高橋芳朗さんがTBSラジオ『ジェーン・スー生活は踊る』の中でボビー・ヘブの名曲『サニー』のカバー曲を特集。高橋さんがチョイスした4曲を聞き比べていました。
(ジェーン・スー)さあ、今日のテーマ発表をお願いします。
(高橋芳朗)今日のテーマはこちらです。祝!誕生50周年 あの名曲『Sunny』のカバーを聞き比べ大会!
(一同)(拍手)
(ジェーン・スー)あのね、この曲は堀井さんも絶対に来たことがあるし。
(高橋芳朗)ボビー・ヘブ(Bobby Hebb)の『Sunny』。1966年のリリースからちょうど今年で50年。この6月で50年を迎えました。『Sunny』っていうとですね、ビートルズ(The Beatles)の『Yesterday』とか、ドアーズ(The Doors)の『Light My Fire(ハートに火をつけて)』とともに、史上最も多くカバーされている曲と言われております。
(ジェーン・スー)ああ、そうなんだ。魅力はなんだろうね?
(高橋芳朗)500曲以上あると言われてますよ。
(ジェーン・スー)マジで!?
(高橋芳朗)番組でも、ボニー・M(Boney M.)のディスコバージョンをかけたことがあります。
(ジェーン・スー)あの盆踊りみたいなやつでしょ?
(高橋芳朗)(笑)
(ジェーン・スー)盆踊りをやっている地域、あるんだよね。たしか、『Sunny』で。
(高橋芳朗)『Sunny』で?
(ジェーン・スー)あのね、インターネットとかで検索をすると。ほら、『ダンシング・ヒーロー』で盆踊りやっている地域とか、あるじゃないですか。
(高橋芳朗)荻野目洋子の?
(ジェーン・スー)そうそう。ああいうのと一緒で、地域によってなぜかそこの地域ではそれがずーっと当たり前のように踊られている盆踊りっていうのがあって。
(堀井美香)あれだ。さっきプロデューサーが長山洋子さんも『Sunny』を歌われているって言っていたんで。それで盆踊りと……
(高橋芳朗)ああ、そこを視野に入れた。
(ジェーン・スー)「あ、サニ~♪」っていう(笑)。
【レコチョク】長山 洋子『サニー SUNNY』 https://t.co/XNRw35t1GK
— みやーんZZ (@miyearnzz) 2016年7月1日
(高橋芳朗)「あ」がつくんだ(笑)。「あ、サニ~♪」みたいな(笑)。
(堀井美香)「タタン、とタン……♪」っていう(笑)。
(高橋芳朗)こんなリズムに乗るかしら?
(堀井美香)っていうことですかね。
(高橋芳朗)でね、50周年を記念して、2週間ぐらい前には『Sunny』の代表的なカバーを集めたコンピレーションアルバムなんかもリリースされております。
(ジェーン・スー)おおーっ、ちょっと待ってください。ずーっと『Sunny』?
(高橋芳朗)『Sunny』無限地獄ですね。
(ジェーン・スー)すごいな、それ!
(高橋芳朗)『The 50th Anniversary Collection of Sunny』。これ、オリジナルのボビー・ヘブ版もあわせて16曲の『Sunny』が入ってるんですけども(笑)。
(ジェーン・スー)(笑)。コンピ作った人、勇気あるなー!
(高橋芳朗)まあ、そんなわけで今日はこの50周年をお祝いする意味も込めてですね、いろんな『Sunny』を聞いてみたいと思いますが。まずは、オリジナルのバージョンから聞いてみましょうかね。ボビー・ヘブで『Sunny』です。
Bobby Hebb『Sunny』
(高橋芳朗)はい。というわけで『Sunny』のオリジナルですね。ボビー・ヘブの『Sunny』を聞いていただいております。日本でもね、日産のサニーですとか、あとフォルクスワーゲンのCMとかでも使われていて。堀井さん、わかります?
(堀井美香)はいはい。聞いたことあります。
(高橋芳朗)何きっかけで?
(堀井美香)ええーっ?
(高橋芳朗)これ、やっぱり自然に?
(ジェーン・スー)そうですね。
(堀井美香)自然に口ずさんでました。いつ時か。
(ジェーン・スー)なに? そんなミュージシャンみたいなこと言ってんの?
(高橋芳朗)本当ですか?(笑)。本当、ミュージシャンみてーだな(笑)。生活の過程で知ったのかもしれないですね。
(ジェーン・スー)驚きますね。堀井さんの生活も。
(高橋芳朗)これ、1966年6月に全米でリリースされて。最高位全米ポップスチャート2位を記録しております。で、『Sunny』っていうね、爽やかなタイトルなんですけども。その曲の背景はちょっと悲しいお話がありましてですね。強盗に襲われて亡くなったボビー・ヘブのお兄さん――ハロルドさんっていうんですけど――そのお兄さんに捧げた曲だそうです。
(ジェーン・スー)そうなんだ。
(高橋芳朗)出だしの部分の歌詞はこんな感じになっております。「サニー 僕の人生は昨日まで大雨に振られていた。でも、あなたの笑顔で僕の痛みも消え失せた。暗い過去は過ぎ去り、光に満ちた日々が訪れる。あなたこそ真実そのもの。本当に愛しているよ」っていう。だからこれ、お兄さんに歌っているとも受け取れるし、まあ、空に向かって、神様にメッセージを送っている歌詞とも取れるんですね。で、今日はその500曲以上あると言われる、数ある『Sunny』の中からどんな曲を紹介しようか悩んだんですけども。まあ、『Sunny』の偉大さを知ってもらう意味でね、世界三大叔父貴が歌うですね……(笑)。
(ジェーン・スー)なに言ってんの?(笑)。
(高橋芳朗)『Sunny』を聞いていただきたい。世界三大叔父貴……だから『Sunny』は世界三大叔父貴が歌っているほどすごい曲なんです。もう、なに言ってるかわからないと思いますけども(笑)。
(ジェーン・スー)聞いてみようか。
(高橋芳朗)聞いてみましょうか。じゃあ、世界三大叔父貴その1。フランク・シナトラ(Frank Sinatra)です。
Frank Sinatra『Sunny』
(高橋芳朗)これ、デューク・エリントン・オーケストラ(The Duke Ellington Orchestra)をバックに従えて。
(ジェーン・スー)すごいね。全然やっぱり違いますね。
(高橋芳朗)ちょっとどっしりした感じの『Sunny』ですけども。どうですか、堀井さん?
(堀井美香)えっ? ああ、なんか甘いですね。甘い。声が、甘い。
(高橋芳朗)甘いの、お好きですよね?
(堀井美香)はい。好きですね。はい。
(ジェーン・スー)堀井さんの好きなさ、70代ぐらいの男性にエスコートされながら、キャバレーで飲みたいでしょう?
(堀井美香)そうですね。ガウン着てほしいですね。やっぱりね。
(高橋芳朗)(笑)。では、三大叔父貴2人目、行ってみたいと思います。ジェームズ・ブラウン(James Brown)です。
James Brown『Sunny』
(高橋芳朗)JBのバージョンはですね、最初はしっとりとした感じから始まって、転調してこういうアップテンポな。マーヴァ・ホイットニー(Marva Whitney)という女性シンガーとの掛け合いバージョンになっております。でも、バックはジャズなんだけど、やっぱり隠し切れないファンク魂がのぞいてしまうところがJBっぽいなと。
(ジェーン・スー)これ、シレーッとみんながこの特集を忘れた頃に選曲に入れてもらっていいですか? 長めに聞きたいんで。
(高橋芳朗)ああ、これ本当にかっこいいんで。いずれかけたいと思います。
(ジェーン・スー)お願いします。
(高橋芳朗)じゃあ、三大叔父貴。3人目に行ってみたいと思います。勝新太郎さんです。
勝新太郎『サニー』
(高橋芳朗)世界三大叔父貴が歌う『Sunny』。最後は勝新太郎にトリを飾っていただきましたけども。
(ジェーン・スー)前2曲とは全然違う!
(高橋芳朗)全然違いますね。あの、ゆうたろうさんが持っているでっかいブランデーグラスに浸かって聞いているような感じ。甘いなー!って。
メレンゲの気持ちで「ゆうたろう」なるのが出ているけど石原裕次郎のモノマネでお馴染みの方かと思ったら…りゅうちぇるみたいなムムムなのだった。
芸名カブっているけど…大丈夫なの? pic.twitter.com/B6VwtuUtjd
— GCCX公認ニセ課長2 タニン (@tanin1971) 2016年4月16日
(ジェーン・スー)湿度も高いし、粘度も高いし……
(高橋芳朗)でも、いちばんかっこよくないですか? この3曲の中で。どうですか? 堀井さん。
(堀井美香)えっ? もうなんか、胸元を覗きたいです。
(高橋芳朗)(爆笑)。なにを言ってるのか、わかんないですけど(笑)。
(ジェーン・スー)堀井さん、だって絶頂を迎えそうでしたよ(笑)。
(高橋芳朗)(笑)
(ジェーン・スー)「なんだ、この人?」と思って。
(高橋芳朗)でもこれ、すごいのがボビー・ヘブのオリジナルが出たのが1966年でしょ。で、シナトラが68年。JBが69年で勝新が70年なんですよ。だからもう、出て割とすぐにスタンダード化したっていう。
(ジェーン・スー)結構意外ですね。それからずっと残っているんだから、やっぱりなにか、みんなの心を掴む要素があるんでしょうね。この曲は。
(高橋芳朗)日本では他に弘田三枝子さんですとか、堺正章さん、稲垣潤一さん、奥田民生さんなんかも歌っているそうですね。
(ジェーン・スー)ああー。
(高橋芳朗)で、この後、CMを挟んで私、高橋芳朗が選ぶマイ・ベスト『Sunny』を聞いていただきたいと思います。
(ジェーン・スー)まだあるんかい!
(CM明け)
(ジェーン・スー)今日は祝!誕生50周年 あの名曲『Sunny』のカバー聞き比べ大会でございます。
(高橋芳朗)はい。じゃあ最後には、私一押しの『Sunny』を……「もうこりごりだ!」っていう人も大勢いると思いますけども(笑)。
(ジェーン・スー)Too Much Sunny(笑)。
(高橋芳朗)もう1曲、付き合ってください。僕の一押しの『Sunny』はですね、ダスティー・スプリングフィールド(Dusty Springfield)。イギリスの白人ソウルシンガーですけども。彼女が残した『Sunny』。1967年の作品なんですけども。これはですね、ビッグバンドを従えた、割とゴージャスな感じになっておりまして。ちょっとスパイ映画っぽい雰囲気もあるめちゃくちゃかっこいいアレンジになっておりますので、聞いていただけたらなと思います。ダスティー・スプリングフィールドで『Sunny』です。
Dusty Springfield『Sunny』
(高橋芳朗)はい。私、高橋芳朗一押しの『Sunny』としてダスティー・スプリングフィールドのバージョンを聞いていただきました。まあスーさんもね、曲がかかっている間に言ってましたけども。ワルツ調の三拍子の。かっこいいでしょ? というわけで、まだちょっと『Sunny』を聞き足りないという方。50周年記念の16曲入りのコンピレーションが出ております。こちらにね、いまかかったダスティー・スプリングフィールド、ジェームズ・ブラウン、オリジナルのボビー・ヘブのバージョンも入っています。
(ジェーン・スー)勝新は入っていないんですか?
(高橋芳朗)勝新は入っていませんね。それはだって、これはドイツで組まれたコンピレーションなんで。さすがにそこまでは手が回らなかったです。
(ジェーン・スー)堀井さんがコンパイルする、堀井さんがグッと来るおじさんのアルバムってほしいですよね。
(高橋芳朗)ああー、ちょっといずれ3人でそういう選曲対決みたいなのをやったら楽しいかもしれないですね。
(ジェーン・スー)あと、カラオケ行こう。みんなで。
(高橋芳朗)堀井さんはそういう曲を歌うんですか? 甘い……
(堀井美香)あ、勝新ですか?
(高橋芳朗)勝新?(笑)。
(堀井美香)そうですね。歌いますよ。
(ジェーン・スー)みんなで『Sunny』を歌おう。
(堀井美香)甘くね。「サニ~♪」って(笑)。
(高橋芳朗)「サニ~♪」。
(ジェーン・スー)みんなそっから先、1個も歌えないからね。ムニャムニャします。というわけで、来週のテーマは?
(高橋芳朗)まだ決まってないんですけど、今月いろいろと音楽絡みの映画が公開になるので。そのへんをちょっと考えてみたいなと思っております。
(ジェーン・スー)というわけで、高橋さん。今日もありがとうございました。
(高橋芳朗)ありがとうございました!
<書き起こしおわり>