都築響一 地下アイドルを語る

都築響一 地下アイドルを語る NHKすっぴん!

都築響一さんがNHK第一『すっぴん!』にゲスト出演。宮沢章夫さんらと地下アイドルについて話していました。

(藤井彩子)では、ここでもう1曲、都築さんからのリクエストの曲をお届けします。今度は何にしましょうか?

(都築響一)これ、いま僕はずーっと……さっきはインディーズ演歌のお話をしましたけども、地下アイドルの取材をしていまして。で、地下アイドル界からひとつかけたいなと思って。これはもう「地下」というにはメジャーなんですけども。BiSっていうユニットが昔からありまして。そこの『nerve』っていう曲があるんですが。これは地下アイドル界のアンセムというか。

吉田豪とプー・ルイ BiS『nerve』のアンセム化を語る
プー・ルイさんが『猫舌SHOWROOM』火曜日『豪の部屋』の中で吉田豪さんと、BiS『nerve』のアイドルアンセム化などについて話していました。

(宮沢章夫)ええ。

(都築響一)みんな、これがかかると踊らざるをえないという有名な曲があるので。まずそれを聞いてください。

(藤井彩子)今日のすっぴんインタビューのゲスト、都築響一さんからのリクエストの曲。BiSで『nerve』をお聞きいただいております。

(都築響一)本当に用心棒(『MAMA…』)からBiSまで申し訳ないですね。めちゃくちゃな選曲で。

(宮沢章夫)でも一貫したなにかが感じられもするんですが。

(都築響一)「地下」っていうことですかね(笑)。

(宮沢章夫)それで都築さん、次になにを注目しているのかな?っていうのは気になりますよね。

(都築響一)その週刊でメールマガジンをやっているんで、いろんなことは同時進行でできるのが楽しいところなんですが。いま、新しい本をいろいろと用意していて、そのひとつがここ3年ぐらい月刊のアイドル雑誌で連載している地下アイドルの連載っていうのを本にしようとしているんですね。で、これはアイドルにもAKBみたいなメジャーなものから本当にそのへんのちっちゃいライブハウスで観客が5人みたいなところで。でも、ユニットには6人いるみたいな地下アイドルと呼ばれている誰にも知られていないアイドルさんたちもいるわけ。

(宮沢章夫)うん。

(都築響一)で、アイドル業界では「どんなアイドルにも3人はヲタがつく」と言われているんですよ(笑)。

(宮沢章夫)フハハハハハッ!

「どんなアイドルにも3人はヲタがつく」

(都築響一)で、地下アイドル雑誌から3年ぐらい前に「なんかやりませんか?」って誘ってもらって。で、地下アイドルをやりたい。2ページの連載なんですけど、片ページに地下アイドルさんたちをアイドルの部屋で撮影するんですよ。で、もう方ページにはそのトップヲタ、いちばんのファンをファンの部屋で撮影する。それはアイドルっていうのはただのアーティストじゃないわけで、ファンがいてこそ、ヲタが支えてこそっていう共犯関係というか、そういう関係にあると思うので。アイドルとヲタっていうセットで見せたいなと思って。で、部屋を撮影させてくれるなんてメジャーなアイドルではないですから、地下のアイドルになるので。

(宮沢章夫)はい(笑)。

(都築響一)で、それをずーっと50組近くやっているんですけども。だから、本当に苦労しているアイドルさんたちが多くて。けど、辞めないのはなんでだろう?っていうね。いま、女の子で18でアイドルをやっているとか言うと、学校ではむしろバカにされるんですよ。ダンサーやっているとかDJをやっているとか言うと「いいね」って言われるけど、アイドルって結構隠していたりしているんですよ。「まだやってんの?」みたいになるっていう。だけどそうしながら、本当にお客が数人みたいなところでも、一銭のお金にもならないけどがんばっている子たちがいて。それを支えているおっさんたちがいるという。まあ、女のファンも多いし。そういうのってなんなんだろう?っていうのはずーっと見ていると本当に面白いなって思って。

(宮沢章夫)うんうん。

(都築響一)それは結構楽しい取材になっていますね。

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(藤井彩子)それはいつ頃、1冊の本にまとまるんですか?

(都築響一)来年の早い時期にはなると思います。

(宮沢章夫)じゃあちょっと、ぜひそれを読みたいんですけども。

(都築響一)宮沢さん、だってアイドルとか興味あります?

(宮沢章夫)正直、ないんです。

(都築響一)ないでしょう? 僕もなかったんですよ。全然。で、メジャーなアイドルすら興味ないのに、マイナーなアイドルってなんだ?って思うんだけど。

(宮沢章夫)でも、あれですよね。その構造……ヲタとアイドルの構造。支える、育てるっていう気持ちがヲタの側にあるじゃないですか。それが僕、面白いと思ったんですよ。

(都築響一)本当ですね。だから今日ね、いろんなのを紹介しましたけど。でも、たとえば音楽的にこれがベストとかそういうことではなくて。ベストじゃなくてもいいんですよ。だけどその人たちがなんでこのことに命をかけているのか?っていうのを僕としては興味があったりするわけ。

(藤井彩子)そこを探してらっしゃるんですね。

(都築響一)そう。作品として最高とかじゃなくてもいいんですよ、そんなの。だけどこの人たちがなんで夢中になっているんだろう?っていうのがずーっと気になって。それが音楽や絵画など、いろんなことであるっていうだけで。スタンスは一緒なんだよね。

(宮沢章夫)そうですね。

<書き起こしおわり>

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