高橋芳朗 ハロウィンに聞きたい怪奇ディスコ曲特集

高橋芳朗 ハロウィンに聞きたい怪奇ディスコ曲特集 ジェーン・スー 生活は踊る

高橋芳朗さんがTBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』の中で、ハロウィンに聞きたい怪奇ディスコ曲を特集。70年代に流行った曲や、その影響を受けたアイドル楽曲などを紹介していました。

(ジェーン・スー)いや、いまね、「洋楽コラム」って台本には書いてあるんだけど。今日はちょっといろいろあるらしいじゃないですか。

(高橋芳朗)今日はね、その浮ついた心にさらに拍車をかける!

(ジェーン・スー)やめてよ!(笑)。

(高橋芳朗)そういう企画になっております。はい。じゃあ今日のテーマを発表します。ハロウィンに聞きたい、怪奇ディスコ特集!

(ジェーン・スー)ドンドンドンドン!(拍手)。

(高橋芳朗)まあ、ハロウィンに怪奇ディスコを聞こうっていうことなんですけども。「怪奇ディスコって何?」ってさっき言っていましたけども。わかんない?

(ジェーン・スー)ちょっとわかんない。

(高橋芳朗)原点回帰の「回帰」じゃないですよ。怪奇現象の「怪奇」。ホラーの「怪奇」なんですけども。70年代半ばぐらいにディスコブーム、あったじゃないですか。その時にディスコブームの真っ只中に割と日本限定って言ってもいいのかな? 日本限定で流行したディスコミュージックのサブジャンルなんですけども。まあ、ディスコにホラー要素を取り入れた……

(ジェーン・スー)「ワッハッハッハッ」みたいなこと?

(高橋芳朗)そういうことですね。B級感っていうか、C級感。かなりゲテモノ感の強いディスコミュージックで。たぶんいま、僕なんかより一回り上ぐらいですかね? 50代半ばとか60近い人が青春時代に直撃していると思うんですけども。まずはじゃあ、怪奇ディスコの代表的なヒット曲を聞いていただきたいと思います。1975年にリリースされましたホットブラッド(Hot Blood)の『ソウル・ドラキュラ(Soul Dracula)』です。

ホットブラッド『ソウル・ドラキュラ』

(高橋芳朗)怪奇ディスコの原点とも言える曲、ホットブラッドの『ソウル・ドラキュラ』を聞いていただきました。こんなにたっぷり『ソウル・ドラキュラ』を聞く機会もあんまりないと思うんですけども。

(ジェーン・スー)びっくりしました。

(高橋芳朗)堀井さんが割りかし、結構盛り上がって。

(ジェーン・スー)ノリノリでしたね。

(堀井美香)そうですね(笑)。

(高橋芳朗)堀井さん、好きそうですね。

(堀井美香)髪をソバージュにしたいです。イメージで。

(高橋芳朗)時代感覚違うんだけど(笑)。

(ジェーン・スー)よくわからないダンスを1人で踊ってましたよね?

(高橋芳朗)ああ、たしかにね。

(堀井美香)でも、きっとよくわからないダンスだったんじゃないですか? 当時は。

(高橋芳朗)まあ、そういうことだと思います。ドラキュラダンスとか、あったんでしょうかね? で、これが1976年に日本でヒットして、オリコンチャートで7位。40万枚を超えるヒットを記録したそうですよ。で、このヒットを受けて、結構二匹目のドジョウを狙う怪奇ディスコが次々とリリースされたわけなんですけども。ちょっとそんな中から、もう1曲。BGMとして聞いてもらいましょうか。キャプテン・ダックス(Captain Dax)っていうグループの『Dr. Beezar』。これ、日本語タイトルは『ソウル・フランケンシュタイン』っていう(笑)。

(高橋芳朗)後ろでちょっと、フランケンシュタイン感がすでに……

(ジェーン・スー)とりあえず、この『Thriller』でしゃべっているおじいさんみたいなのがシャウトすればいいという。

(高橋芳朗)そうそうそう。そういうことなんですよ。

(ジェーン・スー)『ゴーストバスターズ』は怪奇ディスコじゃないんですか? レイ・パーカー・ジュニア(Ray Parker Jr.)の。

(高橋芳朗)まあ、入れてもいいのかもしれないですけどね。

(ジェーン・スー)もっとこういう、おどろおどろしいことが?

(高橋芳朗)そうですね。たぶんこの頃ね、『オーメン』とか『サスペリア』とか、そういういオカルトブームみたいなのもあったと思うから。そこにちょっとリンクして売れたところもあるんじゃないかと思うんですけども。

(ジェーン・スー)へー。

(高橋芳朗)まあ、こんな程度の曲ですわ(笑)。

(ジェーン・スー)本当にハロウィンでしかかけられないような曲ですね。

(高橋芳朗)まあ、かなりゲテモノ感も強いし、実際にまあ短命に終わった、一時的なブームで終わった怪奇ディスコなんですけども。まあ、軽視されてますよ。でも、日本の歌謡曲。主にアイドルに少なからぬ影響を与えてるんです。まず、その代表例を聞いてもらいましょうか。こちら、どうぞ。

(高橋芳朗)はい。ピンクレディーの1978年の曲で『モンスター』を聞いていただいております。いま、もうジェーン・スーと堀井さんが振りを完コピで再現してくれています。

(ジェーン・スー)ニャニャニャニャニャニャ♪

(高橋芳朗)この後ね、動画をInstagramの方にでも上げようと思いますので。

(ジェーン・スー)ダメだよ、ヨシくん。こんな曲をかけたら……自制がきかなくなるんだから。

(高橋芳朗)やっぱ、あなたさすがですね。ピンクレディーファンを名乗っているだけあって。

(ジェーン・スー)申し訳ないんですけども、振付ビデオは全部持っていますし、復活ライブのDVDも持っていますし……

(堀井美香)つい、立っちゃいましたね。

(高橋芳朗)「つい、立っちゃいました」(笑)。

(ジェーン・スー)「モンスター♪」ですよね。

(高橋芳朗)でも、『モンスター』はやっぱり怪奇ディスコの流れをくんで作られた曲と言えますし、もっと言えばその次のシングル『透明人間』もその流れと言えますね。

(ジェーン・スー)ああー。

(高橋芳朗)もっともっと言えば、その次の次の『カメレオン・アーミー』も。

(ジェーン・スー)『カメレオン・アーミー』。私もそう思った!

(高橋芳朗)「私もそう思った」? 思ったでしょう? もっと言えば、『モンスター』の前の前の『UFO』も。

(ジェーン・スー)ああ、そうか。じゃあ、1人で怪奇ディスコになっていたんだ。

(高橋芳朗)(笑)。まあまあ、そういう風に言ってもいいと思います。

(ジェーン・スー)っていうことは、団塊の世代の人たち、団塊ジュニア。そのへんも全部結局取り込まれているわけですね。

(高橋芳朗)で、続けますね。怪奇ディスコの影響を受けたアイドル曲としては、他にもあります。モーニング娘。から派生したユニット、プッチモニの2001年の曲で『BABY! 恋にKNOCK OUT!』。これ、さっき聞いてもらった『ソウル・ドラキュラ』をモチーフにしているんですね。ちょっと聞いてもらいましょう。

プッチモニ『BABY! 恋にKNOCK OUT!』

(高橋芳朗)というわけで、怪奇ディスコの『ソウル・ドラキュラ』をモチーフにしておりますプッチモニの『BABY! 恋にKNOCK OUT!』を聞いていただきました。

(ジェーン・スー)これ、最初に『ソウル・ドラキュラ』を聞いて、その流れで聞くと「ああ、『モンスター』もそうだし、これもそうだ」って。続けて聞くとわかるね。

(高橋芳朗)そうですね。『ソウル・ドラキュラ』のインストを早回しにしている感じですかね。で、さらに怪奇ディスコオマージュの決定版といえますのが、昨年リリースされましたAKB48の『ハロウィン・ナイト』。

(ジェーン・スー)まあ、ど真ん中の曲ですね。

AKB48『ハロウィン・ナイト』

(高橋芳朗)はい。昨今のハロウィンの盛り上がりに怪奇ディスコをぶつけてきたのがこのAKB48の『ハロウィン・ナイト』です。

(ジェーン・スー)なるほど。

(高橋芳朗)ディスコ歌謡のオマージュだった『恋するフォーチュンクッキー』も含めて、秋元康さんとかの世代のディスコ感がすごい強く反映された曲かなと思いますけどね。で、ちょっと『ソウル・ドラキュラ』とか『ソウル・フランケンシュタイン』とかキワモノっぽい曲ばっかりかけてきたので。CMを挟んで、もうちょっと品位のある怪奇ディスコを聞いてもらいたいと思います。

(CM明け)

(ジェーン・スー)今日はハロウィンに聞きたい怪奇ディスコ特集ということで。

(高橋芳朗)はい。これ、本来の怪奇ディスコの文脈からはちょっと外れている曲なんですけども。非常に怪奇ディスコ的な曲として紹介したいんですが。ジャズコーラスグループのマンハッタン・トランスファー。ご存知ですね。の、『Twilight Zone/ Twilight Tone』という1979年の作品で、これ、アメリカのSFテレビ番組の『トワイライト・ゾーン』のあの不穏なテーマ曲。あれをサンプリングした大ヒットディスコチューンでございます。では、聞いていただきましょう。マンハッタン・トランスファーで『Twilight Zone/ Twilight Tone』。

Manhattan Transfer『Twilight Zone/ Twilight Tone』

(高橋芳朗)はい。これも怪奇ディスコとして聞けるんじゃないかと思います。マンハッタン・トランスファーの1979年の作品『Twilight Zone/ Twilight Tone』を聞いていただきました。で、ホラー要素のあるダンスミュージックとしては、この後もマイケル・ジャクソンの『Thriller』とか。さっきも話に出ました『Ghost Busters』などにつながっていくという感じですかね。まあ、この辺の曲をぜひ、ハロウィンパーティーとかでかけて楽しんでいただけたらなと思います。

(ジェーン・スー)だから意外と怪奇要素っていうものとダンスミュージックは交わりそうで、交わらなそうで。ブームになりそうで、ならなそうで。でも、ずーっと結構並走している感じ、あるってことですね。

(高橋芳朗)たしかにそうかもね。はい。

(ジェーン・スー)意外と、言われてみたらそうだったっていう。あ、意外なのは、堀井さんが意外と怪奇ディスコのノリノリっていうね。

(堀井美香)はい。

(高橋芳朗)じゃあもう、最後に景気づけでもう1回、踊ってもらいましょうか。

(ジェーン・スー)じゃあ、行きましょうか?

(ピンクレディー『モンスター』が流れる)

(高橋芳朗)(笑)

(ジェーン・スー)はい、堀井美香ちゃん、こっち来てー! はい、モンスター♪ あ、どいてください。

(高橋芳朗)はい。ピンクレディーは2人組ですからね。はい。

(ジェーン・スー)これ、あれだよ。これ……

(高橋芳朗)(笑)

(ジェーン・スー)うぉーーー……

(ジェーン・堀井)モンスター♪

ピンクレディー「モンスター」 #生活は踊る #スタジオで踊る #金曜はダンス #TBSラジオ #ジェーンスー #堀井美香

TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」さん(@so954905)が投稿した動画 –

(高橋芳朗)はいはいはい。締めて! 堀井さん、やっぱりこういう時に歩いて席に戻るところがやっぱりすごいですね。

(ジェーン・スー)そうそう。走らない。

(高橋芳朗)(笑)

(堀井美香)ということで高橋さん、ありがとうございました。

(ジェーン・高橋)(笑)

<書き起こしおわり>

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