みうらじゅんと爆笑問題 シンス(Since)概念崩壊問題を語る

爆笑問題・太田光 みうらじゅんのすごさを語る 爆笑問題の日曜サンデー

みうらじゅんさんがTBSラジオ『爆笑問題の日曜サンデー』にゲスト出演。爆笑問題のお二人とシンス(Since)についてあれこれと話し合っていました。

(江藤愛)では、太田さん、お願いします。

(太田光)「趣味の名は。」!

(みうらじゅん)「シンスGO」かなって思っています。

(太田光)ああー!

(田中裕二)シンス(Since)。お店とかによく「Since 1979」とかって書いてある……

(みうらじゅん)そうそう。あれあれ!

(江藤愛)「○年から」っていう。

(みうらじゅん)あれをね、街でやっぱりゲットしていくっていうのを。

(太田光)(笑)

(田中裕二)それが好きなのは知っています。最近、なんか……

4、5年 シンスを探し続ける

(みうらじゅん)最近じゃなくてね、もう4、5年前からやっているんだけど、誰の耳にも届いてなかったからここで大きい声で言いたいんですけど。そのシンスの概念がいま、壊れているんですよ。

(田中裕二)どういうことなんですか? シンスの概念って。

(みうらじゅん)あの、割と最近っていうか数ヶ月前に見つけたやつが、「Since 2016」を見つけたんですよ。もうそのシンスの概念って、ないじゃないですか。

(太田光)(爆笑)

(みうらじゅん)シンスっていうのはせめて、やっぱり30年ぐらいやっておいてもらわないと納得いかないところに、やっぱり最新ス(さい・シンス)が出たもんで。これはなんだ?っていうことで。

(田中裕二)たしかにね。あれはかっこいいから? なんですか?

(みうらじゅん)いや、たぶん……まあもうずいぶん長いこと研究してますんであれなんですけども。たぶん、ボートハウスでしたっけ? トレーナーが流行ったでしょ? あれね、原宿に店があって、うち、昔あそこの裏のところに事務所があったんですよ。で、俺ぜんぜん興味ないけど、事務所から家への帰り道に通ったらものすごい人が並んでいて、あのトレーナーを。ピンク色のだっさいやつをなんか……

(田中裕二)ちょっとパステルカラー的な。

(みうらじゅん)そう。パステルカラー!

(田中裕二)1980年ぐらいの話。

(みうらじゅん)あそこに、「Since 19○○」って書いてあったんですよ。で、それも数年だったんですよ。「なにを言ってるんだ!」って俺、そん時に怒ったのは覚えているんです。

(田中裕二)その時にすでに、もう?

(太田光)見つけたんですね!

(みうらじゅん)見つけた、見つけた。「なに言ってんだよ、こいつは。シンスのことをバカにしてやがんな!」って思っていたんですけど……でも、そうやってたぶんちょっと後にヤンキーのブームが入ったんだと思うの。「Since」って書いて。よく、成人の日にみんなでブワーッとめちゃくちゃやっている人。暴れる人たちが上げている写真にその年のシンスが入っていの。

(太田光)(笑)

(みうらじゅん)だから、たぶんあの人たちは違う意味で使っているんだよね。「かっこいい今年」みたいな。

(田中裕二)歴史とかっていう感じじゃないんだ。

(みうらじゅん)じゃないんですよ。だから、そのあたりからシンスの概念が丸つぶれになってきて。やっぱり京都とか鎌倉とかに行くとシンスは少ないんですよ。やっぱり。

(太田光)ああ、そうなんですか。

(みうらじゅん)京都なんて、「なにを言うてますのや。なにがシンスですのん? うちは”創業”ですよ」って。

(太田光)そうだね。時代がちょっと遠すぎるから。

(みうらじゅん)遠すぎて。シンスって、1980年以降、大ブームになっただけで。それ以前のものはやっぱり「創業」と呼ぶじゃないですか。で、このTBSの裏のところに四方さんっていう酒屋さんがあるんですよ。知りません? この真裏ですよ。そこはね、「Since 16○○」って入れてた。

(田中裕二)江戸時代?

(みうらじゅん)江戸時代なのよ。四方さん。

江戸時代のシンス

(田中裕二)ええーっ? すごいね!

(太田光)それをシンスで表す?

(田中裕二)シンスで「16○○」は見ないよ。これはすごい!

(みうらじゅん)見ないでしょ? ということは、その前の代までは「創業」だったに違いないんですよ。代が変わって、そこの息子が「シンスの方がいいんじゃねえか?」と。

(田中裕二)シンスを使いたくてしょうがない。

(みうらじゅん)シンスを使いたくてしょうがなくて、「早くオヤジ、死なねえかな?」って思っていたに違いないんですよ。

(太田光)(爆笑)

(みうらじゅん)シンスが使いたいから。ドーン! とシンスを。16ナンボ入っているから。江戸からもう、来てるんですよ。すごいんですよ。

(田中裕二)そのシンスが、それこそお寺だとかね。

(みうらじゅん)そんなこと、言い出したらもう大変ですよ。

(田中裕二)言っちゃったら大変なことですよ。京都なんて「Since 795」みたいなのが。

(みうらじゅん)「ナクヨ(794)うぐいす」が出ますよ。

(太田光)(笑)

(田中裕二)来ちゃうわけよ。シンスが。そしたらまた、ねえ。違うし。

(みうらじゅん)そうですよ。でも、そもそも僕らにもシンスがあってもいいじゃないですか。生まれた年だってシンスなのに。大学に入った年とか、結婚した年とか。シンスって言っていいのに、なんかその得意げに街で、「俺、シンスその年、取った!」みたいな。あの感じが俺、ちょっと解せなくて。前からずっと集めているんですよ。写真を撮って。

(田中裕二)でも当然、アメリカとかたとえば……

(太田光)アメリカでしょうね。

(みうらじゅん)俺、結構海外のも当然、シンスをゲットしに行っているわけなんですけど、少ないですよね。日本なんですよ。やっぱ。

(田中裕二)そうなんだ!

(みうらじゅん)「シンス、シンス」言っているのは。

(太田光)アメリカにあるのは、日本からの逆輸入?

海外のシンス事情

(みうらじゅん)アメリカはね、意外と「Established」の方が多いんですよ。

(江藤愛)ああ、「設立」。

(みうらじゅん)「EST」とか書いてます。

(太田・田中)へー!

(みうらじゅん)フランスはね、「depuis」とかいうね……なんかデュプイっていうね、チーズの妹みたいなのがいるんですよ。

(太田光)妹(笑)。

(みうらじゅん)たぶん妹だと思うんだけど。

(太田光)じゃあ、下手すりゃそっちになる可能性も……

(みうらじゅん)あるんですよ。

(田中裕二)デュプイに?

(みうらじゅん)投票するとね。投票して負ける可能性もあるし。

(太田光)で、日本ももうちょっとシンスよりも、俺たちはもっとすごいぜ!っていうやつが、デュプイを言い出す可能性があるんだ。

(みうらじゅん)そうでしょう。

(太田・田中)(笑)

(みうらじゅん)で、馴染んでないでしょう? デュプイに対して。よく、バレンタインデーのチョコレートとか、結構デュプイ言うんですよ。フランスとか、だからおしゃれなやつって「デュプイ」って……いや、デュプイだと思うんだけど。「depuiナントカ」って書いてあるの。長いこと発音できなかったんですけど。銀座とか、多いんですよ。銀座とか、とにかく。

(田中裕二)フランス系のなんかね。

(江藤愛)ありそうですね。

(みうらじゅん)だからやっぱり、戦後進駐軍が来たでしょう? それの影響が僕、あると思うんですよ。銀座のところの宝塚劇場、あるじゃないですか。あそこののちょっと行った裏角みたいなところが、いちおう「シンス街道」って呼んでいるんだけど。もう、右と左、全看板シンス出しているんですよ!

(太田光)(笑)

(田中裕二)シンス街道はすごいね!

(みうらじゅん)シンス街道。びっくりしますよ。すっごいですよ。あっちからもこっちからもシンス、シンスって。ぼてじゅうまで言ってきてますから。

(江藤愛)ぼてじゅうもシンス!?

(みうらじゅん)ぼてじゅうまでシンス、言ってきて。

(田中裕二)ぼてじゅう、シンスいくつぐらいなんですか?

(江藤愛)そんなにあります?

(みうらじゅん)そんなになかったと思います。

(田中裕二)だいたい、1978ぐらいからが多いんですかね? そのへんのシンスっていうのは。

(みうらじゅん)たぶん、そうなんですよ。

(太田光)我々が大学生ぐらいかな?

(田中裕二)とかまあ、小学校、中学校ぐらいからの197○っていうのが……

(みうらじゅん)いま、お茶のペットボトルもシンス、かなり混入されてますから。ここにあるやつにはなかったけど。生茶はね、「Since 2000」ってキャップに書いてある。綾鷹も書いてある。

(田中裕二)そうなの?

(江藤愛)2000年代で書いちゃうんですね。

(みうらじゅん)うん。意外と生茶が2000年なんですよ。16年しかたってないのに、シンスって言うほどのことじゃないんじゃないかっていうことで。だからいま、来てるんですよ。シンスブームが。いま言っておいた方がいいよっていうのが。

(太田光)(笑)

(田中裕二)たしかにこれね、Tシャツとかトレーナーを作る。みんなで揃えるみたいな多かったのが……

(太田光)だからサークルだよ。

(みうらじゅん)そうそう。サークル!

(田中裕二)テニスサークルのやつらが、自分たちのTシャツだの何だのを作るの。かならずシンスだ!

(みうらじゅん)シンス、言ってるでしょう?

(太田光)だから慶応の例のサークルだ!(笑)。あれはシンスだな(笑)。

(みうらじゅん)シンスのサークルでしょう。回している方のサークルだから。

(太田・田中)(笑)

(江藤愛)やめて~!(苦笑)。

(みうらじゅん)ああいうのは入れているんですよ。かならず入れる。

(田中裕二)いちばん好物がシンスだ。そのへんの。

(みうらじゅん)シンスもね、頭の頭文字だけが大文字で小文字でいくシンス(Since)と、全部大文字(SINCE)があるんですよ。どっちが好きですか?

(太田光)(笑)

(みうらじゅん)俺ね、やっぱり全部シンスって大文字(SINCE)でやられて。偉そうじゃないですか。で、始めはちょっと大きく出るんだけど、下は小文字(Since)にして。「すいません。これぐらいなんですけど……」っていう感じがあるのが……

(太田光)そういう感情ですか?

(田中裕二)全部小文字(since)でもいいじゃないですか。

(江藤愛)全部小文字がいいな。

(みうらじゅん)全部小文字でもいいんだけど、やっぱりそれ統一されていて2種類に分かれているんですよ。統計的に。

(太田光)へー! ちょっと遠慮がちなんですか?

(みうらじゅん)遠慮がちだと、僕は最初大文字で途中から小文字になる方が……

(太田光)いや、そっちの方が気取っている。

(みうらじゅん)気取っていますかね? そうですかね?

(太田光)頭だけ大文字っていうのがなんか、気取っている感じ、しない?

(田中裕二)まあその感じもわかるね。どっちなんだろうね?

(みうらじゅん)どの考えがわかるの? わかるわけないんじゃないですか。そんな考え。

(太田光)(笑)

(みうらじゅん)ないもん。そんなセンス。

(太田光)「その考えもわかる」(笑)。

(みうらじゅん)でしょう?

(田中裕二)だからそれこそ愛ちゃんの時代なんて、青学でしょう?

(江藤愛)はい。

(みうらじゅん)青学はシンスだらけだよ。

(田中裕二)囲まれてたはずだよ。

(太田光)シンス大学だよ!

(田中裕二)シンス学院大学だよ!

(みうらじゅん)シンス大学。本当に。過言でもないよ。

(江藤愛)そこに違和感を持ったことはないです。当たり前でした。

(みうらじゅん)身近にシンスがいたから。

(太田光)生まれた時からシンスなんだ。でも、俺らは生まれる前からシンスって。

(田中裕二)生まれる前からシンス。絶対にそう(笑)。だって1985年生まれだから……

(江藤愛)85なんで。ちょうどシンスがありふれた時ですね。

(みうらじゅん)シンス生まれで。

(江藤愛)シンス生まれです。

(太田光)シンス生まれ! 信州生まれみたいな(笑)。

(江藤愛)(笑)。違うよ!

(田中裕二)そうだ。でも、たしかにそこをよく見つけたねー。

(みうらじゅん)だから、そうやって集めていくと俺、1960から2016まで。今年まで、全部集まったんですよ。だから、全部ゲットした。

(田中裕二)全部ゲット? もうポケモンGOを全部ゲットしたみたいな。

(江藤愛)コンプリート。すごーい!

(みうらじゅん)だから四方さんみたいに「16○○」を出されると、そこがボコボコになるんだよ。穴が空きすぎて気持ち悪い日々を4年間、送っているんですよ。でも、こういう番組で募集してもらったら、バンバン来ると思うんですよ。

(江藤愛)「シンス、探しています」って。

(みうらじゅん)もうみんなの手でやってもらうしかないんです! 1人でやっているのは無理なんですよ。もう、無理。

(田中裕二)そりゃ無理だわ。どうやって探すんですか?

(みうらじゅん)いや、もうどこにでもいますから。このTBSのところも。もう移転したのかな? あのバードランドにもありますよ。ハワイアンのところ。あそこにもあるし。

(太田光)だいたい外国系にかぶれた感じの……

(田中裕二)本来は「和」っぽいのに。それをちょっと……でも、焼き鳥なのにバードランドだからね。その時点でプンプン、シンス臭が。

(みうらじゅん)バードランド、焼き鳥じゃない。ハワイアンの店。

(田中裕二)えっ? あのバードランドじゃないの? 焼き鳥屋さんのバードランドじゃなくて?

(みうらじゅん)こっちのハワイアンの。ナントカ貴美子さんがやっている、TVKかなんかで番組やっているやつ。ハワイアンの番組。

(太田光)(笑)

(田中裕二)ごめんなさい。俺の知っているバードランドは焼き鳥さんで。

(みうらじゅん)そっちのバードランドもありますよ。いまや、ありますよ。きっと。探せば。

(太田光)Tシャツとかも怪しいよね。

(みうらじゅん)怪しい!

(田中裕二)怪しいね! もう、シンス好き。

(みうらじゅん)表にはいなくても、タグにこっそり隠れている時あるから。シンスが。タグにいるから。気をつけないと。

(太田光)(笑)

(江藤愛)ですね(笑)。

<書き起こしおわり>

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