サイプレス上野 日本語ラップ解説 SOUL SCREAM『黒い月の夜』

サイプレス上野 日本語ラップ解説 SOUL SCREAM『黒い月の夜』 ザ・トップ5

サイプレス上野さんがTBSラジオ『ザ・トップ5』の中で、日本語ラップ初心者の外山惠理さんに推薦曲を紹介。SOUL SCREAM『黒い月の夜』について解説していました。

(サイプレス上野)さあ、このランキングの締めくくりは恒例のこちらのコーナーです。『日本語ラップKILLA☆2016 年明けでも(仮)』。ねえ、もう本当に、折り返し地点でね。始まってますけども、まだ『(仮)』が取れないんで。まだまだがんばっていきたいと思います。

(外山惠理)はい。

(サイプレス上野)このコーナーは俺、サイプレス上野が惠理ちゃんに日本語ラップの名作を聞かせ、日本語ラップを好きになってもらおうというチャレンジ企画です。先週は惠理ちゃんも無事、番組でフリースタイルラップもして、ラッパーデビューを果たしました!

(外山惠理)(笑)

(サイプレス上野)おめでとうございます!(拍手)。

(外山惠理)いやいやいや、それで動揺したのかな?私、ちょっとね。それでこぼしちゃったのかな?

(サイプレス上野)ねえ。それでもう、バシャーッ!って水もこぼして。いや、けどよかったですよ。ラッパーがシャンパンをまいているような感じがして。いい感じに、すごい吸収が早いなみたいな感じで。

(外山惠理)(笑)

(サイプレス上野)やってましたけども。まあそんな惠理ちゃんに、まだまだ名作がありますんで。聞いてもらう曲はソウル・スクリーム(SOUL SCREAM)で『黒い月の夜』という曲でございます。このソウル・スクリーム、メンバーがラッパーのHAB I SCREAM、E.G.G.MAN、そしてSHIKIというラッパー3人で。そしてDJにDJ CELORYさん。そしてDJ、エンジニアのALGさんという5人だったんですけども。SHIKIさんは97年に脱退されているので。で、いまはもう活動的にはみんなバラバラって言ったらあれなんですけど。それぞれ、ソロでやっていたりとか、プロデューサーをやっていたりとかします。

(外山惠理)ふーん。

(サイプレス上野)それでこの『黒い月の夜』は96年発売のファーストアルバム『THE DEEP』に収録されている曲で。このソウル・スクリームというラップグループが、もともとはPOWER RICE CREWという前身のグループがあって。一応コンピレーションCDとかには名を連ねる人たちではあったんですけども。まあ、アルバムとかないまま、この『日本語ラップKILLA☆』では何回も話している『さんぴんCAMP』という、どデカいところに出て。

(外山惠理)うん。

(サイプレス上野)本当に、たとえば知らない人もぜったいにいるような状態だったんですけども。そのライブがかっこよすぎて、一気に日本語ラップのシーンの『プロップス』っていうんですけども。信頼を一気に勝ち得たグループみたいな。

(外山惠理)へー。

(サイプレス上野)もともと地力がある人たちなんですけども。そこで、誰なんだろう?っていう人たちも巻き込むみたいな。俺たちもライブで見るのは初めてだったんです。『さんぴんCAMP』で。そこで、『Scream!叫び!雄叫び!耳元に!』っていうフレーズがあるんですけども。そこで、若き日の俺が映っているんですね。15才の俺が。

さんぴんCAMP SOUL SCREAM

(外山惠理)ええーっ?

(サイプレス上野)『Scream!叫び!雄叫び!』っていう風に。もう、雨に、土砂降りになりながら叫んでいる俺が映っていたりとかしていて。だからやっぱ、俺の中でも、忘れられないグループというか。もう、本当にアルバム、すぐ出ないかな?って思っていたら・・・これが96年の7月31日なんですよね。7月7日に行われた『さんぴんCAMP』のその月末に出たから。タイミングとかがもうばっちりなんですよ。もう。

(外山惠理)へー!

(サイプレス上野)そこで話題をかっさらったグループで。『あの人たち、かっこいいね』って。で、そのアルバムが出て。ジャケットとかがいままでの日本語ラップの感覚とまたちょっと違って。NIRVANAのジャケとかをサンプリングしてる。海の中で、水の中でこういう風にみんなが見ているような感じの。他ジャンルからも引用を。しかも、近い感じのグランジの。年代が近い感じのものを持ってきたりとか。

(外山惠理)うん。

(サイプレス上野)それまでは、ソウルの名作とかのジャケを持ってくるっていうのはあったんですよ。こっちのアルバムとか、あったんですけど。なんかすごい近い感覚で。いま、ジャケが出てきたんですけども。

(外山惠理)本当だ。水の中から。

(サイプレス上野)そうですね。青い世界の中から、5人がこっちを見ているみたいなアルバムなんですけども。そして、いままでの日本語ラップの感覚。ちょっと強面だったりとか、おもしろラップだとか言われていたのと、なんかすごいいい塩梅で。洗練された感じのアルバムだったんですね。

(外山惠理)へー。

(サイプレス上野)もう1曲目とかから。で、そこに重要人物であったZEEBRAさんとかももちろん参加とかしてて。話題を本当に一気に持っていって。高1で俺、聞いたんですけども。その後、野球の応援とかやっていたじゃないですか。ずーっとそういうのに行ってた時とかも、ずーっと聞いていた記憶があるんですよ。夏の間。これを。

(外山惠理)へー!

(サイプレス上野)なんか兄貴の部屋に行って、ラジカセで爆音で聞いたりとか。クーラー、その部屋しかなかったから。それをずっと覚えてるんですね。アルバムを聞いて・・・みたいな。で、言葉の使い方とかが、またいままでの日本語ラップからちょっと違った視点で書いたりとかしてて。熱いんだけど、冷めているところもあるみたいな。俯瞰で見ているところもあったりとか。

(外山惠理)ふんふん。

(サイプレス上野)かつ、詩人的な表現がすごい多かったりとかして。なんか、1回子供の頃にこれを聞いた時は単純にかっこいい先輩というか。近所のかっこいいお兄ちゃん。洗練されたお兄ちゃんみたいな感じで聞いていたんですけども。大人になって聞いてみたら、『俺でもこんなの、ぜってー書けねえ』とかいうのがまだまだ出てきたりとかしてるんで。

(外山惠理)へー!

(サイプレス上野)そん中でも、この『黒い月の夜』っていうのはラブソング的なものが日本語ラップっていうのはあったとしても1曲、2曲とか。アルバムの中に入っていてもそういう感じだったんですけども。結構決定づけるぐらいの。その当時、こんな歌い方をする人たちがいるんだっていう曲だったんで。ぜひ、聞いてもらいたいと思います。

(外山惠理)はい。

(サイプレス上野)それでは、かけてもらいましょう。ソウル・スクリームで『黒い月の夜』。

SOUL SCREAM『黒い月の夜』

(サイプレス上野)さあ、お送りしている曲はソウル・スクリームで『黒い月の夜』です。

(外山惠理)これ、一人ひとり、3人歌っているんですよね?

(サイプレス上野)3人歌っていて。

(外山惠理)それで一人ひとりが歌詞って、本人が書いている?

(サイプレス上野)書いていて。物語が違うんですよね。

(外山惠理)違うもんね。

(サイプレス上野)そうなんですよ。素晴らしい!そこなんですよ。ひとつの曲をみんなで完全に合わせるというよりは、違う話をやっているけど、それが組み合わさっていって・・・みたいな。で、想像して聞くみたいな。たとえばE.G.G.MANさんのヴァースっていうのはクラブでナンパするっていう内容で(笑)。なんで1人だけそこなんだ?っていう感じのちょっと違和感とかも覚えてるんだけど、なんか曲としてちゃんとまとまっているな、みたいな。

(外山惠理)なんか、すごく最初にきれいに始まったなって思ったら・・・

(サイプレス上野)思ったら、『行こうぜ、H-O-T-E-L♪』みたいな感じで(笑)。直接的すぎるでしょ!みたいな感じになったりとかもしつつ。その後に、みんなで同じ場所を歌ったりとかして、ちゃんと曲として戻ってくるみたいな。

(外山惠理)ねえ。面白いですね。

(サイプレス上野)はい。そして出てきましたよ。これが15の私です。

(外山惠理)ええーっ?どれどれどれ?

(サイプレス上野)キャップをかぶっている・・・

(外山惠理)えっ、この子?

(サイプレス上野)この子。緑色の・・・(笑)。

(外山惠理)かわいいー!

(サイプレス上野)(笑)

(外山惠理)かわいいー!そうなんだ。

(サイプレス上野)これ、本当『叫び!』って言っているところですね。

(外山惠理)へー!15才の、上ちょが。いるんだね。

(サイプレス上野)上ちょが。魂の叫びを。隣りにいる友達、無理やり誘って。本当、死んだ魚のような目、してますね。本当(笑)。ぜんぜん興味なかったみたいな感じで(笑)。

(外山惠理)すごいね。でもずっとそれでね、好きなんだもんね。

(サイプレス上野)はい。だから、かけれてうれしいですね。やっぱり。『あん時、聞いてたな』って。そんな感じでかけさせていただきました。これで日本語ラップが気になった人は、俺も出演しておりますテレビ番組『フリースタイルダンジョン』をチェックしてください。今夜1時26分からやります。そして、You Tubeでも配信されております。ねえ。だいぶ興味をまた。さすが、ちゃんと1人ずつ違うっていうのをね、言ってくれたりとか。

(外山惠理)うん。

(サイプレス上野)あとLINEでもね、『すごいいいグループだったけど、なぜブレイクしなかったのだ?』みたいな。直接的な意見とかも入ってきましたけども。それぞれ、まだやってますんでね。

(外山惠理)LINE、まだ来るんだね(笑)。

(サイプレス上野)来ますね。はい。以上、『サイプレス上野の日本語ラップKILLA☆2016 年明けでも(仮)』でした!

<書き起こしおわり>
https://miyearnzzlabo.com/archives/32118

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