プチ鹿島さんがTBSラジオ『東京ポッド許可局』の中で2016年シーズンに大活躍した日本ハムファイターズの大谷翔平選手についてトーク。大谷がすごすぎて、スポーツ新聞の見出しが追いついていない問題を話していました。
(サンキュータツオ)そういえば、今シーズン。大谷翔平すごかったですけども。鹿島さん、なんか思うところありませんか?
(プチ鹿島)なんか、僕ね、スポーツ新聞をよく読むんですけども。大谷翔平がすごすぎて、見出しが追いつかないんですよね。いままでだと、たとえばリーグ優勝をした時ってね、大谷翔平がほら、最後自分で打って、投げて、優勝しちゃったわけですから。
(サンキュータツオ)すごかったねー。
(プチ鹿島)だから、「漫画だと怒られる」みたいな見出しがあって。もう、ついていけないんですよ。
(マキタスポーツ)なんだって?
(サンキュータツオ)「漫画だったら怒られる展開をやってのけた」っていう。
(マキタスポーツ)ああー、そうか! 荒唐無稽すぎると。
(プチ鹿島)「こんなの、漫画だったらあり得ない」とか、そういう見出ししかないんですよ。
(サンキュータツオ)オヤジの知っている物語に当てはまらないから。
(プチ鹿島)で、スポーツ新聞ってどちらかと言うと人間的なところをフィーチャーするじゃないですか。で、大仰に言うじゃないですか。で、大谷ってそれと実は相性がよくないんですよ。なぜなら、もう飛び抜けてアスリートとしてすごいから。活字に合わないんです。
活字と合わない大谷翔平
(サンキュータツオ)オヤジジャーナルと相性が悪いよね。
(プチ鹿島)だって、僕が子供の頃から見てきた80年代ぐらいの野球って――これはラブを込めて言ってるんですけど――野球選手って僕、アスリートじゃないと思っていて。野球選手は「野球選手」っていうカテゴリーの人だと思ったんですよ。
(サンキュータツオ)「お相撲さん」みたいな。
(プチ鹿島)そうそうそう。で、もちろんそれはものすごい能力があってって認めてですよ。たとえばだって、清原が新人で入ってきた時に、NHKが密着してね。阪急の山田久志投手にインタビューをしていたんですよ。そしたら、山田久志はどういうシチュエーションだったか?っていうと、ホテルで暗い感じで、ガウンを着てタバコ吸いながら、「いや、彼はいい新人だね」っていうのをNHKで普通に……
(サンキュータツオ)(笑)
(プチ鹿島)だからこういうの、アスリートじゃないですよ。
(マキタスポーツ)代々木忠みてーな(笑)。
(プチ鹿島)だから、野球選手なんです。
(サンキュータツオ)犯罪の現場を見た人みたいな。証言者みたいな。
(プチ鹿島)そう。でも、それがイチローが出てきて、もはや大谷翔平。
(サンキュータツオ)そうだよ。イチローがやっぱりアスリートだったんだよ。
(プチ鹿島)だから、アスリートになっちゃったの。で、アスリートっていうのはスポーツ新聞的には合わないんです。
(サンキュータツオ)オヤジの常識を超えるからね。
(プチ鹿島)ただ見るだけの存在。だから、最終的に大谷が165キロ出して優勝を決めたクライマックスシリーズ、あるでしょう? さすがにもう見出しが「大谷、165キロ」っていう、そのまんま。即物的な見出しにしかならないの。
ニッカン『大谷 165キロ日本新で突破』
スポニチ『大谷 最速更新 Sでシリーズ』
サンスポ『大谷 DHから神セーブ?? 漫画より劇的』
報知『DHから抑え 大谷の15球』デイリー『大谷 日本新?? 日本S??』 pic.twitter.com/RFZjijH9om
— Y∀SU@11月もスポーツ観戦三昧! (@thistle_430) 2016年10月17日
(サンキュータツオ)ああー。ドラマに当てはめられない。
(プチ鹿島)ドラマに、人間臭い……だから「中畑」とかさ。「キヨシ」とかさ。ああいうのがいちばんスポーツ新聞は合うんだけど、大谷はもうただ、活字には合わないの。想像力とかじゃなくて、ただただ見させてもらうっていう。あと、現実の方がすごくてたとえられない。ニューヨークの9.11の時に、「まるで映画を見ているようだ」っていう表現がすごくありふれたじゃないですか。で、それはわかるんだけど……でもじゃあ、たとえるなよっていう感じなんですよ。もう現実がすごすぎて。それと同じような延長線上にいるんだと。
(サンキュータツオ)そうだよね。
(マキタスポーツ)たとえて咀嚼したいんだな。
(プチ鹿島)で、どうしても活字で楽しみたいっていう文化、あるじゃないですか。大谷は、活字では楽しめない。ただ、それだったら見ておけ!っていう。オリンピック選手を見るような感じですよね。
(サンキュータツオ)マー君以来じゃないですか?
(プチ鹿島)いや、マー君はまだ、スポーツ新聞ジャーナルの中にいましたけど、大谷はもう……
(マキタスポーツ)それじゃあやっぱり、そういう指摘もありましたけど。大谷の嫁候補って言っていたじゃないですか。
(サンキュータツオ)マー君ってやっぱり里田まいと結婚するっていう、ある意味……
(プチ鹿島)まだまだね、スポーツ新聞ジャーナリズムの範疇にいた人です。
(マキタスポーツ)だから、大谷翔平さんが本当に女子アナと結婚するようなことがあったら、オヤジジャーナルは喜ぶよ。
大谷の嫁問題
(プチ鹿島)「しめた! ああ、俺たちのまだ手に負える人物だ」と。だから、そこは超えてくるんじゃないかな? で、女子アナとかグラドルとかは近づけないようにしてほしい。
(サンキュータツオ)(笑)
(マキタスポーツ)大谷がさ、アメリカに行ってさ、トランプの嫁みてーなのと結婚したらさ、どうなるの?
(サンキュータツオ)トランプの嫁みたいな変なのじゃなくて……
(マキタスポーツ)いや、ああいうもうプレイメイトみてーなのと結婚したら、どうするの?
(プチ鹿島)ああー、いいじゃないですか。
(マキタスポーツ)そしたら、オヤジたち喜ぶか。
(サンキュータツオ)俺、もう向こうのアーティストみたいな……
(マキタスポーツ)向こうのオノ・ヨーコみたいなのを(笑)。
(サンキュータツオ)オノ・ヨーコは向こうのじゃないよ!
(プチ鹿島)それか、もうこっちの日本の女優のトップクラスですよね。
(サンキュータツオ)広瀬すず的な。
(プチ鹿島)広瀬すずでも長澤まさみでも、誰でもいいですよ。僕らが「なんだよ?」っていうのは、僕らの中では野球選手でトップクラスだと思ったのに、なんでそこなんだよ?っていう。不釣り合いが……
(マキタスポーツ)たとえば、綾瀬はるかさんとかがもし結婚したら、なんか俺、モヤモヤするな。やっぱりそれこそ、できすぎちゃっているっていうか。でも、姉さん女房だから……
(サンキュータツオ)貴乃花と宮沢りえの時はどう思ったよ?
(プチ鹿島)あれはだから本当にびっくりしたよね。
(マキタ・タツオ)(笑)
(プチ鹿島)だから本当に、「漫画みたい」って思わず言っちゃいそうになりましたよね。
(マキタスポーツ)うん。そうだね。たしかにね。
(プチ鹿島)だからそういう……
(サンキュータツオ)女子アナじゃないよね。大谷ね。もう。アスリートかな? 逆に。
(プチ鹿島)まあ一周して、紗栄子っていうパターンもありますよね。
(サンキュータツオ)(笑)
(マキタスポーツ)ああーっ!
(サンキュータツオ)面白すぎるね、それ!
(プチ鹿島)「また、そこ行くのかよ!」っていう。で、偉大なる先輩を超えていくっていう感じのね。
(マキタスポーツ)紗栄子は何なの? じゃあ。つまり、怪物級の野球選手にとって、紗栄子は何なんだよ?
(サンキュータツオ)名キャッチャー(笑)。
(マキタスポーツ)名キャッチャーなの?
(サンキュータツオ)女房役。
(マキタスポーツ)女房”役”なんだ。
(プチ鹿島)それか、本当に落合夫人みたいな。
(サンキュータツオ)やり手実業マンみたいな。
(マキタスポーツ)小料理屋の女将みたいな? 一周してそこに?
(プチ鹿島)「ああ、この人がいいんだろうな」っていう。
(マキタスポーツ)森三中の黒澤と結婚したらどうなる?
(プチ鹿島)だから、オヤジが喜びそうじゃない人と。ねえ。
(サンキュータツオ)アスリートでしょう。やっぱ。
(プチ鹿島)予想を超えてくる人とね。
(マキタスポーツ)アスリート?
(サンキュータツオ)木村沙織みたいな人と結婚してほしい。バレーボールのさ。そしたらもう、どういう物語にするかよくわからないじゃん。もう、オヤジジャーナルは。それか、本当向こうのアスリート。アメリカの。オリンピックのメダリストみたいな人とか、そういうフィジカルエリート。
(マキタスポーツ)でも、それはそれでオヤジジャーナルはたとえるんじゃないの? すごい、ブリーダーとして。ブリーダー的な観点で。喜ぶじゃん。
(プチ鹿島)競走馬みたいな感じで書くよ。
(マキタスポーツ)経済動物扱いで。
(プチ鹿島)いや、でも本当に大谷を、いま電車に乗って見に行けるのはいまだけですからね。もうこの数年ですからね。あとはもう、飛行機に乗って何時間もしないと見に行けないですよ。
<書き起こしおわり>