みうらじゅん 滋賀県のお寺のアルフォートお供え文化を語る

https://www.joqr.co.jp/qr/program/golden/ 大竹まことゴールデンラジオ

みうらじゅんさんが2024年3月14日放送の文化放送『大竹まこと ゴールデンラジオ』の中で『見仏記』で滋賀のお寺を回った際に気づいた、アルフォートをお寺のお供え物にする文化について、話していました。

(みうらじゅん)今日は先に何をしゃべるか、言っておきますね。あの、ブルボンのお菓子の、アルフォートっていうミルクチョコ&リッチミルクチョコについての話をさせていただいたいと思います。

(大竹まこと)なるほど。ブルボン。

(みうらじゅん)先週、『見仏記』っていう、いとうせいこうさんとやっている文章と絵の方の連載で滋賀県のお寺を巡ったんですけども。もうコロナもあって、6年ぶりなんですね。もうずいぶん連載もしてませんでしたし。久しぶりの旅行だったんですが。前にも滋賀県は何度かお寺巡りで、仏像を見る旅を何回か、したんですけれども。少しだけ、その間に何か事情がちょっと変わってるなと思ったことがあって。それがブルボンのお菓子、アルフォートだったんですよ。それね、お寺で仏像の前に供えてあるものって、あるじゃないですか。まあ、昔だったらお酒とかが置いてあったり。割と大黒天だと大根みたいな。あるんですけども。まあ、ずいぶんそういう生物っていうのが、そこの滋賀県のお寺は結構、無住のお寺が多くて。

(大竹まこと)「無住」ってなんですか?

(みうらじゅん)住職がおられなくて。そこの近所の、村の人たちが守っていらっしゃるんですよ。だからたぶん、そうやって「拝観がしたい」とか申し込みがあると、近所の方々がそこのお寺を開けてくれるんですけれども。となるとやはり、お供え物っていうのが生物では腐るっていうことですから。いろいろ、乾き物が置いてあることになっていたんですけれども。大概ね、「仏さんが食べるのかな?」って思うような、ちょっと意外なものが置いてある時代があったんですけれども。滋賀県の湖北から湖南まで、いろんなお寺を巡ったんですけども。そこの無住のお寺に、備えてあるものが、アルフォートのミルク&チョコリッチミルクチョコだったんですよ。ほぼ。

(はるな愛)ありますよね。板チョコにビスケットみたいなのがついていてね。重ねたみたいな美味しいやつ。

(みうらじゅん)そうです。美味しいやつ。あれが今、ちょっとね、滋賀県のみかもしれませんが。供え物としてちょっと主流になりつつあってるなっていうのがわかってきて。それもね、袋ごと置いてあんですよ。何個入ってんですかね? これ、結構な数が入ってると思うんですけども。大きい、ファミリーサイズっていう、ちょっと銀っぽい袋で。

(はるな愛)お買い得用みたいな?

(みうらじゅん)そうです、そうです。お買い得用のやつ。それがね、ドンと仏さんの前に備えてあるんですけども。当然、仏さんとしては封も開いてないですね。まあ、食すことも当然ないけども。それがドンと置いてあるんですけども。どうやらそれを、たまに来た拝観客に振る舞うっていう儀式が滋賀県の方でできているみたいで。そこのお寺を開けてくれた村の人がね、なんか急にものすごいそのお堂の前に何人もやってきて。なんかさもお祭りをやっているのかな?っていうぐらいの、縁日みたいな感じで。なんか賑やかにしているんですよ。なんなんでしょうかね?

それはたぶん拝観客を迎える演技のか……なんかいろんなおばあさんとかおじいさんとかが細い道から集まってきて。そのお堂で「ワハハ!」とか言って。僕らが拝観してる期間、まるで縁日のような演技なのか、なんかわかんないですけど。すごい楽しそうに語らわれるんですよ。で、その時にその村役の人がアルフォートの封を開けられるんですよね。で、まあ仏さんの供え物のところに置いてありますから。てっきり供え物だと思っていたら、どうやらその拝観の時に来た人と地域の人たちがアルフォートを食べるっていう儀式があるみたいで。おもむろに仏さんに供えてあるアルフォートの袋を……何個も入ってる袋を目の前で開けて。で、1個1個、配っていくんですよ。で、最終的に僕らにも2つ、アルフォートが来るんですけど。

(大竹まこと)なるほど(笑)。

ファミリーパックのアルフォートをみんなで分けあう

(みうらじゅん)それをね、なんかアルフォートをみんなで食べながら見るっていうスタイルが、なんかどうやら昨今、滋賀県では主流になっているんじゃないかと思ったんですよね。はい。

(大竹まこと)それは、噂で知っているんですか? それとも拝観の方が他にもいらした時にも、アルフォートを?

(みうらじゅん)ああ、他のお寺に行った時もアルフォートが出たんです。

(大竹まこと)アルフォートだったんですか?

(みうらじゅん)だから結構、1日で4つか5つぐらいはアルフォートを食べてるんですよ。僕ら。で、村の人たちも食べてるんですよ。ワーッて言って。で、残ったものを、くれるんですよ。袋にちょっと残ってるんですけど。それをくださるんですけど。

(大竹まこと)お持ち帰りで?

(みうらじゅん)はい。で、それを袋のまま、持って帰って。また旅館で食べたんですよね。なんかずっとアルフォートのことばかりが頭に残って。アルフォートって、車ではありませんか? アルフォードっていうのが。ありますよね?

(はるな愛)ああ、大きな。

(みうらじゅん)ちょっと芸能人の人が乗っているような。あのアルフォードとブルボンのアルフォートって、違いがあるんですかね?

(砂山圭大郎)あれはアルファードですね。

(みうらじゅん)ああ、車は「ファード」ですか。そうですか。間違った。僕、てっきりアルフォートかと思って。

(はるな愛)でもね、今日スタジオの前室にアルフォートがあったから。今、持ってきていたんですよ。

(みうらじゅん)やっぱり!

(はるな愛)で、食べたんですけど。この板チョコと美味しいクッキーが同時に食べれるって、なんともたぶんおじいちゃん、おばあちゃんたちって贅沢なものだなって。それを一緒に食べれるっていうのは、アルフォートしかないんじゃないですか? これ。

(みうらじゅん)で、よくテレビ局とかに行くと、楽屋に必ずアルフォート、いません?

(はるな愛)あります。あのお菓子のかごの中に1個ぐらいはアルフォート、ポッと入ってます。

(みうらじゅん)入ってますよね? あの1個、入ってるっていうことは、大きなファミリーサイズを買ったスタッフの方が、そこでわけてるんですよね。だからやっぱり供え物っていうことでは今、アルフォートが主流になってるんじゃないかって。前はほら、歌舞伎揚げとかも置いてあったじゃないですか。テレビ局の楽屋とか。今、ちょっと歌舞伎よりはアルフォートじゃないですか・

(大竹まこと)2種類ありますけど。これ、袋の中で混ざってるんですか? それとも1種類ずつなんですか?

(みうらじゅん)アルフォートね。その、ミルクチョコとリッチミルクチョコの2種類があるんですけど。まあ、たしかにちょっと見た目もね、リッチの方が濃いんですよね。ブラウンが濃いんですよ。で、普通のミルクチョコはちょっと薄いですかね。比較して見ると。でね、そこのビスケットの部分に……。

(はるな愛)逆じゃないですかね? ここにあるんですけども。それで、リッチミルクチョコの方が淡いブラウンなんですよ。

(みうらじゅん)でもあんまり「今日はリッチの方ばかり食べよう」とか意識して食べてはいなくないですか?

(はるな愛)ああ、してないです。

(みうらじゅん)ねえ。「ちょっとお前、リッチばっかり取っていてずるいぞ」とかっていう会話もあんまり聞いたことないじゃないですか。

(はるな愛)そうですね。そういえば。

(みうらじゅん)袋でもリッチとミルクチョコは袋の色が違うんですよね。濃い青と、ちょっと水色なんですよ。それでね、そのチョコのところに帆船みたいな絵が書いてありますよね。額に入った帆船みたいなのが、ありません?

(大竹まこと)書いてあります。チョコレートにね。

(みうらじゅん)ありますよね? なんなんですか、それは?

(大竹まこと)わかんないですけど。

アルフォートの帆船の謎

(みうらじゅん)で、その帆船のね、帆の部分がなんかロープみたいになってませんか? よく見たら。なんかこう、太い麺みたいなものでできてませんか? なんか、普通の帆船の帆じゃないんですよ。たぶん再現したのは、縄で編んだようになってるんだけれども。なんかずっと滋賀県でアルフォートばっかり見てましたんで、ちょっと気になったんですけど。これ、ひょっとしてチョコでできたフォンデュみたいな帆船ではないかって。チョコレートフォンデュみたいなの、あるじゃないですか。よく、マシュマロとかにつけるやつ。

(大竹まこと)はいはい。

(みうらじゅん)そのアルフォートの帆船があって、下の海が波立ってますけども。そこもなんか、これだとチョコレートの海ですよね? だからこれはひょっとして、チョコレートでできた船がチョコレートの海を泳いでるっていう感じを伝えたいのか。それとも、単に帆船なのかっていうのがね、ちょっと……いとうさんとずっと旅館でアルフォートの話ばっかりしてましたんで。皆さんはこれ、どう思います? この、なんか妙に縄が太いみたいな。この表現にはたぶんアルフォートのなにか秘密があると思うんですよね。

(大竹まこと)でも、たぶんそれはせいこうとみうらさんと2人の中だけで……。

(みうらじゅん)マジですか? 僕、これはもう大発見をしたような気になりまして。

(大竹まこと)あの、世間は……先に、食べてますね。

(みうらじゅん)そうでしょう? まあ、だから僕といとうさんが言いたいのは「ちょっと待て。食べたい気持ちはわかるけど、帆船が書いてあるのを見たことがあるか?」っていうところをちょっと今後、これを聞いた人もアルフォートを食べる時。ちょっと、じっくりその帆船を見てほしいんですよね。

(はるな愛)なんかね、調べたらね、「冒険、夢、ロマンなどをイメージした」んですって。ネーミングはね。

(みうらじゅん)アルフォート?

(はるな愛)で、「この帆船はアルフォートを発売するにあたり、お菓子という大海=市場に夢とロマンを持って漕ぎ出していくっていうイメージ」なんですって。

(みうらじゅん)そんなこと、誰も気がついてないですよね?

(砂山圭大郎)たしかに(笑)。この船自体が「アルフォート号」って言うらしいです。

(みうらじゅん)マジですか!

(大竹まこと)ああ、そうなの!

(みうらじゅん)俺らもそれ、携帯で調べりゃよかったんですけども。想像の方が先立っちゃって。アルフォート号っていうのは、どこかで出てるんですか? どこかの港から。

(はるな愛)いや、だからこれはもう本当に市場にブワーッと広がって行ってもらう思いで、ブルボンの方が作ったんでしょうね。

(大竹まこと)みうらさんに解説して、どうするんだよ?(笑)。みうらさんから問題の提起が……。

(みうらじゅん)こっちはほら、気づきがあったんで。そういえば、帆船が書いてあることも僕は気が付かずに、今まで楽屋とかで食べてましたから。

(はるな愛)調べたことなったなー。でも、こういう話を聞いたら、じゃあお供え物は自分が食べたいものをお供えして。後に食べるよっていうものをお供えした方がいいってことですかね?

(大竹まこと)日持ちもしてね。

(みうらじゅん)ということですよね。皆さんが食べられてたから。でもね、ちょっとだけ気をつけなきゃなんないことは、アルフォートは熱に弱いんですよ。

(大竹まこと)ああ、これね、ちょっと持っただけで手につきます。

熱に弱いアルフォート

(みうらじゅん)つきますよね。だからたぶん、このリッチミルクの方だと思うんですけど。特に溶けが早いんですよ。で、僕らはそれをお寺の子の周りを守ってる人からもらった袋をね、車を運転して回っていたんで。車を運転してくれている人にあげようと思って。タクシーの運転手さんがよく、料金箱の横のところに飴とか入れているの、あるじゃないですか。あの部分にね、アルフォートをダーッと入れたんですよ。で、僕らはお寺を巡って。また戻ってきて、そのタクシーに戻ってきたら、アルフォートがね、もうほとんど溶けていたんですよ。車はね、ちょっと危険だなと思いました。

(はるな愛)夏場の車は危険ですね。

(大竹まこと)日の当たり具合もあるしね。

(みうらじゅん)はい。だから冷えたところ……お堂とか。そういう、あんまり日の当たらないところで食すのがアルフォートの正しい食べ方かなって。

(大竹まこと)溶けづらいところに置かなくちゃいけない。

(みうらじゅん)そうですね。はい。

(大竹まこと)ものすごい勉強になりました!

(みうらじゅん)でしょう?

(はるな愛)今まで、こんなにアルフォートを見つめたこと、なかった。

(みうらじゅん)もう一度、見つめてください。よろしくお願いします。

(はるな愛)ありがとうございました。

(みうらじゅん)ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

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