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都築響一と堀雅人 第七回高校生ラップ選手権を振り返る

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都築響一さんと高校生ラップ選手権の構成作家 堀雅人さんがDOMMUNE『スナック芸術丸』で第七回高校生ラップ選手権を特集。大会の名勝負を振り返りました。

都築響一と堀雅人 第七回高校生ラップ選手権を振り返る

(堀雅人)で、まあこのニガリがディフェンディング・チャンピオンになった形で迎えた第七回大会という形になります。

(都築響一)第七回ですね。はい。この第七回のですね・・・

(堀雅人)都築さん、会場にいらしていただいたんですよね。

(都築響一)はい。会場にいました。もうね、結構さ、すごいなと思ったのはあれですよ。大人たちが泣いてたもんね。最終的に。

(堀雅人)そうなんですよ(笑)。

(都築響一)みんなね、笑い話だと思うけど、結構最後涙ぐんでいたよ。みんな、本当に。高校生は誰も涙ぐんでないかもしれないけど、大人がさ、だんだん泣きやすいっていうか。でもさ、やっぱり熱いからさ。すっごい。だから終わった後、すごい仲良くしたりしてるのを見ると、結構おやじ、おばさんはホロリと来ちゃうんだよね。

(堀雅人)来ちゃうんですよね。悔しいことに。

(都築響一)そうなんですよ。高校生に泣かされたみたいな感じになるんですが。今回もこのね、2000人のパンパンの観客の中でやられたわけですが。堀さん的に印象的だったバトルとかっていうのを見せてくれますか?

(堀雅人)はい。ええとですね、大会を重ねていくと、春、秋と半年ごとにやっているんですけど。春の大会っていうのは卒業生が多いんですね。

(都築響一)ああ、なるほど。これが最後だと。

(堀雅人)そうです、そうです。で、ニガリもそうなんですけど、今回はRACKっていう、ニガリと同じ第三回から来て、以降全部出場してた子と・・・この子も卒業で。もう1人、TAKAっていう大会初期を支えてくれたラッパーの子がいて。この子はちょっと途中、いろいろ私生活上の問題があって、大会から離れていたんですけど。

(都築響一)ああー。

(堀雅人)2年ぶりに、なんかいろいろ身辺の整理をして。

(都築響一)身辺整理。はい。

(堀雅人)まあね、ヒップホップっていろいろあるじゃないですか(笑)。

(都築響一)ああ、アンダーグラウンドなものがね。高校生ですけどね。

(堀雅人)いや、本当そうなんですよ。高校生なのにね、そんなハードな身の上の話があったりすんの?っていうようなことを経て、最後の大会だってカムバックしてきたWillyWonka a.k.a TAKAっていう子のバトルがあって。それはとっても、大会一の名勝負っていろいろ言われている感じのやつがありますので。

(都築響一)そうなんだ。ちょっと見せてください。だって、あれだもんね。お母さんが刑務所から応援してます、みたいな人とかいたもんね。

(堀雅人)ああ、そうですね。S-MA BISKETっていうその子もね、ラストなんですけど。

(都築響一)だってほら、見て。みんなさ、東京とかじゃないもんね。


(堀雅人)そうなんですよね。でね、この言xTHEANSWER(いうとぅーざあんさー)ってね、いま早送りで申し訳ないですけど。彼もね、新1年生。前回、ニガリにものすごく肉薄する名勝負を演じた子がいて。



(堀雅人)で、今回のね、この子とニガリの決勝になったんですけど。まあ、言っちゃいますけど。なんかね、それはね、本当に良かったです。とっても良かったです。

(都築響一)これさ、みんなどうやって考えてるの?このネームを。言xTHEANSWERっていう顔じゃないじゃん。これ(笑)。それがかっこいい。どうしてるんだろうな?と思いながら。

(堀雅人)いや、もうかっこよくないと思いますよ(笑)。そのルールが独自すぎて、こっちもね、言われるままですから。基本的には。

(都築響一)まあ、そうね。

(堀雅人)『あ、そうなんだ』って。

(都築響一)『それ、よくないよ』とは言えないもんね。

(堀雅人)ねえ。言うのも違うじゃないですか。だから、なんかね、言われるままなんですけど。でも、その言語感覚が独特っていうのも僕ら、やっぱり面白いんですよね。

(都築響一)そうだねー。自分が芸能プロの社長だったら、こんな名前ぜったいに付けさせないもんね。

(堀雅人)ぜったい付けないです。

(都築響一)(笑)。まあだけどさ、ねえ。この子たちが自分で考えてるんだからさ、面白いよね。それはね。

(堀雅人)でね、今回この言xTHEANSWERっていうのが、ニガリに負けたことでそれを糧にして勝ち上がっていくっていうのがまた1個、ドラマチックでね。とっても良かったんですよね。

(都築響一)ほうほうほう。もうすでにあれだね。目標ができたわけだね。人生に。すごいですよねー、これね。

(堀雅人)逆に言うとさっき、自転車を漕いでいたニガリっていうのから言xTHEANSWERはバトルの何たるかっていうのを知って。それで本当にちょっと見ていて涙腺がゆるんじゃうぐらいのことを・・・

(都築響一)また大人を泣かせると(笑)。

(堀雅人)そうなんですよ。泣かせやがるんですよ。俺ね、たまにね、自分でオーディションで選んで、ラップさせて泣いているって、こんなマッチポンプねーなっていう風にね(笑)。

(都築響一)(笑)。いや、いいじゃない。これ、リアルだってことですよ。

(堀雅人)なんか俺、寂しいのかな?っていう風にね、ちょっとね(笑)。

(都築響一)寂しかないでしょうけどね(笑)。いや、でも大人を夢中にさせるっていうのはすごいよね。本当ね。だってさ、ライブ行って泣くとかないもん。いま。そりゃあ、普通。ねえ。それも自分よりさ、僕なんか40才くらい下のやつに、それに泣かされるって、どうなってんの?っていうね(笑)。

(堀雅人)40才のことなんか、つい昨日のことのように思い出せるはずなのに。

(都築響一)でしょう?しかもだって、全員素人なわけだしさ。で、見た感じでかっこいいとかじゃないわけじゃない?

(堀雅人)そうです。素人で童貞の場合、ありますからね。

(都築響一)ああ、童貞率高いみたいですね。なんかね

(堀雅人)高いですよ。本当に、もう。

(都築響一)高校生ですからね(笑)。

(堀雅人)なんで童貞にこんな泣かされるかな?っていうね。

(都築響一)(笑)。童貞に泣かされるところが悔しい?

(堀雅人)本当ですよ。童貞に泣かされてる暇があったらね、もうちょっと性生活が充実した方がね、ぜったいにいいんですけど。

(都築響一)だって、性生活っぽい番組もいっぱい作ってるじゃないですか。BAZOOKA!!!で(笑)。

(堀雅人)BAZOOKA!!!、ぜひね、BSスカパー!で見ていただきたいと。

(都築響一)かなりヤバいの、いろいろやってらっしゃいますよね。

(堀雅人)ちなみにですけど、月曜日は非常階段のみなさんに出ていただいて、ノイズ特集っていうのをやったんですよ。

(都築響一)あ、そうですね。ノイズ入門じゃなくて、なんかやるんですよね。

(堀雅人)はじめてのノイズっていうのをやって。

(都築響一)はじめてのノイズって(笑)。誰と誰が出るんですか?

(堀雅人)非常階段と大友良英さんに出てもらって、セッションをしていただいたりとかって。とっても楽しかったですね。

(都築響一)それはうるさい番組になりそうな。

(堀雅人)うるさかったですよ(笑)。僕は放送でしか見てないですけど、うるさかったですね。

(都築響一)ねえ。でもそうやってさ、テレビでそういうのが見れる時代になったって、すごいですよね。

(堀雅人)本当、そうですね。あとは願わくば、本当契約して見ていただけると(笑)。

(都築響一)契約、僕だってしないんだけど。あのさ、マンションにケーブル(TV)とか入っているとできないケースが結構あるんですよ。だから、ネットで見れたらお金払ってもいいから見たいんですけど。地域のケーブルがあるじゃない。それだと入れない場合が結構あるんですよね。そう、だから、月額いくらとかでネット対応できるとすごいいいですね。世界中で見れるのにね。そしたら。

(堀雅人)そうですよね。もう、システムのことを言われたらシュンとしちゃうばっかりですけどね(笑)。

(都築響一)いやいやいや(笑)。

(堀雅人)とりあえず、まずは見ていただければ。

(都築響一)誰か心あるものが、有志がYouTubeによく上げてますもんね。

(堀雅人)そうなんですよね。『いやー、面白かったですよ!YouTubeで見ました!』ってみんな言うんですよ(笑)。

(都築響一)(笑)。9割はYouTubeだろうと。

(堀雅人)『ありがとう!でも・・・』っつって(笑)。

(都築響一)『契約してね』みたいな。

(堀雅人)まあ、ぜんぜんうれしいですけど。

(都築響一)それはね、僕のメルマガも一緒ですから。『読んでます、いつも』『えっ?購読してくれてるの?』『いえ、フェイスブックで・・・』みたいな。『違うよ、それ』みたいな感じですけど、まあ見てくれないよりはいいという感じですけどね。すごい盛り上がってますね。これ。

(堀雅人)これもね、良かったですよ。ラップ選手権名物になっているんですけど。オタクとヤンキーの対決っていうのがね、あるんです。で、いまこれ、画面向かって右の方がANATOMIAくんっていうネットラッパーなんですよね。

(都築響一)ネットラッパーですよ。僕もね、この子でネットラッパーっていうのを初めて体験した。リアルで見た。やっぱ、こういう子が増えてるんだなっていう。ネットラッパーってどういうことか、ちょっと教えてくれますか?

(堀雅人)ネットラッパーって、たまにオーディション来るんですけど。ニコ動でしかラップを見てない子。

(都築響一)すごいですねー!

(堀雅人)だからこの子は煽りVで言ってたんですけど、Zeebraとか聞いたことがなくて。『ジブラさん?ジーブラさんですか?』みたいな(笑)。

(都築響一)(笑)

(堀雅人)そこ、あやふやなんだ!っていう感じで。でも、ラップは上手いんです。ネットで見ていて。で、彼曰く、ネットラップの特徴はフロウがすごく多彩だっていうことを言っていて。で、ああ、そうなんだと思って聞いてるんですけど。上手いんです。上手いし、今回もヤンキーの、川崎のね、ものすごく悪い子と延長になる白熱の試合をやったんですけど。



(都築響一)ほう。

(堀雅人)いかんせん、人前でバトルするの初めてで。

(都築響一)ああ、ニコ動だからね。

(堀雅人)そうなんです。だからマイクの持ち方とかわかってないんですよ。あんまり。

(都築響一)(笑)

(堀雅人)いちばん効率的に声を拾えるみたいなところがちょっとあやふやだったりとか。そういう、なんて言うんですか?始めたての生な感じを見れるっていうのが。

(都築響一)すごいですね。だけどライブハウスじゃなくてニコ動から出てくるっていうの、すごいね。もうね。

(堀雅人)で、いまこれがRACKとTAKAというね、試合ですね。RACKっていう子は本当に高校生ラップの名物選手になった子出。京都のラップがとにかく上手い・・・

(都築響一)向井市と言えばあれですよね?ANARCHYの出身地ですからね。

(堀雅人)ああ、そうですか。なるほど。

(都築響一)団地街がバーッと広がっていて。

(堀雅人)向島の団地の・・・

(都築響一)はい。

(堀雅人)で、この子は本当、普通の、悪いわけでもない、ラップが好きな。

(都築響一)普通の高校生って感じですよね。あ、大学に行くやつ、いるんじゃん!

(堀雅人)そうです。ただ、大学生なんですけど、岐阜のね、短大に行って。男で短大に行くってあんまりいないなっていう(笑)。

(都築響一)そうですね(笑)。邪心を抱いて行ったのか?(笑)。

(堀雅人)よっぽど将来迷ったんだなっていう感じのね。

(都築響一)うわー、『不安』って言ってますよ。あ、チェリーボーイ。

(堀雅人)そう。童貞が1個売りになっているっていう感じの。

(都築響一)童貞売りですか!?すごいですね。

(堀雅人)まあだから、そういう意味ですごく自分に置き換えても見に覚えがあるウジウジ感っていうか。高校の時、俺、こうだったなって思うような。授業中に話を聞いていたら・・・僕、毎回、いじりメモっていう小籔さんが読む、特色をメモで一行二行言うやつのための取材をみんな1時間ずつぐらい、電話で聞くんですけど。話を聞いてると、授業中に授業を聞いてないで。たとえば『オクタビアヌス帝』とかって言うじゃないですか。そしたら、内容はなくて『オクタビアヌス帝』っていうのでいくつ韻を踏めるか?みたいなことしか考えてないんですって。

(都築響一)最高ですね!(笑)。

(堀雅人)っていってると、もう授業は終わっちゃうみたいな。

(都築響一)なるほど!それは短大でもヤバいかもしれないですけど。

(堀雅人)ヤバそうでしょ?でも、俺も高校の時って、コントをそんな風に考えていたなとか。なんかそんなようなボンクラ具合がとてもいい子。

(都築響一)いや、でもすごいね。それは。

(堀雅人)かたや、このTAKAっていうのは1回目の大会。本当に1回目。スタジオでやっていた時に出てきた。当時15才。

(都築響一)15才だもんね!これ、覚えている。子どもが来た!って思ったもん。

(堀雅人)本当ですよね。で、好きな武将が長宗我部元親っていうね、なんか(笑)。

(都築響一)(爆笑)

(堀雅人)なんでだろう?っていう(笑)。いや、とにかくかわいくて。で、ラップが上手くて。とっても僕はファンだったんです。で、この試合がとっても良くて。これね、De La Soulの『The Bizness』っていうすごくいいビートの上で、GOMESSとすごいいい勝負をしたんです。



(都築響一)ほうほう。

(堀雅人)で、ただこの後に、ちょっとグレちゃう。

(都築響一)ああ、あれから2年。

(堀雅人)で、その間に何があったか?っていうのは、まあ彼がこの後ね、たぶん作品にしたりするだろうから。

(都築響一)顔、変わっちゃったもんね。

(堀雅人)でしょう?

(都築響一)いろんなことを見てきた感じがしますね。

(堀雅人)本当にいろいろなことがあったらしくて。ねえ。『パクられる』とか言ってるでしょ?なんか。

(都築響一)すごいですね。『ヒガモー(被害妄想)』ね(笑)。

(堀雅人)10代っぽいですね。ヒガモー。で、これが1年ぐらい前のオーディションの様子なんですけど、やっぱり目つきも・・・

(都築響一)ああ、ヤバいですね。

(堀雅人)っていうね、非常にピリピリしたオーディションを。みたいなことを経ての、今回、ようやく吹っ切れて。

(都築響一)これ、だけどさ、あれじゃない?会場で流していたやつじゃない。このへんですでに僕たち、泣いてましたから(笑)。

(堀雅人)それ、早くないですか?(笑)。

(都築響一)すげー!みたいな感じで。ああ、いい顔になったと。

(堀雅人)これ、お互いにラスト大会っていうので。はい。

(VTR 小籔コメント)RACKくん、結局童貞をキープしたまま高校を卒業と。短大の合格通知が届いた直後、高校3年間ずっと通ったサイファーに行き、仲間にフリースタイルで合格を報告した・・・

(都築響一)ほう。

(堀雅人)シャレてるでしょ?フリースタイルで合格を報告したのに、『えっ、マジで?』って普通に返されたっていうね。

(都築響一)そうなんだ(笑)。

(堀雅人)そこ、フリースタイルじゃないんだ?って。

(都築響一)そっか。驚かれたっていう。

(VTR 小籔コメント)高校生ラップ選手権から遠ざかっていた2年間はかなりろくでもない日々。周囲の人に本当に恵まれたと思う。ねえ、そういう風に思えてよかったです・・・

(堀雅人)こういう話、真木蔵人さん、大好きですからね





(都築響一)こうやって、たぶんMCバトルを初めて見る人もいると思うので。ねえ。ちょっと見てみましょう。これをね。

(堀雅人)っていう、これが即興で行われているという。高校生が。

(都築響一)即興だもんね。17、8の子がさ。チェリーボーイだよ。

(堀雅人)ですよ。本当にね、『女性器ってどうなってるか、知ってる?』って言ったら、すごいオドオドするんですよ。この・・・(笑)。

(都築響一)(笑)。ヒドいオヤジですね!

(堀雅人)ねえ。っていうので、審査員の漢さんとR-指定さんがすごく迷って。これが延長になります。

(都築響一)ああ、延長ね。時々延長になるんですよね。もう1回ね。これはまた、盛り上がるところですよね。

(堀雅人)そうですね。延長がね、また良かったんですね。

(都築響一)見てみましょう。

(VTR ダースレイダー)はい、終了!

(都築響一)すごいねー。これ、17、8の子どもが即興でやるっていうのがさ。とんでもないことになってきましたね。これ。

(堀雅人)これの事前特番でスチャダラパーに出てもらったんですけど。スチャダラパーはラップを始めた時に、冗談みたいにして、『将来高校生が即興でラップやっちゃったりして』みたいなことを言っていたけど。本当になったっていう。

(都築響一)なっちゃいましたね。これ。

(堀雅人)と、まあTAKAが勝ったんですね。

(都築響一)いやー、でも両方すごかったよね。このRACKくん、めっちゃ上手いもんね。

(堀雅人)上手いです。で、まあRACKが勝ったっていう人もいっぱいいるし。そんな感じで。

(都築響一)いや、でもどの勝負を見ても、ねえ。これは両方に上げたい!みたいなの、いっぱいあったもんね。

(堀雅人)そうですね。で、今回これでRACK、負けて。引き上げる時に、会場の2000人がもう全員が『RACK!RACK!』っていうのが、俺、見ていて泣きそうになっちゃった。

(都築響一)また泣くっていうね。

(堀雅人)なんかね、もう自分の仕事で泣いているっていうね。もうね。

(都築響一)いや、最高ですね。

(堀雅人)あ、終わりのね、バックステージの(映像が)。

(都築響一)いや、でも(TAKAくん)立ち直ってよかったですね。

(堀雅人)いや、本当ですよ。で、いま普通に仕事をしながら、作品は彼のTwitterとかをフォローしてもらえれば、PVとかもUPしてますし。そのグレてた時のことをラップで作品にたぶんこの後、してくると思うんで。

(都築響一)ああ、最高ですね。

(堀雅人)卒業生、みんな個々に作品を出していると思いますから。ねえ。見てもらえるとうれしいです。

(都築響一)やっぱさ、見てくれている人でラップが好きな人もいっぱいいると思うんだけど。このさ、ラップとMCバトルはちょっと違うゲームじゃないですか。で、これ、司会をしているダースレイダーさん。司会っていうか、ジャッジというか、レフリーですよね。僕、ダースレイダーさん、前に取材させてもらって。『夜露死苦現代詩』っていう本の中に入れたんですけど。


(堀雅人)うん。

(都築響一)やっぱね、ダースさんはすごい頭いいんだよね。それで、いろんなことを話してくれて。なるほどなっていうことはいっぱいあったんだけど。どうやって練習してるんですか?みたいな話をしていて。やっぱね、毎日2時間ぐらいはかならずフリースタイルをやるっていうわけよ。その頃ね。ずいぶん前だけど。とにかくビートを流しっぱなしにしておいて、絶対に途切れないようにして、ずーっと自分でフリースタイルでなんか言ってるんだって。

(堀雅人)うんうんうん。

(都築響一)でさ、長くやるとどうなるか?っていうと、頭の中の考えとね、しゃべる口との間には、新しい回路ができるっていうんだよ。それってさ、僕たちが英語が上手くしゃべれないっていうのと一緒であってさ。英語はもう、わかっているわけじゃない。延々勉強して。だけど、上手くしゃべれないっていう人はいっぱいいると思うわけよ。外人と会ったらね、アウアウ・・・となっちゃうと。

(堀雅人)うん。

(都築響一)だけど、長いこと、たとえばアメリカなりどっかに行って、どうしてもしゃべらなきゃいけないっていう時間をずっと持つうちに、なんか直結する回路ができて、普通に英語をしゃべれるようになったっていう瞬間ってあるんだよね。それと同じでさ、考えていることが口に出せるようなトレーニングっていうのをこの子たちはずっとやっているってことだよね。

(堀雅人)ずっとやっている。大阪のDKっていう子に聞いたら、テレビを消してビートだけ出しておいて。テレビってテロップが出るじゃないですか。あれで見たテロップでずっと韻を踏むっていうのをやってるって言ってたし。

(都築響一)うわっ、すごいですね。

(堀雅人)あと、試合を見ていると、中には普通の言葉、日常話している言葉よりも韻の方がルールが強いから、ヒップホップのゲームの中で韻を踏んだら、その韻に引っ張られて言葉が変になっていくというか(笑)。そっちのルールの方が強いんだ、この子はっていう。普段しゃべっている言葉よりもっていう。

(都築響一)でも、韻がドライブしていく新しい文章っていうのは作れるってことだもんね。それでね。

(堀雅人)だからなんかたぶん普段、自分の言葉を伝える、日常の言葉よりもいまこの子にとっては韻が、先行している言葉の方がすごくイニシアチブが強いんだろうなって思う瞬間とかいっぱいあって。そういうの、面白いですよね。

(都築響一)いや、すごいよね。だってさ、第一世代、第二世代のね、30代から50代ぐらいまでのラッパーたちっていうのはアメリカっていうお手本があってさ。いろいろ見たりして、かっこよくなりたいなって。自分たちもかっこよくなって、モテたりして。なるべくかっこいいラップを作っていく。でもさ、そういう世代じゃないんだよね。もうね、たぶんね。

(堀雅人)そうですね。

(都築響一)で、これを見た人はわかると思うんだけど、だいたいこう、イケてないって言うとあれだけど。高校のクラスの中では、やっぱり負け組にいる子が多いわけじゃない。結局は。

(堀雅人)まあまあ、はいはい。

(都築響一)だって普通にさ、がんばって進学組になってさ、いい大学に行って・・・みたいな子じゃないわけじゃない。ねえ。だけど、そういう子たちがさ、頭の中では、わかんないふりしてボーッと黒板を見ているけど、これをどうやっていいフロウにしようか?とか、韻を踏んだらどうなるか?っていうさ。一見なにも考えてないような負け組の子たちが、いちばん苦吟してるっていうのがすごいな!と思うよね。

(堀雅人)そうですね。

(都築響一)だから頭がいい人がさ、上手い文学が作れるのと違うっていうのと一緒だよね。

(堀雅人)まあ、勉強ができるやつが勝てるゲームではないっていう感じもね、しますね。

(都築響一)本当だよね。だからこれはすごい経験値とさ、スキル。それからあとさ、瞬発力の勝負じゃない。相手がこう言ったことをこう返しながら、しかも韻を踏むみたいなことがさ、すごいなと思うよね。

(堀雅人)そうですね。だから僕、一番最初に日本語のフリースタイル面白いなと思ったのってもう10年ぐらい前なんですけど。バトルがだんだん盛り上がってきた時分。そん時は、職業上芸人さんが面白いことを切り返しで言った時と似たような高揚感がね、やっぱあるっていうんで。

(都築響一)なるほどね。

(堀雅人)とても面白くね。もともとヒップホップ好きなんですけど、あ、これ最高じゃん!って。で、ようやくこう形にできたっていう。

(都築響一)ああ、だからあれかもね。10年ぐらい前の熱い漫才の世界がこっちに移っているのかもしれないね。もしかしたらね。

(堀雅人)ああ、なんか競技人口が増えるといいですね。

(都築響一)だって一時はさ、みんな漫才になりたかったわけじゃん。子どもは。だけどそれがさ、やっぱり移って来ているのかもしれないね。だから漫才って一時、あれじゃん。ハングリースポーツみたいなもんで、のし上がるものだったじゃない?

(堀雅人)M-1全盛の頃とか、そうでしたよね。

(都築響一)でしょう?で、ああいうのもさ、昔の漫才じゃないじゃん。瞬発力のゲームじゃない。完全に。

(堀雅人)ルールもあるし。

(都築響一)だよね。だからそういうのがさ、トレンドっていうと良くないと思うけど。みんなが向かうエネルギーがこっちの方に来てるのかもしれないなって。

(堀雅人)たぶんダースとか漢さんとかがやっている新UMBみたいな動きってたぶんそういうような構想もあったりするんじゃないですか?どんどん年下のやつがガンガンやってくるっていうね。

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(都築響一)その、最後にね、そうなんですよ。これから、秋に第八回があるわけじゃない?今後、どうなっていくんですか?これは。

(堀雅人)僕らはまあね、なるべく長く続けたいってことと、あとまあ、春・秋とやるんですけど。春は卒業のシーズンで。秋はニューカマーがやってくるっていうことになるんで。どういう才能と会えるのか?っていうのはちょっと楽しみですね。

(都築響一)なるほどね。高校野球にしたら、春大会みたいなもんですね。

(堀雅人)みたいなもんで。今回の1年生世代っていうのは去年の秋に出てきたんですけど。もうみんなびっくりするぐらい上手くて。

(都築響一)そうなんだ。

(堀雅人)で、やっぱり高校生って成長が早いから、1年1回の大会だとやっぱ少なくて。半年でもガラッとスキルが変わるので。

(都築響一)なるほどね。だってもう初期はさ、お手本すらなかったのが、もうこうやってニガリにあこがれて入ってくるみたいな子がどんどん出てくるんだもんね。大会に。すごいですね。本当。あの、そのUMBとっていうのはどういう?

(堀雅人)UMBのことは実はそんなに僕らとしてはあんまり関知してないんですけど。彼らは同じBSスカパー!っていうステーションの中でUMBの大会をオンエアーするっていう風に聞いてるんで。そことまあ、優勝者が出たりとかっていう連動は自然に行われていくという感じでね。

(都築響一)まあ、そうやってあれですよね。15のラッパーと45のラッパーが同じステージで戦うみたいなことになったら、すごいことになりますよね。それって。で、オヤジが負けたりして。

(堀雅人)ねえ。『お前、童貞だろ?』『お前、勃たねーだろ?』みたいな、なんかそういう(笑)。

(都築響一)(笑)。勃ち問題ですか?それ(笑)。

(堀雅人)もう最低のバトルがね、こうね、行われたりとかね。

(都築響一)いや、でもさ、そういう年代の違うものが同じ土俵で勝負できるっていうのはさ、ものすごい珍しいものだから。

(堀雅人)そうですよね。あと、これは高校生で区切ってますけど。学校だったらぜったいに友達にならない同士がラップっていう共通のルールだとバチバチやるっていうのはやっぱり醍醐味だったりするんですよね。1個、共通のルールと、その、人種っていうとあれですけど、趣味の違いを超えるし、たぶん年齢も超えるしっていうので。

(都築響一)ヤンキーと引きこもりとかさ。これだいたい、あれですよね。修学旅行先の京都で会ったらケンカになるようなやつらが・・・

(堀雅人)お前、それラップじゃなかったら絶対カツアゲされてるぞ!っていうようなこととかね。

(都築響一)本当ですよね(笑)。ラップのおかげで仲良しが増えたと。いいですよねー。はい。というわけであっという間に1時間になってしまいましたが。最後にですね、そのニガリが優勝したやつを見て、おしまいにしましょうか。

(堀雅人)決勝を。じゃあニガリとですね、言xTHEANSWERっていう。

(都築響一)いや、でもこれはみんなさ、やっぱり感動すると思うので。みなさんも秋の大会はぜひ・・・ぜひっつったって、すぐ売り切れちゃうんだよね。これね。

(堀雅人)いや、そんなことないですよ(笑)。

(都築響一)本当ですか?

(堀雅人)毎回ヒヤヒヤなんですから。チケットに関しては。

(都築響一)だって満杯じゃん。

(堀雅人)本当にね、1回、興味があったら会場に来ていただけると。こうやってね、ギャルとかいっぱい来るんですよ。なんか・・・(笑)。



(都築響一)すごい。これ、見て。パンパンだよ、本当に。2000人。

(堀雅人)この2人は前回、六回目でも当っていて。延長に行って、言xTHEANSWERが負けているんですよ。だからこの子にとってはリベンジ。ニガリにとっては返り討ちにしたい。

(都築響一)面白いねえ。

(VTR ダースレイダー)はい、終了!

(堀雅人)これ、実は延長になってしまうんです。で、いまの実はニガリが前回大会の言xTHEANSWERのフロウをカマしたら、それに返して。で、さらにフロウで返したりとかってすごい高度なことをやっていて。で、これで決まらないんです。

(都築響一)決まらないと。漢さん困っているということで、もう1回、行くわけですね。じゃあ、そこまで見ましょう。

(堀雅人)もうね、もう1回決まった時の高校生同士のね、青春感とかもなかなかいいんですよ。

(都築響一)もう涙と(笑)。

(堀雅人)『お前、がんばれよ』みたいな。

(都築響一)すごいっすねー。

(堀雅人)ニガリの男子人気が半端ないんですよ。

(都築響一)男子人気ですか。やっぱり。そこがヒップホップの辛いところですね。ちょっとね。

(堀雅人)ちょっとね、(言xTHEANSWER)ボーッとしちゃってて。(ビートに乗り遅れる)。

(VTR 言×THE ANSWER)申し訳ないです。

(都築響一)(爆笑)

(VTR ダースレイダー)今のは、MCニガリが許せばOK。

(VTR MCニガリ)ぜんぜん、大丈夫です!

(VTR ダースレイダー)よーし、OK!

(堀・都築)(爆笑)

(堀雅人)もう、最高ですよ。なに、いまの笑顔?なんですか、あれ?

(都築響一)もうすでにオヤジ涙みたいな(笑)。

(VTR ダースレイダー)はーい、終了!

(都築響一)素晴らしいですね。いま、見ている20代の若いラッパーが全員がっくり
きてるかもしれないですけどね。このね、みんながいつも聞いているラップとは違うMCバトルっていうのがいかにね、日本語の最前線に来てるか?っていうのもわかってもらえたと思うし。秋にまた第八回があるので。ぜひ見ていただきたいということで。はい。前半を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。堀さんでした!

(堀雅人)ありがとうございました。失礼します。

<書き起こしおわり>
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