TBSラジオ『伊集院光 週末TSUTAYAに行ってこれ借りよ』にみうらじゅんさんが出演。おすすめ映画として実写版映画『ルパン三世』を紹介。見どころを話していました。
(伊集院光)えー、また半笑いで始まっちゃいました(笑)。
(みうらじゅん)いやいやいや・・・
(伊集院光)他のゲスト、半笑いで迎えること、この番組、あんまりないんですけど。
(みうらじゅん)あ、そうですか。みんな半笑いで始める番組じゃなかったんですか?これ。
(伊集院光)違う(笑)。違います。ただなぜか、みうらさんが来る時は過去3回も今回もなぜか半笑いで。
(みうらじゅん)ああ、そうですかね。なんかちょっと不本意ですけどね。ええ。
(伊集院光)ということで、ゲストはみうらじゅんさんです。よろしくお願いします。
(みうらじゅん)よろしくお願いします。
(阿部哲子)お願いします。
(みうらじゅん)もう、待ってましたわ。ええ。
(伊集院光)あの、この番組、過去3回ご出演いただいて。これだけは言えるんです。その3作品とも、みうらさんのご推薦がなければ絶対に見ませんでした(笑)。
(みうらじゅん)そういう番組ですよね?誰かの強いアプローチがあるから見て、奇跡的に見られたっていうことですよね?
(伊集院光)掘り出せるということですよね。まあ、映画を聞く前に、その映画以外の行動もみうらさん、そんなところあるじゃないですか。何年か前のこの時期にみうらさん、急に俺に自慢気に見せてくれたのが『カニパンブームだ!』っつって。
カニパンブーム
(みうらじゅん)あ、カニのパンフレットね。それはでも、20年やってるんで。
(伊集院光)あ、そうなんすか?(笑)。阿部さん、ついて来てないけど・・・
(みうらじゅん)あのほら、冬場になるとかならず関西地方はもう旅行代理店の前が真っ赤に染まる時があるでしょう?真っ赤に。
(伊集院光)これ、普通秋、紅葉のパンフレットだと思うでしょ?そうじゃないんですよ。
(みうらじゅん)カニのね、かにカニエクスプレスっていうのが出たりするんですよ。日本海の方にカニを、日帰りで食べに行くパンフレットが毎回、新しくデザインを直して出ているんですよ。僕、それを20年ぐらい前から気がついて。まあ取りあえず、冬に関西にいくとそのパンフレットを全部取って集めているんですよ。それを『カニパン』って呼んでいるんですけど。
(阿部哲子)(笑)
(みうらじゅん)あのね、カニのところの黒い点、あるの知ってます?
(阿部哲子)甲羅に?
(伊集院光)なんだっけ?カニヒル?
(みうらじゅん)カニビルっていうんですよね。『キル・ビル』みたいな。
(伊集院・阿部)(爆笑)
(みうらじゅん)カニ・ビル!
(伊集院光)言い方じゃねーか!言い方でしょ、そんなの(笑)。
(みうらじゅん)いやいや、カニ・ビルっていう。
(伊集院光)カニビルです(笑)。カニ・ビル(笑)。
(みうらじゅん)あれ、寄生してるヒルなんですよ。あれ、つけば美味しそうに言うけど、あれヒルが、カニ・ビルがついているんです。いっぱい。タランティーノもたぶんあれを見て、『キル・ビル』をやったんじゃないかな?ぐらいな、カニ・ビルが。ええ。
(伊集院光)絶対に違います(笑)。あのね、年齢を重ねるごとにいい加減な物言いに箔が付いてきました。なんか、もうね、恐れが全くなくなりましたね。
(みうらじゅん)もうちょっと、2年半ぐらいしたらもう60になるんで。ええ。もう結構な歳になっているんですよね。
(伊集院光)新しいのはなんか、始めてるんですか?
(みうらじゅん)もう、お気づきでしょう?
(伊集院光)なんですか?
(みうらじゅん)『SINCE(シンス)』をいま、ものすごいやって。SINCE。
(伊集院光)ごめんなさい(笑)。
(みうらじゅん)ええ、なんですか?
SINCEブーム
(伊集院光)『SINCE、面白くないですか?』って当然のように・・・『はい!』って言われる感じで言うじゃないですか。
(みうらじゅん)もちろん。もちろん。もちろん。
(伊集院光)まだあんまりピンと、SINCE来てないっす(笑)。
(みうらじゅん)来てないっすか?びっくりするんですけど、この近く。このTBSの近くの裏にね、四方っていう酒屋さんがあるんですよ。あそこが僕、いままで見つけた中でオールドSINCEなんですよ。いちばん。1600ナンボって書いてあったから、元禄時代のSINCEが出てるんですよ。でも元禄はね、SINCE使ってないと思うんですよね。
(伊集院光)(笑)。元禄なら『創業』って書けよ!と。
(みうらじゅん)創業ですよ。そうでしょう?おかしいでしょう?
(伊集院光)そこか!(笑)。
(みうらじゅん)でも、俺、最近見つけたやつは、SINCE2015、ついに見つけたんすよ!そんなSINCEね、あり得ないSINCEでしょう?それ。これ、おかしいぞ!と思って、これちょっとSINCEを突き詰めよう!と思って。
(伊集院光)すいません、あの・・・聞いた僕がバカだったです(笑)。まだSINCEは僕は・・・
(みうらじゅん)わからないんでしょう?
(伊集院光)まだSINCEは来てないんで。だからこの先に来ると思うんですけど。
(みうらじゅん)絶対、SINCE来ますよ。
(伊集院光)来ますか?(笑)。
(みうらじゅん)来ます、来ます。でもね、本当は氷に『SINCE』って打ってるやつがいま、欲しくてしょうがないんだけど。それ、一応『冷SINCE(ヒヤシンス)』って呼んでるんだけど。
(阿部哲子)(笑)
(みうらじゅん)冷えてるSINCE。これ、なかなかないですよね。僕、北海道に行こうかと思って。雪まつりだったら絶対にSINCE、出てると思うんですよ。冷SINCEが。これはほしいね。いま。
(伊集院光)(笑)。さあ、みなさんもぜひ、冷SINCE、見つけましたらご報告いただきたいんですけども(笑)。はー・・・(笑)。ええ、本題です。
(みうらじゅん)はい。
(伊集院光)今回のご推薦映画は何でしょうか?
(みうらじゅん)これはもう、ビシッと決めてきましたね。あのね、かくし芸大会が前から好きで。
(伊集院光)話が変わってきたぞ(笑)。
(みうらじゅん)かくし芸大会っていうか、モノマネにちょっと憧れているところが僕、あって。昔から。僕、あんまりモノマネ上手くないんですよ。僕、『犬神家の一族』の青沼静馬はめっちゃ上手いんですよ。
(伊集院光)どんなでしたっけ?(笑)。
(みうらじゅん)『おれはぁ、しずまだぁ!』っていうやつ。これは、いまね、初静馬だからちょっとできてないけど・・・
(伊集院光)初静馬(笑)。初静馬だからって(笑)。
(みうらじゅん)ええ。これ、ものすごい似てて。やっぱりモノマネ番組も前から好きで。モノマネ、1個か2個ぐらいできりゃあ、たぶんコンパとかでモテるんでしょ?これが僕ね、前からのコンプレックスで。静馬しかないことが。んで、当然、推薦するのは『ルパン三世』っていうことになりますよね。それも、実写版。実写版。
(阿部哲子 紹介ナレーション)『ルパン三世』。モンキー・パンチさんの人気アニメを実写化した2014年の作品です。メガホンを取ったのは映画『あずみ』や『スカイハイ』シリーズなどで知られる北村龍平監督。主なキャストはルパン三世役に小栗旬さん。次元大介役を玉山鉄二さん。石川五エ門役を綾野剛さん。峰不二子役に黒木メイサさん。銭形警部役を浅野忠信さんが演じるなど、豪華キャストでルパン三世の世界観を描いています。
(伊集院光)すいません、あの・・・例のルパンですか?
(みうらじゅん)例のルパン。やっぱり実写ってね、無理なことが発生するじゃないですか。それも、デザイン画の平面の時は上手く書けても、立体にした時に、なんか変だな?って思うじゃないですか。それが実写版の良さなんですよね。
(伊集院光)良さなんですか?(笑)。
(みうらじゅん)いや、僕、やっぱり小学校の時に『柔道一直線』を食らっているから。あれの実写版のね・・・全員中学生、こんなヒゲ生えたやつ、いるわけねえじゃん!っていう。大豪寺虎男っていうのが出てきた時ね、もう面白くて。実写版にハマっちゃったんですよね。あの時から。
(伊集院光)僕はやっぱり『ドカベン 実写版』、食らった世代なんで。
(みうらじゅん)ありましたね。『とーのまー!』みたいなやつでしょう?ありましたね。
(伊集院光)川谷拓三さんが殿馬をやって。で、岩鬼なんてのは葉っぱをくわえている漫画のキャラクターで。漫画としてはインパクトがある。葉っぱくわえているって。でも、実写になっちゃうと・・・
(みうらじゅん)相当長くないとね。あれ。
(伊集院光)しかも、どうかしてますもんね。ずーっと葉っぱくわえているのって。
(みうらじゅん)いや、おかしいですよね。その不具合っていうのが映画に出ている時に、やった!って思いません?やっぱり。好きでしょう?そういうの。嫌いですか?
(伊集院光)嫌いじゃないです(笑)。
(みうらじゅん)嫌いじゃないでしょう?俺、伊集院さんは今回は絶対に好きだと思って。ちょっと手ぬるいかな?と思ったぐらいなんですけど。これは行っておかなきゃと思って。今回は。
(伊集院光)これ、2014年。最近・・・
(みうらじゅん)割と最近ですよ。最新作ですよ。俺からしたら。普通ね、平成にあるまじき行為ですよ。これ、実写版をするなんて。
(伊集院光)しかもルパンをね(笑)。
(みうらじゅん)ルパンを。みんなが知っているルパンをするなんて、もうあるまじき行為で。もう公開前からワクワクして。もう、初日に行きましたもん。俺は。
(伊集院光)また初日(笑)。
(みうらじゅん)もちろん、初日に行かないと。
実写版『ルパン三世』の見どころ
(伊集院光)一応、3つ。見どころになるんですけど。
(みうらじゅん)はい。1はね、『そぉーりゃあーないぜー』かな。やっぱ。
(伊集院光)ごめんなさい。『そぉーりゃあー』?
(みうらじゅん)言うじゃないですか。ルパンが。『そぉーりゃあーないぜー』。似てないでしょう?俺。
(伊集院光)はいはいはい。
(みうらじゅん)俺ね、その映画を見ている間も、割と客が少なかったので、自分で小さい声出して。『そぉーりゃあーないぜー』とかやってんだけど・・・
(阿部哲子)(笑)
(みうらじゅん)映画館出た後、すっごいやっぱり下手なんすよ。
(伊集院光)やっぱり違うんだ。できないんだ。
(みうらじゅん)違う。小栗旬さん、上手い!
(阿部哲子)へー!
(みうらじゅん)上手いんですよ。『そぉーりゃあーないぜー』が上手いんだよ。上手いな!こりゃモテるな!と思った。俺。ちょっとやってみてくださいよ。
(伊集院光)『そぉーりゃあーないぜー』。
(みうらじゅん)あ、似てないなー。アカンわ。見て、やっぱり研究しなきゃ。
(伊集院光)恥ずかしい・・・(笑)。
(阿部哲子)(笑)
(みうらじゅん)恥ずかしいでしょ?
(伊集院光)こんな恥ずかしいこと、ないわ・・・(笑)。
(みうらじゅん)似てりゃそんな恥ずかしくないんだと思うんですよ。ほんでね、その小栗さんは似てた。俺、ちょっとナメてかかっていたら、すっごいやられたのかな?あれ。それでね、口が合ってないんですよ。どうやら、英語バージョンっていうのが存在してて。そのルパン三世には。だから、口と合ってないんですよ。吹き替えになっているんですよ。で、たぶん小栗さんは後に『そぉーりゃあーないぜ』も入れたんじゃないかな?と踏んでるんですよ。
(伊集院光)別テイクで?
(みうらじゅん)たぶん世界に伸びようと思って。この映画、英語で撮ったみたいなんですよ。そこが面白いじゃないですか。もう。国際映画。
(伊集院光)ちょっとここ、注目しよう。
(みうらじゅん)ちょっと注目してみてください。『そぉーりゃあーないぜー』でしょう。
(伊集院光)2つめなんですけど・・・
(みうらじゅん)2つめは『ふーじこちゃーん』でしょう。ねえ。『ふーじこちゃーん』。
(伊集院光)下手ですね(笑)。
(みうらじゅん)下手でしょう?
(伊集院光)すっげー下手ですから(笑)。言っておきますけど(笑)。
(みうらじゅん)俺、いま結構気を入れたつもりなんですけど。
(伊集院光)いまのはこれでしょう?『ふーじこちゃーん』。
(みうらじゅん)それは『そぉーりゃあーないぜー』と一緒じゃないですか。
(伊集院光)また違うんだな(笑)。
(阿部哲子)(笑)
(伊集院光)俺、この歳になってルパンのモノマネ、ダメ出しされると思わなかったな(笑)。
(みうらじゅん)『ちゃーん』がちょっと違うんですよ。
(伊集院光)違うのかー。
(みうらじゅん)違うと思った。映画を見た時、あ、なるほどな!って。
(伊集院光)『ふーじこちゃーん』でしたっけ?
(みうらじゅん)『ふーじこちゃーん』。もう、ちょっと見返してないので、だいぶ下手になってしまいましたけど。俺も。
(伊集院光)3つめは何ですか?(笑)。
(みうらじゅん)3つめはね、『銭形のとっつぁーん』。
(伊集院光)出た!
(みうらじゅん)『銭形のとっつぁん』って言うんですよ。で、言ったら、浅野忠信さんがやっているやつが、『ルパンーッ!』って言うんですよ。あの人、そんな感じの人じゃないでしょ?浅野さんって。
(伊集院光)浅野さんって、変な話ですけど、作品を選びに選んでしか出ません、みたいな。
(みうらじゅん)それでこの間ね、うちの家の近くの定食屋でばったり会ったんですよ。浅野さんに。で、あっちも『誰だろうな?』とかいう顔で見てるんだけど。『誰だろうかな?』っていう感じだったけど。『ルパンーッ!』って言ってやろうかな?って思ったんだけど。
(伊集院光)『浅野さん』じゃなくて『とっつぁん』って呼んでやるべきだと。上手かったら呼べたのに!
(みうらじゅん)そうなんですよ。それが、できない。僕は・・・
(伊集院光)これ、ちなみにあの、阿部さん。どんな感じですか?
(みうらじゅん)ちょっと1回、お願いしたいんですけど。
(伊集院光)カリオストロも見たばっかりですから。
(みうらじゅん)『そぉーりゃあーないぜー』は大丈夫でしょう?
(阿部哲子)『そりゃないぜ』でお願いします。『そぉーりゃあーないぜー?』。
(みうらじゅん)ちゃんと見たんですか?カリオストロ。
(伊集院光)カリオストロ、見てないでしょ?
(みうらじゅん)どこを見てるんですか?
(伊集院光)だから、この後に見て。2週間後には俺ら、もうできるようになってますから。
(みうらじゅん)そうです。もちろん、バリッバリ上手くなっているはずです。
(伊集院光)下手したら、スタジオ内にルパン3人いるっていう騒ぎになる可能性、ありますよ。
(みうらじゅん)『ルパン三人』でしょう?『ルパン三世』じゃなくて。
(伊集院光)『三世』じゃなくて『ルパン三人』のパターンがありますもんね。
(みうらじゅん)かぶる場合、ありますよ。
(阿部哲子)ちょっと・・・なんか気が重いんですけど(笑)。次が。
(みうらじゅん)なに言ってんすか。
(伊集院光)ワクワクしかないですよ。
(みうらじゅん)ないですよ。もう、これ。見逃せないですよ、もう。ええ。
(伊集院光)っていうか俺の中で浅野忠信さんもすげー楽しみになってきた(笑)。
(みうらじゅん)すっごいですよ。で、そんな五エ門とか、そんなにしゃべらないじゃないですか。あれはね、綾野剛さんがやっていたと思う。そんなにしゃべらなかった。
(伊集院光)ああ、そうなんだ。キャスト、めちゃめちゃすごいっすね。
(みうらじゅん)すごいっすよ。だからもう、スターかくし芸大会なんですよ。
(伊集院光)あっ、そこにつながるわけですね!
(みうらじゅん)そこにつながるんですよ。昔、井上順さんが『インディ・ジューンズ』とかやった。面白かったでしょう?
(伊集院光)やった!
(みうらじゅん)とんと、あの規模でないじゃないですか。最近、正月。
(伊集院光)マチャアキの『スゥパーマン』とか。
(みうらじゅん)面白かったじゃないですか!
(伊集院光)面白かったのよ!
(みうらじゅん)もういまは映画館で見る時代になっちゃった。
(伊集院光)すっごいなー。
(みうらじゅん)かくし芸大会ファンはもう垂涎の1本ですね。これ。
(伊集院光)(笑)。あの、映画に関してはもうこれ以上、聞きたいことはないっす。
(みうらじゅん)そうでしょう。そうでしょう。
(伊集院光)CMを挟んで今度は本の話を、お願いします。
(CM明け)
「ない仕事」の作り方
(伊集院光)さあ、引き続きゲストはみうらじゅんさんです。よろしくお願いします。本なんですけど。『「ない仕事」の作り方』っていう。文藝春秋さんから発売中。
(みうらじゅん)ちょっとその本の裏、見てくださいよ。
(伊集院光)あっ、SINCE!SINCE、あったわー!
(みうらじゅん)入っているでしょう?俺のSINCE。
(伊集院光)入ってる!SINCE1980が。
(阿部哲子)あっ!
(みうらじゅん)そうなんですよ。それは僕がデビューした年なんですけど。よく考えると、誰にだってSINCEはあるんですよ!僕、それをさっきの続きとして言いたいんですけど。誰にでもあるのに、出しているやつと出していないやつがいるっていうことの面白さですよね。伊集院さんだって、生まれた年だって、デビューした年だって、あるんですよ。この番組を始めた年だって、SINCEって言ってもいいんですけど。そこなんですよね。
(伊集院光)そうか。そのSINCEの自覚みたいなのがおかしいですよね。
(みうらじゅん)SINCEの自覚。
(伊集院光)2015なのに、SINCEの自覚があるやつと、そこそこあってもSINCEの自覚がないやつがいたりとか。
(みうらじゅん)あるんですよ。今回のはね、SINCEの自覚を出そうと思って。
(伊集院光)(笑)
(みうらじゅん)で、著した本なんですよ。あの、『ない仕事』っていうのも、そもそもないですからね。ええ。
(伊集院光)そうですね。『ない仕事』っていうジャンル名ですもんね。これもね。
(みうらじゅん)これ、考えついたことなんですけど。仕事がないっていうのはよくありましたよ。うん。これは流行っていたでしょう?仕事がないとか。不景気だから仕事がないっつーのは。
(伊集院光)流行っていたんじゃないです。そういう状態になっていただけど。
(みうらじゅん)状態ですか?いや、『ない仕事がね・・・』って言った時に、『はいはいはい。そうそう』って。振ると、一応話は流れるんですけど。そもそもないわけですから。ここは、やっぱり般若心経の真髄である、大乗仏教の真髄である『空』っていうところですよね。『空』っていうのは、あるように見えて、ない。ないように見えて、あるんですよ。で、あると言えばあるし、ないと言えばないっていうことが、本当は世の中の真髄だったのに。仕事があると思って油断していたら、なくなることがあるとするじゃないですか。
(伊集院光)はいはいはい。
(みうらじゅん)『定年ですよ』なんて言われて。『本業だ』とか言っていたものが、『えっ、ない!?』ってことに気がつくわけじゃないですか。本業は生きることですから。
(伊集院光)このトークの中でも、すっげー深いことと、どうしようもないことが行ったり来たりするじゃないですか。この本もそうで、パラパラめくっていると、『やっべー!これ、すげーヒント書いてあるじゃん』と思いながら、途中から、でも、なに?この時刻表の写真を地獄表って呼ぶと面白くなるみたいな・・・(笑)。
(みうらじゅん)いや、もう本当ね、辛いことがあって。即身仏ってちょっと僕の中でブームだったんですよ。ミイラね。即身仏。東北の方に行ったんですけど、間違ったところで降りちゃって。俺。山で。で、そこで1時間半ぐらいね、来ないんですよ。
(伊集院光)バスが。
(みうらじゅん)うん。もう本当、地獄のような気持ちを味わった時に、ふっと見たら時刻がもう日に3本しか来てないんですよ。『これは時刻表じゃない。地獄表だ!』って思って。それから、すごい地獄表が気になりだして。で、はじめ3本がもう頂点かと思ったけど、1本のやつを見つけたんすよ!1日に1本しか来ないバスって、帰りどうするんだ!?っていう話じゃないですか。あるんだ!と思って。うれしかった。それは。
(伊集院光)あの、もうね、途中から、『なに言ってんの、おっさん?』ってなってますからね。もうね、みんなね(笑)。
(みうらじゅん)マジですか?でも、地獄表があると思えば、町おこしじゃないけえれども。『地獄表がある町』とか打てばね。
(伊集院光)ナンバーワンのね。
(みうらじゅん)ナンバーワンだったら、『ちょっと行ってみてえな』って思うじゃないですか。『ここの村の人、どうしてるんだろう?』って。
(伊集院光)みうらさん、もういいっすか?(笑)。
(みうらじゅん)あ、もういい?
(伊集院光)もういいですかね?(笑)。『「ない仕事」の作り方』、絶賛発売中ですので。ぜひ、こちらご覧になってください。さあ、我々は2週間後までに。
(みうらじゅん)絶対。モノマネをビシッとしてくださいよ。ここは。お願いしますから。
(伊集院光)あの、番組のテーマ、変わってますから。モノマネをマスターする番組ではないんですけども。
(阿部哲子)(笑)
(みうらじゅん)今回の映画はね、特にそこを重点をおいて見てください。
(伊集院光)みなさんも、マスターしてくだいね。
(みうらじゅん)もちろん、もちろん。
(伊集院光)ゲストはみうらじゅんさん。ありがとうございました。
(みうらじゅん)ありがとうございました。どうも。
(阿部哲子)ありがとうございました。
<書き起こしおわり>