久米宏さんがTBSラジオ『ジェーン・スー相談は踊る』に出演。自身の相談『最近、老化が止まらないのですが・・・』を話す中で、NHKニュースウォッチ9の問題点と、ニュースステーションとの違いについて触れていました。
テレビ評論家 久米宏
(ジェーン・スー)あの、ぜんぜん関係ない話で申し訳ないんですけど。その、好奇心ってどうやってキープするんですか?
(久米宏)・・・
(ジェーン・スー)いや、キョトンとされてますけど。その、好奇心を持っていろんな本を読む。この人が好きだ・・・
(久米宏)本は読みます。仕事の関係で。
(ジェーン・スー)まあまあ、そうですよね。番組もやってらっしゃいますけども。ビデオに録ってまで。ハードディスクに録ってまで見るとか、新しい人のこの演技はこれがいいね!っていう。好奇心がないと、やっぱり追いつけないじゃないですか。どうやって好奇心ってキープするものなんですかね?
(久米宏)僕ね、テレビ評論家になろうと思ったことがあるんです。真剣に。
(ジェーン・スー)ほー!
(久米宏)ニュースステーションをやめた後。テレビ評論家に。
(ジェーン・スー)怖えー!(笑)。
(久米宏)テレビ評論家になろうと思ったから、『久米宏ラジオなんですけど』っていう番組を作ったんです。
(ジェーン・スー)はい。あ、そこ、辻褄が合ってきたよ。
(久米宏)あれね、テレビの話をするつもりで作ったんですよ。
(ジェーン・スー)あ、『ラジオなんですけど、テレビの話をします』って。
(久米宏)テレビ番組を片っ端からこき下ろすっていう番組にしようと思って作った番組なんですよ。だけどまあ、ラジオ自体、面白いんで。テレビの、たとえば最近のNHKのね、夜9時からのニュースがひどすぎる!なんて話はしないんですよ。
(ジェーン・スー)わおー!(笑)。その話は決してしないですよね。
(久米宏)決してしない。どうしてあんなひどくなったか?なんてことはしない。
(ジェーン・スー)決してしない。
(久米宏)なんで大越さんが降ろされたか?なんて話はしない。
(ジェーン・スー)しない。
(久米宏)だから、しないんですけど。最近は。だから、そういうことですよね。テレビに対する。テレビ番組評論家になりたいと思って。
(ジェーン・スー)いまからでも、なっていただけないですかね?
(久米宏)ニュースステーションって番組はね、『テレビって何だ?』っていうのを考えた番組なんですよ。
(ジェーン・スー)ちなみに、それはどういう意味ですか?
(久米宏)あの、少し難しい話をしていいですか?
(ジェーン・スー)どうぞ。
(久米宏)『ニュースが番組になる』っていうことは、考えてなかったんです。それまで、誰も。
(ジェーン・スー)ニュースは、ニュース?
(久米宏)ニュースがプログラムになるってことはね、考えてなかったんです。ただ、ニュースを1時間20分の番組にしたかったの。で、番組にする以上は、映像とか、音楽。ピシッとしないと番組にならないんですよ。
(ジェーン・スー)なるほど。
(久米宏)ただ、ニュースをやっていた人は、どういうフレームでニュースキャスターを切り取るとか、背景のどこにピントを合わせるとか、着ているスーツをどうするとか、僕と小宮悦子さんの服がどうだとか、照明の当たり具合とか、前にあるテーブルの反射の度合いとか。そういうことを考えたことは、報道にいる人は、いないんです。
(ジェーン・スー)そこに、その概念を持ち込んだのがニュースステーションだったんですね。
(久米宏)番組として、面白くしようと思ったわけ。
(ジェーン・スー)はい。
(久米宏)だからそれで、いまのニュース9なんかを見ると、ひどすぎます。
(ジェーン・スー)それ、言っちゃったじゃん!(笑)。せっかくいま・・・
(久米宏)だって、番組としては、何も考えてないんだから。
(ジェーン・スー)なるほど。
(久米宏)カメラアングルだとか、新しくなった人の話し方をなんとかしなきゃいけないとか、テレビに出た時、いつパカッと、0.5秒でも撮られた時にどういう表情をしていればいいか?って、ニュース9の新しいキャスターに誰も教えてないんですよ。
(ジェーン・スー)それはやっぱり、教えられないと、気づけないものなんですか?
(久米宏)スタジオに入ったら、いつ撮られてもいいって思ってないと。どの角度で撮られてもOKだっていうね。
(ジェーン・スー)すっごい緊張感ですね。それは。
(久米宏)それ、考えてやらないと、番組として成立しないんですよ。だからボーッとバカみたいな顔しているところをパッと抜くの。NHKのカメラマンもバカだから。スイッチャーもバカだから。
(ジェーン・スー)(笑)
(久米宏)そこは抜くなよ!っていうところを抜くんですよ。だから、余計バカに見えちゃうわけです。
(ジェーン・スー)なるほど。
(久米宏)で、言わなくてもいいコメントを言う。
(ジェーン・スー)えっ?どういう意味ですか?言うべきコメントと言わなくていいコメントってなんですか?
(久米宏)だって、『イチローさんって、すごいですね』って、言うな!そんなバカなことを!っていう。
(ジェーン・スー)ああ、なるほど、なるほど!
(久米宏)そういうコメントは言う必要がないんですよ。誰も考えつかないようなコメントを言ってこそ、そこにいる意味があるんだから。みんなが思いつくコメントを言っても、しょうがないでしょ?
(ジェーン・スー)一視聴者ですもんね。そうしたらね。
(久米宏)そう。
(ジェーン・スー)それだったら、気の利いた一言を言うって思うから、そのチャンネルに時間になったらみんな合わせるんですもんね。
(久米宏)ただ、気の利いたコメントも、過半数に近い人が、ウィ(Oui)って言ってくれないと困るんだよね。
(ジェーン・スー)なぜフランス語なんですか?(笑)。
(久米宏)(笑)
(ジェーン・スー)なんで突然、フランス語?ウィ!(笑)。
(久米宏)だから、気の利いたコメントを90%の人がノン(Non)って言った場合ね、これはダメなんだよ。少なくとも、51%の人がウィっつってくれないと、この気の利いたコメントは気の利いたコメントにならないんですよ。
(ジェーン・スー)この・・・難しくないですか?それって。どうやって判断するんですか?
(久米宏)30%の人がね、ウィーッ!っつってくれたらいいかもしれない(笑)。
(ジェーン・スー)(爆笑)。熱烈なウィーッ!があればいいと?
(久米宏)15%の人のウィ!ウィ!ウィ!ウィ!っつってくれたらね、15%もOK。そういうことなの。気の利いたコメントは。
(ジェーン・スー)その感覚、すごいな。それ、ちょっと私、脳裏に焼き付けますわ。15%のウィ!ウィ!ウィ!を目指して。
(久米宏)僕もね、眠ろうと思ったら目が冴えて。興奮して目が覚めてきちゃった(笑)。何の話をしてたんだっけ?
(ジェーン・スー)あのですね、結局、結論として老化してないってことで。
(久米宏)あ、老化。俺が相談したんだ(笑)。
(ジェーン・スー)老化してないってことで、いいですか?
(久米宏)うーむ・・・
(ジェーン・スー)老化、してないですよ。これ。
(久米宏)どうなんだろね。
(ジェーン・スー)50、60、70。それぞれの段階でいろいろ気づく事はあったわけですよね。もちろんその老眼から始まって、足にきたり膝にきたり、いろいろあると思うんですけど。話を聞いている限り、脳が動いていれば、老化ってあんまり関係がないのかな?っていう気は・・・
(久米宏)ただ、70だからね。いつ死んでもいいと思ってますから。
(ジェーン・スー)本当ですかー?
(久米宏)もう、思い残すことはあんまりないし。
(ジェーン・スー)本当ですかー?
(久米宏)なんだよ、その口の突き出し具合は?
(ジェーン・スー)完全にいま、だってもうテレビ評論家としてのさっき、片鱗を出してしまったじゃないですか。
(久米宏)いや、NHKを責めただけだよ(笑)。
(ジェーン・スー)(笑)
(久米宏)もうちょっと番組作りを考えてもらいたいっていう。セットもひどいしね。思いつきで色塗ったみたいなセットですからね。
(ジェーン・スー)NHKのみなさん、聞いてらっしゃいますでしょうか?
(久米宏)本当、ひどい。あれ、情けなくなってきちゃった。あれがみなさまのNHKか?この野郎!と思ってね(笑)。言いたい放題。
(ジェーン・スー)言いたい放題。もうね、老化してません。相談を却下させていただくっていう、初めての行為をさせていただきます。
(久米宏)そうですか。
<書き起こしおわり>
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