渡辺志保さんが2025年11月10日放送のblock.fm『INSIDE OUT』の中でトラヴィス・スコットが埼玉県所沢市のベルーナドームで行った来日公演の模様についてトーク。Ye(カニエ・ウェスト)登場の際の興奮や圧巻のトラヴィス・スコットのパフォーマンスなどについて話していました。
(渡辺志保)そして今日、冒頭にお話したいなと思っていたことがございまして。それは先日、11月8日(土)、埼玉県の所沢市にございますベルーナドームで行われましたトラヴィス・スコットさんのツアーに行ってまいりましたということを話したいですね。はい。
まあ『INSIDE OUT』を聞いてくださる方は本当に説明不要かと思うんですけれども。トラヴィス・スコットが2023年に発表したアルバム『UTOPIA』に伴うワールドツアーをもう2年ぐらいやってらっしゃるんですよね。で、『The Circus Maximus Stadium Tour』っていうのが正式名称なんですけれども。日本に来るぞということで。ベルーナドーム、私は行ったことがなくて。で、ちょっと距離もあるじゃないですか。どんな感じなんだろうと思って。
で、行った友達に聞くと結構、「帰る時は大変だよ」とか。あとは「屋根がない」って聞いてたんですけど……トラヴィスの時、屋根はありました。で、「屋根がないからめっちゃ寒いよ」とかって聞いてたんだけど。で、屋根はあったんだけど横。サイドが空いてるんですよね。だから寒いは寒い感じでした。で、「寒いよ」っていうのを結構いろんな方から聞いてたから、私はすごいめっちゃ分厚いタイツとヒートテックを着て。ダウンを着て、みたいな感じで完全装備で行ったんだけど。それで正解だなって感じだったので。
いろいろね、SNSで皆さんがもうどんなライブだったかっていうのは実際に行ってない方もですね、なんとなくバイブスは伝わってらっしゃるんじゃないかなって思うんだけど。やばかったね。カニエ・ウェスト改めYeさんが出てこられまして。本当に本当に私はもう心底、仰天しましたね。
なんか数日前から「もしかしたらカニエが出るかもよ?」みたいな噂を私もちょこちょこ聞いていて。「いや、でもまさかね……」というのは思ったんだけどね。思ったんだけど、実際に来てくださいましたね。で、私は今回、ライブレポートを書く仕事で会場に伺いまして。そういう時ってセットリストをだいたい見てから行くんですよね。で、「見てから」っていうのは「これが今夜のセットリストです」って提供される場合もあるんだけど。こういう大きな外タレの仕事……ちょっと前だとタイラー・ザ・クリエイターとかもそうですけど。そういう方達って割とひとつのツアーはセットリストが結構もうずっと決まってるんですよね。固定してて。
で、その中の2、3曲が変わるとか、順番が変わるとかっていうのはあるんですけれども、大きく外れることはないから。私もですね、今回の『The Circus Maximus Tour』で他の会場でどんなセトリだったかっていうのを見てから行ったんですよ。それで『Praise God』っていうカニエの『DONDA』っていうアルバムに入っている曲がセトリに入っているから、もしかしたらワンチャン、この『Praise God』を2人でやるのかな?っていう風に思ったんですよね。
それで今回の所沢のベルーナドーム。日本での公演ではですね、『Praise God』が他の会場でやった時とちょっと順番が違うなってまず、思ったんです。で、『Praise God』のイントロがかかってちょっとパフォームするんだけど。『Praise God』を。でも、ちょっと早めに切り上げたんですよ。それで音が止まって照明も全部落ちて。「ああ、もしかして『Praise God』の次のバースやるのにカニエが出てくるのかな?」っていう風に思ったんだけど……なんとですね、『Praise God』が途中で終わって。
それでカニエの曲の『Runaway』のイントロが流れたんですよね。で、『Runaway』のイントロ、ヒップホップ好きな方はもう絶対、頭にすぐ浮かぶと思うんだけど。プロデュースを手がけたのはRZAで、すごく印象的なキーボード。ピアノの1音がポン……ポン……って鳴るイントロなんですね。もうさ、それが鳴って本当にびっくりしたし、会場のどよめきもすごかったですね。それでカニエがまず『Runaway』で登場して。
で、最初はマスクを被ってらっしゃったんですけれども、途中でそのマスクを外して素顔のカニエの姿で歌い始めてですね。『Runaway』『Can’t Tell Me Nothing』『Heartless』『Flashing Lights』『Stronger』『Father Stretch My Hands Pt. 1』『Through The Wire』『CARNIVAL』『All Of The Lights』ということで全部で8曲、やってくれた。
『Praise God』から『Runaway』で登場
カニエとの「Praise God」をやるトラヴィス先生。まさかこの後、ご本人登場するフラグだったなんてこの時は思ってもみなかったのです。 pic.twitter.com/gwFoZVV8mo
— みやーんZZ (@miyearnzz) November 9, 2025
トラヴィス・スコットの公演で「Can't Tell Me Nothing」をやった後、マスクを取ったカニエ・ウェスト。この時点まで影武者説もあったのでご本人であることが判明してぶち上がるベルーナドームの皆様。ヤバいことが起こってる! pic.twitter.com/jRyrt6Lbdq
— みやーんZZ (@miyearnzz) November 9, 2025
(渡辺志保)で、なんかカニエってもちろん、本当にここ数年はアメリカでは本当にもう全キャンセルみたいな感じになってしまって。
いろいろカニエのことを心配する声も上がりますし。彼の言動ひとつひとつにいちゃもんがついてしまうというか。これまでの音楽的なアーティスト、カニエの存在とはまた違う存在になってしまっているわけなんですけれども。まのでアメリカでは絶対実現しないような嬉しいハプニングだと思うんですよね。トラヴィスのツアーのステージにカニエが参加するって。
それがその日本……まあ所沢だけど、ざっくり言うと東京でそうしたステージが実現したっていうことはなんかこう、すごい東京という街が彼らに与えるインスピレーションというか、刺激っていうか。東京ならではのマジックみたいなのがもしあるのであればやはり日本に住んでいる、かつ東京に住んでいる彼らのファンの1人として、これ以上嬉しいことはないなという風に感じてしまいました。
で、なんか私もさ、やっぱりカニエもね、ここ数年の言動を聞くにつれ、アルバムのリリックを聞くにつれ、「ああ、なんかな……」って。やっぱり大好きだったけど、すごく心がちょっと離れていく感じがあったんですよね。「やっぱりサポートできないな」みたいな感じがあったんだけど、でもああやってスタジアムのステージに立って自分の過去の楽曲を網羅するような形で。「網羅する」というのは言い過ぎだけど、自分の過去のディスコグラフィーをざっと振り返るような代表曲、カニエヒットメドレーみたいな感じでラップをする彼を見てですね、「ああ、やっぱりカニエって天才だな。見れてよかった! 最高です!」みたいな。もう泣きながら見たっていう感じですよね。
で、私は2016年のアルバム『The Life of Pablo』に収録されている『Father Stretch My Hands Pt. 1』っていう曲がめちゃめちゃ好きで。メトロ・ブーミンがプロデュースを手がけてるんですけど。その曲も今回、ベルーナドームでやってくれたのよ。先月の『FORCE FESTIVAL』ではメトロ・ブーミンが1曲目にこの『Father Stretch My Hands Pt. 1』をかけて。それですごく感動したんですよ、私は。なので2ヶ月続けて日本で『Father Stretch My Hands Pt. 1』を生で体感することができて、もうこれ以上ないその充足感というかですね、高まり、興奮を感じました。
『Father Stretch My Hands Pt. 1』
(渡辺志保)でもってトラヴィスのライブは本当にすごい! 私が前回、トラヴィスを見たのは2019年のマイアミで行われたROLLING LOUDでトラヴィスがヘッドライナーだったんですよね。それも60分ぐらいのセットだったのかな? でもやっぱりROLLING LOUDってすごい元気な若者ばっかりのフェスだから途中で本当に5、6回? 何回かな? 結構ライブが中断したんですよね。なんかモッシュが起こりすぎて人がやばいとか。なんかちょっと危ない音がしたとか、そういう感じで何回もライブが中断したんだけど。
まあ、その時のライブも良かったんだけどやっぱりその作り込んだセットで、当たり前だけど一度も中断することなく約90分間、見せてくださいましたし。あと今回のツアー、他の場所はどうだったかわからないですけれども個人的にはトラヴィスがすごく笑顔でいらっしゃったのが私は印象的でした。
で、もう彼なんて本当に手が届かないスーパースターっていう感じだけど。東京には娘さんを一緒に連れてきていたりとか。で、おそらくプライベートの時間も楽しんでいらっしゃっただろうと思うし。MCでも「めっちゃ東京を楽しみにしてた!」っていう風におっしゃってたので、なんかリラックスしてプライベートも楽しみながら仕事もしてます、みたいなそういうちょっとチルめな感じで日本、東京を楽しんでくれてたら嬉しいなっていう風にも思いましたし。
あと『FE!N』の時もすごかったね! 4回やってましたね。で、やっぱりみんなモッシュもすごいグルングルンね、サークルになって回ったりもしてましたし。まあ、お怪我とかしている方がいらっしゃらなければいいなという風にも思うんだけれども。
『FE!N』四連発
カニエ・ウェスト登場の熱気冷めやらぬ中、「NO BYSTANDERS」から「FE!N」につなぐトラヴィス先生。興奮しすぎて死ぬかと思った。この祝祭感ヤバい。 pic.twitter.com/VZjMMF576I
— みやーんZZ (@miyearnzz) November 9, 2025
ベルーナドームで見たトラヴィス・スコット、すごかった! 去年の大ヒット曲にしてWWEファン的にはレッスルマニア41の主題歌「FE!N」の4回やってくれて大満足。お客さんみんなWWE級の大暴れでした。RAW主題歌の4×4もやってほしかった!(たぶんこんなこと言ってるのは僕だけ) pic.twitter.com/4r45E5dH3E
— みやーんZZ (@miyearnzz) November 9, 2025
トラヴィス・スコット「FE!N」4回目。一旦止めて、溜めてからの飛ぶ花火→爆発で大熱狂。アリーナのモッシュも最高潮でクソヤバい! pic.twitter.com/Y8Uz97SNDv
— みやーんZZ (@miyearnzz) November 11, 2025
(渡辺志保)やっぱり本当にもうこの十何年ね、トラヴィスがこう歩んできた軌跡というか、道のりというか。もう彼らがトレンドを作るわけだから、我々はみんなフォロワーとしてそれを一生懸命追いかけているわけですけれども。その本当になんか真骨頂の部分を見たっていう感じがしました。
で、ちょっと今これを収録している時点ではなんとも言えないんですけれども。ライブを見た次の日に私はソニーさんにライブレポートの原稿を納品しましたので。早ければ今週の頭にはもしかしたら読むことができるかもしれないということで、楽しみにしていてください。というわけで今日の1曲目はですね、ライブでもやってたんですけれども。トラヴィス・スコット、ジャックボーイズというプロジェクトもやってらっしゃって。で、今年2025年には『JackBoys 2』というアルバムがリリースされました。
で、その中でですね、『CHAMPAIN & VACAY』という曲があるんですけれども。これはワカ・フロッカ・フレイムのシャウトを使ってるんですよね。なので今回、そのライブでも日本のスタジアムにワカ・フロッカ・フレイムの「Bricksquad!」っていうシャウトが響いておりまして、それにめっちゃ感動したっていうところも付け加えておきたいと思います。では、お届けしましょう。トラヴィス・スコット&ドン・トリヴァーで『CHAMPAIN & VACAY』です。
Travis Scott, Don Toliver『CHAMPAIN & VACAY』
