。まあ、10年以上付き合ったんですが、ニッキーちゃんの、オニカちゃんの地元の友達で。ラッパーを目指しているんですけど、やっぱ彼女が急激に売れちゃったから。

(宇多丸)スーパースターになっちゃいますからね。

(渡辺志保)彼の方はどうしても日陰の存在というか。マネージャーさんみたいな。サイドマイクみたいな感じの扱いになっちゃってて。で、まあ昨年、10何年連れ添った彼と別れたんですけども。『あんたがゲットしたのは私の人脈でしょ?』っていう。

(宇多丸)これ、いちばん・・・いちばん言っちゃいけないやつを言う・・・

(渡辺志保)そうです。『あんたが得たものは私のアドレス帳だけ(Everything you got was based off of my contacts)』みたいなことをですね、スピットしていて。

(宇多丸)要するに、ちょっとあんまりいい別れ方をしないから、そういうことを言うんですかね?

(渡辺志保)そうなんですね。ちょっとまあ、そういうのもInstagramとかでちょっと意味深な写真とかを上げちゃって。もうリスナーとかもザワザワしちゃうみたいな。『なにがあったんだ?』っていう。で、その後にこう、『私のベイビーに言いつけて、あんたをブチのめしてやりたい。あんたを殺してほしいってベイビーに言ったの(I told Baby hit you, I said this nigga buggin’)』っていうラインがあるんですけど。

(宇多丸)うんうん。

(渡辺志保)『Baby』っていうのはオニカちゃんが所属している事務所の社長さんの名前がバードマン(Birdman)っていう名前なんですけど。愛称が『Baby』っていうね、あだ名で呼ばれていて。

(宇多丸)じゃあ結構具体的な人物を指しちゃっている。

(渡辺志保)そうなんですよ。なんで、『ウチの事務所の社長に言って、あんたなんか一瞬で潰してやれって言ったんだけどね。ウザいから』っていうようなことも。

(宇多丸)なんか感じ悪いっすねー、これ。

(渡辺志保)ねえ。でもそれで、やっぱ女の子的には聞くと・・・

(宇多丸)スカッとするわけですか?

(渡辺志保)スカッとする!

(宇多丸)いわゆる『男ざまあ!もの』というね。

(渡辺志保)ざまあ!ですよ。本当に。

(宇多丸)『ゴーン・ガール』を見た時のですね、20代後半以降の女性の反応が一様に『男ざまあ!』っていうね。

(渡辺志保)そう!もう緻密な計画のもと・・・

(宇多丸)なんならこれ、やってやりたい!みたいなことをみんな言いますからね。

(渡辺志保)恐ろしい話ですね。

(宇多丸)その、やっぱ『ウチの事務所の社長に』ってこの間、第三会議室。ロフトプラスワンでやって。K DUB SHINEの『でっかい事務所のバックがついている』っていうね。『かっこ悪いんだけど・・・』っていうね(笑)。そういうことを言ってましたよ。それをちょっと思い起こさせる・・・

(渡辺志保)やっていると。あと、ニッキー・ミナージュちゃん、結構ですね、話題になるラッパーの仲間も多いんですね。男女の仲を噂されてしまうっていう。で、ドレイク(Drake)っていう本当、スター級のラッパーがいて。あと、リル・ウェイン(Lil Wayne)っていう数年前に何百万枚と売ったラッパーがいるんですけど。彼ら、おんなじ事務所に入っておりまして。

(宇多丸)うんうん。

(渡辺志保)で、ニッキーちゃんは紅一点の存在だから、その2人ともとヤッてんじゃねーのか?っていう。

(宇多丸)まあ、邪推はしますね。これは。

(渡辺志保)そう。あんだけ一緒にツアーを回ったりとか曲を一緒に作って。一緒にヤッてんじゃねーのか?って。で、同じアルバムの中に『Only』という曲があるんですけども。

(宇多丸)うんうん。

Nicki Minaj『Only』

(渡辺志保)最初のヴァースでニッキーちゃんが『私はドレイクともウィージーともヤッてないわよ!(Yo, I never fucked Wayne, I never fucked Drake)』っていう宣言で最初のラインが始まる。で、その後にドレイクのヴァースが続くんですけど、『いや、俺はニッキーとはヤッてません(I never fucked Nicki cause she got a man)』。で、最後にリル・ウェインがヴァースをスピットするんですけど、そのヴァースも最初のラインが『俺はニッキーちゃんとはヤッてません(I never fucked Nicki and that’s fucked up)』っていうので始まるっていう。

(DJ YANATAKE)(笑)

(渡辺志保)ヤッてない釈明曲っていう。

(宇多丸)すごいですねー!

(渡辺志保)でもこれも、女の子的には、『スターラッパー2人が私を取りあう』みたいなシチュエーションで。

(宇多丸)ああー、萌えるんだ。

(DJ YANATAKE)そういう解釈なんだ(笑)。

(渡辺志保)あ、私はですけど。『どうしよう?もしドレイクとリル・ウェインが取りあっちゃったら、どうしよう?』みたいな。

(宇多丸)なるほど。ちょっとそういうようなね、『花より男子』でもそういうの、ありましたね。やっぱね。取りあってという。取りあわれ萌えみたいなね。

(渡辺志保)そういうシチュエーションも。

(宇多丸)向こうのラッパー、歩く週刊女性みたいなね。本当、てめーがタブロイド紙だろ?っていうね。

(渡辺志保)ネタの引き出しが、やっぱりこう、日本のシーンだとなかなか躊躇しちゃいそうなところも・・・

(宇多丸)なかなか嫌ですよ。そんな話。てめーの痴話喧嘩みたいな話を出すの。

(渡辺志保)ねえ。そうでしょう。そういうのも、どんどんエンターテイメントに。

(宇多丸)まあ、スターが揃っていればそれもできるかもね。要するに。誰も知らない・・・『おめー、俺の彼女?知らねえよ、お前の彼女なんか!』っていうね。

(渡辺志保)まあまあ、そういうこともね(笑)。

(宇多丸)なるけど、そっちも知ってる、こっちも知ってるだったらね。『COMA-CHIとデキてのんか?』みたいなね。

(渡辺志保)そう、ね(笑)。

(宇多丸)そんぐらい来ればいいじゃない。それは。

(渡辺志保)こっちもまあ、リスナーとしても邪推しがいがありますよね。

(宇多丸)だからスターがもっと出てくるといいのかもしれないね。

(渡辺志保)そうですね。いろんな選択肢が増えるかもしれない。

(DJ YANATAKE)あと結構スキャンダル本当にね、自分たちで見せてますからね。それとリリックがリアルに結びつくと、もう・・・

(渡辺志保)そうそうそう。

(宇多丸)そういうことを言うと、こっちゃんが『ほら!』なんつって。調子をこくからさ。面倒くさいんですから。そういうスキャンダルを売り物にすることと、人の住所を公共の場で言うは別ですからね。

(DJ YANATAKE)あ、それは別ですね(笑)。

(宇多丸)全く面白くないですからね。それはね。

(渡辺志保)いやいや、そういったことをね、どこでどう火がついちゃうか、わからないという。

(宇多丸)まあまあ、面白いところですね。そういうような楽しみ方も、向こうのシーンではされているということですね。

(渡辺志保)そうですね。はい。あとですね、もうひとつ。エイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)というね、私もTBSラジオで何度かご紹介させていただいたことがあるんですけど。ニューヨーク、ハーレム出身の超人気若手ラッパーがいて。彼がカニエ・ウェストというね、いろいろこう、アディダスと一緒にスニーカーを作ったりするようなスターラッパーですけど。彼と今回、初めて曲を作って。『Jukebox Joints』というね、すごくいい曲なんですけども。

A$AP Rocky『Jukebox Joints』

(宇多丸)うんうん。

(渡辺志保)その中で、カニエ・ウェストが、さっきも私が『ヤンキーリア充馬鹿リリック』っていうね、ひとつトピックがあって。あと、ニッキーちゃんが歌うような女子萌え馬鹿リリックがあって。最近はですね、カニエ・ウェストの親馬鹿リリックっていうのもすごくアツい。第一子のね、ノース(North)ちゃんという。

(宇多丸)ノース・ウェスト。

(渡辺志保)はい。ノース・ウェスト。これも笑っちゃうんですけど。

(宇多丸)ねえ。キラキラネームですらないよ。これ。もう。ダジャレネームだよ。

(渡辺志保)北・西ですからね。ノース・ウェストちゃんというね、長女。いま2才ちょっとっていう感じなんですけども。ノース・ウェストちゃんが生まれてから、結構もう親馬鹿路線にわかりやすく転んでいてですね。今年の初めにも、親馬鹿ソングをあのポール・マッカトニーと一緒に出したぐらいの親馬鹿っぷりを見せているんですけども。

(宇多丸)うんうん。

(渡辺志保)で、その親馬鹿なカニエが、エイサップ・ロッキーの曲の中でも、わざわざ親馬鹿なリリックを。

(宇多丸)人の曲の中でも。あれだね。人と一緒に飲んでるのに、『見る?俺の娘。俺の写真、見る?』みたいな。

(渡辺志保)そうですね(笑)。『見ろよ、歩くんだよね』みたいな感じの。

(宇多丸)『見る!?』みたいなね。『見ねーよ!バカヤロー!』っていう。『どうせブスのブラパンになんだよ!』なんてね。

(渡辺志保)ひどい(笑)。

(宇多丸)うん。これ、まあ定番フレーズでございます。

(渡辺志保)(笑)。あるんですけども。その中で、ヴァースの最後の方のラインで、『I got one child, one child But I’m fuckin’, fuckin’, fuckin’ like I’m tryna make four more』っていう。『僕には1人、娘がいるんですけども、あと4人できちゃうぐらいファッキン、ファッキンしてるよ』っていうリリックなんですけど。これも、自分の実生活と実はリンクしていて。

(宇多丸)うんうん。

(渡辺志保)カニエ・ウェストの奥さんって、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)っていう、本当にゴシップお騒がせお姉ちゃんみたいな。大家族の。

(宇多丸)リアリティーTVでも、全部出てますよ。あれは。

(渡辺志保)本当そういうお姉ちゃんと・・・

(宇多丸)あれ見ると、カニエがいいやつですよ。本当に。

(渡辺志保)もう常識あふれるいいやつに見えるんですけど。その奥さんのキムさんは自分の生活をリアリティーショーと言って、日本でも大家族ものってありますけど。

(宇多丸)それのまあ、セレブ版っていうかね。

(渡辺志保)はい。もう毎週毎週、彼女たちのセレブな生活が世界中にオンエアーされてますというような。そこで、最初第二子懐妊を目指してですね、不妊治療をキムさんがやっていて。で、その中で、結構ネット界でバズったフレーズがありまして。『私とカニエ、1日に500回もセックスしてるんだけど、子供ができないんだよね』っていう。そういう発言があって。

(宇多丸)うんうん。

(渡辺志保)それを受けての、カニエさんのこの『fuckin’, fuckin’, fuckin’(毎日ファッキン、ファッキンしてます)』っていう。まあ、それだけなんですけど。

(宇多丸)まあ、がんばってるんだけどできないっていうんだから、あんまり景気のいい話じゃないのかもしれない・・・

(渡辺志保)あ、でもね、無事。着床しまして。

(宇多丸)なるほど。着床して。瀬戸内着床して。なるほど、なるほど。

(渡辺志保)そうなんですよ。冬を迎える前には、第二子がドロップされるんじゃないかなと。

(宇多丸)だから山田くんの子沢山自慢みたいな、そういうやつですかね?うん。カマしてるぞ!っていう。

(渡辺志保)はい。というね、まあ本当、なんにもならない馬鹿リリックを紹介させていただいて。

(宇多丸)いえいえ、ばっちりですよ。なんかその、ほら。やっぱカニエとか、セレブでかっこいいし。曲だけ聞けばやっぱり、スーパーかっこいいわけですけど。そういう、人となりみたいなものを楽しむというか。まあ、ゴシップを楽しむとか。

(渡辺志保)そうなんですよね。

(宇多丸)まあ、さっきのニッキー・ミナージュも関係したね、ドレイクも出てきたほら、あるじゃないですか。まあ、ビーフとかも含めて。そういう下世話な楽しみ方するっていうのは当然、あるのかもしれないですね。

https://miyearnzzlabo.com/archives/29137
https://miyearnzzlabo.com/archives/29326

(渡辺志保)そうですね。結構日本のリスナーの方だと、英語がわからないっていうのもあると思うんですけど。結構真面目なリスナーの方が多くて。カニエさんもすごくラッパー界では超スターの、ド・アーティストなんですけど。かたや、アメリカのゴシップサイトとかを見てみると、もうゴシップキングとして扱われてもいるのでね。いろんなそういうラッパーの側面を、一緒に楽しんで行きたいし。私もね、微力ながら・・・

(宇多丸)こっちで下世話な話、するようなね、ちょっと古いけど、矢口真里がなんとか・・・みたいな。そういう話をするのと、ラッパーのそれが一致。一緒になって、曲も一緒になって、みたいな。そういうエンターテイメントっていうことですもんね。かっこいいし、面白いし、っていう。

(渡辺志保)そうです、そうです。なのでまあ、そういう楽しみ方もできますよというね。

(宇多丸)なるほど。そのゴシップ晒しに見合う収入あるなら、いっくらでも晒しますけどね。

(渡辺志保)(笑)。じゃあ、そろそろちょっと、そういうね、プロレス的な・・・

(宇多丸)プロレスは、でも金儲かる・・・実入りがね、なさすぎて。単に疲れるだけっていうのはね、ちょっとあれですけど。こっち、もらえるんだったらいくらでも。

(渡辺志保)(笑)。ちょっとその、マネタイズプランをね。

(宇多丸)はい。ということで・・・

<書き起こしおわり>

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