高橋芳朗さんがTBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』の高橋芳朗のミュージックプレゼントの中で、亡くなったECDさんを追悼していました。
(堀井美香)高橋芳朗のミュージックプレゼント。今日は海外のDJが選曲した80年代和物ディスコを聴いてみようをお届けしています。
(高橋芳朗)はい。後半は当初の予定を変更してお届けしたいと思います。さっき、CM前までに聴いてもらったいわゆる和物ですか。
和物を日本国内で再評価を促した人っていうのはいろんなDJの方がいらっしゃいますけども。その立役者の1人として、ラッパーのECDさんがいます。そのECDさんが24日の夜にお亡くなりになりました。57才でした。ちょっと毎日新聞のニュースを読みますね。「ECDさん(57)、ミュージシャン。24日、急性呼吸不全のために死去。日本のヒップホップ界の草分けで1980年代から活動。主なCDに『失点 in the park』など。反原発、反差別などの社会運動を展開。作家としても活動した。2016年に大腸ガンを公表し闘病していた」と。
(ジェーン・スー)はい。
(高橋芳朗)ECDさんは和物のコレクターとしてもすごい有名で。僕も中目黒とか下北沢とかのレコード屋さんでECDさんがレコードを掘っているのを何度か見たことがありますけども。そういう和物のノンストップのミックスCDとかも出したりしていたんですね。で、ECDさんご自身の作品でも和物をたびたびサンプリング、引用しているんですね。たとえば笠井紀美子さんの「バイブレイション」という曲を「バイブレーション」でサンプリングしていたり。
あと、布施明さんの「君は薔薇より美しい」をカバーしていたり。あと、去年も加山雄三さんの「君といつまでも」をリメイクしていたりもしたんですけども。そんな中でも特に有名なのが佐東由梨さんというアイドルシンガーの「ロンリーガール」。これは1983年の曲なんですけども。いま、後ろでかかっていますね。
(ジェーン・スー)名曲ですね。
(高橋芳朗)この曲をサンプリングした「ECDのロンリーガール feat. K DUB SHINE」という1997年の作品があります。まあ、このECDさんの曲を通じて、いま「名曲ですね」って言いましたけど、この佐東由梨さんのバージョンを知ったという方がほとんどだと思います。
(ジェーン・スー)そうですよね。私もそうだと思います。
(高橋芳朗)作詞が松本隆さん、作曲が筒美京平さんですね。まあ、黄金コンビの。
(ジェーン・スー)よくないわけがないっていう。
(高橋芳朗)で、ECDさんはこの佐東由梨さんの「ロンリーガール」にマーヴィン・ゲイの「Sexual Healing」を使って合せ技でリメイク、ラップカバーした日本語ラップクラシックを作り上げたという感じですね。じゃあ、ECDさん追悼の意味も込めてお送りしたいと思います。ECDで「ECDのロンリーガール feat. K DUB SHINE」です。
ECD『ECDのロンリーガール feat. K DUB SHINE』
(高橋芳朗)はい。いわゆる和物に目を向けるきっかけになった曲と言ってもいいと思います。24日に亡くなりました日本のヒップホップ界の草分けですね。ECDさんによる「ECDのロンリーガール feat. K DUB SHINE」を聴いていただきました。この曲は去年の12月に加藤ミリヤさんが「新約ディアロンリーガール」としてリメイクしています。そちらにもECDさんがゲストラッパーとして参加しているので、そちらもぜひチェックしてみてください。あと、問い合わせが結構来ているみたいなので、最初に紹介した和物コンピレーションを改めて紹介しておきますね。『Tokyo Nights: Female J-Pop Boogie Funk: 1981 to 1988』。収録アーティストは大橋純子さん、菊池桃子さん、ラ・ムー、当山ひとみさん、小山水城さん、秋元薫さんなどなど。かなりマニアックなのもあります。素晴らしいコンピレーションなので、みなさんぜひチェックしてみてください。
(ジェーン・スー)高橋さん、来週もよろしくお願いします。
(高橋芳朗)よろしくお願いします。
<書き起こしおわり>