久米宏さんがTBSラジオ『たまむすび』に出演。ピエール瀧さん、赤江さんと、『ニュースステーション』で初めてニュースを『番組』にした話などをしていました。
(赤江珠緒)さあ、ここからは本日のゲスト、久米宏さんにたっぷりとお話をうかがっていきますが。改めて、久米さんのね、プロフィールなんていまさら必要ないんじゃないかな?と思うんですが。
(久米宏)また出すな。あの声を。
(赤江珠緒)はい。澄ました感じで、こちらの曲にのせてご紹介します。久米宏さんは1944年、昭和19年7月14日生まれ。埼玉県のご出身です。早稲田大学の政治経済学部経済学科卒業後、1967年、東京放送にアナウンサー12期生として入社されました。
(久米宏)ちょっと途中ですけど・・・その声で読まれるとウソっぽいんですけど(笑)。
(赤江・瀧)(笑)
(赤江珠緒)『立派な成績で・・・』みたいなね。結婚式みたいな。
(ピエール瀧)借り物感、出てきますもんね。
(赤江珠緒)じゃあ、普通に行きましょう。1970年からは当時、永六輔さんが担当されていた『土曜ワイド ラジオ東京』の中継リポーターを務められて、75年にはコント55号のお二人が出演するバラエティー番組『ぴったしカン・カン』の司会を担当。78年には黒柳徹子さんとコンビを組んだ伝説的音楽番組『ザ・ベストテン』放送開始です。79年にTBSを退社されまして、フリーになられた後は大型ニュース番組『ニュースステーション』の司会を18年半務められました。現在は2006年から始まったTBSラジオ『ラジオなんですけど』をご担当されていますということで。もう!この経歴が。
(ピエール瀧)すごい。番組が全部聞いたあるというかさ。伝説の番組ばっかりだよね。
(久米宏)『聞いたことがある』って(笑)。
数々の伝説の番組
(ピエール瀧)いや、若い子とかでもだってさ、知って・・・『ベストテン』とかっていう。ねえ。
(赤江珠緒)この道筋は何!?っていうね。
(ピエール瀧)なんなんすか、これ?
(久米宏)まあ、いろんな番組をやったってことでしょうね。種類が。
(赤江珠緒)いやー、ねえ。で、歌番組の『ザ・ベストテン』、本当に伝説的な歌番組ですが。久米さんご自身は歌を歌われたりとか?
(久米宏)歌いはしないですね。
(赤江珠緒)えっ?十八番みたいなのは?
(久米宏)ないですね。
(赤江珠緒)歌われたり、普段しないですか?
(久米宏)しないですね。入ってますね。内容に。一応、ゲストに呼ばれたんで。(ガサガサ・・・)。
(赤江珠緒)な、なんですか?これ?(笑)。
(久米宏)一応、ゲストに呼ばれたから。一応、紙を持って来ないと・・・(ガサガサ・・・)。
(赤江珠緒)ええ。なんです?その白紙の紙は?(笑)。テーブルの上に。
(ピエール瀧)白紙の原稿用紙が。
(久米宏)勧進帳ですよ。
(赤江珠緒)はー!なにもないところで。
(久米宏)一応、紙を出さないと。ゲストですからね。
(赤江珠緒)へー!じゃあ、あんまり歌は歌われない。
(久米宏)あんまり。ええ。
(赤江珠緒)じゃあ『ザ・ベストテン』の忘年会とかって言うと?
(久米宏)忘年会はね、僕、局アナ時代から忘年会ってなかったんですよ。年末ってアナウンサーって集まれないんですよ。
(ピエール瀧)ああー、なるほど。みんな、駆りだされちゃってるから。
(久米宏)できないの。新年会をアナウンス室っていうところで、紙コップで日本酒を飲んだりなんかはしてましたね。だから、忘年会ってやったことがないんだよな。
(赤江珠緒)ああー。割となんかテレビが華やかな時代のイメージですけど。意外と地味に?
(久米宏)そう。プロダクションの方、事務所の方の忘年会はすごかったですけどね。バブルの頃は。もう、バブルの時はね。バブルの時は・・・(笑)。
(赤江珠緒)(笑)
(ピエール瀧)そうですよね。でも、アナウンス室みんなで忘年会やっちゃったら、仕事はいま、誰がやってるんだ?っていう話になっちゃうから。
(久米宏)年末年始は特に無理ですよね。
(赤江珠緒)お忙しいですもんね。
(久米宏)ほとんど集まれないっていう。
(赤江珠緒)そうかー。でも、きらめくスターたちがもう次から次にいらっしゃるという歌番組を担当されて。
(久米宏)だから、『TVスクランブル』っていう番組も入っているんで。ジャンルはすごかったですよね。
(ピエール瀧)『TVスクランブル』も、そうっすね(笑)。
(久米宏)だから、考えられるあらゆるタイプの番組をやったっていう。
(ピエール瀧)ほぼロデオみたいな番組でしたからね。あれ(笑)。
(久米宏)酔っ払っているし。相手はね(笑)。帰っちゃうしね。『便所』って言っていなくなるしね。
(ピエール瀧)そうですよね(笑)。僕らは視聴者だったんで、衝撃的に面白かったんですけど。なにそれ!?っていうのはありましたけども。
(久米宏)バラエティーに富んだ仕事はさせていただいた感じがしますね。
(赤江珠緒)そうですよね。この久米さんの振り幅のすごさったらね。その中でまた、『ニュースステーション』っていうぜんぜん違う・・・
(久米宏)それはね、ほとんど失敗するってみんなに言われていてね。
(赤江珠緒)立ち位置ですもんね。
(久米宏)間違いなく失敗するって。太鼓判を押されたりなんかしてね。
(赤江珠緒)へー!
『間違いなく失敗する』と言われた『ニュースステーション』
(ピエール瀧)いまで言うと、だいたい夜10時の民放の時間はニュースだって。いまは『報道ステーション』やってますけども。その感じになってますけども。なぜ、失敗するってなっていたんですか?
(久米宏)だいたいね、変な話ですけど、『ニュース番組って偶数時に始まっちゃダメだ』っていうのがあったんですよ。
(ピエール瀧)ああー!
(久米宏)7時、9時、11時って。偶数時間にはニュース番組は合わないって言われていたんですよ。
(赤江珠緒)奇数?奇数?
(久米宏)奇数。7時、9時、11時。で、10時っていうのはぜったいにダメと。しかも、司会があの軽薄な久米宏がやるニュース番組は成功するはずないじゃないかと。で、しかも僕、やっていた番組全部降りちゃいましたから。全降りですから。『ベストテン』から何から。もう、みんな失敗するのを待っていたわけだ。手ぐすねを引いて。
(ピエール瀧)あ、みんな『ほれ、見ろ!』と言いたかったんですね。
(久米宏)言いたかった。
(赤江珠緒)ちょっと意地悪な目線でみんな見ていた。
(久米宏)やっぱり始めたら、失敗の道を半年でまっしぐらですもんね。もう、絶体絶命みたいになって。そんな話をすると、胃が痛くなってくるんですけど(笑)。
(ピエール瀧)(笑)。いや、でも僕、見てましたよ。やっぱり。『ニュースステーション』、ずっと。
(赤江珠緒)いや、だって革命的な番組になりましたよ。やっぱり。
(久米宏)それは軌道に乗ってからですよ。軌道に乗るまでがもう、大変。
(赤江珠緒)へー!
(ピエール瀧)そうなんですか。ぜんぜんそんな感じはなかったですけどもね。
(久米宏)僕、横山秀夫さんのファンなんですよ。
(ピエール瀧)はい(笑)。先に謝っておきます。すいません(笑)。
(赤江珠緒)(笑)。『64』の。
(久米宏)本もいろいろ読んでいるんですけど。あのNHKの『64』はね、原作より面白かった。
(ピエール瀧)あっ!ありがとうございます!本当ですか?
(久米宏)面白かった。
(ピエール瀧)よかったー!
(赤江珠緒)瀧さんの刑事役も。
(ピエール瀧)ぜったいに怒られると思ってた、俺(笑)。『違う!』って(笑)。
(久米宏)僕ね、あの時から・・・ずっと本編の方もいっぱい見てるんですよ。それで、ピエールさんはね、僕、いま仕事がほとんどないから、あなたみたいなアナウンサーとかね、ピエールさんみたいな俳優さんとかタレントさんの評論家をやってるんですよ。家で。
(赤江珠緒)(笑)。テレビを?
(久米宏)批評家です。この人の実力はいかがなものか?赤江珠緒はどこが欠点か?もし長所があるとしたら、どこか?ピエール瀧さんは俳優として、演技派なのか?あるいは演技派じゃないのか?
(ピエール瀧)飛び道具なのか?と(笑)。
(赤江珠緒)ちょっとぜひ、久米さんの評論を・・・じゃあ、ピエール瀧さんの。
ピエール瀧は演技派か?
(久米宏)だからピエール瀧さんは演技派か、演技派じゃないか?っていうのは、ものすごい難しい問題なんですよ。悩んじゃったの、僕。しばらく(笑)。
(赤江珠緒)(笑)
(ピエール瀧)答えが出なくて?(笑)。
(久米宏)答えが出なくて。どうしようもなくて。それで、いろいろ考えた結果ね、やっぱりね、演技派なんですよ。
(赤江珠緒)はー。
(ピエール瀧)僕、演技派なんですか?
(久米宏)ただ、演技っていうものは難しくてね。僕の友達のマルチェロがね・・・知ってます?友達、マルチェロって言うんですよ。
(赤江珠緒)知らないです。マルチェロ?
(久米宏)うん。ファーストネームがマルチェロなんですよ。ファミリーネームがマストロヤンニっていう。
(ピエール瀧)ああー。マルチェロ・マストロヤンニ。はいはい。
(赤江珠緒)ああー。
(久米宏)マルチェロに聞いたら、『演技なんてものは、しちゃいけない』って言うんですよ。『あれは、するもんじゃないんだ』ってマルチェロは言うの。それで、僕、瀧さんの演技を見ていてね、演技派だと思ったんですけど。心の中の演技派だと思ったの。
(赤江珠緒)心の中の?
(久米宏)心の中ではものすごく演技をしてるんですよ。だけど、出せないか、出ないかどっちかなんですよ。両方だと思うの。出ないのもあるし、出さないようにしてるのもある。
(赤江珠緒)でも、内部で演技している?
(久米宏)そういう演技派だと思って。僕、とても高く評価しているんです。
(赤江珠緒)うわー!すごいいい評価!
(ピエール瀧)ありがとうございます。変な汗、かいてきちゃいました(笑)。この後、どういう落とし方が待ってるんだろう?と思って(笑)。
(赤江珠緒)じゃあじゃあ、赤江は?赤江は?
アナウンサー赤江珠緒の評価
(久米宏)赤江さん、アナウンサーでしょ?
(赤江珠緒)はい。
(久米宏)個人的には好きなんですけど。あの・・・さっきみたいにね、『スカす』っていう言葉、知ってます?(笑)。
(赤江珠緒)(笑)
(ピエール瀧)たまにね、欲しがるんです。そういうのを。
(赤江珠緒)たまに装うことがあってもいいじゃないですか。久米さん。
(久米宏)あれね、あの・・・スカさないで、地の声でしゃべって、思わず本音が出ちゃった方が男は惹かれるんですよ。最近。昔とちょっと違うの。いまの男は。
(ピエール瀧)ああー。なるほど。
(赤江珠緒)あ、そういうもんですか?
(久米宏)昔はね、ちょっと指が反ったりなんかして(笑)。ちょっと作ったような女がいいっていうのがちょっと前までの男のいい女観だったんだけど。いまはね、全部裏返っちゃって。内臓が出ちゃうみたいな感じの女がね(笑)。
(赤江珠緒)(笑)。そんなのがいいんですか!?
(久米宏)そういうのがいいっていう感じに少しなってきているんですよ。日本人。
(ピエール瀧)一瞬、だらしない瞬間が見えるぐらいの方が好きになれるってことですよね?
(久米宏)パチン!(指を鳴らす)。
(赤江珠緒)(笑)。いま、指パッチンまでされましたけど。そんなに!?そこ、そんなに納得できると。
(ピエール瀧)だから赤江さんのさっき久米さんがおっしゃったような、『私、アナウンサースキル持ってございますの』っていうところをスッと置きに行く感じが、いらないってことですよ。だからきっと。
(久米宏)あれをね、10分の1に減らしたらいいですよね。ゼロになるとかわいそう・・・『かわいそう』じゃないな(笑)。
(赤江珠緒)(笑)
(久米宏)売り物がなくなっちゃう(笑)。
(赤江珠緒)そうそうそう(笑)。たまには出しても。たまに(笑)。
(久米宏)振れ幅を大きくした方がいい。振れ幅。
(赤江珠緒)ああ、なるほど。なるほど。
(ピエール瀧)そこが滲み出ちゃうぐらいがいいんじゃない?その感じ。
(久米宏)だから振れ幅を広くして。
(赤江珠緒)えっ、じゃあ久米さんにとっていい女っていうのは、最近そういう人?
(久米宏)・・・個人的な話、すんの?(笑)。
(赤江珠緒)ぜひぜひ。
(ピエール瀧)個人的な話以外、しようがないですけども(笑)。
(久米宏)(笑)。いま、いろんな人が頭の中に渦巻いたんで(笑)。
(赤江珠緒)ぜひ、いい女といい男を。久米さんにとって。
(久米宏)だからいい女は、そうねえ。うん。ストレートな人がいいですよね。思ったことを、かっこつけずに言う人。
(ピエール瀧)ああー。ドン!と言ってくる人。
(久米宏)そう。恥じらいなんか捨ててね。
(赤江珠緒)へー。バーン!とぶつかってくる。
(久米宏)思ったことを。『こんなこと言われたら、誤解されても構わない』っていう風に。草野球、どうですか?最近。
(赤江珠緒)(笑)
(ピエール瀧)草野球。はい。
(赤江珠緒)なんで急に?(笑)。急にそっち!?
(久米宏)ピエール学園。
(ピエール瀧)実は久米さん、今朝、最終戦だったんです(笑)。今期の。
(久米宏)ああ、そう?野球、好きなんですってね。
(ピエール瀧)草野球が好きなもんですから。
(久米宏)それで、あれですよ。僕のいらないものが、なんかほしいって言ってたのはあなたですか?
(ピエール瀧)いらないものというか、ねえ。せっかく久米さんがいらっしゃってくださるというので。
(赤江珠緒)来ていただくだけでもありがたいのに。
(久米宏)『いらないものがほしい』って言っていたって。
(赤江珠緒)『なんかねだろう!久米さんがせっかく来るんだから、なにかもらおうよ』みたいな話に・・・
(久米宏)それじゃあね、いらないものを・・・
(ピエール瀧)マジですか!?あ、ああっ!
(久米宏)これから、寒くなるし。これ。
(赤江珠緒)ちょっと、なんですか?高島屋さんの紙袋に入ってますけど。なに?なに?
(ピエール瀧)久米さん、大人だな!
(久米宏)僕、いくつだと思ってるんですか?(笑)。俺、大人だよ。70過ぎてるんだよ。大人だよ(笑)。
久米宏のプレゼント
(ピエール瀧)ラッピングされたものが出てきて。しかも、和紙でしょ。
(赤江珠緒)和紙で。茶色いリボンでかけてあって。
(ピエール瀧)いいですか?開けて。僕、開けてしまっていいですか?
(久米宏)いいですよ。
(赤江珠緒)ええっ?ゲストにものをもらうって、瀧さん、なんなんですか?(笑)。
(ピエール瀧)僕にですか?
(久米宏)もちろん!他に誰に?
(ピエール瀧)ありがとうございます!あ、ああっ!すごい!
(赤江珠緒)あらっ?えっ、すごい!
(ピエール瀧)これ、グラウンドコートじゃないですか!しかも、ダイエーホークス?あっ、久米さんの名前が入ってる!えええーっ!?マジで?なに、これ!?
(赤江珠緒)(笑)
(久米宏)これね、ダイエーホークスだった時代に、僕、ダイエーのファンだったんですよ。それで、球団からいただいたんです。で、これ、イッセイミヤケデザインなんですよ。
(ピエール瀧)ええっ?あ、これね。はい。
(久米宏)すごいでしょ?
(赤江珠緒)鷹がバーン!って。
(ピエール瀧)バコーン!って入っている。
(久米宏)サイズ的にたぶん、ぴったりだと思います。お召しいただけます?
(ピエール瀧)背中にちゃんと『H.KUME』って入ってる!
(久米宏)入ってるから、僕、恥ずかしくて着られないんですよ。
(赤江・瀧)(笑)
(赤江珠緒)むしろ着られないと。久米さんは(笑)。
(ピエール瀧)なるほど。そういうことね。はばかるってところ、ありますね(笑)。
(久米宏)とても着られない(笑)。
(ピエール瀧)中も、すっごい緑で。いいですか?着ちゃって。ちょっとうれしい!
(久米宏)着ちゃってください。似合うと思うよ。
(赤江珠緒)瀧さんにちょうどいい!
(ピエール瀧)ちょうどいい感じの!
(久米宏)サイズ、いいでしょ?
(ピエール瀧)いいです!いいです!
(赤江珠緒)ぴったり。たしかにこれ、久米さんだとちょっと大きい?
(久米宏)僕、ちょっと大きいです。うん。
(赤江珠緒)うわっ、ちょっと本当、関係者の人みたい!(笑)。
(久米宏)俺より似合うね。はるかに。
(ピエール瀧)激うれしいです!
(久米宏)本当に?ダイエーだからちょっとね、レア物ですから。ダイエーだから。
(ピエール瀧)いやいや、これ、ダイエーの。いまはないですもん。これ。
(赤江珠緒)たしかに、王さんなんかがお召しになっていたイメージ、ありますもんね。
(ピエール瀧)城島が着てる感じが。まだルーキー時代の城島とかが着てる感じのね。
(久米宏)あ、似合う。似合う。似合うね。
(ピエール瀧)うれしい!
(久米宏)ちょっともったいないね(笑)。
(赤江・瀧)(笑)
(久米宏)急に惜しくなってきちゃった(笑)。俺より似合うなと思って。
(ピエール瀧)もう脱がないっすよ!
(赤江珠緒)でも、なんか久米さんは広島ファンでもいらっしゃるとうかがいましたけど。
(久米宏)そう。僕は中内さん(ダイエー会長)っていう人がいらっしゃって。僕、サラリーマン時代にものすごい、『アルバイトの久米』って言われてまして(笑)。いろんなことをやってましてね。ダイエーのスーパーの開店って、ほとんど関東一円のスーパーの開店で全部僕が司会やってるんですよ。
(赤江珠緒)はあー!?あ、そうですか!?
(ピエール瀧)そうなんですか?
(久米宏)ええ。それで、すっかり中内さんとお付き合いが。たびたび福岡の球場に足を運んで。車を運転して博多まで行って、見て帰ってくるっていうんで、仲良くなっていただいたの。
(ピエール瀧)へー!あ、じゃあオーナー直々にっていう。から、来たやつだ。久米さんのところから僕のところに来たわけですね。最高です!
(久米宏)僕の名前が入ってるのが欠点なんですけど。
(赤江珠緒)それがいい。ねえ。むしろ。
(ピエール瀧)どんどん人のいるところに着て出かけて行こう(笑)。『あれ?久米って書いてあるけど、瀧じゃねえか!?』っていう(笑)。
(久米宏)『TAKI』に直さなきゃ。それ、マズイな(笑)。
(ピエール瀧)いや、直さない方がいいです。そのエピソードを。
(久米宏)言ってみるもんでしょ?ほしいって。
(ピエール瀧)いや、ありがとうございます!こんなにいいものをいただけるなんて。あの・・・半年後ぐらいにまたお呼びしてもいいですか?(笑)。
(赤江珠緒)親戚のおじさんじゃないんだから!(笑)。
(久米宏)ないよ、そんなに(笑)。
(ピエール瀧)ある。久米さん家にはありますって。ぜったい。こういうの(笑)。
(久米宏)冗談じゃないよ(笑)。
(ピエール瀧)引き受けますから(笑)。
(赤江珠緒)いいですね。12月になったら(笑)。
(久米宏)サイズ的に合うもの、いっぱいあるんですよ。瀧さんに。
(ピエール瀧)あ、そうですか。じゃあ・・・
(久米宏)うちね、洋服屋とも言われてまして。山のように洋服があるんですよ。
(ピエール瀧)そうですか。あの・・・お引き受けします(笑)。
(久米宏)(笑)。お腹がちょっと出てるんだよなー。
(赤江珠緒)いやー、でも久米さん、そうやってね、テレビにもいろいろご覧になって。よくね、NHKのお話とかもされてますけども。
(久米宏)あ、聞いてます?
(赤江珠緒)はい。もう、うかっておりますよ。
久米宏 ニュース番組を語る
(久米宏)NHKの人、結構聞いてるらしいんですよね(笑)。するとね、だんだん良くなってくる。9時のニュースが(笑)。だんだん良くなってきて。
(赤江珠緒)ああ、そうですか。ニュース番組ね、それこそ最近のニュース番組をご覧になっていて。どうですか?私、ちょっと思うのが個人的にはニュース番組は、ニュース番組に限っては視聴率、いらないんじゃないかな?と思うんですけど。まあ、久米さんは『ニュースステーション』でもう、すごい視聴率を取られていた番組でしたけど。どう思われますか?
(久米宏)あれはね、ここだけの話。『ニュースの番組で数字が取れる番組って成立するんじゃないか?』って、挑戦の元だったんです。ニュースが番組になるかならないか?っていうので。僕は、『ニュースだって番組になる』っていう。
(ピエール瀧)あ、ニュースってコンテンツなの?どうなの?っていうことですよね。
(久米宏)うん。そう。ニュースはあるんだけど、ニュース番組っていうのは僕はないと思っていたのね。だからニュースを素材にした番組にしたいと思って。そうなってくると、テレ朝が全部10時台の番組をどかしちゃったもんですから、責任があるわけですよ。数字を取らないと。会社の営業の問題もあるし。だからぜったいに数字を取らなきゃいけないっていうことがあったんで。いま考えると、邪道ですよね。たしかに、あなたのおっしゃることが正しいかもしれない。
(赤江珠緒)なんかね、どうしても数字を考えると、ちょっとこの、世の中に出す重要性よりも数字を取れる方のニュース、やろうかな?っていう。
(久米宏)ただいま、みんな・・・NHKさえも数字を取りたいっていうのが見えるじゃないですか。セットなんかも見ると。女の人が着ている衣装なんかにしても。『数字取りてえんだな、こいつら』って。胸、ボインが見えるような服、着ちゃって。女のアナウンサーが。NHK。日本放送協会。だから、あれですよね。みんなそう思っているから、かえってそうじゃないニュース番組作ったら、いいかもしれないですね。
(赤江珠緒)ねえ。
(久米宏)いま、みんな欲しがっているから。数字を。
(赤江珠緒)そうですね。
(久米宏)NHKなんか数字じゃないんだからさ。金、取ってるんだから。
(赤江珠緒)そうですね。NHKさんはね。本来で言うとね。
(ピエール瀧)じゃあ、あの・・・(笑)。
(久米宏)NHKの番組、出てますね。あれでしょ?言えないでしょ?NHKの悪口、言えないでしょ?
(ピエール瀧)いや、そんなことないっすよ。
(久米宏)あの会長がバカだとか、言えないでしょ?
(赤江珠緒)いや、言う必要もない。言う必要もないですよ、瀧さんが(笑)。
(ピエール瀧)そんなことはないですけど、僕が言っても全く届かないというか(笑)。でも、『ニュースステーション』なんかやっていた久米さんが、その、どっちかって言うと堅いニュースでいいってことですよね?要するにね。
(久米宏)そう思います。みんなやわらかくしちゃって。わかりやすいとかね。
(ピエール瀧)でもそれ、ニュースをひとつ読んだ後に、そのニュースに対してちょっとコメントを挟むっていうののフォーマットを作ったのってあの番組じゃないですか?それまで、なかったですもんね。ニュースに対してちょっとした、MCとか読み手がちょっと言うっていう。
(赤江珠緒)もう、久米宏さん。司会者としての、表現者としての久米宏さんの言葉を乗せるっていうのは。
(久米宏)僕、おだてられても、ダメですよ?もう、あげるものもあげちゃったし(笑)。
(ピエール瀧)フォーマットになってますし。それこそ、NHKのニュースでも最近、そういうのをちょっと入れますけども。それって最初にやっている時って、ほぼギャンブルというか。恐ろしいってことにならないんですか?
(久米宏)そりゃ、大げさな話をすりゃあね、『もしかしたら、刺されるな』と思いましたよね。
(赤江珠緒)(笑)
(久米宏)いや、本当に。
(赤江珠緒)いや、でもそうですよね。それはそうですよね。
(ピエール瀧)いや、なかなか物騒なことを言って次、パッと行く時もあるから。
(赤江珠緒)だって、不特定多数の人に。井戸端会議じゃないですからね。その人に向かって、自分の意見を言うっていうね。
(久米宏)ひょっとしたら、ちょっと命に別条はあるかもしれないなって覚悟はしましたよ。はじめ。
(赤江珠緒)相当勇気がいりますよね。
(ピエール瀧)そうでしょう。見てる人は『久米めー!』っていう人もゼロじゃなかったでしょ?だって。
(久米宏)うん。特に自由ナントカ党は・・・(笑)。
(赤江・瀧)(笑)
(ピエール瀧)とか、ねえ。そのへんで。
(久米宏)大変でしたよ。
(赤江珠緒)ねえ。それでもこの、ほがらかさというか。この明るさを失わない久米さんってすごいなって思いますよ。その状況で。
(久米宏)言い方がね、さっき言った・・・
(ピエール瀧)置きに行ったでしょ?いま、なんかすごく。
(赤江珠緒)(笑)
(久米宏)裸になってないんですよ。
(赤江珠緒)ねえ、なんで?なんで?私の心からの言葉です(笑)。
(久米宏)とりあえず言葉だけ言っているっていうね。
(赤江珠緒)違う違う(笑)。本当に(笑)。なんなんだろうな?という
(久米宏)なんなんだろうな?目つきの問題かな?(笑)。
(赤江珠緒)いえいえ。この、だから根っからほがらかさというか・・・(笑)。
(久米宏)バカだって言ってるの?(笑)。
(赤江珠緒)そう(笑)。言葉を返すとね。それはありますよね。
(ピエール瀧)たしかにそうですね。久米さんね。
(赤江珠緒)うん。だって普通、ちょっと深刻になってきたりしますもんね。やっぱりね(笑)。
(久米宏)ちょっと足りないところがあるのかもね。たしかに。
(ピエール瀧)あの、トラブッてても許せる人っているじゃないですか?トラブッてもトラブッてる様も許せる感じなんでしょうね。久米さんとかもそうですし。
(赤江珠緒)そう。だからね、久米家の家訓というか。久米さんの作られる過程の中で、どういうことが久米さんの言う時のものさしになったのかな?って。なんか家訓とか、これが自分を支えているとか、あるんですか?
(久米宏)家訓はないけどね。うちのオヤジは浅草の遊び人だったんですよ。で、うちの母親は農家を出て、なんとか生きていかなきゃいけないっていうんで。助産婦になったり、お裁縫の学校に行って免許をもらったりなんかして。浅草でオヤジに引っかけられたんですよね(笑)。
(赤江・瀧)(笑)
(ピエール瀧)簡単に言っちゃうと(笑)。まあ、ね。
(久米宏)そんへんがね、どうもね、足が地についてないっていうんですか?(笑)。
(赤江珠緒)ちょっとうっかり気味なところが(笑)。
(久米宏)2人とも、明治生まれですからね。ちょっと軽いんですよね。
(赤江珠緒)はー!久米家全体にうっかりのDNAが?
(久米宏)なんか軽いっていうかね。家出しちゃったんです。母親。農家が嫌で。
(赤江珠緒)へー!
(久米宏)『もう土にまみれて働くなんて、嫌だ!浅草行って遊ぼう!』みたいな。
(赤江珠緒)(笑)
(ピエール瀧)まあでもそれでね、旦那さん見つけてっていうことですから。そのチョイスは正解だったってことですもんね。
(久米宏)まあ、僕はいまさら口出せませんけどね(笑)。
(赤江珠緒)(笑)。そうですね。いや、えっ?もうあっという間にお時間なんですか??
(ピエール瀧)えっ?嘘!?
(赤江珠緒)早いな。早いですねー。
(久米宏)ものをあげると、早いでしょ?相当使いましたからね。スタジャンに。
(赤江珠緒)本当ですよ。瀧さんが(笑)。
(ピエール瀧)ああ、すいません。本当に。ありがとうございます。
(久米宏)あんなものに(笑)。
(ピエール瀧)僕はすごく満足してますから(笑)。
(久米宏)そうだろうと思いますよ(笑)。
(中略)
(赤江珠緒)いやー、久米さんにはもっとじっくり来ていただきたい。
(ピエール瀧)そうだね。ぜんぜん話し足りてない感じが。
(久米宏)じゃあ今度、2人だけでね。
(赤江珠緒)うん。そうですね。
(久米宏)いや、ピエールさんと。
(赤江珠緒)あ、ピエールさん?(笑)。ピエールさんか。そっちかー!(笑)。
(ピエール瀧)赤江さんはたまに気取るから嫌だって(笑)。
(久米宏)そうなんだよ。気取るの、ダメなんだよ(笑)。
(赤江珠緒)そうですか(笑)。じゃあ今度、むき出しで。内臓むき出しでお会いします!
(久米宏)内臓むき出しで。『肝臓よ』とかね、『腎臓だ』とかいろんなこと言って(笑)。
(赤江珠緒)ありがとうございました。
(ピエール瀧)いやー、本当ね、ありがたい話でしたよ。今日はね。
(赤江珠緒)本日の面白い大人、ゲストは久米宏さんでした。
(久米宏)面白い大人ってコーナーなの?
(ピエール瀧)知らなかったんですか?(笑)。
(久米宏)参ったな。
(ピエール瀧)ありがとうございました!
(赤江珠緒)ありがとうございました。
(久米宏)いいえ。スタジャン、大切に使ってください。
(ピエール瀧)ありがとうございます!
<書き起こしおわり>