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杉作J太郎と吉田豪 昭和のスター・渡瀬恒彦を語る

杉作J太郎と吉田豪 昭和のスター・渡瀬恒彦を語る JFN
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杉作J太郎さんと吉田豪さんがJFN『スキマから聴こえてくるラジオ』に出演。昭和のスター、渡瀬恒彦さんについて話していました。

(杉作J太郎)『スキマから聴こえてくるラジオ』。今日は私、杉作J太郎と……。

(吉田豪)はい。吉田豪が昭和のスターをテーマにお送りしています。Jさん、続いてどの方に行きましょうか?

(杉作J太郎)この間ね、惜しくも亡くなってしまいました。驚いてしまいましたけども。渡瀬恒彦さんでしょうかね。

(吉田豪)おすすめの作品は何になりますかね?

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渡瀬恒彦 おすすめ作品

(杉作J太郎)そうですね。先ほど松方さんもたくさんの作品があるという話をしましたけど。話し終わっていまさら直せませんけどね。まあ、何でもいいから言っておいた方がよかった気もしますんでね。やはりここはひとつ、具体的なタイトル名を挙げておきますが。『皇帝のいない八月』というね。これは、東映の作品ではないんですけども。

(吉田豪)ですね。

(杉作J太郎)まあ渡瀬さんはずっと東映所属でね。映画会社所属の俳優ってね、いまそんないないんですよ。日本中に。そんな中で最後まで東映に殉じた渡瀬さんなんですが。

(吉田豪)そうですね。

(杉作J太郎)まあ、ここ1本ということで言いますとね、僕も別にね、東映の回し者っていうことではありませんので。その証明のためにも、松竹映画『皇帝のいない八月』ということでね。この渡瀬さんはすごかったね。素晴らしかったと思います。これはクーデターを起こす自衛隊員役ですが。

(吉田豪)はいはい。

(杉作J太郎)これはね、渡哲也さんがそもそもは主演なわけですよ。で、渡哲也さんと吉永小百合さんが共演で、クーデターを起こした自衛隊員とその妻というね、もう松竹映画の超大作。ところがその、渡さんがこれはまあ、何らかの事情……テレビが忙しかったのか、体調面だったのか。渡さんはずいぶん多くの作品を実は降りられているんですけど。動き出す前にね。

(吉田豪)はいはい。うん。

(杉作J太郎)この作品に関しては、やはり「どうしても渡さんが……」っていう感じだったんだと思います。相手が吉永さんだし。日活時代のね。そして、渡瀬さんが登板するんですけど、やっぱりこの渡さん、渡瀬さんっていうご兄弟の信頼関係というか。お互いがお互いを思う気持ちの強さっていうのはこれ、相当なものがあったと思うんですよね。その中で、渡瀬さんが代わりに出てきた以上、相当気合いを入れてやらざるを得ないっていうね、その気迫がね。渡瀬さんは普段はどっちかって言うと、豪ちゃんも思っていると思うけど。ダウナー系というかね。演技の雰囲気が。白け世代。

(吉田豪)はいはい。ですね。

(杉作J太郎)東映の中にあってちょっと白け世代のね、いわゆる桃井かおりさんとかと手が合うみたいな。だから、桃井かおりさんとかが恋人役みたいなことは実に多い。

(吉田豪)アンニュイ派ですよね。

(杉作J太郎)そう。それとか、対抗する相手で考えても原田芳雄さんとかね。そういうちょっとダルな感じのね、ちょっと抜いた感じのスターなわけですよ。渡瀬さんは。

(吉田豪)石原プロ感じゃないわけですよね。

(杉作J太郎)そうなんです。ちょっともう、「どうでもいいじゃない」っていう。言わば、「どうでもいいじゃない」っていうのがあるわけなんですけど、この渡瀬さんだけは違うんですよね。

(吉田豪)ギラギラしてる?

(杉作J太郎)ギラギラしてる。でもおう、だから「やったらやれる」っていうかね。「やったらすごいんだな」っていうのをね、見せつけた。すごかった。あの、クーデターを起こした……九州から出たブルートレインが東京に向かっていて。そして、自衛隊が一斉蜂起をするような話なんですけど。「もしも成功したらっていう暁にはね、東京駅に着いた我々は一糸乱れぬ行進を皇居に向かってするのだ!」っていうね、この渡瀬さんの雰囲気は、監督は山本薩夫さんでね、そういうクーデターとかに否定的な思想の持ち主の方なんですけど。

(吉田豪)はいはい。

(杉作J太郎)それでも、かっこよく見えてしまうぐらい、渡瀬さんのね、演技がすごく。また、共演者も三國連太郎、丹波哲郎、渥美清。

(吉田豪)重厚な人たちが。

(杉作J太郎)もう、松竹のスターが勢揃いなのに、そのトップにいきなりね、出て。全く遜色なかった。これは僕、渡瀬さんのね、ひとつの代表作と言っていいんじゃないかと思うんですけど。渡瀬さんは、アクションスターとしての面もあるんですよ。

(吉田豪)うん。ありましたね。

(杉作J太郎)だから角川映画の『化石の荒野』っていう映画があるんですけど。この中で、あれはどこだろうね? 南アルプスですかね? 谷川岳のあたりですかね? ちょっとこれ、違うかもしれませんが。もう本当に、1000メートル、2000メートル級の渓谷の上を通っているロープウェイの底をパカッと開けて。もう下、1000メートルぐらいの谷ですよ。そこで、ロープをスーッと下ろして、命綱なしで下りていくんだよ。

(吉田豪)うん。

(杉作J太郎)それでその時に、「高いな」って思ってね。高さを表現するために、アドリブでね、物を落としたそうなんですよ。そしたら、やっぱりカバンがヒューッて落ちるところが映っているわけ。その時に渡瀬さん、はじめてね、「ああ、高いなって思った」っていう(笑)。

(吉田豪)(笑)

(杉作J太郎)でもね、スルスルッて下りていって。下りていく時の途中で思ったことは、「もうちょっと怖がらなきゃいけないのかな?」っていう(笑)。

(吉田豪)「リアリティー、足りないかもな?」っていう(笑)。

(杉作J太郎)うん。いや、すっごい人だと思いますね。

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芸能界ケンカ最強説

(吉田豪)渡瀬さんの芸能界ケンカ最強説ってあったじゃないですか。あれは、何なんですかね? かなりいろんな人から僕も聞きましたね。

(杉作J太郎)いまの高いところが怖くないとかね、なんか覚悟が決まっている感じがしますね。僕、渡瀬さんって。

(吉田豪)空手のベースがありながら、そのハートの強さもあってっていう。

(杉作J太郎)うん。どこかで覚悟されたんじゃないのかな?っていうのが、渡瀬さんはほら、もともとがサラリーマンというか、ビジネスマンじゃないですか。

(吉田豪)電通ですもんね。

(杉作J太郎)そうなんですよ。だから、もともとはデスクワークをやっていた人ですから。その方が、途中から、それも東映に入ったんですよ。で、東映に入って、それも京都に行きましたからね。どこかで僕は腹を括ったのかな?っていうね。もうこれは「いつ死んでも……」じゃないけど。それが凄みっていうかね……まあ、凄みっていうことはないんだけど。それが強さの裏付けになってるような気がしますね。

(吉田豪)最強伝説がありながら、そういう悪い話もないですからね。

(杉作J太郎)そうなんですよね。性格的に渡瀬さんが誰かをやりあげたみたいな話は一切聞いたことがない。聞くのは本当ね、何かでモメ始めたところでシュッと……早いでしょう? 勝負がつくのが。覚悟をされていた方のような気がしますね。

(吉田豪)わかりますね。じゃあ、そんなところで1曲、聞いていただきますかね。Jさん、曲紹介をお願いします。

(杉作J太郎)はい。そんな数々のね、昭和のスターが輝いた時代。美空ひばりさんで聞いてください。『川の流れのように』。

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『川の流れのように』

<書き起こしおわり>

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