齋藤孝 受験の挫折と不遇時代を語る

齋藤孝 受験の挫折と不遇時代を語る たまむすび

明治大学教授の齋藤孝さんがTBSラジオ『たまむすび』に出演。大学受験に失敗して考えたことや、大学院時代の不遇だった思い出について話していました。

(玉袋筋太郎)はい。でも先生、これね、その2で。『人生ってなに?大学受験』って。東大ですもんね。初めてのこの挫折って、やっぱりあるんですね。

(齋藤孝)ねえ。まあね、運動部ばっかりやってたんでね。しょうがないって言えばしょうがないんですけどね。ちょっと自己認識とズレてましてですね(笑)。実際にちょっとまあ、勉強が足りてなかったんですけども。でも、勉強が足りてないって解釈しないで、なんかね、人生とは何か?に入っちゃったんですね。

(玉袋筋太郎)来ました!

(齋藤孝)とにかく、人生とは何か?人生論をね。トルストイの『人生論』とかですね、たくさん人生論ばっかり読んでいるっていう、的はずれな道に(笑)。

(玉袋筋太郎)(笑)

(齋藤孝)それで、ちょっと『人生とは何か?幸福とは何か?』について考えつめるという日々を送っておりましてですね。もうちょっと、そこの頃に考えすぎてですね。

(玉袋筋太郎)こじらせたわけですね。

思い切りこじらせる

(齋藤孝)そう。思いっきりこじらせて。大学入っても、その傷が癒えないでですね。その後、ずーっと考えすぎちゃってですね。仕事に就きそこねたっていう事がありましてですね。人生について考えすぎて、職に就くのを忘れたというかですね。大学院に行ってもっと考えよう!っていう風になっちゃったんですね。

(玉袋筋太郎)はー!

(阿部哲子)何やら、結婚された後も、奥さんが働いて、齋藤さんの勉強を応援されたっていう。

(齋藤孝)ああ、そういうこともありましたですね。僕が結婚をした時には、まだ私、大学院にいましたんでね。大学院っていうところはですね、お金をくれないところでして。むしろ、払うところだっていうことに気づくのが遅くてですね(笑)。そこにいた期間がまた長いんですよ。すごい(笑)。

(玉袋筋太郎)ええ、ええ。

(齋藤孝)ですので、まあそんなこんな。自分の友達はどんどんどんどん仕事をしているわけなんで。非常に焦りがあったわけなんですよね。東大法学部の友達って、どんどん出世していきますんでね。

(玉袋筋太郎)そうでしょう。

(齋藤孝)私だけ、職に就いてないということでですね、『おかしいな?志が強すぎて仕事しないって、どういうことなんだろう?』って(笑)。

(玉袋筋太郎)そうですよね。妥協点はあるはずですよね。妥協しないですねー!

(齋藤孝)ねえ。それで、もうこれは論文書いてね、やらなきゃダメだということで論文を書きまくって。ここでようやく、また星飛雄馬のような感じになって。論文はたくさん書きゃいいのかってことで。たくさん書いてみたんですね。したら、明治で拾ってくれまして。

(玉袋筋太郎)はー!

(齋藤孝)そこで教えた時に初めてね、なんかこう、ちょっとした悩みからですね、開放されたというか。やっぱり自分の考えていることを言う相手がいるっていうのはすごいうれしいことなんですね。

(玉袋筋太郎)ああー、そうですね。

(齋藤孝)聞いてくれる人がいるっていうのは、うれしいんで。もう、爆発しちゃって。いまでも夏休みが終わると、最初の授業は爆発しちゃうんですね。

(玉袋筋太郎)(笑)

(齋藤孝)もう、授業がなくて、エネルギーが溜まっちゃってるんで。月曜の授業もそうですね。土日とかで溜まってるんで。ドーン!みたいな。

(玉袋筋太郎)(笑)。ちょっと濃い目のが。

(齋藤孝)濃い目のが(笑)。ドカーン!って。本も、出しても出しても、なんか出し足りないみたいな。

(玉袋筋太郎)すっごいなー!

(齋藤孝)本ってすっごい出したかったんですよね。若い頃に。20代の頃に出したかったんですけど、20代ってなかなか出させてもらえませんよね。で、なんかブレイクしたのが40才ぐらいだったんで。もう、20年ぐらい遅い感じがしたんですよ。自分としては。

(玉袋筋太郎)ふんふんふん。かなりの周回遅れ。

(齋藤孝)そうそう。20年分を出さなきゃ!みたいな。

(玉袋筋太郎)へー!でも、やっぱり本とかを書いちゃうと、俺なんかはほら。才能なんかはすぐ枯渇しちゃうから。もう出がらしだと思っちゃったりするんですけど。やっぱ、その溜めが。

(齋藤孝)溜めがね。20年の溜めが大きいのとですね、出したら出したで、またもうちょっということがあるな、みたいな感じになるんですね。

(阿部哲子)枯れない泉みたいな。

(齋藤孝)そう。論文書いた時にそれね、気がついたんですよ。論文1本書くと、2つぐらい書きたいことが見つかるんですね。で、また1本書くと、また2つぐらい見つかるっていうんで。延々とこれは書けるもんだなっていう。

(玉袋筋太郎)すげー。

(齋藤孝)気がついてですね。書けば書くほど、もしかしてあるんじゃないか?みたいな。で、偉い先生って、フロイトでもマルクスでも柳田国男とか、ああいう偉い人って、全集が異常にたくさん出てるんですよね。

(玉袋筋太郎)おおー、はいはいはい。

(齋藤孝)いいんだ、みたいな。たくさん書いて、みたいな。

(玉袋筋太郎)かー!それね、やっぱりこの間、いとうせいこうさんと会った時も、いとうせいこうさんも言ってたな。『もう書きたくてしょうがねえんだ』『えっ?枯れること、ない?』『枯れることなんかないよ。次から次へと書きたいんだ』っつって。言ってましたけども。

<書き起こしおわり>
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