高橋芳朗 おすすめロボット声ソングを語る

星野源 ブルーノ・マーズ『24K Magic』を語る ジェーン・スー 生活は踊る

高橋芳朗さんがTBSラジオ『ジェーン・スー生活は踊る』の中でボコーダーやトークボックスなどさまざまな機材を使ったロボ声(ロボット声)楽曲を特集していました。

(高橋芳朗)じゃあ、今日はこんな感じで行ってみます。もはやポップスの定番、ロボ声ソング特集! ロボ声というのはロボット声、ロボットボイス。なんかいま、「ケロケロボイス」とも言うらしいんですけども。

(ジェーン・スー)えっ? やめようよ、そのさ、ヒューマンビートボックスのことを「ボイパ」とか言うような感じ。あれ、本当に嫌なんだけど! まあいいや。置いていおて……

(高橋芳朗)はい。ボーカルをですね、いろいろな機材……これはあえて「いろいろな機材」っていう風に逃げますけども。

(ジェーン・スー)ボコーダーだけではなく。

いろいろな機材で声を加工

(高橋芳朗)トーキングボックスとか、オートチューンのようなソフトウェアとかもあるんで。いろいろな機材を使って、ロボットのような声に加工する手法。いまやポップミュージックのスタンダードになっていると言っていいと思います。日本のポップミュージックで言うと、古くはいまかかっておりますね。イエロー・マジック・オーケストラ『テクノポリス』。

(ジェーン・スー)「ワレワレハ、ウチュウジンダ」みたいなやつですね。

(高橋芳朗)比較的新しいところではPerfume、SEKAI NO OWARIとかね。あと、生活レベルで親しんでいるところでは、ディズニーランドのエレクトリカルパレードのテーマ曲。

(ジェーン・スー)ああー!

(高橋芳朗)あれもイントロのところでなんかね……

(ジェーン・スー)「世界中~♪」って。

(高橋芳朗)それは『イッツ・ア・スモールワールド』です。「○△※△×~♪」。

(ジェーン・スー)ああ、あれがロボ声か。

(堀井美香)「タッタラララッタッ、タッタラタラタラ♪」。

(高橋芳朗)そこじゃないですよ(笑)。今日は、そんなロボ声を駆使した曲の特集をお送りしたいと思います。で、今回この特集を組むきっかけになったのは、本日世界同時リリースのブルーノ・マーズ。今年のグラミー賞レコード・オブ・ジ・イヤーを受賞しましたブルーノ・マーズのニューアルバム『24K Magic』からの先行シングルとして現在大ヒット中のタイトル曲ですね。『24K Magic』。この曲で冒頭から思いっきりロボ声が炸裂しておるんですよ。

(ジェーン・スー)おるんですか?

(高橋芳朗)おるんです。なので、まずはその曲を聞いてみましょう。ブルーノ・マーズで『24K Magic』です。

Bruno Mars『24K Magic』

(高橋芳朗)はい。冒頭のロボ声を確認していただけましたでしょうか? ブルーノ・マーズ、本日発売のニューアルバムから『24K Magic』を聞いていただきました。このブルーノ・マーズのいま聞いていただいたロボ声はトークボックス。トーキング・モジュレーターという機材を使って声を加工しているんですけども。トークボックスを使った曲は、実は『生活は踊る』で毎日流れていまして。KIRINJIの『You and Me』。交通情報のBGM。あの間奏のギターソロのところでね、ヤスさんがトーキングボックスを使っておりますけども。

(ジェーン・スー)はい。

(高橋芳朗)このトークボックスの使い手として70年代に人気を博したのがピーター・フランプトンというイギリスのアーティストがいます。次はこのピーター・フランプトンの大ヒットしたライブアルバム『Frampton Comes Alive』。1976年の作品から『Show Me The Way』という曲を聞いていただきたいんですけども。これはロボ声というよりかは、KIRINJIの『You and Me』みたいにしゃべるギターみたいなニュアンスの方がもしかしたら強いかもしれませんけども。まあ、トークボックスを使った歴史的な名演として聞いていただきたいと思います。ピーター・フランプトンで『Show Me The Way』です。

Peter Frampton『Show Me the Way』

(高橋芳朗)はい。トークボックスを使った名演としてピーター・フランプトンの『Show Me The Way』。1976年のライブバージョンで聞いていただきました。で、ポップミュージックでロボ声とかが増えてくるのは、70年代の後半ぐらいからですかね。冒頭で聞いてもらったYMOに代表されるテクノミュージックみたいなものが流行ってきたっていうのもあるんですけども。そういう時代に登場してきた、トークボックスの伝道師といえる人が、ロジャー・トラウトマン。まあ、ロボ声界の頂点に君臨するレジェンドと言ってもいいと思うんですけども。

(ジェーン・スー)そうですね。

(高橋芳朗)それまでロボ声はあくまでいまのピーター・フランプトンの『Show Me The Way』みたいにちょっと脇役というか、曲のエッセンス、効果音的な使われ方だったんですけども、ロジャーはそのトークボックスを主役に持ってきたという感じですね。

(ジェーン・スー)ずーっとくわえてたもんね。

(高橋芳朗)そうなんです。トークボックスはパイプみたいなものを……

(ジェーン・スー)ストローみたいなものをくわえて歌うの。そうすると、声が。

(高橋芳朗)口の中に音を共鳴させて、それをマイクにぶつけるという感じなんですけども。じゃあ、そのロジャー・トラウトマンが率いるザップというファンクバンドの代表曲を聞いていただきたいと思います。ザップの1982年のヒット曲で『Dance Floor』です。

Zapp『Dance Floor』

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(高橋芳朗)はい。ロボ声界の頂点に君臨する男、ロジャー・トラウトマン率いるザップの1982年のヒット曲『Dance Floor』を聞いていただきました。さっきのブルーノ・マーズ『24K Magic』は明らかにこのロジャーとかザップを意識しているところもあると思うんですけどね。じゃあCMをはさんで、現在のロボ声流行の立役者と言えるアーティストを紹介したいと思います。

(CM明け)

(ジェーン・スー)今日はもやはポップスの定番、ロボ声ソング特集をお送りしております。

(高橋芳朗)続いては現在のロボ声の流行に先鞭をつけた存在として紹介したいんですけども。やはり、この人たち。ダフト・パンク。一昨年のグラミー賞で最優秀レコード賞など5部門を受賞したフランスの2人組なんですけども。ダフト・パンク、紹介する曲は2001年のヒット曲でGAPのコマーシャルでも使用されていました『Digital Love』という曲をかけたいと思うんですけども。彼らの場合はもうロボ声というよりは、ロボットです。

(ジェーン・スー)「声」っていうか、「ロボット」ね(笑)。

(高橋芳朗)ロボコップみたいなフルフェイスマスクみたいなのをかぶって、素顔を明かしていないんですよね。

#DaftPunk

Daft Punkさん(@daftpunk_officialpage)が投稿した写真 –

(ジェーン・スー)日よけのおばさんがさ、すごいサンバイザーを。

(高橋芳朗)そう。

(堀井美香)虚無僧みたいな?

#和 #虚無僧 #日本

MIYAHITOさん(@miyahito3300)が投稿した写真 –

(ジェーン・スー)そうそうそう。虚無僧2人みたいな感じ。

(高橋芳朗)全く違うことを言ってますけども(笑)。で、「機材の爆発事故によってサイボーグになってしまった」っていうテイなんですよね。

(ジェーン・スー)あ、知らなかった。そうなんだ。

(高橋芳朗)そういう設定で。

(ジェーン・スー)ちょっと! 私たちもなんかテイを考えなきゃ。

(高橋芳朗)(笑)。で、彼らのロボ声はさっきのブルーノ・マーズとかロジャー・トラウトマンみたいなトークボックスではなく、オートチューンっていうソフトウェア。音程補正用のソフトウェアを使って……だから、PerfumeとかSEKAI NO OWARIとかもそうですけど、オートチューンを使ったロボ声となっております。じゃあ、聞いてもらいましょう。ダフト・パンクで『Digital Love』です。

Daft Punk『Digital Love』

(高橋芳朗)ここ10年ぐらいでロボ声って言ったらこの人たちだと思います。ダフト・パンクの2001年のヒット曲で『Digital Love』を聞いていただきました。機械的なロボ声、ロボットボイスにすると、ちょっとソウルが失われそうな気がするんですけども、逆に歌心がグッと際立つような気がするんですよ。

(ジェーン・スー)『はじめてのチュウ』とかもロボ声ですよね?

(高橋芳朗)ああ、ロボ声ですね。なんか、コブシが強調されるんですよ。ロボット声に加工することで。それで歌心がグッと味わい深いものになってくるんじゃないかなという気がいたします。で、ロボ声についてもっと詳しく知りたいという方は、ロボ声本が出ております。P-VINE Booksより『エレクトロ・ヴォイス』という書籍。「人はなぜ、ロボ声に挑み、ロボ声に魅せられるのか」って帯に書いてありますけども。

(ジェーン・スー)結構大げさですね。

(堀井美香)音楽だけじゃなくて、いろんな使い方があるんですね。

(高橋芳朗)そうですね。ボコーダーっていう機材は軍事目的で使われていたこともあったりするんですね。

(ジェーン・スー)しかも、結構な厚みの。ちょっとしたハードカバーの洋書ぐらいの厚さがありますね。

(高橋芳朗)そうですね。300ページ以上ありますね。こちら、『エレクトロ・ヴォイス』をチェックしてみてください。

(ジェーン・スー)というわけで、今日もヨシくん、ありがとうございました。

(高橋芳朗)ありがとうございました!

<書き起こしおわり>

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