ライムスター宇多丸さんがTBSラジオ『タマフル』の中で、TBSの入り口で警備員に入構証を見せているにも関わらず止められた件についてトーク。警備員に止められることはむしろ好きである理由を話していました。
(宇多丸)ねえ。本日も赤坂TBSで大々的に開かれております『オールスター感謝祭』。になると、入り口で警備員さんに止められる。まだ。10年目に突入のこちらの番組『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』!
あの、出演者の入構証みたいなのがあるんですけど、これをパッと見せても……見せているんですよ。で、サングラスにスキンヘッドで「宇多丸」って書いてあるんですけど。見せても、「向こうに回ってください」って。ねえ。出入り業者でございます。『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』、4月9日土曜日、第六スタジオから生放送で相変わらずお送りしております。『ゆうゆうワイド』が終わるという、TBSラジオ、いやさ、ラジオ界の歴史に残る大きな節目を迎えるこの時期にですね、あくまでM-U-F-U(無風)を保っておりますこちらの番組『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』。
まあ、その警備員に止められるなんていうのもね、私、「ペーペーイズムが大事だ」なんて話もしていますけどね。いいんです。大好きなんですよ。止められたりするの。私が、本業はライムスターというラップグループでラップをやっておりましてですね。それが若い時期にいちばん影響を受けたグループでランDMC(Run-D.M.C.)というアメリカのグループがありまして。このランDMCが人気絶頂期の1985年にニューヨークはマジソン・スクエア・ガーデンで大観衆を集めてやった歴史的なコンサートがあるんですね。『My Adidas』なんていうね、彼らの曲があるんですけど。観客が一斉にバッとアディダスを脱いで上にかざして。「My Adidas!」って始まるっていうね。
もう熱狂の、伝説のライブ。85年にマジソン・スクエア・ガーデンであるんですけど。そん時にランDMCは、会場に入る時に警備員に止められたんですよ。要するにラッパーですから。で、当時はそんなラッパーが、そんなでっかい会場でやるなんていう例もないですから。どう見ても、町のチンピラだと思ったんでしょうね。で、やっぱりそれはランDMCのエピソード、僕は勲章じゃないかな?っていう風に思ったりするんですね。ということでTBSでいまだに止められるのもね、勲章ということでございやしてね。ええ、ええ、ええ。
ちなみに止められるので言うと、これも以前にこの番組で言ったことがあるかな? サマーソニックというでっかい夏フェスにライムスターが出させていただいて。勉強させていただいた時にですね、そのまさに我々が、もうDJ JINがビートを出して、さあ曲が始まる。出て歌わなきゃいけない。その瞬間に、僕じゃない方ですけど。相方のMummy-Dという、もう1人のラッパー。同時にバッと出て、もう5秒後にはラップを始めなきゃいけないっていう時に、脇にいた警備員の方に「ID、見せてください」って(笑)。
まさにこれからステージに出ようとしている人ですよ? で、まあさすがにそれはまさにMummy-Dさんもですね、そのランDMCの逸話とかでね、「止められるのは勲章だ」って言っていたけど、さすがにちょっとね、要はこれからステージに上る人感もなかった(笑)。スタッフ感っていうかね。あくまでね。見えちゃったんですかね。まあ、そういうことでございましてね。まあ、めげずにやっていきたいですよね。
<書き起こしおわり>