プチ鹿島と市川紗椰 新聞活用術を語る

プチ鹿島と市川紗椰 新聞活用術を語る J-WAVE

プチ鹿島さんがJ-WAVE『TRUME TIME AND TIDE』にゲスト出演。市川紗椰さんと新聞活用術について話していました。

(市川紗椰)この番組、まずゲストの方の現在についてうかがうんですが。そもそも「時事芸人」という肩書きなんですが……。

(プチ鹿島)ねえ。大きく出ていますよね。

(市川紗椰)でも、ある意味どの芸人も時事芸人なんじゃないか?ってちょっと頭の片隅で思っていたんですけども。

(プチ鹿島)僕は全ての芸人は時事芸人だと思っているんですよ。というのも、もともと僕が時事ネタを好きになったのは、ラジオとかテレビでもそうですけど。当時のビートたけしさんとかが昨日、今日あったことをみんなでワイワイ騒いで。ああでもない、こうでもないっていう。で、僕も子供ながらリスナーとして「今日はどんな話をしてくれるのかな?」とか。「今日はこんな話、するんじゃないかな?」っていう。で、その予想が当たった時とかすごいうれしくて。

(市川紗椰)ああ、はい。

(プチ鹿島)「時事ネタ」っていうとどうしてもいま、「社会派」とか「硬派」とか、ちょっと意味がついちゃってハードルが高いんですけど、僕はそこまでじゃんなくて。みんなで昨日、今日のことをワイワイ話そうよって。

(市川紗椰)共通の話題を面白おかしく聞きたいっていう。

(プチ鹿島)そこにたとえば、「今日の新聞ではこういうことを言っていたよ」っていうのをやり始めただけです。

(市川紗椰)鹿島さんといえば、新聞の読み比べってなっていると思うんですけど、それはどこから生まれたんですか?

(プチ鹿島)僕はもともと、ゴシップ記事とか週刊誌、もしくはタブロイド紙とか。そういう刺激物の方が好きだったんですよ。ただ、料理のフルコースでもいきなりメインディッシュ、カロリーたっぷりのものを味わうのもいいんですけど、そこまで行くのに順序立てた方が……朝刊を読んで基本的には無愛想な5W1Hしか書いていない、そういう情報を仕入れた上で「さあ、これを夕方に発行される、もしくは来週発行される週刊誌はどういう風に膨らませて、どういう角度でくるのかな?」って予想をし始めたら、さらに面白くなったんですよ。

(市川紗椰)おおーっ、それでいろいろと? メインのだけですか? それとも地方紙とかもいろいろと?

(プチ鹿島)いまは朝刊紙は6紙、取っていますね。朝日、読売、産経、日経、毎日、東京新聞。それを朝に読んで、そこからスポーツ紙とかに行って。で、夕方にお待ちかねのタブロイド紙とか。週刊誌とかがあって。まあ全部、一応チェックしていますね。

(市川紗椰)ネットメディアとかは見られますか?

(プチ鹿島)ネットも読んでますよ。

(市川紗椰)多くのリスナーの方はたぶん、ネットで主にニュースを入手している人が多いと思うんですけど。その使い分けというか、どういう風にやればいいんですか?

(プチ鹿島)最近、新聞の読み方の本とかを去年出したら、逆に新聞を作っている人とか、新聞を売っている人とか。いま、市川さんがおっしゃっているように、「いまネットメディアやスマホで十分なのに、なんで新聞をわざわざ読まなくちゃいけないの? ちょっと自信を持たせるために話を聞かせてくれ」みたいに、よくそういうのに呼ばれるんですよ。

芸人式新聞の読み方
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プチ鹿島
幻冬舎

(市川紗椰)はいはい(笑)。

(プチ鹿島)そこでよく言っているのが、たしかにいまネットとかスマホひとつあれば簡単にニュースが読めるじゃないですか。だけど、トランプさんが出てきたあたりからフェイクニュース、ポスト・トゥルース(ポスト真実)っていう言葉が出始めて、問題意識というか、気をつけなきゃいけないなっていう人はネットニュースを見ながらも「これは誰が発信しているんだ? 誰が書いているんだ?」って、そこを気にするように、調べるようになりましたよね。

(市川紗椰)そうですね。

(プチ鹿島)だったら僕は「じゃあ、新聞を利用すればいいじゃない」って言っているんです。「新聞を全て信じろ・読もう」とかって言うんじゃなくて。それこそ、ネットニュースみたいな刺激物を味わうためには、基本の事実を新聞記者さんが裏付けを取って出していますから。そこを押さえておいた方がネットニュースもさらに楽しめるんじゃない?っていう、そういう。もう忙しい時は見出しだけでもいいと思っているんです。あとは一面チェック。もしくは社説のネタ。

(市川紗椰)ああ、なるほど。

見出しチェックだけでもいい

(プチ鹿島)読まなくても、見出しだけでもいいです。そうするとやっぱり、それこそ学校とか会社とかに行くと思いますけども、誰かと話した時に気になるキーワードって出てくると思うんですよね。で、それを頭に覚えておいて、家に帰って。たとえば「裁量労働制」だったら、それをさかのぼって読んでみるとか。だから僕、新聞は朝読まなくてもいいと思っているし2、3日後に読んでもいいと思っています。

(市川紗椰)2、3日後でもいいですか? 鮮度とかも?

(プチ鹿島)そうすると、やっぱり裁量労働制について1月、国会で働き方改革が目玉になるよって言われていたじゃないですか。その時に全部仕入れるのがいちばんベストかもしれないですけど、ちょっとそれが火がついてきて。いよいよこれは気になるワードだなっていう時にさかのぶれるのが新聞の面白さなんで。「ああ、この時点では安倍さん、こんなこと言っていたんだな」とか。「この時点ではこういう論議だったんだな」とか、どんどん変化していく様子が改めてわかる。

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(市川紗椰)ああ、自分で検証できるしという。その読み比べを……プチ鹿島さんにずっと聞きたかったのが、リスナーの方々もだいたい「産経は右で東京や朝日は左」ぐらいはたぶんわかると思うんですけど、その右・左以外の違いってあるんですか? 社会面が強いとか……。

(プチ鹿島)これが、政治面とか社説の主張って違いはあります。特に安倍政権以降、違いがあって。だから読み比べる面白さはあるんですけど。これは、新聞記者の方と対談、お話をさせていただいた時に出たのが、「文化欄とか家庭欄とか、いわゆる新聞の中の方。あれって見過ごされがちなんだけど、あれこそが各社の違いがあるから、そこも読んでみると鹿島さん、すごく熱くて面白いですよ」って。

(市川紗椰)その簡単な違いっていうのは、いま教えていただけますか?

(プチ鹿島)つまり、文化欄とか家庭欄ってその日に別に速報しなくてもいいネタじゃないですか。だから新聞によって切り口が……「こういうところに目をつけたんだな」っていう違いがわかるという。「そうか、中の方も読まなくちゃいけないんだ!」って思いました。

(市川紗椰)なるほどね。

(プチ鹿島)あと、僕は新聞を紙で読む大切さっていうのもあると思うんですよ。

(市川紗椰)電子版ではなく?

(プチ鹿島)電子版でも……僕は半分は電子版でとっているんですけど、電子版でも「紙面ビューワー」っていうので読んでいるんですよ。

(市川紗椰)扱いの大きさが……っていうことですか?

紙面で全体の見た目を確認する

(プチ鹿島)はい。クリックしていくというのだと、やっぱり自分の興味のあるものしか行かないので。紙で読むと、自分の興味ある記事を読んでも、隣の記事もなんとなく見出しが入ってくるじゃないですか。で、ページをめくるだけでいいんですよ。そうすると、さっきの話じゃないですけど、ぼんやりと入ってくるので。自分にとっては無駄な情報だと思っていることが、あとで「そういえば、なんかあんなこと書いていたな」って気づくことが結構あるので。そこはやっぱり「効率よく、効率よく……」って求めると、実は非効率だったりするっていうのが。

(市川紗椰)うんうん。

(プチ鹿島)「えっ、これ知らない。じゃあ、調べなおそう」って非効率じゃないですか。だからなんとなく見ておくと。

(市川紗椰)ちゃんとすべてを見るっていうことが大切になるんですね。

(プチ鹿島)はい。

<書き起こしおわり>

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