渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でカニエ・ウェストのライブツアー『Saint Pablo Tour』のシカゴ公演を見に行った際の模様をレポートしていました。
(渡辺志保)最初にこのコーナーでいつも私の近況をお伝えしているんですけども。このインスト(『Famous』)を聞くだけで思いがこみ上げて。もう目から汁が出てしまいそうな感じですけども、ちょうど1周間前、私、わざわざカニエ・ウェスト(Kanye West)を、いま『Saint Pablo Tour』という北米40ヶ所、40公演を回るツアーを行っているんですけども。その『Saint Pablo Tour』を見るためだけに、わざわざ3泊5日でシカゴの方に行ってまいりまして。カニエ・ウェストの地元であるシカゴでの公演を見に行くという暴挙に出まして。最初にその感想などをみなさんとシェアさせていただきたいと思うんですけども……
まず、今回ツアーをしますよというのが発表になって、私はすぐ、アメリカ大陸だといちばん(日本から)近いのがLAなんですね。で、LAだと9時間ぐらいで行けるし、1泊3日ぐらいのスケジュールでもいいから行こうかな? なんてスケジュールを立てまして。まあ、何かしら、どこかの公演には行こうと思っていたんですけども。いろいろスケジュールを調整しまして、10月のシカゴ公演に行くと決めたきっかけが、やっぱり初日。今年の8月25日にインディアナポリスで初日を迎えたんですけども、みなさんご存知でしょうか? 今回のカニエのツアーはステージがですね、フローティング・ステージと言いまして。上からワイヤーでステージ自体が吊るされているんですよね。で、長方形の網網の板なんですけども。その板の上にカニエが立って。我々オーディエンスはその下でカニエを見上げながらライブを見ると。
カニエを見上げるライブ
で、もちろんその周りを囲むスタンド席はありますので、普通に席に座って見ることもできるんですけども。まあ、いわゆるアリーナ席はみなさん、行き来自由で。で、カニエが板に乗って平行移動するんですけど、それに合わせて一緒にお客さんも移動したりね。で、板は網網だから、下から見上げるとカニエの足の裏とか見えるんですけども。真下に行くとカニエ本人は見えなくなってしまうということで。本当にね、ずーっと私は首を、丸々90分のショーだったんですけども、ずっと首を上に上げてカニエ・ウェストを見ていたわけなんですけども。
いや、そのステージの様子をツアー最初のインディアナポリスの公演の後にいろんな写真とか動画を見ると、これは本当に行かなきゃヤバい! ということで、無理くりスケジュールを合わせてシカゴまで行ってきました。で、私が「部長」と呼んでいる女友達の方がいるんですけども。部長とスタイリストの黒川っていうのと一緒に行ったんですけどもね。もう本当に、私もこれまでにいろんなコンサートなどなど見てきましたけど、ああいう風に……今回のツアーの写真とか見てほしいんですけど。宙に浮いているカニエとその下で騒ぐオーディエンス、それがセットになって今回のカニエ・ウェストの『Saint Pablo Tour』という画がひとつ、出来上がるんですよね。
で、本当にどこからどんな風に撮ってもすごくフォトジェニックだし。オーディエンスも一緒くたにした「アート」みたいな感じになるんですかね? それをカニエ・ウェストが作りたかっったものとして……まあ、いままだツアーを回っているんですけども。本当ね、自分で撮った動画とか写真とか、あといろんな各種メディアに載っている写真なんかを見ても、「ああ、この一員になれて本当によかったな!」みたいな、そんなイッちゃっているオタクマインドみたいになってしまうんですけども。本当にね、すごかったです。
で、私が行った公演の数日前に、ちょうどパリでキム・カーダシアンが強盗に襲われるという事件もありまして、間2日間……フィラデルフィア公演とオーバーンでの公演をいま順延しているんですけども。まあ1回ツアーをキャンセルして再開したのが、我々が行ったシカゴ公演ということで。で、カニエは結構お騒がせな発言がステージの上でも多いですから、「今日はどんなトンデモ発言が飛び出すんだろう?」と思ってすごくワクワクしながら行ったんですけど、なんと意外なことにMCはほぼなし。で、サクッとした感じで、97%ぐらいはカニエはずっと仏頂面なんですけど、たまにカニエがはにかむんですよ。そうすると、カニエがはにかむと、お客さんもはにかんだだけで「イエーイ!」みたいな感じになって(笑)。もう本当に異様。
はにかむカニエ
で、しかもその自由に行き来ができるフロアシートはまあ結構チケットの値段も高いし。すごい、私もそうだけど、多少カニエに金を出せる変な大人ばっかりがフロアシートにはいたし。あと、さすが!っていう感じですけど、みんなやっぱりYEEZYのスニーカーとか服、アイテムを身に着けていましたし。グッズ売り場もすっごい混んでいて、コンサートを見ている時間よりもグッズの売り場で並んでいる時の方がよっぽど押し合いへし合いみたいな感じで。すごいアメリカのシカゴのパワーを感じて帰って参りました。もうね、よかったですね。みんなでスクールボーイ・Qの『THat Part』とかもやってくれたんですけど、「オケオケオケオケ♪」っていうのをみんなで言ったりとか。
あと、さっきインストかかっていました『Famous』っていう曲がありますけど、それも最初の方にやってくれて。最初1バース、ちょこっとだけキックして、曲を止めるんですけど。その時にね、もう「YEEZY! YEEZY!」って何万人ものYEEZYコールが湧き上がりまして。そういうところもとかもすごい胸熱でした。ちなみに、今回のライブは本当、カニエ・ウェストが1人だけで、客演とかゲストは誰もいないんですよ。で、ステージの上にもカニエしか乗っていないんですけど、後ろのPAブースのあたりでなんと御大のプロデューサー、エンジニア、ミキサーでもありますマイク・ディーン(Mike Dean)がキーボードとかギターとか、その他PCとかを操ってツアーステージのコンダクターとしてちょこまかちょこまか動いておりまして。最後の最後に、「あれっ? あの白人のおっさんはもしかして、マイク・ディーンかな?」って気づいたんですけどね。近くまで行ってぜひぜひ話しかけたかったなというのがすごい後悔ポイントでございます。
でも、日本だとなかなか実現できないショーなのかなとも思いますし。12月の半ばまでまだやっていますので、もし行ける方がいれば、ぜひぜひ現地まで行ってカニエ・ウェストを見てきてほしいなと。できるだけ、アメリカのヒップホップが好きな方は現地まで行ってショーを見てほしいな、なんて思いますね。というわけでしばらくカニエの曲しかずっと聞いてないみたいな感じだったんですけど。ちなみに、帰りの飛行機で機内でアイス・キューブ(Ice Cube)が主演の『BARBERSHOP 3: THE NEXT CUT』という映画をやっておりまして。
それもね、シカゴのサウスサイドが舞台なんですよね。で、これ、あえてシカゴ発の便だからそういった映画を上映していたのかもしれないんですけども。帰りも冒頭で主役のアイス・キューブが「シカゴと言えば、ブルズ、キャブズに観光名所あれこれ。そして、カニエ・ウェスト!」みたいなシーンもあってですね。劇中にも、「じゃあこの床屋に誰かを呼ぼう。カニエ・ウェスト、もしくはR.ケリー。どっちにしよう?」とかね、そういうネタなんかもありまして、本当に帰りの間際までカニエにまみれた旅でございました。ちょっとまとまりがないんですけども、こんな感じでした。
というわけで今日、すごい長々と話してしまいましたけども、2日前にCDクオリティーバージョンが発表されたこの曲をオープニングチューンとしてかけたいと思います。ここでもカニエは「自分は新しいスティーブ・ジョブズ、そして自分は新しいウォルト・ディズニーだ!」なんてね、言ってますけども。今後のカニエさん、どうなっていくのか、引き続き『INSIDE OUT』ではウォッチしてまいりたいと思います。では、聞いてください。デザイナー(Desiigner)で『Tiimmy Turner feat. Kanye West』。
Desiigner『Tiimmy Turner feat. Kanye West』
<書き起こしおわり>
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