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雑誌『月刊住職』編集長 矢沢澄道 最新お寺業界事情を語る

雑誌『月刊住職』編集長 矢沢澄道 最新お寺業界事情を語る 荒川強啓デイ・キャッチ!
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全国の住職の4人に1人が読むという雑誌『月刊住職』の編集長、矢沢澄道さんがTBSラジオ『荒川強啓デイ・キャッチ!』に出演。Amazonのお坊さん派遣サービスなど、最新のお寺業界の事情を話していました。

(荒川強啓)矢沢澄道さんがクリップした最新お寺事情、さっそくご紹介します。

(片桐千晶)クリップ1、宗教行為? それとも商業行為? ペットの供養で大論争。クリップ2、神社仏閣にも個人情報保護の波? 絵馬にシール。クリップ3、もはや絶滅危惧種? 姿を消す宮形霊柩車。クリップ4、ついにネットでお坊さんを派遣。Amazonのお坊さん便が与えた衝撃。

(荒川強啓)はい。以上が矢沢澄道さんがクリップした最新お寺事情です。では、さっそく順番にいきましょうか。宗教行為? それとも商業行為? ペットの供養。これ、そうですよね。いま、もう家族の一員ですからね。

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ペット供養は宗教行為か?

(矢沢澄道)そうですよね。そう思いますね。いま、犬を全国で一千万頭ぐらい。猫もそのぐらいいらっしゃるんですね。まあ、「いらっしゃる」っておかしいですけども、そのぐらいの身分になっているんですね。あの、もう子供のいる家庭よりもペットを飼っている家庭の方が多いんですよ。

(荒川強啓)ああ、そうか。

(矢沢澄道)そのぐらい、家族の一員になっている。そういうことなんですね。当然、そういうかわいいペットもね、ご臨終しますよね。その時に……

(荒川強啓)供養してほしいと。

(矢沢澄道)供養してほしいという風に、なりますよね。もちろん、他の宗教では「ペットには魂がない」という風におっしゃるところもあるんですけども。仏教では命というものは人間も犬も虫も魚も鳥も、全部同じつながりがあるんですよね。ですので、自分の愛する犬、あるいは猫がなくなったら、人と同じような供養がしたいというのは、自然な成り行きじゃないかなと思うんですね。

(山田五郎)一切衆生皆成仏ですよね。

(矢沢澄道)そうだと思います。ところが、それに対してまず供養・葬送。それに対する供養料とかね。そういうものを取ったら、それはお寺の場合ね、宗教行為でやっているのに、それは所得税を納めなさいと。あるいは、法人税を納めなさいと。

(山田五郎)ああ、宗教行為じゃなくて、それはもう利益を生む収益事業だと。

(矢沢澄道)はい。それと、またちょっとした納骨堂っていうんですかね? ペットの骨を預けたいというような人たちもいますし。土地にね、埋葬するという方もいます。それに対しては、固定資産税を取ると。そういう風な、2つの課税が本格的に行われていましてですね。裁判も、それに対して行っておりまして。ひとつの最高裁の判例では、「ペットの供養は伝統的にお寺にとっての宗教行為なので非課税がいいでしょう」という結論が出たんですけども。

(荒川強啓)ええ。

(矢沢澄道)他のところはですね、実は当局も、あるいは司法もいろんな条件をつけて……一言でいいますとね、「イコール・フッティング」っていう考え方なんです。それはね、一般の企業の行為を同等にするために、宗教法人に対して非課税にすると競争が格差ができるので。

(山田五郎)不平等だと?

(矢沢澄道)不平等だということで、課税をし始めたんですね。これ、イコール・フッティングっていう考え方なんですよ。

(山田五郎)あれはどうなんですか? 人形供養とか針供養とかカツラ供養とか。いろんな供養をやっているじゃないですか。

(矢沢澄道)それはもう、宗教法人にしかできないということで非課税になっています。

(山田五郎)だったら、ペットだってそうじゃないですか?

(矢沢澄道)ペットは実は、墓地にしても葬送行為も、一般の企業もやっているんですね。

(山田五郎)ああー、一般企業もやっているからっていうことだ。

(矢沢澄道)できるんですね。何の許可もないので。

(山田五郎)別に針供養だって一般企業もできるでしょう?

(矢沢澄道)(笑)。そう。できるでしょうけどね。まあ、あんまり利益が上がらないから(やらない)でしょうけどね。本格的にそういうことをする人が、やはりいるんですね。で、そういう風に論理を持っていきますとね、一般の企業ができるから宗教法人に課税するとなると、ひょっとしたらね、人の葬送の儀礼もお寺以外に一般企業がし始めたら……そしたら、そっちを保護するために、お寺に課税されるっていう論理になってしまいますよね?

(山田五郎)いま、それで結構出てきているじゃないですか。

(矢沢澄道)ええ、そういう問題がなんとなくね。

(山田五郎)お寺じゃない葬儀って出てきてますよね。

(矢沢澄道)そういう風な時に、司法はどうなのかな?って思いますよね。ですので、とにかく一般の人の供養心を削ぐようなことを当局、あるいは司法はしてほしくないなと。そういうことなんです。

(荒川強啓)もうひとつ。ちょっと時間が短いんですが。神社・仏閣にも個人情報保護の波。絵馬にシールを貼るって……

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個人情報保護で絵馬にシールを貼る

(山田五郎)増えてるんですよ、これ。

(矢沢澄道)まあ、増えてるってわけじゃないんですけど。

(山田五郎)結構見ますよね。

(矢沢澄道)京都の下鴨神社。それから、身延山久遠寺。などのところで、シールを貼ったり、2つ合わせにして書いた願いごとを伏せてしまうというね。

(荒川強啓)たしかに。願い事を読んじゃったりするもんね。

(片桐千晶)そうですねー!

(山田五郎)それでまた、めちゃくちゃ個人情報が書いてって。京都の縁切り神社の安井金比羅宮なんてヤバいですよ。

(矢沢澄道)そうですね(笑)。

(荒川強啓)名前が入っているからね。

(山田五郎)「練馬区どこそこ何丁目何番の荒川強啓と別れますように……」とか書いてあって。

(荒川強啓)ちょっ、ちょっと! なんで私の名前が使われるの?(笑)。

(矢沢澄道)それの絵馬は、「見せもいい」っていうことを条件にして出しているので。個人情報保護法には触れていないんです。自分で「これは出していいんだ」ということを条件にしてるのでそれは構わないんですけど。

(山田五郎)でも、人の個人情報保護だよ? その縁切り寺の場合は(笑)。

(矢沢澄道)それはマズいですが(笑)。ところがそれをね、携帯電話で撮ってね、それを流しちゃうんですよ。冷やかしで。

(片桐千晶)ネットに上げたりとか。

(荒川強啓)ああー。

(矢沢澄道)それが問題なんですよ。そこから、寺院も神社も「これは問題だな」という風なことで、このシールを貼るようになったんですね。

(荒川強啓)でも、シールを貼ってもお願いごとはちゃんと叶うんでしょ?

(矢沢澄道)あの、確証は得られません。

(荒川強啓)ええーっ?(笑)。

(片桐千晶)神様は、見えるんじゃないですか? シールを貼っていても。見えますよね? 大丈夫ですよ(笑)。

(荒川強啓)神様はそーっとそのシールをはずすのかな?(笑)。

(矢沢澄道)読むのも楽しいですけどね。はい。

(中略)

(荒川強啓)今日は最新お寺事情です。クリップするのは全国の住職の1/4が読む専門誌『月刊住職』編集長で現役の住職、矢沢澄道さんです。よろしくどうぞお願いします。この時間、矢沢さんがクリップした最新お寺事情はこちらです。

(片桐千晶)ネット通販大手のAmazonジャパンは去年、葬儀関連会社が運営する僧侶派遣サービス『お坊さん便』の取り扱いを開始。これは全国一律3万5千円で僧侶を派遣するサービスなんですが、これに対し、全国7万以上の寺が加盟する全日本仏教会は「宗教行為をサービスとして商品にしている」などと反発しています。Amazonが取り扱うお坊さんビジネスが与えた衝撃。その背景にあるものとは?

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Amazonのお坊さん派遣サービス

(荒川強啓)五郎さん、そうですよね。これ、大きな話題になっていますよね。

(山田五郎)話題です。これ、先ほど矢沢さんがおっしゃった「課税される・されない」の問題にも絡んできますね。

(荒川強啓)このお坊さんの派遣。そもそもこのサービス、なんで始まったんですか?

(矢沢澄道)注意深くこのAmazonの営みを見ていますとね、肝心なところがあります。それはあくまでも、菩提寺と関係ない人、お寺とお付き合いのない人のためのって書いてあるんですよ。ですから、そこがとても重要だと思うんですね。ですので、この首都圏においても統計によるとこの50年間に300万人以上の人が地方から押し寄せているんですね。で、そういう人たち、お寺と縁がだんだん減ってきているんですね。そういう人たちが、やはり家族も亡くなる。あるいは、親が亡くなるということが当然、あるわけですね。その時に、「もうお坊さん、お経はいいや」っていう人だったら、このサービスは成り立たないんですね。

(荒川強啓)うん。

(矢沢澄道)やはりそういう人でもね、日頃お寺と付き合いがなくても、「お経をあげてほしい、お坊さんに来てほしい」という人をどのように仏教会、あるいは寺院が対応したらいいか? という問題をAmazonは提起している。

(山田五郎)これ、近くのお寺にたのみに行っちゃダメなんですか?

(矢沢澄道)いいんです、それは。もちろん。

(山田五郎)いいんですよね。菩提寺じゃなくても。

(矢沢澄道)で、いま、ネットでいうとね、ネットを見るといろんなお寺もホームページを持っています。それから、横浜市仏教連合会では、正しい葬儀を普及するネットワークというのを持っていて、450の寺院が加盟していますから。そこに電話を入れるッて言うことでもできるんです。ですので、もともとこの菩提寺とお付き合いのない人は、そういうご不幸があったり、法事をしたいっていう場合には、昔は電話帳。あるいは隣近所の葬儀屋さん。あるいは近くのお寺。そういう風な、いろんな形でお寺との接点を求めたんですけどね。

(荒川強啓)はい。

(矢沢澄道)それが、いまは電話帳なんかないですよね。もう、ネットになったのでね。ネットでできるようになったんですね。で、それまでも、ネットの中でも15年ぐらい前から葬儀業者さんがネットでもって顧客を相手に集めるということもあったんですけども。その時の業界さんの中には、自分たちの都合のいい、何宗でも読めるようなお坊さん……まあ、ニセ僧侶とはいいませんけど、そういう人を遺族の方のところに派遣していたんですね。それが、ちょっと……15年ぐらいありました。私の取材した経験では。

(荒川強啓)うん。

(矢沢澄道)ところが、ネットが一般に行き渡りますと、「自分はこんな経験をした。こんな問題があるお坊さんを派遣された」ということを(ネットに)書き始めたんですよ。そうしましたらね、当然その業者もバッシングにあいますよね。それで業者が考えたのは、「これからはちゃんとした住職と提携して、それを紹介しよう」ということを始めたのがいまから10年ぐらい前です。で、そういう風な業者のひとつが、Amazonに出店をしたという風に考えられます。Amazonはあくまでも、そういうお店(の場所)を貸しただけで。実態はひとつの葬儀業者さんがしているという風に考えた方がいいんじゃないかと思うんですね。

(荒川強啓)そうすると、偽物かどうかっていうのはそこでは判断がつかないわけですよね。

(矢沢澄道)このAmazonがやる条件としてはね、ちゃんとしたお坊さん。寺院住職を派遣するということになっていますから。それはちゃんとしたお坊さんが来てね、一生懸命法話をしたり、あるいは読経をしたりすれば、その方はおそらくですね、いままで菩提寺と付き合いはなかったけれども、その人が菩提寺になるんじゃないかと思うんですね。だからそういう役割があるので。入り口を、いくらこのAmazonに「やめてくれ、問題がある」って言ったって、彼らは自由に商業行為ができるので。そこを上手く利用すればいいんじゃないかと思うんですね。

(山田五郎)そうですね。

(矢沢澄道)ですので、本質的にはただ、お客さんを紹介しただけで。実質はお寺の住職がするんです。お坊さんがするので、お坊さんが一生懸命、本当に懸命な布教活動、あるいは葬儀をしてくれれば、その方は次にはAmazonにたのまなくなって。直接その人にお経をたのめばいいので。新しい菩提寺作り、檀家作りになるので。

(荒川強啓)ということは五郎さん、Amazonは……

(山田五郎)じゃあ、いいんじゃん。

(矢沢澄道)そうなんですよ。

(荒川強啓)出会い作りをしてくれているわけだもんね。

(矢沢澄道)あくまでも、我々仏教会は世間のことを批判するよりも、その気持ちを上手く受け止めて。みんなが幸せになるように利用すればいいんじゃないかと思うんですね。上手く使うという。そういう風にすれば、仏教というものが必要な人たちに行き渡るんじゃないかと思うんですね。問題点はたしかにあるんです。お布施を定額化してしまうというね。お気持ちなのに。

(荒川強啓)はいはい。

(矢沢澄道)お布施っていうのはもともと、商品ではなくて。消費ではなくて。共同体に資するための献金なんですよ。ですから、お坊さんの謝礼じゃない。ですので、商品を買うように定額にするんじゃないので、「お気持ちを」って言うんです。ですから、お布施はちゃんと使う目的があるんです。お坊さんがそれで飲食をするためのものじゃなくて、地域のみんな、あるいは寺院を中心にした共同体のために使うっていうことを前提としているので。そういうことがわかってほしいというので「お気持ちを」という形になるんですね。

(荒川強啓)ああー。

(矢沢澄道)単に金額を決めるだけがその「お気持ちを」と言うのではないんです。「あなたの出したお金はこのように使われるんですよ」と。一般の企業でしたらね、何に使ったって自由でしょ? でも、そうではないんですね。

(荒川強啓)だけどいくら包めばいいのかな?ってわからないですよね。

(山田五郎)そうですよね。

(矢沢澄道)はい。わからないところは、ひとつ、楽しいところじゃないですかね。あの、ご相談によってできるんじゃないかと思うんですね。その人の宗教心、あるいは気持ち。環境。そういうのを住職さんと話し合って打ち明けるということでいいんじゃないかなと思うんですけど。

(荒川強啓)失礼とは思わずに、聞いていいんですね?

(矢沢澄道)いいんです、それは。きちんと、お願いします。

(荒川強啓)はい。『月刊住職』の編集長、矢沢澄道さんでした。ありがとうございました。

(矢沢澄道)失礼いたしました。

<書き起こしおわり>

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