ハライチの岩井さんがTBSラジオ『ハライチのターン』の中でお金と時間についてトーク。話題のサービス、タイムバンクなどについても話していました。
(岩井勇気)まあ、ゾンビになるっていうのもありますけども、人っていうのはさ、いずれ死にますよね?
(澤部佑)うーん……。
(岩井勇気)死ぬのって、どうですか? 怖いですか?
(澤部佑)怖い。
(岩井勇気)怖い、か。なんで怖い?
(澤部佑)えっ、どうなるのかわからないからね。経験したことないから。
(岩井勇気)うーん。あとは?
(澤部佑)ん? いやいや、もっとやりたいことがあったとか。
(岩井勇気)おっ、もっとやりたいことがあった。まあ、家族がどうなるとか。
(澤部佑)家族もそうだよね。
(岩井勇気)自分が死んだ後、なにが起こるか自分は知れないから……みたいなね、そういう怖さ、ありますけども。でも実際はさ、死んだ後っていうのはもう「無」じゃないですか。
(澤部佑)まあ、わかんないからね。
(岩井勇気)無。無だよ。虚無。完全なる。死んだ後っていうのは。もう何もなくなるわけ。
(澤部佑)いや、経験してないからさ。
死後は完全なる虚無
(岩井勇気)でもさ、もう本当に自分の認識がなにもなくなるっていうことは無なわけじゃないですか。
(澤部佑)そういうことだよね。
(岩井勇気)遺族とか、いないから。そうなってくると。
(澤部佑)ん?
(岩井勇気)遺族、いないから。「遺族のことが心配だ」とか言う人もいるけど、死んだ後遺族とかいないからね。そもそも、自分以外の人って自分の認識が生み出した存在なわけだから。自分が認識していないと存在できない存在だからさ。自分が死んでいなくなった時点で、もう本当に他の人は世界ごと一緒に消滅するわけですよ。
(澤部佑)うーん……うん?
(岩井勇気)もう、なくなっちゃうの。自分が死んだ時点で。世界がプシュン!って。もう自分と一緒に。だから、実際は死んだ後はもう無なわけ。完全なる。死後の世界とか死んだ後の現世はどうなっているとか、ないから。ないのよ。
(澤部佑)はい。
(岩井勇気)で、自分の頭の中で認識することで存在していたのが世界だから、もう自分が死んだ時点でその認識がなくなるわけだから、全部なくなっちゃうの。
(澤部佑)……それ以外の話、ある?
(岩井勇気)ないです。今日はこれです。
(澤部佑)フフフ(笑)。えっ?
(岩井勇気)だからそうすると、なにが怖いか?っていう話。死んだ後って、もう人間は等しく無じゃないですか。
(澤部佑)まあね。
(岩井勇気)ゼロになるわけ。っていうことは、どれだけ人生をがんばっても、ずーっと寝ていても、最終的にみんなゼロになっちゃうわけ。
(澤部佑)まあ、ねえ。
(岩井勇気)そうなると、現世ってなんの意味があるの?っていうことなんだよ。
(澤部佑)うん?
(岩井勇気)だから、生きていることがもう怖いの。これ、なんの意味があるの?っていう。全部どうせゼロになるので。いずれ虚無になるのに、俺たちはこの現世で何やってんの?っていう話になるわけ。だから虚無にならない。死後の世界があるとか、もう本当に遺族がどうとかっていうのは全部宗教的な考え方なのよ。
(澤部佑)まあ、いろんな考え方はあるよね。うん。
(岩井勇気)だからいま俺が言っている虚無が怖いから、なにかすがるという宗教なわけ。死んだ後のことっていうのはもう、全部。だから、死ぬのが怖いわけじゃないのよ。結局、俺の考え方は。虚無に向かっていま、生きていることが怖いわけ。そうなると、ゴールはみんなゼロなわけじゃないですか。だから現世でよりがんばった方が、後々に損するよね。ゼロになるわけだから。
(澤部佑)うーん?
(岩井勇気)積み上げてきたものが全部ゼロになるんだよ。がんばった方が損をするわけじゃん? そうなってきたら。
(澤部佑)まあ……そう、ねえ?
(岩井勇気)だから現世でよりがんばった方が損をするということは、この世でいちばん得をしているのは、ニートっていうことになるわけ。
(澤部佑)フフフ(笑)。いや、それはでも、損じゃないじゃん。別に。
(岩井勇気)結局最終的にニートがいちばん得することになるわけですよ。
(澤部佑)ニートはでも、虚無になった時に得するって……。
(岩井勇気)「よっしゃ、よかった! ゼロになった! がんばってなくて!」って。
(澤部佑)「よっしゃ、よかった!」っていうのも感じれないわけでしょう?(笑)。虚無になるわけだから。
(岩井勇気)ゼロになるっていうことは……。
(澤部佑)「はい、がんばってこなかった! はい、俺ラッキー!」っていうのも感じれないんでしょう?
(岩井勇気)感じれないけど、ゼロになるということはそういうことじゃん? もうがんばらなくていいっていうことじゃん。だから、ニートでいることが正しいっていうことなわけ(笑)。
(澤部佑)岩井教は?
(岩井勇気)うん(笑)。ニートが頂点なのよ。それで、最近気になった商売を聞いたんだけど。今後、流行るかもしれない商売で、「時間を売る」っていう商売があるんだけど。自分の時間を人に売るわけ。たとえば、澤部の時間を1時間、売るとするじゃん? 俺が買うでしょう? 俺、この澤部の1時間をいつ使ってもいいの。で、俺が澤部の1時間を使ったら、澤部は俺に対して芸人の1時間だから。だからたぶん、芸をするんだよね。俺に対して。
(澤部佑)はいはい。
(岩井勇気)1時間。それは、たぶん澤部と時間をすりあわせて1時間、使うんだろうけどね。で、いつ使ってもいいわけ。この1時間は。澤部の1時間を買ったら。だからずっと寝かしておいてもいいの。澤部の1時間を。で、この1時間を使える権利を人に売ることができるわけ。
(澤部佑)はー。
(岩井勇気)っていうことは、澤部の1時間を買って、10年後まで寝かせるとするじゃん?
(澤部佑)まあ、いつ買ってもいいんだもんね。うん。
(岩井勇気)そうすると、10年後の澤部の1時間っておそらくいまの澤部の1時間と価値が違うよね?
(澤部佑)まあ、そうかもね。うん。
(岩井勇気)だから、自分が買った時よりも上がっている可能性があるわけじゃん。で、いまの澤部の1時間と、大御所になった澤部の1時間があったとするじゃん? そうすると、全く差があるじゃん。っていうことは、俺はその差額で儲けられるわけでしょう?
(澤部佑)買った人はね。
(岩井勇気)俺が澤部の1時間をいま買っておけば、10年後に売ったら儲けられるわけじゃん? そういう商売がいま、あるのよ。
(澤部佑)あるの!? 実際に? ええっ?
(岩井勇気)うん。そう。流行らそうとしているらしいの。タイムバンクっていうんだけど。
(澤部佑)なにそれ?
(岩井勇気)だからいろんな人が時間を売って、それを買ったり使ったり、使わずに寝かしておいて後で売ったりとかするということになっていくらしいよ。
タイムバンク
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(澤部佑)なにそれ? んん? だって、寝かしておいてそのシステムがなくなっちゃう可能性もあるでしょう?
(岩井勇気)うーん……いや、でも流行ったらなくならないけど。なんでこれができたか?っていうと、もう高齢社会じゃないですか。
(澤部佑)超高齢化社会。
(岩井勇気)そうそう。年寄りが、でもお金は持っている世の中なわけ。で、若者がなかなかお金がないわけ。で、なにか事業をしたい若者は、時間はあるのにお金がないというね。年寄りは金はあるのに時間はないわけじゃないですか。これは、もう経済が回らないということになって、時間を売ることができれば若者が自分の後々の時間を売って、お金を得て事業をすることができる。
(澤部佑)はあ。
(岩井勇気)で、お金があれば、結構お金を回すことができて事業をすることができるじゃん? で、事業が成功するでしょう? お金があって、事業をすることができて。そしたら、その人の価値が上がるから。で、売った自分の時間の価値も上がるのね。だから、買った人はWin-Winなわけ。
(澤部佑)なるほどね。
(岩井勇気)だから経済がそれで発展していくんじゃないか?っていう考え方なのよ。
(澤部佑)はあ。そこまで考えて生み出されたの? このシステムは。
(岩井勇気)そうそうそう。でも、それって俺は思ったんだけど、一時代はいいよね。これって、時間を売ってお金を得るわけだから、これが時間よりもお金が大事という考え方なの。時間よりもお金が大事。時間を売ってお金を得るから。でも、みんなね、未来の時間を売っていったらみんな時間がなくなっていって、今後その後でかならず、お金よりも時間が大事っていう時代が来るんだよね。
(澤部佑)ふんふん。
(岩井勇気)そうなった時、より時間を持っている人が上になるわけ。より時間があって、かつその時間を持て余している人が上に立つわけ。だから、ニートの時代が来るんだよ!(笑)。
(澤部佑)フハハハハッ! いや、そう?
(岩井勇気)その時代になったら、ニートが頂点に君臨するんだよ!
(澤部佑)「時間、めっちゃありますけどね、僕」っていう?(笑)。
(岩井勇気)そうそうそう。「全然、時間ありますよ。お金なんていらないっす。時間あります」みたいな人が頂点に君臨するんだよ。その後で。
(澤部佑)ええっ?
(岩井勇気)だから、もういまね、この俺の2つの事例でニートが最も最上位に位置する未来が見えているわけ。
(澤部佑)岩井の持論の中ではね。
(岩井勇気)だから今後、上位に位置する時代が来るから、いまニートでいる諸君は安心していいぞ!っていうことを今日は説きたい。俺は(笑)。
(澤部佑)フハハハハッ! なんだよ(笑)。それを言うんじゃないよ、ラジオで!
(岩井勇気)それを説きたい。
(澤部佑)えっ? じゃあ、売っちゃダメね。いまニートの人は。
(岩井勇気)いま売っちゃダメ。全然ダメ!
(澤部佑)取っておいた方がいい?
(岩井勇気)ニートでいて、お金はいらない(笑)。
(澤部佑)いまの生活が苦しいのに……(笑)。
(中略)
(澤部佑)結構白熱して、CM中も結構ね、語ってしまいましたね。
(岩井勇気)時間理論。
(澤部佑)なんかありそうだね。映画で。ウィル・スミス主演で(笑)。
(岩井勇気)あるんじゃないですか?(笑)。
(澤部佑)ウィル・スミスあたり。そのへんがやっぱり好きそうだから。
(岩井勇気)だからさ、時間をさ、人の時間を買って、売って、お金にするんだよ。で、いろんな人の時間をバッて買うわけ。で、どんどんどんどん、後に売ってお金にしていって、めちゃめちゃお金が貯まるわけ。でも、気づいたら自分がもう本当におじいちゃんになっているの……。
(澤部佑)うわっ!
(岩井勇気)で、「俺、こんなにおじいちゃんになっちゃっている。なにやっていたんだ、俺の時間……」ってなって。で、試しに自分の時間を売ってみるの。そしたら、10円とか。
(澤部佑)うわっ、安い!(笑)。それ、違うよ。なんか……なに、それ? 小説を書くの? オチまで仕上がってるじゃん。岩井の中で。
(岩井勇気)そういう時代、来るよ。
(澤部佑)それか。そうなってくるともう、『世にも奇妙な物語』感だね。ウィル・スミスというよりかは。
(岩井勇気)そう。『世にも奇妙な』感ね。
(澤部佑)なるほどね(笑)。どういう時代になるのかわかりませんけどもね(笑)。
<書き起こしおわり>