稲垣吾郎と宇多丸 銃と映画を語る

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稲垣吾郎さんがTBSラジオ『タマフル』にゲスト出演。ガンマニアでもある稲垣さんが宇多丸さんと共に、銃と映画について1時間たっぷりと話していました。

(宇多丸)もうね、さっそくトイガンの話が始まっちゃってますけども。稲垣さんがトイガンをコンコンコン!って叩くっていうね(笑)。ということで、時刻は11時になりました。夜10時から2時間生放送でお送りしているTBSラジオ『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』。ここから11時55分ごろまでは週替り特集コーナー、サタデーナイトラボ。お待たせいたしました。今夜はこちらの特集をお送りします。題して「稲垣吾郎と映画と銃。特集」! はい。ということで最終回間近にふさわしいスペシャルゲストをご紹介いたします。番組初登場、稲垣吾郎さんです。

(稲垣吾郎)こんばんは。稲垣です。よろしくお願いいたします。

(宇多丸)いらっしゃいませー。ご無沙汰しております。

(稲垣吾郎)ご無沙汰しております。

(宇多丸)こんな日が来てしまったんですね。

(稲垣吾郎)そうですね。でも、こんな日が来るようにあの時に約束したじゃないですか。

(宇多丸)はい。これ、ついに実現しましたね。「あの時」というのは昨年6月。マガジンハウスの雑誌『anan』で対談して以来ということです。その時に2人で「夏に見たい映画」というテーマで3本ずつ、映画をすすめあうという企画で。

(稲垣吾郎)だけど途中から趣旨が違って来てしまったんですよね。

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『anan』映画対談

(宇多丸)そうですね(笑)。アイドリングトークかなと思って、「いやー、僕も銃が好きで」なんつって。したら、そこから20分ぐらいは銃の話をしていましたからね。これね。

(稲垣吾郎)そうですね。編集の方やライターの方が置いてけぼりになっていましたからね。

(宇多丸)で、「これ、『anan』はダメですかね?」って言ったら「ダメですね!」っていう(笑)。

(稲垣吾郎)結局、話したことが何も掲載されないという(笑)。

(宇多丸)そこ、一切載っていないですね。

(稲垣吾郎)「じゃあ、この話の続きをどこかでやろう」ということになっていて、今日に至るわけですね。

宇多丸『anan』稲垣吾郎との映画対談を語る
宇多丸さんがTBSラジオ『タマフル』の中で『anan』誌上で稲垣吾郎さんと映画対談を行った際の模様についてトーク。ガンマニアと噂の稲垣吾郎さんのことを「本物だ!」と思った話などをし...

(宇多丸)「ぜひ、僕の番組に来てください」なんて。でも、その時はなかなか、稲垣さんともなるとね、難しいかなっていうのはあったんですけども。ついに実現してしまいました。

(稲垣吾郎)もうこの、銃にひかれてやってきました。

(宇多丸)銃に(笑)。いま、机の上にはスタッフの私物の銃が並んでおりまして。さっそく稲垣さんが銃の様子をチェックしている姿が完全に武器商人でした(笑)。

(稲垣吾郎)そうですね。なんか結構……「こういうのが趣味なのか」とかね、「あ、そっち行っちゃったんだ」とかね、いろいろと考えながら。

(宇多丸)「そっち」っていうのはあれですか? やっぱりあそこのM4のゴテゴテしたのとか?

(稲垣吾郎)こういうのとか、僕の中ではないんですよ。

(宇多丸)えっ? これはいわゆるハイキャパのガバメントというか。

(稲垣吾郎)結局カスタマイズしすぎているものが僕はあんまり好きじゃなくて。

(宇多丸)ああ、割とじゃあ、素の状態の?

(稲垣吾郎)もちろん、もちろん。「そこで買ってきちゃった」みたいな。僕はあんまりカスタムしてないものの方が……なんでもそうですね。車とかもそうですし。結構そのもののシンプルな美しさというものを結構。

(宇多丸)わかります。でも、やっぱり。もともとのね、工業製品としての美しさ、進化の形態であったり。

(稲垣吾郎)そうそう。それが言いたかったんです。

(宇多丸)これ、でも僕もね、今日私物を持ってこようかと思っていたんですけども。

(稲垣吾郎)僕も思っていたんですけどね。本当に。

(宇多丸)じゃあ、私物の見せ合いはまた別の機会に……どういう会なんだ?っていうことになっていますけども(笑)。ちなみに、後ほどたっぷり映画と銃についていろいろとお話をうかがいたいんですが。まず『anan』で3本ずつ紹介しあったじゃないですか。なんか、風のうわさで聞いたんですが、その中で見ていただたっていう?

(稲垣吾郎)あっ、そうなんですよ。宇多丸さんチョイスの映画。僕は2本見ました。

(宇多丸)おおっ、ありがとうございます!

(稲垣吾郎)まずこの、『ときめきに死す』。

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(宇多丸)ああっ、ありがとうございます! 森田芳光。

(稲垣吾郎)「この蒸し暑い夏を乗り切る映画」っていうお題だったんですけども。

(宇多丸)沢田研二さん主演で。

(稲垣吾郎)いや、すごい好きです、これ。

(宇多丸)あっ、よかった! 絶対に稲垣さん、お好きだとは思ったんですけども。

(稲垣吾郎)本当におっしゃる通り、前衛的な映画で。まあ、ちょっとショッキングなエンディングで。

(宇多丸)ラストはね、「トラウマエンディング」って言っていましたけども。

(稲垣吾郎)トラウマエンディング(笑)。

(宇多丸)本当に、あれ嫌じゃないですか?

(稲垣吾郎)嫌ですよね。でも当時すごいですね。いま、あんな映画って公開できるのかな?っていう。

(宇多丸)要は、一応サスペンス的なストーリープロット。暗殺者が来て……みたいなのはあるんだけど。全然そういう話じゃないですよね。本当にオフビートなというか。

(稲垣吾郎)そうですね。もう1シーン、1シーン、だからシリアスなのか、結構コミカルなところの描写もあったりして。

(宇多丸)主人公がまた、なんか謎のキャラクター造形じゃないですか。

(稲垣吾郎)そうですね。で、僕、よく考えてみたらヒロイン、これ樋口可南子さんじゃないですか。で、僕、はじめてドラマとかやらせてもらった時、一緒にご一緒させていただいたのが樋口可南子さんだったんですよ。年上の女性とのラブストーリー。『ぼくの美しい人だから』っていう映画があって。あれを元ネタにした、日本版にした連ドラ。『嘘でもいいから』っていうドラマをやったことがあって。

(宇多丸)それが樋口さんだったんですね。

(稲垣吾郎)樋口さんなんですよ。

(宇多丸)この、でも『ときめきに死す』の段階だと、1984年かな? その段階だと、まだ女子大生みたいな、コンパニオンみたいな役ですよね。

(稲垣吾郎)それから10年ぐらいした時の樋口さんと共演をさせていただいて。

(宇多丸)いかがでした? 共演経験がある身としては?

(稲垣吾郎)でもなんか、その時の樋口さんを思い出したりとか。でもまあ、すごいですよね。この20代のたぶん前半にして、この色気というか。

(宇多丸)そう。で、ジュリーと杉浦直樹さん相手にね、一歩も引かないというか。なんなら、もうジュリーをお姉さんっぽく見ているような感じですもんね。

(稲垣吾郎)そうですね。

(宇多丸)でも、このジュリーの役なんか、稲垣さんとかいけるんじゃないですか? ちょっとこう、内向的な。この「ナイフが趣味」っていうのを「銃が趣味」に変えればいいっていう(笑)。

(稲垣吾郎)フフフ(笑)。そうかもしれないですね。でも、すごいいい映画を紹介していただいて。

(宇多丸)ありがとうございます! 音楽も素敵ですもんね。

(稲垣吾郎)ああ、音楽もよかったですね! かっこよかったです。

(宇多丸)塩村修さんっていう当時の森田芳光さんの作品に音楽をつけていた方で。

(稲垣吾郎)映像なんかも本当にアバンギャルドで。

(宇多丸)あれはね、めちゃめちゃ自信があったんで。

(稲垣吾郎)よかったです。紹介していただいて。でも、僕のも見ていただいたんですか?

(宇多丸)そうです。僕ね、『100歳の華麗なる冒険』っていうスウェーデン映画。これを見ました。

(稲垣吾郎)これは僕が紹介させていただいて。

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(宇多丸)これはめちゃめちゃ面白かった。どういう話か?っていうと、100才になったおじいさんが老人ホームを勝手に脱走しちゃって、逃避行。で、途中なんかちょっと悪い組織のお金をたまたま手に入れちゃって。それと、彼の生い立ちを重ねていくという。生い立ちがちょっと『フォレスト・ガンプ』っていうか。いろんな歴史上の……。

(稲垣吾郎)ちょっと『フォレスト・ガンプ』を見た感じを思い出しますね。

(宇多丸)なんですけど、『フォレスト・ガンプ』的な感じかな?って思って見ていると、歴史とかいろんな人の生と死っていうか……特に「死」が多いじゃないですか。関わっていくその視点があまりにもドライすぎて。

(稲垣吾郎)ドライ?

(宇多丸)すっごいドライで。そこがフレッシュでした。

(稲垣吾郎)そうですね。そんな簡単にそんなことしちゃっていいの? みたいな。

(宇多丸)結構、その主人公のおじいさんが「えっ、それ、人死んでますよね?」とか。

(稲垣吾郎)そうそう。淡々とね。

(宇多丸)とか、フランコ政権……スペインのファシスト政権とかに関わっても、なんか別にイデオロギー的な云々は何も関係ないっていうか。あれがすごい不思議な。

(稲垣吾郎)そう。まあそれが彼の生き方というか趣味というか。

(宇多丸)で、飄々と生き残って。なんか、それが他のアメリカ映画とかじゃあ絶対にないバランスだなと思って。めちゃめちゃ面白かったですね。

(稲垣吾郎)ああ、よかった。そうなんですよね。

(宇多丸)ありがとうございます。こういうね、教え合いっこもまたしたいぐらいですけどね。稲垣さん、この『anan』の連載もこの時点で15年っておっしゃってましたっけ?

(稲垣吾郎)そうですね。もう2000年ぐらいからやらせていただいてます。それでずっと映画を見させていただいているんです。

(宇多丸)割と僕、稲垣さんっていえばミニシアター系っていうイメージがあったんですよ。お好きなのは。これはやっぱり連載はミニシアター物が多いわけですよね?

(稲垣吾郎)そうですね。これは雑誌のカラーというか、うん。まあ、このコーナーではこういうミニシアター系のものをあえて紹介していくというか。他の映画はいろんな媒体とかでも紹介しているので、あえてこういったものを選ぼうっていう。

(宇多丸)ああー。これ、選ぶのは編集者の方が選んできている?

(稲垣吾郎)そうですね。これはスタッフの方に任せて。まあ、僕の趣味もよくわかっていますし。まあでも僕が見たいような映画をピックアップしてきてくださるので。一応週に1本という形で。

(宇多丸)すごいですよね。10何年間、週に1本ね。

(稲垣吾郎)そうですね。あとはまあ、番組で映画を紹介するコーナーとかもあったので。香取くんの。

(宇多丸)それもまた、香取さんの趣味であてがわれるから、ちょっとそれが困るみたいなこともおっしゃってましたけども(笑)。

(稲垣吾郎)そうなんですよ。自分が好きな、見たい映画じゃなくて彼が選んだ映画を見て、僕が順位をつけるっていう。

(宇多丸)これは明確に香取さんとは違いますか?

(稲垣吾郎)違います。もう、ジャッキー・チェンのオンパレード。

(宇多丸)フハハハハハッ! そんなに年がら年中ジャッキー・チェン映画ないと思うんですけど(笑)。

(稲垣吾郎)あと、ホラー映画がかならず入ってくるんです。

(宇多丸)あ、これ! ホラー問題。ホラーはお苦手なんですよね?

(稲垣吾郎)苦手……うーん、どうですか? でもなんか、別に苦手ではないんですけど、そんなすごい趣味ではないです。

(宇多丸)スプラッタに近いものとか、ホラーもいろいろあるじゃないですか。心理的に攻めるものもあれば、スプラッタに近いものもあれば。これね、だからちょっと因縁めいて……すいません。ちょっと稲垣さんをお招きしておいて本当に申し訳ないことを言っていいですか?

(稲垣吾郎)いいですよ。

(宇多丸)稲垣さんがイーライ・ロスという監督の『ホステル』という、これはまさにホラー。かなり残酷ホラー。これを香取さんの番組の中で、非常に辛辣な口調でおけなしに……。

(稲垣吾郎)えっ、僕ですか?

(宇多丸)そうなんですよ。

(稲垣吾郎)そんな……なんか批評したことも覚えていない。本当ですか?

(宇多丸)でもそんぐらい、人の神経を逆なでするようなところがある映画なのは間違いないんですけど、僕はこのイーライ・ロスという監督および『ホステル』が大好きで!

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Eli Roth, Chris Briggs, Mike Fleiss

(稲垣吾郎)フハハハハハッ! ダメだ、もう(笑)。ヤバい。もう銃の話に行った方がいいんじゃないですか?

(宇多丸)いやいや(笑)。でね、僕は「なに!?」って思ったんですけど、後に稲垣さん、やっぱり素晴らしいタレントさんとしてファンであることは止められなかったし。なによりも三池崇史監督の『十三人の刺客』での、あの日本映画史上トップクラスの極悪の殿様。あの稲垣さんが演じられた役を見て、「これは稲垣さんからの『ホステル』に対する回答だ」と。

(稲垣吾郎)そ、そうなんですか?(笑)。僕、『ホステル』っていう映画自体を忘れてますよ。すいません。

(宇多丸)本当ですか? あのね、まあ非常に残酷な映画なんですよ。ただ途中ね、三池監督が一瞬出てくるんです。カメオ出演しているんです。実は。

(稲垣吾郎)あ、ありましたね! だから三池さんと結構親交のある監督さんなんでしょう?

(宇多丸)そうなんです。イーライ・ロス。まあ、クウェンティン・タランティーノ一派というか。『イングロリアス・バスターズ』でユダヤの熊っていうバットを持って出てくる人、いるじゃないですか。あの人です。あれ、イーライ・ロス。

(稲垣吾郎)はいはいはい。あ、そうなんだ。

(宇多丸)そうなんですよ。なんですけど、あの殿様役で俺的にはその『ホステル』で生じた……勝手にですよ。勝手にあった稲垣さんとのわだかまりはもう、これは消えたっていう。

(稲垣吾郎)それは、評価してくださったっていうことですよね?

(宇多丸)そうです! だって『十三人の刺客』は僕、その年のベストワンですもん。

(稲垣吾郎)ああ、ありがとうございます!

(宇多丸)なんでベストワンか?っていうと、それは稲垣さんの演技ありきですから。

(稲垣吾郎)いやいや、ありがとうございます。

(宇多丸)すいませんね。招いてこの落とし穴に落とすようなこと(笑)。

(稲垣吾郎)もう1回、ちょっと見てみようかな? 『ホステル』。

(宇多丸)アメリカ人の観光客が東欧の方に旅行に行って、すごい調子こいて騒いでいる。最初の方はそんな感じなんだけど、1人消え、2人消え……で、気づくとそういう国際的人身売買組織に拉致されて。そこは要するに、世界中の金持ちがお金を払って人をいたぶりながら殺すという恐ろしい施設で。主人公の子はそこからどうやって脱出するのか?っていう、そういう感じですね。

(稲垣吾郎)おおーっ。へー!

(宇多丸)で、イーライ・ロスという人は割と……。

(稲垣吾郎)ああっ、なんかありましたね!

(宇多丸)フフフ(笑)。もう『ホステル』の件はいいんじゃね?(笑)。

(稲垣吾郎)まあ、でもいまこの感覚で見直してみます。

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