町山智浩 著書『狼たちは天使の匂い』を語る

町山智浩 著書『狼たちは天使の匂い』を語る たまむすび

町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』に出演。自身が中高生の頃に見まくった70年代アクション映画の世界を書いた著書『狼たちは天使の匂い』を紹介していました。

(赤江珠緒)さあ、今日は本題に入る前に、町山さんの新刊本のお話と。

(町山智浩)はい。だいぶ前に出た本なんですけど。6月に出た本で、『狼たちは天使の匂い』というタイトルの、なんだそれ?っていうようなタイトルの本を出しまして。それをリスナーの方々にプレゼントしたいんですが。その本、僕が映画をものすごく見るようになった時がありまして。中学生から高校1年にかけて、毎日3本くらい見てた時があるんですよ。

(赤江珠緒)ええっ?

(町山智浩)で、その頃に見た映画の思い出話なんで、まあ、ジジイの繰り言ですけど。はい(笑)。ただ、僕が中学生ぐらいの時はちょうどチャールズ・ブロンソンとかが大スターでですね。もう本当に中年。50才前後のオヤジたちが殺し屋とかギャングとかアウトローの刑事とか。そういうのをやっていた映画がすごく作られていて。

(赤江珠緒)はい。

映画は不良のものだった

(町山智浩)なんて言うのかな?1970年代なんですけど、その後、スターウォーズとかが出てきてですね、映画が変わっちゃうんですよ。ガラッと。ファミリー向けになるんですよ。はっきり言うと。ところが、僕が見ていた頃っていうのは、映画はものすごく不良のものだったんですよ。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)もうかならず、おっぱい出てきましたね。

(赤江珠緒)(笑)

(山里亮太)あ、そうなんですか?

(町山智浩)はい。もう麻薬と殺しと、そんな映画ばっかりでした。それを僕、中学ぐらいの時にオヤジに見せられてずっと見ていたんですけども。その後ね、ダイ・ハードとか、アクション映画でもシュワルツェネッガーとかスタローンの、楽しい・・・人が100人ぐらい死んでもなんか楽しいわ!っていう映画になっていくんですね。80年代のアクション映画っていうのは。それがね、70年代は人が1人死んだだけで、もう絶望的な気持ちになる、強烈な映画が多かったんですけども。

(赤江珠緒)ええ。

(町山智浩)それをね、僕が思い出してまとめた本で。中学ごろのトラウマ映画本なんですけども。で、『狼たちは天使の匂い』っていうタイトルは『狼は天使の匂い』っていう非常に素晴らしいフランス製のギャング映画がありまして、そっから取っているんですが。まあ、ちょっといつも話しているような内容とはぜんぜん違うですね、昔、こういう映画がありましたという本で。まあ、僕の原点なんで。あの・・・そんなこと知ったこっちゃねえよ!と思う人もいると思いますが(笑)。

(赤江珠緒)(笑)

(町山智浩)あの、いやがらせのようにプレゼントしたいと思います。

(赤江珠緒)でもね、町山さん、やっぱりその中学時代のいちばん多感な時にご覧になった映画って、いま見るとまたちょっと感じ方とか違うもんですか?

(町山智浩)いや、もうとにかくウチのオヤジはどうしてこんなものを12才ぐらいの俺に見せてたんだろう?って頭が痛くなりましたね。

(赤江珠緒)(笑)

(山里亮太)たしかに、麻薬とギャングとおっぱいの作品を。普通だったらね、避けますよね。

(町山智浩)そうですよ、もう。。

(赤江珠緒)たしかに、どうしたかったのか・・・

(町山智浩)なんでこんなものをオヤジは俺に見せたんだろう?と思って(笑)。頭痛くなりました。

(山里亮太)その英才教育の甲斐あっていまの町山さんが出来上がっている感じ、しますけどね。

(町山智浩)どんな英才なのか、よくわかんないですけど。はい(笑)。

<書き起こしおわり>

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