DJ YANATAKE 2017年グラミー賞を振り返る

DJ YANATAKE 2017年グラミー賞を振り返る INSIDE OUT

DJ YANATAKEさんがblock.fm『INSIDE OUT』の中で2017年グラミー賞を振り返り。主要4部門のうちの最優秀新人賞を受賞したチャンス・ザ・ラッパーや、惜しくもアデルに敗れ主要部門は逃したビヨンセの話などをしていました。

(DJ YANATAKE)今日はでも、なんと言ってもグラミー賞の話題からじゃないでしょうかね。なんと、いろいろみなさんTwitterとかで情報を知っている方いらっしゃると思うんですけども。いま、バックトラックでかかっております。なんと! チャンス・ザ・ラッパーが主要4部門のうち、最優秀新人賞を獲得しました。おめでとうございます。やった!(拍手)。

チャンス・ザ・ラッパーの快挙

これがですね、どれぐらいの快挙か?っていうことは、いろいろな部門があって、チャンス・ザ・ラッパーは他にも最優秀ラップパフォーマンス賞、最優秀ラップアルバム賞っていうのを受賞しているんですけども、チャンス・ザ・ラッパーは、これも報道されている通りですけど、いわゆるストリーミングのみ。いま、音楽配信サービスがいろいろありますけども。そこで配信されたアルバムで、そもそもグラミー賞としてはそういう配信だけの音楽とか、フリーダウンロードだけでしか出していなかったチャンス・ザ・ラッパーがそういうノミネーションの対象にはならないと言われていたんですけども、いろいろな動きがありまして。チャンス・ザ・ラッパーを応援する動きとか、チャンス自身のね、自分をそういうところに認めてくれみたいな動きもあって、めでたくノミネーションされ、そして見事最優秀新人賞を受賞したということで。本当におめでとうございます。これはめでたいですね。

あのドレイクでさえね、主要部門はとれてないですしね。ドレイクも2部門はとっていますけども。いかにこの主要部門に入るのは大変か?っていうことで、これはヒップホップ業界的にはかなり歓喜なんですが。最優秀新人賞もなかなかヒップホップ・ラップアーティストがとることはなかったんですけども。2014年にマックルモア&ライアン・ルイスとか。R&B系はぼちぼちいるんですけども、1999年のローリン・ヒル。このへんも、歌もラップもというところが混じりつつだったりするのと。あと、グラミー賞はなかなか黒人が受賞できないなんて言われたりもしていますから、そういうった中では……うん? 1993年のアレステッド・ディベロップメントぐらいまで遡らなきゃいけないのかな? 

まあでも、無事にチャンス・ザ・ラッパーが受賞したというのはすごく良かったのと、あと、ビヨンセとアデルの対決ですね。やっぱり9部門ずつノミネートされて、史上最多ぐらいのことを言われてましたけども。主要部分っていうのは最優秀新人賞以外にあと3つあって。最優秀レコード賞、最優秀アルバム賞、最優秀楽曲賞っていうのがあるんですけど、これをなんと全部、アデルさんが受賞したと。ここね、半分ぐらいはビヨンセがとるんじゃないか? なんて言われていたんですけど、1個もとれずに。ビヨンセさんは最優秀アーバンコンテンポラリーアルバム賞と最優秀ミュージックビデオ賞の2つにとどまるというところで。

ここでもやっぱり、うーん……『Lemonade』ぐらいの完成度のアルバムをもってしても、なかなか届かないのか? と。まあ、アデルのアルバムも本当に素晴らしいし、『Hello』もすっごいいい曲だし。出た時の盛り上がりもやっぱりね、ビヨンセだけじゃなくてアデルさんも素晴らしかったですけども。うーん、ここでも届かずかというところでですね。でも、アデルさんが最後受賞の時にビヨンセに「あなたは私のアイドルよ。『Lemonade』は本当に素晴らしい作品で……」みたいなスピーチをしてビヨンセが涙ぐむなんていうところもあって、非常に感動的でございました。機会があればグラミー賞の動画なんかいろいろとまだ上がっているんじゃないでしょうか。みなさん、いまのうちに見ておいてくださいね。

あと、ヒップホップ的にはこちら。あのア・トライブ・コールド・クエストがなんとグラミー賞でパフォーマンス。こんなことを2017年に見れるなんて、誰が予想していたでしょうか? もちろんね、再結成というか最後のアルバムになったのがビルボード1位にもなりましたし。亡くなったファイフ・ドーグの追悼の場面なんかもありましたけども。やっぱり、いまのトランプ政権に対する意見というか動きというか。そういうのがあって。移民の入国拒否の問題なんかもこのパフォーマンスの中に取り入れて。バスタ・ライムズがそのへんを熱く政治的に語るなんていう場面もありましたけど。なかなか、すごい感動的なステージでしたね。

チャンス・ザ・ラッパーもすごいよかったね。地元のシカゴの教会で歌うような子供たちを連れてきていたり。あと、アルバムにも参加していますけども、ゴスペル系のカーク・フランクリンとかあのへんを一緒に従えてやって。最後にちょっと、どんどんヒップホップ的にその人たちが盛り上がっていくような様はネットフリックスのドラマ『ゲットダウン』でも同じようなシーンがありますけども。『Set Me Free』という曲が教会で歌われる時を思い出すようなシーンでございました。チャンス・ザ・ラッパーも素晴らしかったし、ア・トライブ・コールド・クエストも素晴らしかったです。

それ以外にも、プリンスのトリビュートでやったブルーノ・マーズとかもすごいよかったし。今年グラミー、見どころたくさんですごいよかったですね。

そんな中、本当はこれ、ビヨンセがとっていればさらによかったんですけども。グラミーが終わった瞬間にDJキャレド名義でなんとfeat. ビヨンセ&ジェイ・Zという曲が発表されました。歌詞の中でもね、ジェイ・Zは結構、「俺たちは何十個もグラミーのトロフィーを持っているぜ!」なんてスワッグするラインもあったりするんですけども。そのへんもグラミー賞とかを上手くプロモーションと結びつけてやっているのは流石だなと。この曲はTIDALエクスクルーシブで聞けるようになっていたりとかして。DJキャレドもロック・ネイションに入りましたから。「全部ジェイ・Zの懐に入るようになっているね」なんて(渡辺)志保と昼間、テキストのメッセージをしながらこの曲について話していましたけども。今日のオープニングナンバー、行ってみたいと思います。DJキャレド feat. ビヨンセ&ジェイ・Zで『Shining』。

DJ Khaled『Shining ft. Beyonce & Jay Z』

はい。聞いていただきましたのはDJキャレド feat. ビヨンセ&ジェイ・Zということですね。それぞれ契約もいろいろあるでしょうから、DJキャレドを通すことによってね、この2人が曲を一緒にやりやすいんじゃないかなと。でも、ちゃんと売上はジェイ・Zに落ちるシステムになっているという、さすがビジネスマンでございます。途中で21サヴェージって言う人気のラッパーがいますけども。それとグラミーでとった自分のカップの数を照らしていて面白いラインがありました。

<書き起こしおわり>

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