渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でシカゴのフィメールMC、ノーネームの『Diddy Bop』を紹介していました。
(渡辺志保)というわけで今日もエンディングチューンをここで紹介したいと思うんですけども。ノーネーム・ジプシー(NoName Gypsy)というフィメールMCをみなさん、ご存知でしょうか? チャンス・ザ・ラッパー(Chance The Rapper)とかね、その周辺のドニー・トランペット(Donnie Trumpet)とかの作品にはかねてから参加しているフィメールMCで。最近、ノーネーム・ジプシーからノーネーム(Noname)っていう名前に改名したんですけども。彼女はチャンス・ザ・ラッパー周辺ファン。あのへんのシカゴヒップホップシーンのファンの方からは、いまかいまか、いつ彼女の作品が出るんだ? と待たれていたんですけども。『Telefone』というですね、彼女のデビューアルバムになるんでしょうか? リリースしたばかりでございます。
Noname『Telefone』
で、結構ねリリカル(詩的)な表現、若い女の子らしいなというような表現がすごく多くて私もちょっとグッとくるようなラインがいくつかございまして。で、今日はですね、その中から『Diddy Bop』っていう曲をかけたいと思うんですけども。彼女のそのデビューアルバム『Telefone』の中には、たとえば『Casket Pretty』っていう曲があるんですけども。これ、「Casket」ってお葬式の時にご遺体を入れる棺のことなんですけども。本当に若くして命を落としてしまう黒人男性が多いっていうことを嘆く歌だったりとか。
あと、私がいちばんグッときたのは「Bye Bye Baby」っていう曲があるんだけど。この曲はね、中絶について歌っているんですよね。で。バース1はママになった女性の視点で描かれている。そしてバース2は、いまから処置されてしまう赤ちゃんの立場になってラップしているんですけど。やっぱりこういうのって、多感な女の子にしか書けないリリックだなとも思うし。中絶率とか堕胎の処置数なんかも、もしかして日本とシカゴでは全然状況が違うのかもしれないけど。本当ね、こういう曲をいままで私も聞いたことがなかったし、すごくグッと響く曲になっていますので。
ぜひちょっと女の子には特に聞いてほしいと思うし、男の子にもぜひ聞いてね、こういうこともあるんだというのを知っていただきたいなとも思いますけども。いまからかけますのは、先ほども紹介しました『Diddy Bop』という曲ですね。で、『Diddy Bop』の「Diddy」ってP・ディディ(P Diddy・Puff Daddy)のことなんですけど。曲の中でも、自分の育った90年代のことを回顧するようなリリックになっていて。たとえばFUBUとかK-SWISSのスニーカーっていう名前がリリックの中に出てきたりとか。結構ね、B2Kの名前が出てきたり。
しかも、その中でもメンバー……まあ、オマリオン(Omarion)はもともとB2Kでしたけど、オマリオンじゃなくてラズ・B(Raz-B)っていうね、メンバーの名前が出てきたりして、結構ウケる人にはウケるっていう感じになっています。
“Kids now don’t know, but back in the early 2000s at the turn of the 20th century a new boy band emerged.…” ?@Genius https://t.co/PAgTPNiARR
— みやーんZZ (@miyearnzz) 2016年8月10日
で、フィーチャーされておりますのはアトランタの新星。彼のアルバムもね、素晴らしかったけど、ラウリー(Raury)。そして、いままでドモ・ジェネシスとかね、フランク・オーシャン(Frank Ocean)周りでも仕事をしてきましたキャム・オビー(Cam O’bi)ですね。その2人をフィーチャーした曲になっておりますので、今日はこの曲でお別れです。最後に聞いてください。ノーネーム『Telefone』の中からお送りしたいと思います。『Diddy Bop』。
Noname『Diddy Bop (ft. Raury & Cam O’bi)』
<書き起こしおわり>