映画監督の樋口真嗣さんがTBSラジオ『たまむすび』に出演。樋口さんが映画界に入ったきっかけについて話していました。
(玉袋筋太郎)いや、だけど映画の世界に潜り込んだっていうのが、いいですよね。監督。
(小林悠)いろんな伝説をお持ちのようで。
(樋口真嗣)いや、もう当時ね、映画界は僕が入った30年ぐらい前って、どん底だったわけですよ。何をやっても、日本映画ってダメだって。みんな、『日本映画なんか見ない』ってバカにしているような時代で。で、そういう時に、もう撮影所に行っても、誰もいないんですよね。誰もいないし、誰も映画撮ってない。やっているの、CMをちょこちょこっとやっているぐらいで。
(玉袋筋太郎)はい。
(樋口真嗣)で、そこにうちの叔母がCMの、消えものってあるじゃないですか。
(小林悠)食べ物とか?
(樋口真嗣)食品系のCMのそういうものを作る仕事をしていて。で、連れられて撮影所に行ったら、『うわっ、これ東宝って、ゴジラとかやっていたところじゃん!』みたいな。
(小林悠)(笑)
(樋口真嗣)で、小学生の頃、それで叔母が仕事をしている隙にウロウロしているうちに、そこのおじさんたちと仲良くなって。で、『また来いよ』って言われて、その社交辞令を鵜呑みにする癖があって。
(小林悠)(笑)
東宝撮影所のおじさんたちと仲良くなる
(樋口真嗣)で、その後、学校サボッて行っちゃったりするわけですよ。そうこうしているうちに、『じゃあ、手伝え』みたいなのとか。あと、パシリですよね。『あれ買ってこい』みたいな。『タバコ買ってこい』『はい、わかりました!』っつって、こう、中学生になり、こう、タバコ買ってきて。
(小林悠)中学生で。
(樋口真嗣)自分は吸わないですよ。で、そのうち、夜の5時ぐらいになって、仕事が終わって飲み会が始まると、『じゃあツマミ買ってこい』みたいな。で、小遣いをもらって行くわけですよ。で、みんないままで、撮影所の近所の酒屋にある乾き物しか食べてないんです。
(玉袋筋太郎)さきイカだとか。
(樋口真嗣)チーズ鱈とか。言っても、ホテイの焼き鳥の缶。それ、ストーブの上で温めて、みたいな。そこで、『なんでこれでいつも、飽きないのかな?』と思って。ふと、撮影所から成城学園の駅前まで行くと、ケンタッキーフライドチキンがあったんですよ。で、そこでバケツを買って行ったら、そこにいるおじいさんたちが食べたことなくて。ケンタッキー。
(小林悠)なんだこれは!?と。
(樋口真嗣)『美味い美味い!』ってみんな、こう・・・
(小林・玉袋)(笑)
(樋口真嗣)『樋口、これ美味いぞ!』みたいな。
(小林悠)かわいいー!(笑)。
(玉袋筋太郎)ケンタッキーが。へー!
(樋口真嗣)で、それで『樋口、やるな!』って。別にケンタッキー買ってきただけなのに。
(小林悠)『あいつは出来る』と。
(樋口真嗣)勘違いされちゃって。
(小林悠)それがアルバイトのきっかけになったんですか?
(樋口真嗣)いや、まだ本当は実は放送できないことがいまから3分ぶんぐらいあるんですけど。
(小林・玉袋)(笑)
(樋口真嗣)それを飛ばしましてね。
(玉袋筋太郎)すごいねー!
(小林悠)でも手、ギトギトになりそうな感じしますけどね。でも、そんなエピソードもあったわけですね。
(玉袋筋太郎)さあ、どれ行こうか?
(小林悠)しかし、それがいまの監督業につながっているわけですけども。
(樋口真嗣)いや、ぜんぜんつながっていかないんですよ。これ。まったく別なんですよ。
(玉袋筋太郎)へー!
(樋口真嗣)別に映画監督になろうとか、映画のスタッフになりたいとか、ぜんぜん思わなかったんですよ。ただ単に、撮影現場を見ているだけで幸せだったんですけど。
(小林悠)それがどうして生業になったんですか?
(樋口真嗣)最初のゴジラ、84年にゴジラがまた作られるってなった時に、宣伝で、それこそいまこういう風に入構証をみんなね、持って。それ、宣伝でやっていたんですよ。IDカードがないとスタジオに入れませんって。見学者だから、持ってないんですよ。『どうやったらそれが手に入るんだろう?』ってみんなに相談したら、『じゃあ、こっち書いて、ここにサインして』みたいなので、そのままアルバイトで入ることになって。
(玉袋筋太郎)ほー!そっから現場ですか。
(樋口真嗣)ええ。
(小林悠)(笑)。じゃあ、やっぱり見学したりして・・・
(樋口真嗣)だから本当、いまだにそうなんですよ。すごい撮影が見たいだけなんですよ。すごい撮影が見たい!っていう一心でやっていくと、マンガ読んだ『進撃の巨人』の本当、最初の頃を読むと、表紙からして、見たことないぐらいすごいわけですよ。
(小林悠)ええ。
(樋口真嗣)まあ別に、それ撮影するつもりもなんにもないけど、これすごいな!と思って、手にとって読みだしちゃって。で、これの撮影現場、どうなるんだろう?って。いまだにやっぱり。
(玉袋筋太郎)それをやっぱ実写化っちゅーかね。するっていうのは、やっぱりかなりハードル高いですもんね。それを自分に課して、クリアするっつーのはすごいじゃないですか。
(小林悠)すごいですよ。
<書き起こしおわり>
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