宇多丸『8年越しの花嫁』『探偵はBARにいる3』を語る

宇多丸『8年越しの花嫁』『探偵はBARにいる3』を語る 宇多丸のウィークエンド・シャッフル

宇多丸さんがTBSラジオ『タマフル』の中で年末年始にTOHOシネマズのフリーパスを使って見た映画を紹介。『8年越しの花嫁』と『探偵はBARにいる3』について話していました。

(宇多丸)(2018年の年末年始は)まあゲームやったりとか。あと、これはどうでしょうかね? よく映画に行く人あるあるだと僕は思うんだけど、TOHOシネマズのメンバーズカードのポイントがあって。6ポイントたまるとタダで見れるみたいなのをみなさん、使っていると思うんだけど、マイレージ的なのがあるんですよ。で、マイレージがあれは期間が決まっていて。またなんかいろいろと変わるらしいけど、いままでは期間が決まっていて。要するに、割と1年で消えちゃうマイレージがあって。これ、放っておくと結構たまっているのに無駄にしちゃっている人がいらっしゃると思うんですよね。で、やれポップコーンが買えるだの何だのあるけど、いやいや、僕なんかは結構たまりますから。フリーパスを行けるわけですよ。

要するに、1ヶ月間フリーパスっていうのが来るわけです。で、今年は(年末年始は)割と暇だし。じゃあもうフリーパスで行ける限りTOHOシネマズに通うとか、行けるな!って思って。で、フリーパスを年末のギリにON! ここから1ヶ月……だからまだ全然行けているんですけど。だから、はっきり言って(ムービーウォッチメンの課題作品)『オリエント急行殺人事件』とか金払ってないですよ!(笑)。2回とも俺、金払ってない。まあ、長い目で見ると金を払っているけど、2回ともフリーパスなんで(笑)。なんだけど、もうさ、『最後のジェダイ』とかはもういいじゃん? ちなみに言っておくけど俺、評論した後にもう1回見ているからね。確認のために(笑)。

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でももう『最後のジェダイ』はいいしなって……で、今日から『キングスマン』とかは始まったけど、正月はそんな派手めのところはなかったんで。だから、あれですよ。『探偵はBARにいる3』とかね、あとはあれを見ましたよ。TBSもので、評判も高かったんですけどね。『8年越しの花嫁』。で、これはやっぱり瀬々敬久さんが監督というだけあって、実はああいうものの中では結構いいって聞いていたんですけど、見たらこれ、『8年越しの花嫁』はよかったよ。普通に。

『8年越しの花嫁』

特に土屋太鳳さんの熱演ぶりというんですかね? 病気になっちゃって寝たきりというのかな? 意識がなくなって。で、特殊メイクもあるんだけど、体全体がブクブクと太っちゃって、意識がないまま、目も虚ろなまま手とかを動かしたり。あれはやっぱり土屋太鳳さんの身体能力というんですかね? 体操とかをやっているんですよね。身体能力があればこそ、ああいう表現とかもできていると思うし。ああいう若手のかわいい系女優さんがやる演技としてはかなりがんばっているというか、かなり攻めていると思うんですよね。で、対する佐藤健さんも相変わらずああいう内気な役とかもすごいよくてですね。

そういうところもよかったし、最初の方で2人の馴れ初めのところというか、出会うところで商店街を佐藤健くんがトボトボ帰っていくと、商店街の横から土屋太鳳さんがポーンと追いかけてやってきて。で、2人でしばらく歩いて、佐藤健くんは路面電車に乗ってガーッと行く。そうすると路面電車がレールがグーッと曲がって景色がグーッと動いていくのを見ていくと、その動いていく景色に沿って土屋太鳳さんがまだ後ろから追ってきているというのが見えるところがあって。赤い服かなんかを着ていて。これとかも出合って追いかけて来て、2人で歩いて路面電車に乗って、まだ追いかけて来ているのを佐藤健さんが見ていて……っていうこの一連のところとかがすっごいよくて。めちゃくちゃよくて。

しかもこれ、終わりのところにもう1回、実はちょっとこの場面がリフレインされるんです。だからそことかすげーよくて。とか、もちろん難病ものという、「感動させます」っていう話なんだけど。実話だからね。なんだけど、たとえば登場人物たちが泣いたりとか、結構激するような場面では音楽をあえて鳴らしてなかったりとか。やっぱりさすが瀬々敬久さんの作品だけあって、演出もちゃんとしていました。とっても。すげーよかったです。TBS出資だから言うんじゃありません。すごいよかったです。いまのうちに見ても絶対……これは結構よかったですね。みたいなことをやっていましたね。

(中略)

『探偵はBARにいる3』

オープニングトークでちょっと話し忘れたのは、あの『探偵はBARにいる3』はクライマックスで絶対にその手前までは勝てないと思われためちゃめちゃ強いラスボスというか、めちゃめちゃ強い相手にどう勝つか?っていうところで、非常に斬新な……でも、格闘シーンとしてちゃんと成り立っている、非常に斬新な勝ち方をするあたりで、この時点で僕はもう「ああ、見てよかったな!」っていうね。「マジか!?」ってね、劇場で思わず声を上げてしまいましたけどね。「えっ!」っていうね。それだけで全然儲けものでしたね。

<書き起こしおわり>

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