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吉田豪 マサ斎藤を語る

吉田豪 マサ斎藤を語る ラジオ
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(吉田豪)でもそんなマサさんが病でちょっと弱っちゃっているっていうのが寂しい話なんですが。「そのマサさんのご病気、いつ頃からわかったんですか?」って聞いたら、「99年に引退してその間もなくなので2000年ぐらいで。最初は唇が少し震えるのがあっただけで、こんなにヘビーになるとは思わなかった」ってマサさんも言っているんですが。まあドーパミンを脳内で出すには歩かなきゃいけないらしくて。「毎日歩いていて若いのと一緒に練習もしていると本当に気分的にいい。もうすぐ70才だし、70才なんてラッキーセブンだから!」っていう感じで(笑)。

(ピエール瀧)10ケタの方で言うんだ(笑)。

(吉田豪)フハハハハハッ! へこたれないんですよね。「病気を患いながらもいまでもトレーニングしているって聞いて、まずびっくりしたんですよ」って聞いたら、「でもね、ウェイトは昔ほどできないね。昔ほど重いのは上げられない」って、当たり前なんですよ(笑)。で、「最近だから雑誌も新聞も読めなくなったんだけど、いまプロレス界はどうなの?」ってなぜか僕が聞かれていろいろと説明することになったんですけど。

(ピエール瀧)うん。

(吉田豪)「まあ、全体的にかなり落ちたところで徐々にがんばっているぐらいの状態で。規模を小さくしてそこで地固めしているような感じで、小さいなりに盛り上がれるようにはなってきたというか……」って答えたら、「殺気立った試合はないの?」って聞かれて。で、猪木さんがIGFっていう自分の団体でそういうことをやろうとしているとか、まあいろいろと最近のプロレスの状況をレクチャーしたらマサさんが「地方が入らなかったらどうしようもないね。客を呼べる選手がいない。キツいね……いま、プロレスのテレビ中継をやっているのは10チャンだけ?」って言われて。「まあ、Noahも日本テレビが終わっちゃって、新日本が地上波では最後の砦ですよ」って言ったら、「新日本だけか。寂しいな」っていう感じで。

(小島慶子)ふーん。

(吉田豪)「マサさん、人生でやり残していることはありますか?」って聞いたら「なにもないんじゃないかな? ずっと好きなことやってきて。もう1回体を作ってリングに立ちたいとは思うけど、それは無理だろうし」って言いながらも、その欲があるのがすごいと思ったんですよ。

(小島慶子)うん。ねえ。70才ですもんね。もうそろそろ。

「もう1回、リングに立ちたい」

(吉田豪)なおかつ、その病ですよ。で、「この間行ったアメリカで……」ってマサさんが言いかけたところで奥さんが説明してくれたんですけど、今年の1月末にフロリダのプロモーターがやっているイベントでハワイに呼ばれたらしいんですね。レスリング・リユニオン2011っていう、ハリー・レイスとかケン・パテラとかミスター・フジとかアイアン・シークとか、要はマサさんと同世代の往年のプロレスラーたち、おじいちゃんたちが招待されていたんですが。そんな中でマサさんだけはガンガンロープワークっていうリングの中を走り回ってまだまだやれることをアピールしたっていうね(笑)。

(小島慶子)ふーん!

(吉田豪)っていうことがあったんですよ。その時の、それに関するマサさんと奥さんのやり取りが面白かったんで。マサさん役を瀧さん、奥さん役を小島さんでちょっと読んでいただけますか?

(ピエール瀧)じゃあ、僕がマサさんですね。「フジなんてなんだ、あれ? 大げさだよな。なんか歩行器みたいなの使って」。

(小島慶子)「みなさん、それだけのお歳でしょう?」。

(ピエール瀧)「あんなのは使わない!」。

(小島慶子)「だって使わなきゃ歩けないんだから」。

(ピエール瀧)「あれ、オーバーだよ!」

(小島慶子)「本当に必要だから使っているのよ!」。

(ピエール瀧)「車椅子だってギミックだよ。ロープワークはやろうと思えばできる。みんな大げさなんだよ!」。

(小島慶子)「大げさじゃないって! 本当に歩けないんだって! ハリー・レイスも車椅子で、若い奥さんとかがお世話していたじゃん」。

(ピエール瀧)「フフフ(笑)」。

(吉田豪)みたいな感じで(笑)。

(小島慶子)これ、奥さんが本気で説得しているんですか?(笑)。

(吉田豪)そうですよ。まあ、みんな本当にベテランレスラーで体も弱っていて車椅子とか歩行器を使って歩いているんですが、「絶対にあんなのおかしい。あいつらギミックだ!」っていう風にマサさんは言い張るんですよ(笑)。プロレスラーなんですよ、本当に。

(ピエール瀧)コスチュームなんだっていうことですね。

(吉田豪)「あいつら、あんなのは演技してるだけなんだよ」みたいな(笑)。とかの話を聞いているうちに、マサさんなら復帰もできるんじゃないか?っていう気がしてきて。そう伝えたら、「うん。藤波は元気なの?」って聞かれて「異常に元気でしたよ」って伝えて。「プロレスだけだと飽きるから、今度は野菜を作るみたいです」って伝えたら、「あいつ、百姓になるの?」「いえいえ、そうじゃなくてプロレスも。それをやるとプロレスが新鮮にできるようになるっていうことです。マサさんはプロレスに飽きなさそうですね」って言ったら「プロレスは飽きない」「プロレス以外でなにか好きなものは?」って聞いたら「ない。体を鍛えることだけ」っていうね。まあ、一貫したマサ斎藤ぶりに感動して。

(小島慶子)うんうん。

(吉田豪)で、奥さんがそこで「今日は本当に話が聞きづらくてごめんなさい。自分で歩いて自己発電でドーパミンを出して。ろれつはかなり回るようになってきたんですけど。だけどだんだん取材しているうちに蚊の鳴くような声になっちゃって。お腹から声が出ないみたいで。鍛えれば治るかもね。ね?」って言って、「うん」って答えたから。「だったらがんばりましょう」っていう感じで。奥さんは本当にマサさんがまだリングに立ちたいと思っているとは知らなかったんですよ。

(小島慶子)ふーん!

(吉田豪)とっくに諦めたと思っていたから、「やっぱり死ぬ前にもう1回、立ちたいんだ?」って聞くと、「死ぬ前にって言うか……」っていう。1回どころか、何回も立ちたいの?っていうことで、普通に復帰したいことが判明っていう(笑)。

(ピエール瀧)フフフ(笑)。

(吉田豪)「俺、もう69才なんだよなあ……」って言いながらも、奥さんが「でもカムバックしたいんでしょう?」って言うと「うん」っていう。「いいじゃない。素敵なことじゃない。69才でも目標があるなんて。お医者さんは絶対に止めるけどね」って言ったら「でもプロレスが落ちていると……」「俺が出なきゃダメだと思っているわけ?」「まさか。ただ、寂しいよ」みたいな。なんか、夫婦のいいやり取りなんですよ。「なんか本当にいい夫婦関係だと思いました」って伝えると奥さんは笑いながら「そうですか」って言った後、マサさんは「……キツいよ」って言っていて(笑)。すごいんですよ。

(ピエール瀧)プロレスが大好きなんですね。とにかくね。

(吉田豪)大好きですね。それと体を鍛えることが大好き。で、マサさんの自伝って本当に浮気というか女遊びの話がずっと書いてあったんですよ。海外での。で、「奥さんはなにがすごいってそういうのを書かれた過去を知った上で結婚したことですよね?」って聞いたら、奥さんが講談社に友達がいて、一緒に本を作ったらしいんですよ。こういう本にしようって。「それ、すごいですよね?」って言ったら「だって彼の人生じゃないですか」って。「昔かなり遊んでいたのも、それはそれですか?」って言ったら「そりゃあそうですよ。私も遊んだし」みたいな感じで。「遊ばない人って魅力がないじゃないですか。遊ばない人ほど、後から狂い咲きするから。私は遊んでいた方がいいと思う」っていうね。

(ピエール瀧)うん。

(吉田豪)奥さんがなんか本当にボブ・マーリーとかの通訳をしていたような人で。奥さんも結構自由な人だったみたいで。

(ピエール瀧)なるほど。奥さんも肝が据わった方でらっしゃるという。

(吉田豪)据わってます。いい夫婦ですよ。

(小島慶子)そうですね。なんかプロレスラーの方って割と家族を大事にする人って、いままでいろんな方の話をお聞きしましたけど……。

(吉田豪)基本、そうじゃない人が多いんですけど。

(ピエール瀧)たまたまこのコーナーで藤波とか……(笑)。

(小島慶子)そうそう。

(吉田豪)藤波さんが異常に奥さんを大事にする人で。マサさんも大事にしない時期もあったんだろうけど、いまはいい夫婦になっているということですね。

(小島慶子)ああ、そうなんだ。基本、やっぱり荒くれ者ばかりなんですね。

(吉田豪)そうですね。こんだけタフなマサ斎藤さんも長州力さんと新日本を辞めてからWJという団体を作ったんですよ。その話を振った時の元気のなくなり方もすごくて。そのぐらいから声が蚊の鳴くような感じになっちゃって。本当、あのマサさんにもこれだけダメージを与えたWJっていうのはすごいなと思いました。

(小島慶子)うまく行かなかったの?

(吉田豪)大借金を抱えて。長州さんがそれまでの仲間たち全員と仲違いするぐらいの状態になって。

(小島慶子)ああ、そうだったんだ。大変だったんですね。

(吉田豪)それで上手く行かなくなってから、長州さんがたぶんそういうストレスで家庭内でなんかDVをやるようになったみたいな記事が週刊文春に出たりとか。いろんな波紋を与えた団体で。そう。WJの話を振った瞬間に無言になっちゃって。「WJの話は思い出したくないですか?」って聞いたら「うん」っていう感じの。

(小島慶子)ああ、そうなんですね。心残りがあるから、なんかもう1回なんとかプロレスを。元気にならないかなって思ってらっしゃるんでしょうね。

(吉田豪)で、そんなマサさんをWJ時代、長州の思いっきり秘蔵っ子だった佐々木健介さんがなんとか自分の団体に引き入れた形でマサさんはそこにいるんですが。で、僕が取材終わって健介さんがちょうど戻ってきたところで伝えたんですよ。「いま、マサさんが復帰するって言ってましたよ」って言ったら大爆笑をしながらも「マサさん、すごい練習してるからなー!」って言っていて。「無茶なこと言うなー!」みたいな(笑)。

(小島慶子)ねえ。いまは闘病中ということですけどもね。吉田豪さん、割とそういう人が豪さんと会うと励まされるみたいなことが多いのでね。またインタビューに行かれるかと思いますけども。またぜひね、このコーナーで。

(吉田豪)ぜひとも1回リングに立ってくれたらうれしいですね。

(小島慶子)というわけで今日はマサ斎藤さんのインタビュー話をうかがいました。ありがとうございました。

(吉田豪)はい。どうもー。

<書き起こしおわり>

※吉田豪さんのマサ斎藤さんインタビュー収録!

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