SKY-HIと渡辺志保 アルバム『OLIVE』を語る

SKY-HIと渡辺志保 アルバム『OLIVE』を語る INSIDE OUT

SKY-HIさんがblock.fm『INSIDE OUT』にゲスト出演。最新アルバム『OLIVE』について渡辺志保さんと語り合っていました。

(渡辺志保)今日はこの方をお呼びしております。SKY-HIさんです!

(SKY-HI)どうも、SKY-HIです。来ました。よいしょ~! お願いします。

(渡辺志保)オリーブの木をよっこらせと運んで。

(SKY-HI)もう生やしています。

(渡辺志保)生やしています(笑)。このblock.fmのスタジオにもSKY-HIさん、来てくれました。というわけで今日は新作『OLIVE』についてバシバシ聞いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。もう、だっちゃんはさ、このスタジオも結構何度も来てくれているし、私も何回もインタビューさせてもらっているので、ちょっとくだけた雰囲気と言いますか。ちょっとチルな……


SKY-HI『OLIVE』

(SKY-HI)もう、相当くだけてますよ(笑)。

(渡辺志保)ありがとうございます(笑)。ややもすると、馴れ馴れしいみたいな感じのバイブスで、この『INSIDE OUT』でしか聞けないお話なんかも聞いていきたいなという風に思っておりますので、みなさんご愛聴をどうぞ宜しくお願いします。でも、だいぶいま忙しいんじゃないですか? 日高さん。

(SKY-HI)明日店着日ですもんね。火曜日だから。だから……忙しいっちゃ忙しい気もしますけど。ライブできているっていうのは届けられている瞬間が多いから、比較的精神的にいいですよね。

(渡辺志保)なるほどね。高揚感もありつつ、安堵感もありつつ、みたいな。

(SKY-HI)あと、インタビューで人が自分の曲を聞いた感想とか、解釈とか、それに対する自分の返しとか。すごい『OLIVE』はアルバムを作っている時から自分の中の扉が開いている感じだったんですけど、インタビューでさらにそれが確認できる感じはあって。ものすごい、いまだいぶSKY-HIですね。

(渡辺志保)だいぶSKY-HI(笑)。もう飛んでいっちゃうような感じですけども。でも、去年、名作『カタルシス』を。あれは出たの、いつでしたっけ?

SKY-HI『カタルシス』を語る

SKY-HIとDJ YANATAKE『カタルシス』を語る
SKY-HIさんがblock.fm『INSIDE OUT』に電話出演。DJ YANATAKEさんと新作アルバム『カタルシス』について話していました。 (DJ YANATAKE)と、いうわけで・・・SKY-HIさーん? (SKY-HI)はーい

(SKY-HI)去年の1月20日。

(渡辺志保)あれ? ちょうど1年前?

(SKY-HI)そう。だから363日ぶりのアルバムです。

(渡辺志保)ハンパないんだけど!っていうか、『カタルシス』を出したじゃん。で、すっげー濃い内容だったじゃん。その後、ツアーやっていたじゃん。その後にSALUくんとのコラボアルバムを出したじゃん。で、「えっ、いつ作っていたの? この『OLIVE』?」みたいな感じなんですけど。マジでいつ作ったんすか?

(SKY-HI)ずーっと構想をしながら、筆おろししたのは10月。

(渡辺志保)マジか! いま1月だから、ついこの間のことじゃん!っていう感じなんだけど。

(SKY-HI)10月と11月にレコーディングの日程を全てもう決めて。曲がない段階で。ただ、『ナナイロホリデー』ができた段階でプロット……アルバム全体のストーリー。こうやって始まって、最終的にこのメッセージを渡すっていうのは夏終わりでできていたので。だからあとはシーンを決めるっていうか。映画の、「こういうシーンがあります」みたいなのを決めていく作業を8月、9月でして。で、10月からもうレコーディング日程が決まっているところにあわせて書けそうなやつからシーンを録っていくみたいな。

(渡辺志保)すごいね。だってさ、アーティストによってはアルバム1枚出して、そこから丸々1年かけてツアーして、次の1年で丸々アルバムを制作して、2年後に出すみたいな方が多いじゃないですか。だっちゃんはそれを半分以下のスピードでやっているっていうことじゃないですか。

(SKY-HI)ウケる。ライブ100本くらいやっていましたよ。ウケる、ウケる(笑)。

(渡辺志保)そうそうそう。いつ寝てるんだろう?って思いながら。たぶんみんなが思っていると思いますけども。質問でも、実際に多くて。「いつ寝ているんですか?」とか「いつ休んでいるんですか?」っていうのがあって、私も常に思っていたんですね。で、私、1回SKY-HIさんのインタビューをSkypeでやらせてもらったことがあって。それも結構深い時間、深夜2時ぐらいにしていて。でも、日高くんは次の日、地方に行かなきゃいけないというタイミングで。私がもうそれでインタビューが終わって寝て、起きた頃にはもうあなた、地方にいたのよ(笑)。

(SKY-HI)(笑)

(渡辺志保)私の中で、「あ、だっちゃんは寝てないんだ!」みたいな。私もいつも、「だっちゃん、いつ寝てるんだろう?」って思っていたけど、自分の中で答えがひとつ出て。「だっちゃんは寝ない」っていう。

(SKY-HI)そうそうそう。

(渡辺志保)だからね、どうやって体調管理とかしているんだろう?って。あなた、しかも喉の手術なんかもしてらっしゃいましたもんね。去年ね。

(SKY-HI)そうなんですよね。だから、もう2016年はそういう意味では波乱がすごかったっす。

(渡辺志保)でも、そんな中さ、すっごい完成度、そして満足度の高い1枚ができているっていうことですよね? 『OLIVE』に関しては。

(SKY-HI)はい。もう逆に言うと2016は波乱が多くて。喉の手術もそうだけど、まともにしていると精神が保てない1年だったから。スケジュールも含めて。その時に支えてくれたのが音楽だった。っていうより、俺の音楽だった。

(渡辺志保)すごいね!

(SKY-HI)だから、『OLIVE』は求心力とか懐の広さ、包容力、生命力。そういうのが強いのができたなと思ったんだけど。たぶんね、心の底から俺はそれを求めていた。

(渡辺志保)すごい。それを作っちゃったみたいな。

(SKY-HI)たぶんそうですね。

(渡辺志保)そうなんですね。そのストーリーを描き始めて、『カタルシス』とは真逆の方向にいる作品じゃないですか。そこを自分の中でスイッチを切り替えるのは大変とか、そういったことはなかったんですか?

(SKY-HI)スイッチは地続きで。自分の中では全てが。SALUとのアルバムなんて特に音像も対極に聞こえるし、内容もトゲトゲしいし。

(渡辺志保)本当だよ(笑)。

(SKY-HI)(笑)。なんだけど、それも全部僕の中では地続きで。『カタルシス』で1回本当に「死ぬ」に自分の中でいちばん近い段階まで行ってみようと思って。「死にたい」っていう気持ちと向き合おうと思ったら、「生きててよかった」にひっくり返せるアルバムができたなと思っていたら、その後に喉の手術で本当に1回死んじゃったから。音楽家として。

(渡辺志保)笑えない(笑)。

(SKY-HI)で、音楽家として1回死ねたからこそ、もう1回再生できる喜びとか、生きている時に自分の音楽を共有できるバンドとかダンサーとか仲間ですね。あと、リスナーの存在をもう1回感じれて、それに対して責任を持って音楽を作ってやっていく責任感とか全部わいてきて。そういう包容力がある『OLIVE』ができていったっていう。

(渡辺志保)はー、なるほど。せっかくなんでね、今日は『OLIVE』の中から何曲かオンエアーしながらお送りしたいと思うんですけども。まず最初、1曲目にリスナーに聞いていただこうと思うんですけども。これ、プロデューサー表記が「SKY-HI」って書いてある。

(SKY-HI)そうですよね。結構でも、今回のアルバムはソングライター然とした作り方……もうデモを作っちゃって。だからその『アドベンチャー』のホーンのラインなんかもそのまんまなんだけど。そういうのが多くて。曲を作って、それをトラックメイカーとかに渡して、鳴りを変えてもらったりとか。鳴き差し替えてもらったりみたいな。そういうのが多かったですね。

(渡辺志保)そうなんですね。で、とうとう自分でプロデュース、そして作曲もしちゃうっていう……

(SKY-HI)ウケる(笑)。

(渡辺志保)ウケる(笑)。ウケるっていうか……

(SKY-HI)でも、そうしないとこのスパンではできない。逆に。

(渡辺志保)まあ、そうだろうね。

(SKY-HI)毎回、トラックを発注してイメージと合う/合わないとか。それで、でも人間って弱いから、「まあいいか」ってなっちゃいそうじゃないですか。とかいうのを繰り返していたら、もう絶対にアルバムなんてできない。

(渡辺志保)はー。じゃあもうセルフプロデュースした方が。

(SKY-HI)した方が。俺みたいにそういう形でやるか、クレさん(KREVA)みたいに全部、本当に自分の部屋でやるか、tofubeatsとかみたいに自分の部屋でやるか。もしくは、仲間に1人優秀なトラックメイカーをつけるかの三択しかない。俺はだから、そういう意味ではいちばん作り方がソングライターっぽいかも。

(渡辺志保)なるほど。じゃあそんなだっちゃんのソングライターっぽさも反映された1曲をまずは聞いていただきましょう。

(SKY-HI)これはね、『INSIDE OUT』っぽいことを言うと、音楽をいま解釈して世の中に出すゲームってあるじゃないですか。チャイルディッシュ・ガンビーノがPファンクなのか? とか。

(渡辺志保)そうだね。みんなでリリックのサイトにね、ああだこうだ書き込んで……みたいなね。

(SKY-HI)ファレルがソウルをもう1回やって。ほら、いま映画のサントラをやっているとか。

(渡辺志保)『Hidden Figures』のね。

(SKY-HI)これ、1個だけ種明かしするとね、『アドベンチャー』っていう曲はね、タワー・オブ・パワーかなって俺は思っていますね。

(渡辺志保)ソウルグループの大御所ですね。

(SKY-HI)自分の中でね、アーリー70’sのファンクっていうのは根強くいて。あともう1個言えることは、『アドベンチャー』の2バース目のラップの冒頭のフロウは80’sからのサンプリングで、「Hip, hop, the hippie the hippie dibby hip hop hop and you don’t stop」って……

(渡辺志保)なるほどね。クラシックなラインを。

(SKY-HI)の、フロウ。

(渡辺志保)あらら、そんなところまで種明かしをしてもらっちゃって。なるほど。

(SKY-HI)『INSIDE OUT』っぽい(笑)。イエーイ!

(渡辺志保)ありがとうございます。うれしいです。

(SKY-HI)じゃあ、ちょっと聞いてください。明日店着のアルバム『OLIVE』からSKY-HIで『アドベンチャー』。

SKY-HI『アドベンチャー』

(渡辺志保)はい。というわけでいまお聞きいただいているのは明日、いよいよ店着日を迎えるSKY-HIさんの最新アルバム『OLIVE』から『アドベンチャー』。プロデュースド・バイ・SKY-HI。聞いていただいております。いやー、みなぎるね。

(SKY-HI)みなぎる。

(渡辺志保)みなぎる。このホーンがまたみなぎるっていう話をしていたんですけど。

(SKY-HI)このラインは電話しながら作っていたんですよ。

(渡辺志保)どうやって電話しながら作るの?

(SKY-HI)アルバムのストーリーを作って、曲のシーンが見えてきた時になんとなくスタッフに口頭レベルでは伝わっていたんだけど、「あ、ヤバい。クライマックスシーンがない」と思って。『タイタニック』でいう、後ろから羽交い締めする……

(渡辺志保)ああ、ローズをね。羽交い締めじゃないけど(笑)。

(SKY-HI)ヘッドロックするあのシーン(笑)。

(渡辺志保)グッとね。最後に(笑)。

(SKY-HI)『ミッション:インポッシブル』で火の中からバーッてバイクで出てくるとか。『アルマゲドン』のやつとか。ああいうのがないと思って。それを象徴するナンバーを作った方がいいよねって、近しい石川淳っていうのに電話して言ったら、「それはあるにこしたことはないね」って言われて。「それって、たとえばこういうラインだと思うんだよね」って言って弾いたのがあのラインっていう。

(渡辺志保)えっ、そうなんだ。で、それがそのまま採用!っていう?

(SKY-HI)「パパッ、タカタータッター♪」「そう、いいねいいね」っつって。「ター、タタッ♪」って。でもね、弾いていて思ったのはこの1年ずーっとFIRE HORNS。

(渡辺志保)一緒に、バンドで。

(SKY-HI)そう。我がバンド、スーパーフライヤーズと一緒にいたから。そのDNAは確実に俺に勝手に宿っていて。だから、結構多いです。「これ、スーパーフライヤーズの○○が弾きそうなラインだ」とか。

(渡辺志保)そうなんだ。じゃあ、知らないうちにインスパイアされながらっていう感じだったんですかね。

(SKY-HI)なんかすごい、いい栄養。いいご飯を食べて育っているみたいな感じ。

(渡辺志保)ああ、いいですねー! いい話。でも、なんか笑っちゃうんだけどさ。私もでも、『OLIVE』の音源をいただいて、「だっちゃん、このすごい過密スケジュールの中、こんなアルバムを作ったのか!」って思って。まあ実際に聞かせていただいてリリックもいただいていたからリリックにも目を通させていただいて。で、聞いた後に私、去年ブルーノ・マーズがアルバムを出したじゃないですか。あの時にも思ったんだけどさ、「どこを切っても完璧なアルバムってあるんだな」みたいな……

(DJ YANATAKE)よいしょ~!(拍手)。

(SKY-HI)よいしょ~!

(渡辺志保)これ、褒めてるよ。これ、褒めているんだけど、同時にちょっとムカつくっていうか、なんか粗探しを……ブルーノ・マーズの時もそうだったんだけど、ちょっと粗探しをしたくなるんです。で、本当にさ、聖人君子SKY-HIみたいなさ、キラキラみたいな。愛とエネルギーに満ちて、アンパンマン! みたいな感じがして。でも、その中でやっぱりだっちゃんのちょっと黒いヒップホップイズムみたいなものを随所に感じられるから、私は逆にそれがあるおかげで『OLIVE』を自分なりに楽しむことができたっていう。

(SKY-HI)そうですね。あの、矛盾させるっていう。逆に世の中矛盾していないと矛盾じゃないっていう。

(渡辺志保)本当にそう。本当にそう。

(SKY-HI)最近、たまに言っているんですけど、ジャケ写が無機質のコンクリートを突き破って有機物の木が生えていることとか、あとよく見るとね、太陽の横に月が出ていて。もう矛盾しているっていう。矛盾しているけれど、もう全部そうだし。ほら、こういうことを言うと怒られるかもしれないけど。まあ、言っているからいいか。キングコングの西野さんとかホリエモンとか、ヘイターが多いじゃないですか。

(渡辺志保)まあまあ、そうだね。

(SKY-HI)あれってなんでかな?っていったら、「正論を言うから」っていう。

(渡辺志保)ああ、たしかにね。でも、そうかもね。正論を言われるとちょっと歯向かいたくなるっていうか。「いやいやいや、ここ違うでしょ?」って言いたくなっちゃう心理はあると思う。

(SKY-HI)俺、正論大好きなんですけど。でも、なんで正論が気持ちよかったり逆に鼻についたりするかっていうと、たぶん人間の感情って常に矛盾しているから。幸せだけど、悲しいとか。うれしいけど、悔しいとか。ずーっとそういうのが、100%どれかっていうのはないから、たぶんその矛盾を常に内包するのは意識しました。

(渡辺志保)そうなんですか。へー。でさ、タイトルの『OLIVE』もさ、なんだろう?って思って。「だっちゃん、”OLIVE”になんの意味を込めているんだろう?」って思って。で、まあ「”Live”が入っているやん?」みたいな。で、私去年ね、アメリカのフューチャーっていうすごい小汚いラッパーがいるんですけども……

(SKY-HI)失礼な(笑)。

(渡辺志保)彼が美人なシアラという奥さんと別れた後に「Love」をひっくり返して「Evol」っていうアルバムを作ったんですよ。離婚した後に、「俺はもう愛なんて信じない。真っ逆さまだ!」みたいな『Evol』。で、『Evol』を出したっていうのをふと思い出して。で、「あれ? 『OLIVE』ってアナグラムになっている? あれっ? アルファベットを組み替えると……”I Love”になっている?」みたいな、なんかそういうこととかを思っちゃったりなんかして、今日本人に答え合わせをした次第なんですけども。

(SKY-HI)はい。「I Love」もあります。

(渡辺志保)すご~い。だから、そういうところもいちいち完璧! みたいに思っちゃって。

(SKY-HI)でも、「これでいっか」は1個もないかも。それは大事かも。

(渡辺志保)あ、だから矛盾はあったとしても、妥協はしないっていうことですね。

(SKY-HI)妥協はない。矛盾も意識して作らないと。たぶんだけど、神様は人間を作る時に男と女をわざわざ分けているあたりが、もう矛盾をはらんでいるっていう。意識的に。

(渡辺志保)きゃー! そんなこと、考えたこともなかった! 「男と女! イエーイ!」みたいな(笑)。

(SKY-HI)だって、効率を考えたら全部同じ生物で分裂して繁殖していける方が、少子化も晩婚問題も合理的なんですけど。だからもう、ハナっから我々は合理的じゃないと思って。

(渡辺志保)いや、そりゃそうですよ。

(SKY-HI)でも、合理的じゃないから愛おしいし。赤ちゃんもしゃべれないし立てないけれど、それにやっぱり愛情を感じるし。死ぬ時なんて、ひょっとしたら足腰も立たないし、目も見えなくなって。俺、耳も片方、最初から聞こえないけど、両方聞こえなくなっちゃってて……とかなった時に、それでもいい人生だったなって言いたいから。やっぱりね、矛盾を愛そうっていうのは結構ありました。

(渡辺志保)なるほど。でもそれが逆に自分自身をも背中を押してくれるような、そういう一本柱みたいな?

(SKY-HI)あれかも。他社肯定が自己肯定につながるっていう。

(渡辺志保)ああ、なるほどね。でも、それいいことだね。そのままいいことが自分に返ってくるっていう。

(SKY-HI)たぶんそう。他の人を愛することが、自分を愛することにつながるみたいな。

(渡辺志保)えっ、そうやって生きてるの? すごいね。

(SKY-HI)いまはね……

(渡辺志保)仏じゃん! 日高くん、仏じゃん、それ!

(SKY-HI)そうそう。日高”仏”光啓としては……(笑)。

(渡辺志保)ハンパないんですけど! なるほどね。わかった。なんか、ちょっといまいろいろと腑に落ちたわ、みたいな感じがしますけども。でもそんな『OLIVE』なんですけど、私、いちばんやっぱりいい意味で黒い部分が出ているなと思ったのは、やっぱり次に紹介していただくこの曲かなっていう風に思っているんですけど。

(SKY-HI)そうっすね。これはもう、MUROさんにね、初めて一緒にやってもらった。

(渡辺志保)あ、そうなんですか。意外。

(SKY-HI)初めてでしたね。その、ソウルネスを内包したアルバムにずっとしたいとは思っていたんだけど。それで骨太なヒップホップって言ったら、やっぱりもうね、日本国民が最初に浮かぶのはキング・オブ・ディギンで。

(渡辺志保)リストのトップにね。

(SKY-HI)そう。さっきほら、2000年代の話をしていたけど、そのムーブメントとはまたちょっと違うんだけど。いわゆるね、ネオ・ミレニアム。ネオ・2K。2000年代のヒップホップにあった……もっと言うと2000年代のUSのヒップホップにあった暴力的な強さ。

(渡辺志保)ああ、ちょっとマッチョイズムみたいな感じですかね?

(SKY-HI)マッチョイズム。完全にマッチョイズム。ブッシュ政権ごろですね。

(渡辺志保)嫌だ(笑)。なるほどね。胸板が厚い方が偉いみたいな?

(SKY-HI)そうそうそう。みたいなパワーをね、間に1個入れて。それはね、結構それこそ正論がまた来るから。その後とかに。っていうか、正しいこと、シニカルなこととかが来るから、それの前に体温を注ぎ込みたくて。「これでもか!」っていうぐらい。

(渡辺志保)なるほど。かしこまりました。じゃあ、ちょっとここで聞いていただきましょう。曲紹介をお願いします。

(SKY-HI)あれ? オンエアー初?

(渡辺志保)えっ、いいんですか?

(SKY-HI)初かも。もちろん、ねえ。いいでしょう。じゃあ、行こう行こう。

(渡辺志保)ありがとうございます。オンエアー初。

(SKY-HI)初オンエアー。明日店着日のアルバム『OLIVE』から俺、SKY-HI。『Walking on Water』。

SKY-HI『Walking on Water』

(渡辺志保)はい。いま聞いていただきましたのはなんとエクスクルーシブオンエアーさせていただきました! SKY-HIさんの新しいアルバム『OLIVE』から『Walking on Water』。プロデュースド・バイ・MURO&SKY-HI!

(SKY-HI)Walking on Water! UFOやUMA、まあ俺もその類だろうな!

(渡辺志保)いや、かなりセカンドバース、特にスピットしてらっしゃいましたけども。

(SKY-HI)あれ、もうスルッと出ましたもんね。

(渡辺志保)すごいね。

(SKY-HI)乗ってましたね。

(渡辺志保)ここで、いろんな方からの質問なんかを読ませていただきたいと思うんですけども。ランダムに行きます。(質問を読む)「今年の目標やこれからの目標はありますか?」っていう。いきなりですけど。

(SKY-HI)目標ですね。でも、今年は『OLIVE』を出してその後のツアー。で、ファイナルが日本武道館とかになるのは旗揚げにしたいですよね。だから目標で言うと、年末になった時に今年、日本武道館をやったことが思い出になっていないというか。

(渡辺志保)ああ、いい意味で通り過ぎちゃうみたいな?

(SKY-HI)なんかもう、次に発表されていることの大きさで1年前が霞んだら嫌だけど……(笑)。当然のことに見えて。たぶんたとえば日本武道館をやって当然に見えるアーティストって他にもたくさんいるじゃないですか。

(渡辺志保)まあまあ、ベテランの方を含めると。

(SKY-HI)含めると。いや、若手のロックバンドとかでもいっぱいいるから、驚かれない状態にはなっていたいですね。今年終わる頃までに。

(渡辺志保)はい。わかりました。後で、またちょっとちゃんとお知らせしますけども。この後に控えている日本武道館講演はかなり特別なものになりそうな予感がします。あとは、(質問を読む)「SKY-HIさんに取って『生きよう』と実感する時はどんな時ですか?」。

(SKY-HI)ああ、「生きよう」と実感する時? 「生きよう」と実感する時は……どんな時なんだろう? 「生」を実感するみたいなことなのかな?

(渡辺志保)ちょっと前向きな。「明日も生きよう」みたいな。どうなんでしょうか?

(SKY-HI)でも、とりあえず常に明日が来るっていうのは決まっていて。それが前向きに捉えられない時は捉えられるための考え方を曲にして生み出すみたいな。明日が前向きじゃない理由を前向きな捉え方をしたらどうなるか?っていう逆説をとなえる。

(渡辺志保)えっ、仏なんですけど(笑)。

(SKY-HI)(笑)

(渡辺志保)ちょっと言っていることがよくわかんないみたいな……すごいね。私なんか、もう「やだやだ!」って涙を流しながら寝ますよ。「明日がやだやだ!」っていう時は、そのまま。

(SKY-HI)なんか、たとえば(スタッフの)木村くんが衣装を忘れてきたとしたら、それは「たぶんその衣装で出るべきステージじゃなかったんだ。違う衣装で出るべきステージだったんだろう」って思うのと、あともう1個は「ひょっとしたら仕事が増えすぎているのかもしれない」って(笑)。

(渡辺志保)ああ、自分への戒めもね、少しありながらっていう感じでしょうか。なるほど、素晴らしい。ありがとうございます。(質問を読む)「日高さんはどのようにしたら思ったことをちゃんとした言葉に直して歌詞にできるんですか?」。

(SKY-HI)それはね、「どのようにしたら」っていうか、俺がそういう人間だったっていうことですよ。

(渡辺志保)才能ってこと?

(SKY-HI)才能とも捉えていいかもしれないけど。それはほら、人それぞれあって、ネジを作るのが上手い人とか、感情を壺にするのが上手い陶芸家とか。俺はそういう中で、自分が思うこともそうだし、人の心にいま投げかけるべきこととか、世の中がどういう状態かっていうこととかを言葉にして生み出す人だったっていうだけ。そうなの、きっと。

(渡辺志保)そうか。でもそれが自分にハマっているっていう?

(SKY-HI)そう。そういう人間だから、たぶんこうなったっていう。だから志保さんはインタビュアーになるために……

(渡辺志保)なる? なるべくして?

(SKY-HI)だから、留学経験ないのにこんなに英語がしゃべれるし……

(渡辺志保)すいません(笑)。ありがとうございます。そんな私のことまでね、ビガップしていただいて。本当に仏かと思いました(笑)。ありがとうございます。では次ですね。(質問を読む)「歌詞を書く時、実体験や自分の思いを書くことの方が多いんですか?」とのことです。

(SKY-HI)わかんない。自分の意志であることは確実だし、実体験が1個も含まれていないことは絶対に書かれないけど。かと言って、100%ノンフィクションで書くか?って言われるとそれは別の話っていう。ほら、リアルとリアリティーの違いみたいな。

(渡辺志保)なるほどね。じゃあ、だっちゃんの方はリアルを追求している? リアリティー?

(SKY-HI)ええと、リアルを追求するために……たとえば、あれですよ。コーヒー味を作る時にさ、本当にコーヒーにミルクを入れたままのやつを缶コーヒーにするより、コーヒーっぽい味をするものの方が缶コーヒーとして精度が高いとか、あるじゃん?

(渡辺志保)まあ、あるね。

(SKY-HI)そういう作り方を考えるかな。

(渡辺志保)なるほど。私、でもふと思ったんだけどさ、ラッパーたるものというか、ラッパーが好きなトピックとしてひとつ、ストーリーテリングものみたいなの、あるじゃん。架空のストーリーを自分で。あなたも今回、『Stray Cat』とか。

(SKY-HI)その後の『十七歳』とかね。

(渡辺志保)あるけどさ。そういう、他の誰かになりきってそこのリアリティーを追求してリリックを書くということは全くもってやぶさかではない?

(SKY-HI)やぶさかではない。っていうかね、それはまだやっていないかも。この前のJ・コールのやつとかもそうだけど。あれをまだ俺のキャリアの中ではたしかにやっていない。

(渡辺志保)J・コールはね、まるごとアルバム1枚(『4 Your Eyez Only』)を友達の一生を描いたんですよね。自分ではない、他の友達の一生を描いて自分のアルバムを作ったっていうね。それもまたチャレンジングですけどね。

渡辺志保 J.Cole『False Prophets (Be Like This) 』を語る
渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でJ・コールの新作アルバムからの1曲、『False Prophets (Be Like This) 』を紹介。この曲でJ・コールがカニエ・ウェストやドレイクなどをディスっていうのでは

(SKY-HI)そうですね。うん。あれはね、キャリアの中でやらなきゃいけなさそうな。J・コール、同い年なんですよ。あいつ、タメ。あいつ、タメ。

(渡辺志保)あいつ、タメ。マジか。

(SKY-HI)あと、ケンちゃんも同い年。あ、1個下か?

(渡辺志保)ケンちゃん? ケンドリック・ラマー? KEN THE 390?(笑)。

(SKY-HI)いや、ケンドリック・ラマーです(笑)。

(渡辺志保)ケンドリック・ラマーの方のケンちゃんでございました。私はDOTAMAさん、KLOOZあたりがタメですね。あと、COMA-CHIがタメですね。(質問を読む)「この1年でSKY-HI周りにどんどん大きな風が吹くようになってきたように感じます。特にフェスや対バンがいるようなライブに行くと強い求心力を感じます。手応えのようなものはありますか?

(SKY-HI)手応えはね、ある。一言で言うと、ある。

(渡辺志保)去年、だいぶそういう意味ではチャレンジ多かったんじゃないですか?

(SKY-HI)そうですね。夏のロック・イン・ジャパンを経た後の冬のカウントダウン・ジャパンでステージの前からそれなりに人が集まってくれていたこととか。あとこの前、某ロックバンドのボーカルの人と会ったんだけど。はじめましてだったんだけど、「最近、ロックシーンに殴り込みかけているSKY-HIくんじゃないですか!」って言ってくれて。それとかすごいうれしかったけど。まだ確固たるものを築いていないから。そういう意味では、関係者とかに言ってもらうことが増えたから、次は関係していない人。本当に、リスナー。いま、ブルエン(BLUE ENCOUNT)とかミセス(Mrs. GREEN APPLE)とか聞いている若い子とかが俺のことを聞いてくれるようになるといいですよね。

(渡辺志保)なるほど。私もちょうど昨日、まさに関係者の人と「日本のロックフェスで出れるピンのMCと言えば……SKY-HIっすかね?」みたいな話をしたばかりだったのでびっくりしましたというような感じですが……

(SKY-HI)うれしいね!

(渡辺志保)またこの後も質問、ちょこちょこ読んでいきたいなと思うんですが。ここでSKY-HIさんの最新作『OLIVE』からもう1曲、流してもらっちゃっていいんですか? という感じがするんですが、聞いてもらいたいと思います。だっちゃん、3曲目、どうしましょう。

(SKY-HI)じゃあ、これ。とりあえずは説明無しで行きますか。では、明日店着のアルバム、SKY-HI『OLIVE』から『Over the Moon』。

SKY-HI『Over the Moon』

(渡辺志保)はい。いまお聞きいただいておりますのは最新作『OLIVE』からSKY-HIさんで『Over the Moon』。めちゃいい曲! めちゃいい曲なんですけどー!

(SKY-HI)めちゃいい曲です。

(渡辺志保)すいません。こんな軽薄なしゃべりを乗っけてしまって。

(SKY-HI)でもね、その感想がいちばんうれしいですけどね。最終的には。なんか、アルバムに仕込まれた伏線とか、このワードがこの曲のここにかかっているとかは当然、たくさん作ったんだけど。それは俺がストーリーを完結させるために、感情に深く触れるために必要なことであって。触れた結果、リスナーの感想として「めっちゃいい曲」がいちばん正しい気がする(笑)。

(渡辺志保)そりゃそうだね。そりゃそうだ。ちなみにこの曲はいつごろできた曲なんですか?

(SKY-HI)これね、頭の中にずっと音像があったんだけど。で、自分の中では鳴っているんだけど、僕ね、クイーンよりエアロスミス派みたいな。ベン・フォールズよりマイルス・デイヴィス派。

(渡辺志保)あ、そうなんですか。ちょっとわかるようで……ごめん。わからなかった(笑)。

(SKY-HI)このピアノのフレーズが俺から出ないんです。どうやったって。

(渡辺志保)ああー、そういうこと。

(SKY-HI)で、デモが作れなくて、困っちゃって。って、思っていたらラジオから急にイケてる旋律が聞こえてきて。「あ、そうそう。こういうピアノを弾くやつがほしいんだよね」って言っていたら、そいつが日本人で。もう速攻で声をかけよう!って探したら、すっげー近くにいて。

(渡辺志保)ええっ、そうなんだ! じゃあ、その方がプロデューサーでね、名前を連ねてらっしゃいますけども。

(SKY-HI)ビッケブランカ。

(渡辺志保)ビッケブランカさん。

(SKY-HI)そう。それで速攻ラブコールして、次の月にはもう一緒にスタジオに入るっていう。

(渡辺志保)すごいですね。じゃあ、そっからはもう思っていた通りのものがパシッと作れたと?

(SKY-HI)うん。もうスルッスルでした。「うどんかな? あれ、蕎麦かな?」みたいな(笑)。

(渡辺志保)「そうめんかな?」みたいな感じですかね。ありがとうございます。まあでも、そんな感じで作られた珠玉のこちら、全13曲が詰まったSKY-HIの『OLIVE』でございますが。

(SKY-HI)さっきヤナタケさんが「これ、売れなきゃおかしいと思うんだけどな」っていただきましたけどね。

(渡辺志保)じゃあ、『カタルシス』超えを狙っていくしかないですかね。

(DJ YANATAKE)僕はまた別のところでいっぱいしゃべるんで。今日は黙っておきます。

(SKY-HI)ありがとうございます(笑)。

(渡辺志保)ひとつ、いいですか? リスナーの方から質問をいただいておりまして。(質問を読む)「先日、ラジオを聞いていたらヤナタケさんが『かっこいい大人とは?』という質問に『真面目な人』と答えていましたが、SKY-HIさんの思うかっこいい大人とはどんな人でしょうか?」という……

(DJ YANATAKE)すいません。その質問、あるんですけど。TOKYO FMの(RIP SLYME)RYO-Zくんの番組なんですけど。同じ質問をね、後日やんなきゃいけないから……

(渡辺志保)あ、そうなんだ! とのことです。

(SKY-HI)TOKYO FM、RYO-Zさんの番組を聞いてください!

(DJ YANATAKE)RIP SLYMEの番組『SHOCK THE RADIO』を聞いてください。

(SKY-HI)RIP SLYMEと俺の会話が聞けるぜ!

(渡辺志保)そこでね、どんなかっこいい大人像をSKY-HIさんが話していただけるのか。ぜひぜひチェックしてください! というわけで、怒涛の告知。いろいろとだっちゃん、忙しくなるんじゃないですか? これから。

(SKY-HI)ねえ。告知、何からしようか……

(DJ YANATAKE)ヤナタケの方からまずフォローしましょう。とにかくね、明日店着日、明後日(1月18日)発売。SKY-HIのニューアルバム『OLIVE』。なんとリリースイベントが目白押し! これね、長時間の45分セット?

(SKY-HI)そうなんです。45分、ちゃんとDJ Jr.と一緒に1DJ 1MCで。

(DJ YANATAKE)ライブはね、無料で見れますし。購入していただいた方には握手会みたいなのもあるはずなんで、ホームページをチェックしてほしいんですが。ざっと行きます。1月17日、愛知県アスナル金山。1月20日、ラゾーナ川崎プラザ。1月21日(土)、愛知イオンモール木曽川。これがお昼12時からやって、その後に滋賀県に移動しまして、ピエリ守山。そして1月22日(日)。これは2回ですね。12時半と15時半。大阪あべのキューズモール3階でSKY-HIを生でタダで見れちゃう。もうそろそろ、こういうのもなかなかできなくなってくるかもしれないから、いまのうちに行っておけ!っていう感じですね。

(SKY-HI)そうっすね。もう今回も本当にライブをやらせてくれるところでしかやっていないですからね。その45分とかを。

(渡辺志保)すげー!

(DJ YANATAKE)だって普通のこういうファンイベントみたいなのだったらもう2、3曲やってスーッと終わりみたいな感じじゃないの?

(SKY-HI)2、3曲やって、いろいろやるらしいんだけど。握手がどうだとか。何枚買うとなんだとか。そんなのやっている場合じゃねえよ!っていう。いまはもうライブを見てもらって、「こいつのツアーに行きたいな」とか思ってもらうことが最優先だから。

(渡辺志保)なるほどね。

(DJ YANATAKE)で、もちろんそれを見て。たぶん、もっと見たいと思うはずなんだよね。その人たちは、全国ホールツアー。『SKY-HI HALL TOUR 2017 ~WELIVE~』。これが決定しております。で、最終公演になります。ゴールデンウィークには日本武道館公演も決定していますよと。これはチケットが結構早くも争奪戦っぽいんで。

(SKY-HI)そうですね。アルバムの封入が早いかも。いまからだと。

(渡辺志保)なるほど。じゃあアルバムをゲットすると同時にチケットのホールツアーのお知らせも入っているということでしょうか。

(SKY-HI)購入者に優先してお渡しします。

(渡辺志保)素晴らしいですね。5月2日(火)、東京日本武道館という風に書いてありますけども。ヤバいね、これ。どんなことになるのか、非常にドキドキ・ワクワクでございます。その他、いろいろインタビューなんかも各所で読めると思いますけども。私、ひとつ好きなのはMikikiっていうWEBで読める、だっちゃんがチャイルディッシュ・ガンビーノについて語っている。あれとか、かなり他のアーティストは絶対にしゃべれないような角度でだっちゃんがいろいろと分析してくれてますので。

SKY-HIがチャイルディッシュ・ガンビーノ『Awaken, My Love!』に見る、〈本質的なサンプリング〉で示したシーンのその先 | Mikiki by TOWER RECORDS
チャイルディッシュ・ガンビーノ――つい先日開催されたゴールデン・グローヴ賞では、俳優ドナルド・グローヴァーとして自身が脚本/主演を務めたTVドラマ「Atlanta」で最優秀TVミュージカル/コメディー同...

(SKY-HI)(笑)

(渡辺志保)やっぱりこういう若い子がやるちょっと土臭い音みたいなのにも今回感化された感じ、ありますか?

(SKY-HI)あります。あのね、「精神的サンプリング」って呼んでいるんだけど。チャイルディッシュ・ガンビーノはたぶん彼がそこらへんから得たものを自分の解釈でいま、生み出しているけど。それってたぶん、サンプリングがされなくなったからかなとも思うんですよね。昔のをそのまま使っていまの解釈に落とすっていうのを精神性を解釈して生み落とすっていう。だから、ロビン・シック問題。

(渡辺志保)ああ、そうですね。いろいろ細かいサンプリングの訴訟問題がありましたけども。

松尾潔と菊地成孔 ロビン・シック『Blurred Lines』裁判を語る
松尾潔さんがTBSラジオ『菊地成孔の粋な夜電波』に出演。ロビン・シックやファレル・ウィリアムスが『Blurred Lines』でマーヴィン・ゲイの遺族から訴えられ、敗訴した事件についてじっくり語っていました。 (菊地成孔)まあまあ、今日いち

(SKY-HI)あれは、精神性サンプリングを否定する問題だから。あれに関しては俺もね、断固「NO!」と言っていきたい(笑)。

(渡辺志保)なるほど。だっちゃんもそんな訴訟問題に将来、巻き込まれることのないように。

(SKY-HI)そうですね。俺がここで「おい、タワー・オブ・パワーから訴えられたよ?」っていう(笑)。みたいなことだから。

(渡辺志保)はい。イチャモンをつけられちゃうかもしれないですからね。

(SKY-HI)俺はね、ファレルのインタビューのおかげでトライブとかマーヴィン・ゲイとかカーティス・メイフィールドを聞くようになったから。

(渡辺志保)あ、そうなんだ。じゃあ、ちゃんとそういう風にきっかけにつながっているということですね。

(SKY-HI)そう。精神性サンプリングはね、リスペクタブルに活かしていきたいです。

(渡辺志保)なるほど。ぜひぜひSKY-HIリスナーのみなさまもいろんな曲をさかのぼって聞いてみてほしいななんて。

(SKY-HI)そうっすね。とりあえず、チャイルディッシュ・ガンビーノを聞くといいよね!(笑)。

(渡辺志保)いいですね。なんかの宣伝みたいになっていますけども。

(SKY-HI)あ、本当だ。まず『OLIVE』(笑)。

(渡辺志保)まず『OLIVE』を聞いてください。明日店着日。明後日発売日ということで、SKY-HIさん渾身の最新作というわけで。今日、たくさんお話を駆け足でうがかいましたけども。だっちゃん、まずは身体に気をつけて。

(SKY-HI)そうですね(笑)。

(渡辺志保)駆け抜けていただきたいと思います。というわけで今日は、ゲストにSKY-HIさんをお迎えしました。ありがとうございました!

(SKY-HI)ありがとうございました! イエーッ!

(中略)

(DJ YANATAKE)僕も『OLIVE』についてはちょっと関わっておりまして、いろいろと話したいことはあるんですが。時間がないんで、別の場所を探して僕は僕なりに一生懸命しゃべりたいと思いますけども。とにかく、本当に素晴らしいアルバムです。もう本当に自信を持って。志保もね、「どこを切っても」みたいに言っていただきましたけど、僕も今日1日聞いていても全然飽きなくて。「すっげーいいアルバムだな」なんて我ながら思いましたけども。ライブDVD盤とかミュージックビデオDVD盤とかあるんですけど、CDだけ盤っていうのもあるんですよ。3形態あって。で、CDだけ盤を買うと、なんとDJ YANATAKEによるSKY-HI入門編MIXっていうですね……


SKY-HI『OLIVE』CD ONLY盤

(渡辺志保)マジか!

(SKY-HI)前のSKY-HIの……これが入り口になるかもしれないんで。あと、この間のRAGツアーっていうのをやったんですけど。それの客入れの時にかかっていたMIXなんで。ちょっとその時に気になっていたなという人は、そういうのもダウンロードできますので。チェックしていただきたいのと、なんとヤナタケ、今週の土曜日にInter FM。1月21日。昼間12時から。俺の出番は13時半からですけども、Inter FM『TOKYO DANCE PARK』に出演いたします。ここでも、別バージョンのSKY-HI MIXをやろうかなと。

(渡辺志保)SKY-HI漬けじゃないですか!

(SKY-HI)イエーッ!

(DJ YANATAKE)それはもう、漬けていきましょうよ! まだ全然準備してないですけど、すげーいいMIXを絶対にやるんで。『OLIVE』からも。発売になっているんで、ガンガンにかけたいなと思いますんで、Inter FMを聞いてください。

<書き起こしおわり>

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