高橋芳朗さんがTBSラジオ『ザ・トップ5』の中で、オシャレでアーバンに聞こえるけど、歌詞をよく見ると実はド下ネタでウットリできない海外R&Bの歌詞についてトーク。R師匠ことR.ケリーの楽曲5曲などを紹介していました。
(熊崎風斗)それでは水曜パートナー。音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんご提供のこちらのランキングからスタートです。オシャレでアーバンなものだって勝手に思っていた。でも、歌詞をよーく見ると・・・本当はウットリできない海外R&Bの歌詞初級編トップ5。
第五位:R.ケリー『Love is What We making』より。『ヤリたいんだ。朝にSex、昼にSex、夜にSex。寝ている時も、ヤリたいんだ』
第四位:R.ケリー『Genius』より。『ガール。今夜はSexの天才と寝てるんだぜ。普通なんてあり得ないさ。俺は愛の奇跡。今夜君は、Sexの天才と寝てるんだぜ』
第三位:R.ケリー『Sex Planet』より。『だから心配しないで。デカいロケットを持っているんだ。君のエアポケットに突っ込んでいくぜ』
第二位:R.ケリー『Pregnant』より。『君のお尻に渇望しちゃっているのさ、ベイビー。全部君のせいだからね。もう丸太のように固くなっちゃっているよ』
第一位:R.ケリー『Marry The Pussy』より。『疲れ目にはプッシーを見るのがいちばんさ』
(中略)
(高橋芳朗)じゃあ、行ってみましょうか。熊崎くんに読んでいただきました。紹介していただきましたランキング。オシャレでアーバンなものだって勝手に思っていた。でも、歌詞をよーくみると・・・本当はウットリできない海外R&Bの歌詞初級編トップ5ということですけども。実はですね、本を出すことになりました。
(熊崎風斗)おっ!
(高橋芳朗)こちら。熊崎くんにも先週渡しましたね。タイトルは『R&B馬鹿リリック大行進~本当はウットリできない海外R&B歌詞の世界~』。スモール出版より2月27日発売。ですけど、もう店頭に並んでいるみたいなんですけどね。で、これはですね、TBSラジオで毎週土曜日夜10時から放送しております『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』で大反響を巻き起こした特集シリーズを書籍化したものになります。
(熊崎風斗)はい。
(高橋芳朗)で、どんな本か?と言いますと、帯にこんな一文が書いてあります。『オシャレでアーバンな海外のR&B……でも、その歌詞をよく読んでみたら、しょーもない下ネタだった! 』と。要はですね、僕ら日本人、英語よくわからないで洋楽を聞いていること、まあ、よくあるじゃないですか。
(熊崎風斗)聞いてますね。
実は凶悪な下ネタを高らかに歌いあげている
(高橋芳朗)で、そういう曲の歌詞をよく調べてみると、特に最近のR&Bに多いんですけども。実は凶悪な下ネタをですね、高らかに歌いあげていたりするんですよ。で、この本はそれを検証して学んでいく、まさにですね、爆笑できてためになる音楽の再発見と探求の書となっております。
(熊崎風斗)いやー、私も読ませていただきましたけど、とんでもない歌詞なんですね。
(高橋芳朗)(笑)
(熊崎風斗)びっくりしましたよ。
(高橋芳朗)僕もね、もう何度も何度も読んでいるんですけど。昨日の夜、改めてちょっとページをめくってみて、深夜にゲラゲラ1人で笑ってましたよ。
(熊崎風斗)(笑)
(高橋芳朗)まあ、だから本日のランキングはですね、この本に掲載されている下ネタ歌詞を、まあちょっとピックアップして並べた感じなんですけどもね。はい。あの、ちょっと似たようなケースだと、熊崎くんが休んだ時の水曜トップ5で、出水麻衣アナウンサーに代打で来ていただいた時に不倫を題材にした曲のミニ特集をやったんですけど。
(熊崎風斗)ああ、はい。
(高橋芳朗)その時にもね、紹介したホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)の名曲『Saving All My Love For You』。あの爽やかな曲が実はドロドロの不倫ソングだったっていうね。で、しかも出水さん知らなかったんです。英語に堪能な出水さんですら、気づかなかった。まああの人がちょっとぼんやりしてるのかもしれないですけども(笑)。
(熊崎風斗)じゃあ私、英語苦手ですから、気づくわけもないですよ。
(高橋芳朗)そう。気づくわけない。だから『素敵な曲ね』って、ああいう不倫ソングを結婚式とかにね、使っていたりする方もいらっしゃいますから。
(熊崎風斗)ああ、いますか。でも、そうか。知らなかったら、なっちゃいますね。
(高橋芳朗)そうそう。だからね、本当に洋楽、気をつけた方がいいです。取り扱いに(笑)。
(熊崎風斗)ちゃんと日本語でどう読むのかってこと、要確認ですね。
(高橋芳朗)そうですね。はいはい。で、話をR&B馬鹿リリックに戻しますと、まあ海外R&Bだとこのランキングの通りですね、さっき熊崎くんに読んでもらいましたけど、かなりあけすけな性描写、性表現がもう珍しくないんですよ。
(熊崎風斗)本当に読んでいていいのかな?って思っちゃいました。
(高橋芳朗)僕もびっくりしました。『本当に読みやがった!』って思って。
(熊崎風斗)読むのが仕事ですから(笑)。
(高橋芳朗)(爆笑)。しかもでも、これね、一部のマニアとかだけに楽しまれているようなカルト的な作品とかじゃないんですよ。ちゃんとミリオン売れていたり、チャートで一位になるような作品でこういう下ネタが歌われているんですね。
(熊崎風斗)すごいですよね。そう考えると。
(高橋芳朗)うん。僕も改めて、すげーな!と思いますよ。うん。呆れます。で、いま紹介してもらった楽曲は全てR.ケリー(R.Kelly)っていうシンガーの歌詞なんですけど。いま、CD持っている、こういう人なんですけども。
(熊崎風斗)R.ケリー。
(高橋芳朗)ちなみにね、紹介している歌詞は全て日本盤CDのブックレットに入っている対訳に準拠したもので。別に僕らが面白おかしくね、訳したものではないんです。
(熊崎風斗)脚色とかはしてないんですね。
(高橋芳朗)ちゃんとオフィシャルのものなんです。はい。でも、このR.ケリーっていう人はとんでもない、スーパースターなんですよ。こんな『丸太みたいに固くなっちまう』とか『エアポケットに突っ込んでいくぜ』とか言ってますけども。うん。例えばですね、例をあげますと1985年から2010年の25年間で最も多くのヒットを生んだR&Bアーティストっていうランキングがあるんですね。これでR.ケリーはぶっちぎりの一位なんですよ。
(熊崎風斗)おおー!
(高橋芳朗)もうマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)とかプリンス(Prince)とかマライア・キャリー(Mariah Carey)、ジャネット・ジャクソン(Janet Jackson)、ホイットニー・ヒューストンとかよりも上なんです。
(熊崎風斗)へー。
(高橋芳朗)これだけのすごいシンガーが、あんなしょーもない・・・(笑)。ねえ。
(熊崎風斗)R.ケリーさんは全部が全部、こういう下ネタ系っていうわけじゃもちろんないんですよね?
(高橋芳朗)70%ぐらいこんな感じです(笑)。
(熊崎風斗)これがまあ、主なんですね。下ネタが。
(高橋芳朗)まあ、70は多いかな?60・・・半々ぐらい、そんな感じですよ。本当に。うんうん。で、今日はですね、そんな馬鹿リリックの奥深さ、もっともっと知ってもらう意味を込めて、熊崎くんにもリスナーのみなさんにも知っていただきたくですね、馬鹿リリック史上でも屈指の名作と言われている曲を流しながらですね、その歌詞をちょっと熊崎くんに朗読してもらいたいなと思います。
(熊崎風斗)もちろん、日本語で読ませていただきます。
(高橋芳朗)はい。もちろんですよ。だってあなた、英語読めないじゃないですか(笑)。ええとですね、こちら。トレイ・ソングス(Trey Songz)というシンガーの『Store Run』という曲になります。これ、2007年の作品なんですが。このトレイ・ソングスももうミリオンヒットとかね、全米ナンバーワンヒットを出している人気シンガーです。で、ちなみに熊崎くんの同期の国山ハセンくんも大好きなアーティストと言ってました。トレイ・ソングス。
(熊崎風斗)おおー!
(高橋芳朗)で、この『Store Run』という曲はどういう曲か?っていうと、もう驚愕ですよ。驚天動地ですよ。
(熊崎風斗)それを私がこの後・・・
(高橋芳朗)『Store Run』は『店に走る』っていう意味になるんですけど。何を買いに店に走るか?っていうと、コンドームです。
(熊崎風斗)おおっ!
(高橋芳朗)なんだよ、『おおっ!』って(笑)。
(熊崎風斗)そういうことがあったとは・・・
(高橋芳朗)『Store Run』の経験は?ありますか?
(熊崎風斗)ないですよ(笑)。
(高橋芳朗)(笑)
(熊崎風斗)またそうやって僕を落とし穴にはめようとするの、やめてくださいよ。
(高橋芳朗)(笑)。つまりこの曲はですね、ガールフレンドとしっぽりいい雰囲気になって、さあ、事に至ろうか?っていう段階になった時に、『あれっ?コンドームがねえ!』ということになって、慌てて車をすっ飛ばして買いに行くっていう。その様子を事細かに歌った曲なんです。
(熊崎風斗)いやいや、そうですね。
(高橋芳朗)そしてこれがまたですね、恐ろしいことに、そんなことを歌っているとは到底思えない、ものすごい美しいメロディーの・・・(笑)。
(熊崎風斗)かっこいいのが(笑)。
(高橋芳朗)曲なんですよ。というわけで、トレイ・ソングスの『Store Run』をバックに流しながら、この曲の歌詞をね、ダイジェストにしたものを熊崎くんに朗読していただきたいと思います。コンドームを買いに行く歌ですね。トレイ・ソングスで『Store Run』です。
熊崎風斗 トレイ・ソングス『Store Run』歌詞朗読
(熊崎風斗)彼女も俺も、したいのはやまやまだけど、俺に用意がなかったんだ。
生でする寸前まで行ったけど、そこで2人とも怖気づいた。
彼女は言ったよ。「さすがに妊娠は勘弁だ」って。
飛び降りて服を着た俺。
もう少しでモノにできたのに。
店まで走らなきゃ。さっくり店まで行ってくるよ。
カウンターに売っている3個入りのアレを速攻で店までGo。
30分以内に戻ってくるからさ。さっくり店まで行ってくるよ。
ゴムが必要なのに切らしていた俺。
待っててくれ。温かくしておいてくれよ。
さっくり買ってくるから。
猛スピードで車線変更しながら車を飛ばす俺。
早く戻らないと。彼女の気が変わったら、困るからな。
俺がやる気なのは彼女もわかっているはず。
彼女は唇を舐めまわし、俺を触った上に掴んできたんだ。
ヤリたくてたまらない。たまらないけど、やっぱりマズいだろ?
ベイビー、戻ってきたぜ。さあ、服をまた脱いでくれよ。
わかっている。わかっている。きちんと考えておくべきだった。
でもまさか、キッチンフロアでこうなるとは思わなかったんだ。
問答無用さ。いまの俺は父親になどなれない。
それに、安全第一だしな。ガール。エイズの心配だってあるしさ。
(高橋芳朗)というわけで、トレイ・ソングス『Store Run』。熊崎風斗の朗読でお送りいたしました。すごいでしょ?こんな曲があるんですよ。
(熊崎風斗)いや、この音楽に乗せていたら、言ってることはえげつないですけど、割とオシャレに読んでいるんじゃないか?っていう錯覚がありますよ。
(高橋芳朗)(笑)。ああー、なるほど、なるほど。そっか。意外とごまかされるかもしれないね。
(熊崎風斗)この世界観に入っていくというか。雰囲気に飲み込まれていきますね。いや、音楽って・・・これ単独で読んだら、相当エロいというか、ド下ネタですけども。
(高橋芳朗)まあ、通報されますよ(笑)。
(熊崎風斗)音楽込みで来ると、オシャレですね。
(高橋芳朗)そうですね。たしかに。不思議なもんですよね。たしかに僕も、聞いていてあんまりそんなに違和感ないなと思いました。まあ、むちゃくちゃなことを言ってるなとは思いますけどね。
(熊崎風斗)ちょっとエコーがかかっていたっていうのもあるかもしれないですけど。
(高橋芳朗)(笑)
(熊崎風斗)ムーディーに読めました。
(高橋芳朗)で、なんでも熊崎くん、この本を読んだ感想として、さっきのランキングの四位。R.ケリー『Genius』の歌詞が非常にお気に入りだという?
(熊崎風斗)お気に入り・・・そうですね。
(高橋芳朗)『ガール、今夜はSexの天才と寝てるんだぜ。普通なんてあり得ないさ。俺は愛の奇跡。今夜、君はSexの天才と寝てるんだぜ』。これのどこがよかったんですか?
(熊崎風斗)堂々としてますよね。
(高橋芳朗)(笑)。こうありたいってことですか?
(熊崎風斗)『こうありたい』とまで言うと、ちょっと語弊があるかもしれないですけど。堂々とするっていうのは僕に足りない大事なポイントだと思うので。何事においてもこの堂々とっていうか、自信満々。『Sexの天才』って・・・そんな、言えますか?
(高橋芳朗)まあね(笑)。
(熊崎風斗)ジャパニーズ、日本人は言えませんよ。そんなこと。
(高橋芳朗)たしかに、たしかに。ちょっと見習うべき点もあるのかもしれないですけどもね。
(熊崎風斗)見習い方は考えないといけないですけど。そのR.ケリー要素を取り込んでいけば、もっといい人間になって行くんじゃないかな?と。
(高橋芳朗)この本をより深く読み込んで、学んでください。
(熊崎風斗)『R&B馬鹿リリック大行進』はこれ、バイブルになるかもしれません。私の。
(高橋芳朗)(笑)。といわけでですね、今日の1曲目はそのキングオブ馬鹿リリック。馬鹿リリックの権化でございますR.ケリーのですね、昨年末にリリースされたばかりの最新アルバム『The Buffet』から1曲お届けしたいと思います。でも、安心してください。これに関しては下ネタではございません。ディスコ調のめちゃくちゃ気持ちいい曲でございます。じゃあ、聞いてください。R.ケリーで『Backyard Party』。
R. Kelly『Backyard Party』
(高橋芳朗)はい。お送りした曲はR.ケリーで『Backyard Party』でした。
(熊崎風斗)はい。そして芳朗さん、ここで一通メールをいただいております。オープニングのランキングについてですね。45才男性の方です。(メールを読む)『熊崎さん、高橋さん、こんばんは。つい先ほど、客先から上司と一緒にタクシーで乗車して、最寄り駅まで移動していたのですが、ちょうどトップ5が始まる時間と気がついたので、運転手さんに「すいません、ラジオをTBSにしてもらえますか?」とお願いしました。そんな中はじまったのは、オープニングのランキング。最寄り駅まで上司と運転手と私のなんとも言えない気まずい時間がすぎていきました。高橋さん、どうしてくれるんですか!?』。
(高橋芳朗)『爆笑!』とはいかなかったわけですね・・・
(熊崎風斗)気まずいムードになってしまったと。
(高橋芳朗)そうですか。大変失礼いたしました。ごめんなさい。
(熊崎風斗)失礼いたしました。
<書き起こしおわり>