カルロス矢吹さんが文化放送『くにまるジャパン極』にゲスト出演。かつて青森県住宅供給公社の巨額横領事件に関連したとされるチリ人妻アニータ・アルバラードの2018年最新情報を紹介していました。
(えのきどいちろう)いちばん十八番のネタとも言っていい、僕が大好きなネタ、アニータを。アニータ、純子さん、知ってますか?
(鈴木純子)知ってますよ。
(カルロス矢吹)青森県住宅供給公社巨額横領事件の黒幕とされていた人ですね。
(鈴木純子)じゃあちょっと、私が振り返ってみますね。青森県住宅供給公社の巨額横領事件。2001年、仙台国税局の税務調査でおよそ14億5000万円の横領が発覚。横領を行ったのは当時の経理担当者の男性で、その妻がアニータさんでした。横領の14億5000万円のうち、およそ11億がチリに帰国していたアニータ・アルバラードさんに渡っていたとされ、マスコミも現地取材に訪れて、国境を超えた大騒動になったんでしたね。
(えのきどいちろう)覚えていますよね。この、だから住宅供給公社の人。僕は青森はナンシー関が青森出身だったんですよ。ナンシー関の友達が同じところに勤めていたんだっけな? なんか紹介してもらったりして。「すごいですよ!」みたいな感じで、青森の人からも話を聞いたりして、結構盛り上がって。ナンシーもこの話は大好き。アニータネタが大好きだったんですけど。2001年のことでしたか。このアニータさんに会ったの?
(カルロス矢吹)はい。っていうかいまも定期的に連絡は取っているんで。もう、ほぼ友達です。
(鈴木純子)友達? へー!(笑)。
(えのきどいちろう)連絡取ってる?
(カルロス矢吹)いまも電話かければ普通に出てくれるんで。ここに出演するにあたって、改めて連絡も取ったんで。
(えのきどいちろう)ああ、そうっすか(笑)。
(鈴木純子)最新情報も(笑)。
(えのきどいちろう)どういう状態なんですか、いま?
アニータはいまがいちばん面白い
(カルロス矢吹)いまがいちばん面白いですね。アニータが。で、2001年以降、じゃあどうなったのか?っていう話なんですけども。いま、アニータはチリの超有名タレントになっていまして。
(鈴木純子)タレントさん?
(カルロス矢吹)はい。いまはもう、アニータはチリで有名タレントになっています。
(えのきどいちろう)もともとタレントなの? どういう感じでタレントになっていったの?
(カルロス矢吹)まず、アニータってあんまり彼女は経歴を隠していないんですけども。もともとはチリで売春婦みたいなことをやって生計を立てていて子供を食わせていたんですよ。で、いま子供は9人いるんですけど。日本に来る前にすでに3人産んでいたんですよ。
(えのきどいちろう)はい。
(カルロス矢吹)で、そうやって食っていて、そのお金で日本が稼げるからっていうことで来て。で、ああいう風になってチリに戻ったんですけど……チリでは、もともとは11億のお金があったので8億円の豪邸を建てたんですよ。横領したお金で。
(えのきどいちろう)青森県住宅供給公社のお金で。
(カルロス矢吹)8億円の豪邸を建てていたんですけど、それで有名になったわけじゃなくて、チリってカトリックの国なんで、カトリックの考えとしては売春婦っていうのは悪。地獄に落ちるっていう考え方だったんですけども。「それなのに、なんかいい暮らしをしているぞ。この彼女はなんなんだろう?」っていうので、『カーサ・デ・アニータ(アニータの家)』っていう、要するに24時間ずーっとアニータの家にカメラが張り付くっていう『ビッグダディ』みたいな番組が……。
(えのきどいちろう)リアリティーショー?
(カルロス矢吹)そうです。リアリティーショーのチリでの走りみたいな番組なんですけど。で、チリの平均視聴率ってだいたい8%取れれば人気番組らしいんですけど、それで35%を記録して。
(えのきどいちろう)お化け番組じゃないですか!
リアリティーショーで大人気に
(カルロス矢吹)もう紅白歌合戦並みのすごい視聴率を叩き出して。そこで、「昔はそういう仕事をしていたかもしれないけど、いまは普通にお母さんをやっている。しかもすごい幸せそうにやっている」っていうことで、アニータ・アルバラードっていう女性の評価がチリ国内で逆転したんですよね。それで、一気に人気タレントになっていったという感じなんですよ。
(えのきどいちろう)はいはい。
(カルロス矢吹)で、アニータだけじゃなくて、それをきっかけに娘のアンジー・アルバラードっていう長女がいるんですけども。アンジーもすごい美人で人気が出て、チリの『テラスハウス』みたいな番組に出て。彼女もいまだにモデル・タレントとしてチリで活動しています。
(えのきどいちろう)『テラハ』に出て人気モデル・タレント。はー!
(カルロス矢吹)で、アニータはその番組きっかけで1個、レギュラー番組が決まりまして。それがすごく、アニータがどういう人か?っていうのを表しているんですけども。ボランティアドキュメンタリーみたいな番組なんですよ。で、どういう番組か?っていうと、チリの貧困地域に行って、アニータがまず学校を訪問するんですよ。そうすると、「アニータさん、実は今度、新しく入学する子供たちの教科書や机がないんです」「わかった。私に任せてちょうだい」ってアニータが言うんですよ。
(えのきどいちろう)フフフ(笑)。
(カルロス矢吹)そしたらアニータが次はチリのお金持ちたちのところを回るんですよ。「こういう風な状態なんだけど、あなたたちのお金でチリの小学校に机や教科書を買ってくれないかしら?」って言うと「わかりました。アニータさん。あなたがそこまで言うんだったら、子供たちのためではなく、あなたがそこまで言うんだったらあなたにお金を託しましょう」っていうので、アニータがチリのお金持ちからお金を受け取って、それを小学校に還付して、子供たちが笑顔で「アニータさん、ありがとう!」って言うのを「いいのよ。みんな、また来週も見てね!」っていうのを毎週やっています。
(えのきどいちろう)タイガーマスク状態ですね。その、もともと青森県住宅供給公社の話っていうのはチリの人は知っているの?
(カルロス矢吹)知らないです。僕が取材に行った時も、アニータの家って近所の人のたまり場みたいになっているんですけども。で、取材中に近所の人がわらわらと集まってくるんですよ。それで「日本から取材が来ていてね」っていう話で。「アニータって日本ではどういう評価なの?」って言われて、僕が「こういう風ですよ」って話をしたら、「えっ、そうなの?」ってそこではじめてチリの人も知る。それぐらい、日本の事件のことはチリの人たちは知らないです。
(えのきどいちろう)へー!
(カルロス矢吹)ただのタレントさんだと思っている。
(えのきどいちろう)貧困から立ち上がって、貧しい人の味方になるタイガーマスクみたいなタレントさんとして知られている?
(カルロス矢吹)そうです。で、そのボランティアドキュメンタリーはいま、終わっちゃっているんですけど、新しい番組が去年から始まりまして。新番組が始まりまして、これがみんなが思っていることで言えないことってあるじゃないですか。政治家に突撃したり。そういうのを、アニータがみんなの代わりに本当に聞きに行くっていう番組なんですよ。
(えのきどいちろう)フフフ(笑)。
突撃アニータ
(カルロス矢吹)だからたとえばいまの日本だったら、佐川さんのところに行って、「佐川さん! 本当のところ、どうなんですか? あなた、見たでしょう!?」みたいなことをアニータが突撃しに行くんですよ。
(えのきどいちろう)アニータが必要だな!(笑)。
(鈴木純子)えっ、ちょっと日本まで来てほしいですよね。
(カルロス矢吹)日本でもしやるとしたら、デヴィ夫人とかになるのかな?っていう感じなんですけど。そういうのがやっぱり、どこの国にもあるわけですよ。そういう風な、みんな奥歯に物が挟まっているけど、直接聞けないようなことをアニータが国民を代表して聞きに行くっていう。そういうポジションにいま、アニータはなっていますね。
(えのきどいちろう)いまのルックスとはビジュアルはどんな感じになっているんですか?
(カルロス矢吹)ちょっとというか、だいぶお腹周りは……。
(鈴木純子)豊かに。
(えのきどいちろう)むしろ迫力が増しているわけ?
(カルロス矢吹)そうです。
(えのきどいちろう)そういうことなんだ。しゃべりは立つわけですね。
(カルロス矢吹)めちゃめちゃ上手いですよ。
(えのきどいちろう)へー! そうか。突撃……でも、日本でも権利を買って放送してくれたらいいですよね。CSとかでやってくれれば、結構俺とか原稿のネタに困らなそうな感じしますけどね。そんななってるんだ、アニータ。アニータの話ってさ、僕とUstreamかなんかでもやったし、TBSとか他局でもやったりしていると思うんですけど。矢吹くんに結構アニータネタのオーソリティーとして仕事、来たりしていないの?
https://miyearnzzlabo.com/archives/38129
https://miyearnzzlabo.com/archives/44011
(カルロス矢吹)めちゃめちゃ来ました!
(えのきどいちろう)来てるよね?
(カルロス矢吹)一昨年ぐらいはそれで年収の半分ぐらい稼いだんじゃないか?っていうぐらい来ましたね。
(鈴木純子)ええっ!
(えのきどいちろう)アニーティストとして(笑)。どんな食いつき方が多いですか?
(カルロス矢吹)やっぱりいわゆる「あの人はいま」的なのでどうですか?っていうのなんですけど、僕が話とみんな「アニータ嫌い」で話を聞きに来るんですけど、好きになって帰っていってくれますね。仕事で聞きに来た人だけじゃなくて、まあ親戚の集まりとかでも話をするんですけど。みんな「なんか面白い人なんだね」っていうので、アニータの評価っていうのが、日本だと「魔女」じゃないですか。そこがやっぱりこういう話をしていくと「ただのネズミじゃないんだな」というか。「肝が座っている人だったんだな」って。
(えのきどいちろう)あの人はどうしているんですか? その、青森県住宅供給公社で10何億貢いじゃった人はどうなさっているんですか?
(カルロス矢吹)もう出所されているらしいんですけど。アニータは度々接触を試みてまして。チリに呼ぼうとしているんですよ。テレビ番組で。
(えのきどいちろう)番組の企画として?
(カルロス矢吹)呼ぼうとしているんですけど、「たのむからもう俺の人生に関わらないでくれ」っていう手紙が来たらしいです。
(えのきどいちろう)むしろ、引っかかった人の方が「あの人はいま」状態みたいな。向こうの世界観でいうとそうなっているんだ。
(カルロス矢吹)っていうのは、アニータのその事件が知らない人が多いので。チリの方だと。旦那さんも呼んで、どうにかそのことも含めてアニータは周知させようとしているみたいですね。あと、離婚が成立していないんですよ。実は。
(えのきどいちろう)ああ、していないんだ。
(カルロス矢吹)だから会って、なんとか籍を抜かないと……みたいな話なんですけども。ただ、向こうはそれも嫌だと。関わりたくないっていうことで。
(えのきどいちろう)まあ、そうやっていろんな世論とかで袋叩きになって、仕事上のいろんなこととかも失って、捕まっちゃったりしてっていうことだと思うんだけど。たとえばライター的な感覚で言うと、ぜひそのどういう風に籠絡されていったのかとか、ディテールを丁寧に拾ってドキュメントっていうか、ノンフィクションでやりたいよね。
(カルロス矢吹)そうなんですよね。僕もアニータ側からの話しか知らないので。旦那さん側のお話もぜひうかがって、話を立体的にはしたいですね。
(中略)
(えのきどいちろう)アニータの息子の話をちょっと聞かせてよ。サッカー選手っていう話でしょ?
五男は有望なサッカー選手
(カルロス矢吹)はい。9人いる中の、五男。アブラハムっていうんですけど、アブラハムがえのきどさんもご存知だと思うんですけど、チリのコロコロという超名門チーム。日本にも来日したことがあるチームなんですけど、そこのユースのエースだったんですよね。
(えのきどいちろう)ユースチームって相当ですよ。つまり、もうエースっていうことはトップチームに上がりそうだっていう?
(カルロス矢吹)上がるっていう感じだったんですけど、一応いまもサッカー選手なんですが、コロコロから別のチームに移っちゃったんですね。っていうのも、チリって結構国内リーグが中南米の中でレベルが高いので、トップチームになると中南米じゅうから外国人が集まっちゃうんですよね。
(えのきどいちろう)コロコロクラスのビッグクラブならそうですよね。
(カルロス矢吹)で、一部の他のチームに移っているみたいなんですけど。「へー、そうなんだ」って思っていたら、今年の春になでしこリーグのオルカ鴨川FCというチームにマリア・ロハス・ピノっていうチリの選手が移籍してきたんですよ。で、チリの大使館にそれで挨拶しに行ったりしていたんですよ。だからサッカー評論家の西部謙司さんっていう方と話していたのが、「彼、アブラハム・アルバラードもJリーグに呼ぼう。青森のチームに入れて、そこで育てて、いい選手にして海外チームに売って、移籍金で……」って。
(えのきどいちろう)あの10何億を回収する?(笑)。
(カルロス矢吹)はい。ちょっと補填しようと(笑)。っていう話を西部さんとしていました。
(えのきどいちろう)すごい有望っていうことですよね。
(カルロス矢吹)そうですね。まだ17、8だと思うんで、これからまだ伸びる可能性が。
(えのきどいちろう)「アニータの息子がJリーグに登場」って、これはものすごいキャッチーですよね。いま、割とスターがなかなかいないので。Jリーグ。それ、どうですかね?
(鈴木純子)背景が、ねえ。
アニータの息子に関して誤解があるといけないので。確かに西部謙司さんにお会いした時に「彼をJリーグに呼ぼうよ」と西部さんはおっしゃいましたが、「そうしたら青森のチームに呼んで移籍金を発生させれば補填できるな」という発想をしたのは僕です。それで西部さんにクレーム行くとダメなので追記。 https://t.co/ijtrYtYJPm
— カルロス矢吹 (@yabukih) 2018年3月29日
(えのきどいちろう)でも、つまりアニータから数珠つなぎになっていろんなネタが派生していく感じですね。
(カルロス矢吹)そうですね。まだアニータのストーリーが続いているっていうことなんですよね。
(えのきどいちろう)アニータ、不滅ですね。呼ぼう!
(カルロス矢吹)フフフ(笑)。
<書き起こしおわり>