フルーツ研究家の中野瑞樹さんがTBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』にゲスト出演。安住紳一郎さんと果物の種をついつい取っておいてしまう話をしていました。
(安住紳一郎)そして今日は果物ではない容れ物には種がありますけども……。
(中野瑞樹)私も、種を……。
(安住紳一郎)あらっ! 私も美味しいグレープフルーツに当たったら種を取っておくっていう動物的な習性を持っているんですけども。
(中野瑞樹)一緒です。
(中澤有美子)つながった(笑)。
(中野瑞樹)種は捨てません。
(安住紳一郎)捨てない?
(中野瑞樹)捨てないです。もう全部、ストックしてあります。
(安住紳一郎)ええーっ! でも、あれですよね。グレープフルーツとかは接ぎ木しないといけないから。実生の収穫は大変だから……って。
(中野瑞樹)ああ、そうですね。種のまんまで生えてくると花が咲くまでには何年も時間がかかります。だから接ぎ木だと結構次の年にもう花が咲いたりするので早いですね。はい。
(安住紳一郎)で、その果物から種を取って植えるんですか?
(中野瑞樹)庭にまいています。だから芽が生えてきますね。でもこれは売っちゃダメですよ。あくまでも趣味の範囲内だったら法律的に問題ないっていう。
(安住紳一郎)パテントがありますもんね。
(中野瑞樹)そうなんですね。
(安住紳一郎)へー。いやいや、そうですか。やっぱり美味しいフルーツに当たったらうれしくって種、取りますよね。
(中野瑞樹)そうですね!
(安住紳一郎)フフフ(笑)。
(中野瑞樹)種がね、愛おしいんですよ、私。人間でいえば赤ちゃんですよ。
(中澤有美子)たしかにー!
(安住紳一郎)いや、私も……当然、当たり外れがありますよね。だからやっぱり当たりを引いた時、嬉しいですよね。で、「その設計図がここに入っているんだ!」って思うと、「この設計図、なぜ捨てる?」って思って(笑)。
(中野瑞樹)気持ち、すごくわかります(笑)。おなじです。
(安住紳一郎)ですよね。
(中野瑞樹)先々週聞いていて、「おなじだ!」って思いましたもん(笑)。
(安住紳一郎)すっごい取っておく癖があるんですよ(笑)。
当たりの種は取っておきたい
安住紳一郎 グレープフルーツ強化週間を語る https://t.co/Hv1RJPkgzG
(安住紳一郎)美味しいグレープフルーツを買ってきて開いた時ってとてもうれしいじゃないですか。それで、その美味しかった時の種を保存し始めました。— みやーんZZ (@miyearnzz) 2018年6月17日
(中野瑞樹)すごい量ですよ。今日はわずかですけど。ゆずとゴーヤしか持ってきていないんですけども。ほとんど、全て。あと、緑のピーマンなんて種が柔らかいですよね。赤くなったら硬くなります。だから種が柔らかい間は食べてほしくないので、葉っぱと同じ色にするんですよ。食べられにくいように。で、ものすごく苦くしています。
(安住紳一郎)なるほど!
(中野瑞樹)で、赤くなってきて甘酸っぱいですよね。ゴーヤも同じです。あれだけ苦いのにゴーヤも熟れてくると黄色くなって。実は真っ赤っ赤になって甘くなるんですよ。このTBSの建物の外にもゴーヤが植わってますけども。秋ぐらいはすごく甘くなっています。
(安住紳一郎)なるほど。それで他の鳥とかに食べてもらって種を運んでくださいよっていうことになるわけですね。
(中野瑞樹)そうです。植物は動けないから。食べてほしいので、甘くしたりとか。苦さをなくして、香りをよくして目立つようにして。
(安住紳一郎)そうかそうか。赤ピーマンと緑ピーマンって品種が違うわけじゃないんですね。
(中野瑞樹)そうですね。同じ形であれば同じ品種で。たまに赤が混ざっています。
(安住紳一郎)じゃあ緑から成熟していくと甘い赤に変わるという?
(中野瑞樹)そうですね。甘酸っぱいです。で、種もちょっと固いです。すると消化されにくくなるんです。
(安住紳一郎)なるほど。で、排泄をしてどこかの畑で殖えていく。
(中野瑞樹)だから本当に熟した果実だけが唯一食べられたがっている食べ物です。唯一です。
(安住紳一郎)たしかに。うーん。
(中野瑞樹)これだけで体を満たしたらなにかいいことが起きるんじゃないか?っていう好奇心は持っています。
(安住紳一郎)そうですね。たしかに。うーん! 魚とかは人間に捕まるの、嫌がりますよね。
(中野瑞樹)そうですね。生命をいただいているんですよね。他の食べ物は。
(安住紳一郎)唯一、果物が果実の色を変え、甘さを提供し、「どうぞ動物。私をいま食べてください。私の生命もつながりますので……」ということを言っているということですね。
(中野瑞樹)その時に「果物」っていうのは木に実る果実のことなんです。だから生産者さんを介して私たち消費者が木を増やすことにつながります。いま、地球温暖化とか問題になっていますけど、ひとつは木を増やさなきゃいけないのに、毎年九州と北海道を合わせた分の面積の土地の緑が少なくなっているんですよ。地球から。
(安住紳一郎)砂漠を緑化する研究者を目指し勉強を始めたというのはそこにつながってくるんですね。
(中野瑞樹)そうなんです。それがきっかけでフルーツにたどり着いたという感じですね。だから世界中の人みんながもっと食べたら、緑を増やせるんですよ。
<書き起こしおわり>