渡辺志保さんがヒップホップ専門ネットラジオ『WREP』の『Weekend Jam』にゲスト出演。ホストのMC RYUさんとケンドリック・ラマーがU2をフィーチャーした『XXX.』について話していました。
(MC RYU)で、そんな中、じゃあさ、正しい/正しくないは置いておいて、今回ケンドリック・ラマーはこんなことを言っている。どんなことを言ってますか? ちょっと『XXX.』っていう曲をかけたいんですよ。これはもう、さっき志保ちゃんにも説明してもらいましたが。歌っているのはボノっていうU2のシンガーなんですが、クレジットがU2になっているんだよね。
(渡辺志保)あ、そうなの。そうなの。
(MC RYU)っていうことは、U2全員が曲に絡んだのかな? これは。
U2全員がクレジットされている
(渡辺志保)そうなんですよ。最初にこのアルバム、トラックリストがネット上に流出して。フィーチャリング・U2って書いてあって。で、我々がよく考えがちなのは、これ、サンプリングソースで使っているだけなんじゃないか? とか。
(MC RYU)思うよね。
(渡辺志保)U2の過去の曲を使っている。もしくは、ボノだけが参加しているんじゃないか?って思って、ダサい曲になっていたらいやだね、みたいなことは……。
(MC RYU)イメージしちゃうよね。ボノが歌い込んでいてね。
(渡辺志保)熱い感じになっているんじゃないか?って思っていたら、ところがどっこいなんですよ。で、この曲のサウンド面で上手いなと思ったのは、これ結構タイトルもXが3つ並んで「XXX」だから、なにを指しているのかわからない……。
(MC RYU)まあ、アメリカではポルノなんですよね。
(渡辺志保)あ、検閲をする時の?
(MC RYU)そう。その時に「X」がポルノで、「XXX」はドギツいポルノなんですよ。だから、それを言っているんだと思うんだね。
(渡辺志保)なるほど。Explicitな感じがあるのかもしれないけれど、前半と後半で全然曲の感じが違って。前半は今回『DAMN.』っていうアルバムの中に入っている『DNA.』とか『HUMBLE.』っていう曲を作った、すごいいま最先端のアトランタのサウンドを作っているプロデューサー。それこそRYUさんはあんまりかもしれないけど、ビヨンセの『Formation』とかを作った、そういう勢いのあるビートを作るプロデューサーのマイク・ウィル・メイド・イットっていう子が前半のビートを作っているんですよ。
(MC RYU)うんうん。
(渡辺志保)でも後半、ガラッと変わって。ちょっとジャジーなドラムとかパーカッションが入りはじめて。そこからボノが歌い始めるんですけど。でね、私もアルバムを買って聞いて、クレジットを全部読むと、さっきRYUさんがおっしゃったみたいに、U2のメンバー4人の名前がちゃんと音楽ライターとしてクレジットされているので。
(MC RYU)珍しいね。
(渡辺志保)作詞かわからないし、まあたぶん作曲だと思いますけど。たぶんね、U2全員がケンドリックのために一緒に曲を作っているんですよ。
(MC RYU)すげーことだぜ。
(渡辺志保)すげーことですよ、これは本当に。
(MC RYU)俺、ボノはハーレムで会ったけどね。
(渡辺志保)おおっ、すごい(笑)。それはニューヨークのハーレム?
(MC RYU)ちげーよ。そこの。
(渡辺志保)えっ、渋谷のハーレムで?
(MC RYU)遊びに来てたんだよ。
(渡辺志保)マジっすか!? すごい。
(MC RYU)背がちっちゃくて、顔が大きいんだけどね。でも、偉大な人ですよ。人間としても素晴らしい人ですよ。
(渡辺志保)ねえ。そうそう。だから、U2。ひいてはボノこそね、ずーっと音楽を通じて社会運動であるとか……。
(MC RYU)でもね、きっとボノもね、ケンドリック・ラマーと曲が作れてうれしかったんだと思うんだよね。あの人の質の高さからするとね。で、今回の曲はいま志保ちゃんが言ったみたいに、俺の中ではもう映画音楽なんですよ。大作だよ。この曲も。
(渡辺志保)うん。なるほど。
(MC RYU)だからちょっとかけましょうか。
(渡辺志保)はい。聞いていただきたいと思います。
(MC RYU)ケンドリック・ラマー feat. U2『XXX.』、聞いてください。
Kendrick Lamar feat. U2『XXX.』
(MC RYU)なんかボノがお風呂で歌っているような(笑)。
(渡辺志保)エコーがかかっている感じの。リバーブですか(笑)。
(MC RYU)でもね、リリックは本当に志保ちゃんが言ったみたいにハードで。まあオバマが去って、トランプがその座に座っている。大変だね……っていうことですわ。
(渡辺志保)ですわ。そうですわ。ぜひぜひ聞いていただきたい。
(MC RYU)でね、今回もアメリカNowの話からすれば、毎年ですね、スーパーボウルって知っている?
(渡辺志保)もちろん、もちろん。
(MC RYU)アメリカンフットボールの優勝の試合が1月、2月にあるんですが。で、ちょうどこの時期に全員ね、優勝したチームはホワイトハウスに招かれるんですよ。
(渡辺志保)ああ、なるほど!
(MC RYU)で、選手全員……スタメンが50人ぐらい、選ばれてそこで食事をするんですが、今年はニューイングランド・ペイトリオッツが優勝をして。トム・ブレイディが5回、スーパーボウルで優勝したという素晴らしい功績を残したんですよ。でも、半分以上が(食事会に)来なかったの。
(渡辺志保)それは……?
(MC RYU)で、その理由。トム・ブレイディは逃げた。家庭の理由だったっていうことで。他の選手は全員、「トランプには行かない」と。
(渡辺志保)でも、トム・ブレイディはもともと結構ね、トランプ寄りの思想というか。そういうことで……。
(MC RYU)いや、わからないんだよ。そこは。
(渡辺志保)結構エンタメ界はそういうところをね。
(MC RYU)エンタメ界といえば、キッド・ロックとさ、テッド・ニュージェントと一緒に(トランプが)メシを食ったっていう。テッド・ニュージェントって、日本大嫌いなんだよ。
(渡辺志保)そうなんだ。
(MC RYU)「日本人がギター弾くんじゃねえ、このサル!」っていうような人なのよ。そういう人たちがトランプの周りにいるわけ。だから、周りが嫌がるのはわかるよね。そんな人と組んでいたらね。それは失礼だとは思うんですが、でも俺、テッド・ニュージェントは嫌いじゃないのね。アーティストとしては。人間としてはたぶん好きじゃないと思うんだけど(笑)。
(渡辺志保)相容れない部分があるかもしれないですけども(笑)。
(MC RYU)そう。だからそれで人がいなくて、トランプがはじめて、ちょっとかわいそうだったかな。で、オバマの時とかはもう全員来ているし。前回ペイトリオッツが優勝した時はみんな選手全員のサイン入りのヘルメットをオバマに渡したのね。トランプさん、誰もサインしていないヘルメットをもらったの。
(渡辺志保)(笑)。いや、笑ったら失礼ですね。
(MC RYU)笑っちゃいけないけど、ちょっとトランプがかわいそうに見えちゃった。俺、一瞬(笑)。
(渡辺志保)でもまあ、そうね。
(MC RYU)まあまあ、しょうがないっすよ。まあ彼、大統領になったんだからチャンスを与えて、アメリカを良くしてもらおうじゃん。やれるところまで。
(渡辺志保)本当ですね。メイク・アメリカ・グレート・アゲインしていただいてね。
(MC RYU)そうです。
<書き起こしおわり>