DJ PMX 映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』を語る

DJ PMX 映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』を語る INSIDE OUT

DJ PMXさんがblock.fm『INSIDE OUT』に出演。映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』について話し、N.W.A.楽曲のDJ MIXを披露していました。

(渡辺志保)ここで本日のゲストの方をお招きしたいと思います。DJ PMXさんです。

(DJ PMX)どうも、こんばんは。

(渡辺志保)ヤバいですね。このN.W.A.、ストレイト・アウタ・コンプトン、そしてDJ PMXという、かなり期待のダブルコンボで今日はお届けしたいと思うんですけども。ちなみにPMXさんはすでに映画の方はご覧に?

映画チラシ 「ストレイト・アウタ・コンプトン」 オシェイ・ジャクソン・Jr

(DJ PMX)見ましたよ。日本の試写会いちばんめに。いちばん前で。

(DJ YANATAKE)(笑)

(渡辺志保)いちばん前!アツい!

(DJ PMX)それも、ど真ん中で(笑)。

(渡辺志保)かっこよすぎます。どうでしたか?PMXさん。ちなみに当時、N.W.A.が結成された80年代後半っていうのはどんな活動をされていた時だったんですか?

(DJ PMX)もう、映画が86年からスタートするんですけど。それも自分がヒップホップをやりに上京してきた時代だったんで。感動して見てました。ずっと。

(渡辺志保)ああ、じゃあご自身のキャリアがそのままN.W.A.のキャリアに重ねられるような?

(DJ PMX)そうなんですよ。昔の自分が遊んでいた頃とか、あの当時聞いていたN.W.A.の曲とかをまた思い浮かべて。ひとりで感動してました。

(渡辺志保)おおー、かなりこれはオツな楽しみ方という感じがしますけども。ちなみにPMXさんが劇中で特に印象深かったシーンとかはありますか?

映画の印象的なシーン

(DJ PMX)ええと、ディスりあいをしているシーンだったり。

(渡辺志保)あ、曲でね。アイスキューブ(Ice Cube)が抜けた後の話ですかね。

(DJ PMX)あと、アイスキューブがレコード会社にカチコミに行くっていうんですか?(笑)。の、ところとか。

(渡辺志保)(笑)。あの、金払いがちょっと悪くてね。たしかにすごい印象的な。

(DJ PMX)でも、あんまり言っちゃ行けないんですよね。内容は。

(渡辺志保)まあまあ、日本公開はまだですから。でも、一部リアルストーリーに基づいた話ではあるので。もうクリアになっているところがたくさんありますけど。

(DJ PMX)なんか噂で聞いてたけど、FBIがライブ会場に乗り込むとか。『ああ、本当にこんな感じだったんだ』とか。

(渡辺志保)うーん。そうですよね。かなりスタジアムでのライブの様子なんかも、かなり忠実に。迫力ある再現、してましたし。本当に私とヤナタケさんもこの間ちょっと雑誌の企画で対談をさせていただいたんですけど。本当にエンターテイメント作品としてすごく素晴らしいなと。

(DJ PMX)そうそうそう。N.W.A.知らなくても楽しめますね。

(渡辺志保)うん。本当に、本当に。なにもね、予備知識ゼロで行っても十分に楽しめる作品だったと思いますし。ちなみに、当時はPMXさん、ヒップホップにのめり込んでいくと同時に、N.W.A.の作品なんかもほぼ同時期に、リアルタイムで聞いてらっしゃいました?

(DJ PMX)はい。はじめて聞いたのはたぶんクラブチッタで。周りの仲間がかけていたんだったかな?と思うんですけども。

(渡辺志保)おお、なるほど、なるほど。

(DJ PMX)その頃、パブリック・エネミー(Public Enemy)とか、ああいうハーコーな曲が好きで。その流れでN.W.A.も聞いていたんですけど。まあだんだん、最初の頃よりもどんどん聞いていくうちに好きになっていって。もう、いつの間にか格好もそういう格好して・・・(笑)。

(渡辺志保)(笑)。そう、さっきちょっと本番前にもお話を聞いていたんですけども。そんな時、ファッションってどうしたって日本では手に入りにくい環境ですよね?

(DJ PMX)Dickiesなんかもなかなかなかったし。ちょっと高かったのかもしれないですけど。その当時は普通に作業着とかにプリントっていうか刺繍したりとか。グループ名を。してましたね。

(渡辺志保)すごい!いや、かなりOGトークっていう感じが(笑)。

(DJ PMX)まあでもその当時、だからヒップホップを理解している人も少ないんで。ただ作業着を着ている人っていう。

(DJ YANATAKE)(笑)

(渡辺志保)『なんだよ、おめー、わざわざ作業着、着てんだよ?』みたいな感じかもしれないですけどね。いや、なるほど。かなり勉強になるお話が多いですけども。じゃあここでまずは今回、PMXさんがご用意してくださったスペシャルMIXを聞いていただこうかなと思います。

(DJ PMX)はい。

(渡辺志保)じゃあ、DJ PMXさんのN.W.A.、ストレイト・アウタ・コンプトンインスパイアMIXです!Get It!

(MIX終わり)

(渡辺志保)イエイ!というわけでお送りしたのはストレイト・アウタ・コンプトンインスパイアMIX by DJ PMX!ということで、かなりアツいことになってました!みなさんね、Twitterでもバシバシ盛り上がってくださっていたようです。

(中略)

(渡辺志保)本当ね、映画の公開が待ちきれないようなDJ MIXをお届けしてくださいましたが、DJ PMXさん、改めてありがとうございました。

(DJ PMX)ありがとうございます。楽しかったです。

(DJ YANATAKE)ありがとうございました!(拍手)。

(渡辺志保)いや、素晴らしい。本当にテンション上がるしかないっていうような。

(DJ PMX)大好きなN.W.A.曲だけをMIXできたんで、うれしかったです。

(渡辺志保)もう史上初の試みということになります。特にじゃあ、いまお届けしてくだった曲の中からPMXさんが思い入れの強い1曲、2曲ありましたら教えてほしいなと思うんですけども。

DJ PMXの思い入れの強いN.W.A.楽曲

(DJ PMX)まあやっぱり、『Straight Outta Compton』と、

(DJ PMX)『Fuck Tha Police』ですね。

(渡辺志保)おっ!やっぱりファーストアルバムの中からという感じでしょうか?

(DJ PMX)『Fuck Tha Police』なんかもう、この歌詞なに!?っていう(笑)。すごすぎるなっていう。

(渡辺志保)ちなみに当時、じゃあリアルタイムでこれらの曲を聞いてらっしゃった?

(DJ PMX)聞いてましたね。普通に。

(渡辺志保)その時の衝撃というか、エピソードみたいなの、ありますか?

(DJ PMX)もう、こんな強烈なグループいるのかな!?っていう。実際に当時、FBIがライブ会場に来たりとか、そういうのも聞いていたし。いま、こんなグループはいないよな?と。ふと思うと。

(渡辺志保)そうですよね。

(DJ PMX)ええ、ありますよね。

(渡辺志保)でも、逆に当時からこれを聞いた瞬間に『西海岸のヒップホップってヤベえ!』とか、そういう地域性みたいなものも感じたりされましたか?

(DJ PMX)そうですね。まだこの頃ってパブリック・エネミーの派手な感じのビートとかっていうか。そういうのをやっているなって思っていましたけど。Dr.ドレ(Dr.Dre)が『The Chronic』を出してぐらいですかね。地域性がすごい出てきたのは。

(渡辺志保)うーん。じゃあそこからどんどん西の方に、PMXさんご自身も?

(DJ PMX)そうなんです。

(渡辺志保)のめり込んでいったという感じでしょうか。まあでもそのね、本当にルーツとなるのがこのN.W.A.なのかな?っていう感じがしますけども。1曲目にイージー・E(Eazy E)名義の『Boyz N’ Tha Hood』をMIXでもかけてくださいましたけども。

(DJ PMX)映画のシーンもよかったですよね。

(渡辺志保)これはまたネタバレになっちゃうんですけど。映画の劇中でDr.ドレがプロデュースのもと、イージー・Eがこの『Boyz N’ Tha Hood』をRECするシーンがあって。私、個人的にそのシーンがすっごい印象的で。

(DJ PMX)使っている機材も、結構その当時の・・・いまでも自分が使っているような機材とかもあったりして。シンセサイザーMoogだったり、サンプラーだとMPC60とか。SP1200とか。なんかこう、うれしくなってきましたね(笑)。

(渡辺志保)もうじゃあ、ヒップホップのビートメイカーにはたまらないクラシックな機材なんかも出てきて?

(DJ PMX)そうなんですよね。細かいところも映画で見てほしいなと。

(渡辺志保)いや、本当にそうですよね。まあ、ファッションとかもそうですし、当時の機材とか。どういう雰囲気だったのか?っていうところもね、再現されてるなと思ったし。もう本当ね、イージー・Eが生まれて始めてレコーディングブースに立つみたいなシーンがすっごい絶妙な空気感なんかもね・・・

(DJ PMX)(笑)。面白いですよね。

(渡辺志保)劇中から伝わるぐらいの出来なので。本当、12月19日から日本全国で公開になりますので。みなさん、もう駆けつけてほしいなと思います。試写会、ヤナタケさんもね、試写会をすでにご覧になっているんですけども。お二人ともいま、現場でプレイするDJとして、見た後にこう、意識的に西海岸の曲をかけることが増えましたとか、PMXさんも意識的に昔のN.W.A.の曲なんかをかけることが多くなったってことはありますか?

(DJ PMX)ありますね。『Straight Outta Compton』は特に毎回かけるようにしています。

(渡辺志保)おお、なるほど(笑)。もう布教活動みたいな感じですかね?

(DJ PMX)はい(笑)。やっぱり若いやつらに知ってほしいんで。こういういい曲を。

(渡辺志保)そうですね。うん。ヤナタケさんはどうですか?

(DJ YANATAKE)いや、もうまさに同じ感じだよね。そういう、『Straight Outta Compton』かけて若い子が前で『おおーっ!』って言ってくれたら、だいぶうれしいですね。

(DJ PMX)そうですね。踊るっていうより暴れるっていう感じなのかも。どっちかって言うと(笑)。

(渡辺志保)暴動みたいな(笑)。感じですかね?

(DJ PMX)ただ、やっぱりアメリカでも映画公開の後にこの25年前のアルバムですよね。が、またビルボードのチャートを上にあがっていったような現象も起きたりして。ぜったいにこれ、映画を見たら帰りに。もしね、25年前のアルバムだからいま若い子に『持っていろ』とか『知ってなきゃ』っていうのはたぶん無理だと思うし。でも、映画を見たら帰りに買っちゃいますよね?

(DJ PMX)そうですね。もう自分も何回買ったのかな?

(渡辺・ヤナタケ)(笑)

(DJ PMX)今回もキャップ付きのやつ、買ったし(笑)。

(DJ YANATAKE)そうそう。同じの買いました(笑)。

(渡辺志保)エディションがね、どんどんどんどん増えていくみたいな。あの、ちなみに12月9日に日本のユニバーサルさんかN.W.A.のアルバム3枚がなんとリイシューされると。それで、新しく解説。そして、全曲分の歌詞対訳がついている。ちなみに私、2枚目のアルバム『Niggaz4Life』の対訳を全部やらせていただいたんですけど。

(DJ PMX)あっ、素晴らしい。

(渡辺志保)もう本当、史上初っていうか、もう史上最高に過酷な仕事みたいな。しかもこう、対訳をやっている時ってそのラッパーのマインドになる、じゃないですけど。結構もう、日夜ずーっと、1日中、24時間N.W.A.のことを考えているみたいな。

(DJ YANATAKE)(笑)

(渡辺志保)1日中ずーっとイージー・Eモードに自分がなっているみたいな感じで。対訳の仕事を全部終わったら、うちの主人に『すごい安らかな顔をしてるよ』みたいな。『毒が抜けたような、デトックスした顔つきになっている』とまで言われましたので。12月9日にね、かなりお買い求めやすい価格でリイシューがされますので。まあ、若いリスナーも初めてN.W.A.の曲を聞きますというような方もぜひぜひね、映画の公開に合わせてゲットしてほしいななんて思っております。

<書き起こしおわり>


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