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町山智浩 ブリオナ・テイラー殺害事件を語る

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町山智浩さんが2020年9月22日配信の『町山智浩のアメリカ特電』の中でブリオナ・テイラー殺害事件についてトーク。なにが問題とされているのかを話していました。

(町山智浩)でそのレジーナ・キングさんが『ウォッチメン』でエミー賞を受賞した時にTシャツを着てたんですけども。そのTシャツがブリオナ・テイラー(Breonna Taylor)さんのTシャツなんですよ。で、このブリオナ・テイラーさんという人のTシャツをレジーナ・キングさんが着ていたんですけども。

この人は警官に殺された黒人の女性ということで、Black Lives Matter運動のアイコンになっているような人なんですね。こういう風に『Vanity Fair』の表紙にもなっていますけども。いろんな雑誌の表紙にもなっています。で、この人の顔のTシャツをレジーナ・キングさんが着ていたんですけども。この人の名前を大坂なおみさんはマスクに書いてましたね。USオープンの試合の最中にね。

で、このブリオナ・テイラーさんは非常に、本当に悲劇の人なんですけど。今、その大坂なおみさんがマスクをして試合してると「あんなもの、殺された黒人なんてみんな犯罪者じゃないか!」とか言ってる人がいて。でも、ブリオナ・テイラーさん、犯罪者じゃないですから。本当に。この人、ブリオナ・テイラーさんは救急病院で働いていた人ですよ。救急救命の……だからERみたいなものですよね。救急救命病院の職員だったんですよ。

ブリオナ・テイラーさんは犯罪者ではない

で、なぜこの人が警官に殺されてしまったのか?っていうことなんですね。でも、それについてはほとんど日本では報じられていない。この人が誰だったか、どういう人だったか、ほとんど報じられてないんですよ。それで「犯罪者だ!」とか言ってるんですけど、それは全然違うんですね。ブリオナ・テイラーさんていう人は麻薬捜査の警察官たちに間違って殺されたんですよ。

夜、自宅にいて。彼氏と一緒に寝てたんですね。映画を見て寝ていて。それで夜中の0時にいきなりドアをガーン、ガーン、ガーン!ってやられて。で、破城槌っていうんですけども。まあ、ハンマーみたいなものがあるわけですよ。杭みたいな。それでドアをバン!ってぶち破られて、警官が部屋の中に入ってきた。で、その時にブリオナ・テイラーさんの彼氏、ボーイフレンドは「彼女の元カレが部屋に入ってきたんだ」と思ったんですね。で、それに備えて彼女の今のボーイフレンドは拳銃を持ってたんですよ。危ないから。

なぜならば、そのブリオナ・テイラーさんの元カレって麻薬の売人だったんですよ。で、彼女とヨリを戻そとして、その元カレが何度も彼女のアパートに来てたんですね。で、だから拳銃を持って備えていたんですよ。で、部屋にバン!って警官が入ってきたんですけど、その時に警官たちが私服だったですよ。全員私服で。防弾チョッキも何もしていなかった。「POLICE」ってどこにも書いてなかったんですよ。

で、警察側は「ポリスと言った」っていう風に証言をしているんですけども、そのアパートの他の住民たちは誰も「ポリス」って聞いてない。1人だけ「ポリスっていうのを聞いたような気がする」って言ってるだけで、基本的には誰にも聞こえていないようなレベルでしか言ってなかったんですね。だから全く、普通の私服を着た男たちが突然、ドアを破壊して入ってきたんで。

それでそのブリオナ・テイラーさんの彼氏は撃ってしまったんです。で、警官の膝を撃っちゃったんですね。でも、そこまでだったら大したことじゃなんですよ。ブリオナさん自身はその時、危険だからドアの方にはいなかったです。アメリカの家って、この彼女のアパートが僕が昔、住んでたアパートに非常にそっくりなんで。印象深いですけども。間取りを書くと……(ホワイトボードに間取りを書く)こういう間取りになってるんですね。

ここにドアがあって、ここにベッドルームがあるみたいな感じ。ベッドルームがあって、ベッドがあって。そのベッドのところに大きな窓があって、こちら側に駐車場があって……っていう。パーキングなんですね。で、このドアのところから警官が入ってきて、彼がこのドアのところで銃を撃って。ここで警官との撃ち合いになる。これ自体は大した問題じゃなかったんですけども。で、一番の問題はこの銃声を聞いて駐車場にいた警官がパニックを起こしちゃったんですよ。

で、このブリオナ・テイラーさんのベッドルームの窓に向かってめくら撃ちで10発、撃ち込んだんですね。で、そのあたりにブリオナさんがいたので、ブリオナさんに銃弾が8発ぐらい当たって、彼女は亡くなったんですよ。これがブリオナ・テイラー事件なんですね。だからこの駐車場にいた警官は非常に問題なんですけども。ただ、普通この状況だと完全にこの警官のミスなので。だって確認もせずに撃ってますからね。普通は逮捕されて起訴されるのに、それがされなかったんですよ。地元警察が。

この事件が起きたのはケンタッキー州ルイビルっていうところですけども。だから、問題になってるんですよ。で、なんで警察がこんなことをしたのか?っていうと、そのブリオナさんの元カレが麻薬の売買をしてて。その元カレのやっていた麻薬組織みたいなものを一斉検挙するっていう作戦を警官が立てていたんですね。で、その時にこのブリオナ・テイラーさんの部屋にその麻薬の売人だった元カレがしょっちゅう出入りしてたんで。「部屋に物的証拠がある」と思ったんですね。

お金とか、麻薬とかこの部屋にあるんじゃないかと思って、それを押さえるっていうつもりだったんですね。で、その元カレの方は別の場所で逮捕されているんですけども。その元カレとブリオナ・テイラーさんがまだ付き合ってると警官は思っていたんですよ。その部屋の盗聴とかしまくってたのにね。で、その部屋にいるのは彼女1人だと思っていたんですね。で、部屋に入って物的証拠をおさえようとしていたんですけども。ここでまず、警官のやり方に非常に問題があって。ノックなしなんです。ノックなしで部屋のドアをぶち破っているんです。

もしブリオナさん1人だと思っていたのなら、ノックなしで女性の部屋に突入するっていうこと自体がおかしいんですね。だから実際にこのノックなしの突入に関しては許可は出ていないんですよ。取り消しになっているんです。そして、警官は名乗っていないんですね。だから完全にいろんな警察のミスがあって。さらに、実際にめくら撃ちして射殺しちゃった警官が起訴されなかった。それで大問題になったんですよ。「なんだ、これは?」って。

ミスを重ねて射殺した警官が起訴されない

「亡くなったのが黒人女性だったら、その警官を罰しないでいいのか?」っていうことで、みんな怒っていて。で、アメリカ全土でBlack Lives Matterのデモがブワーッと噴出して。5月末のことでしたが。それでやっと6月にこの警官はクビになったんです。でも、その警官はまだ起訴されていないんですよ。これに対して「どう考えてもこれはおかしいだろ?」っていうことなんですよ。

「もし、これが白人の人が射殺されていたんだったら、絶対に起訴されてるだろう」っていう。で、つい先週、12億円の賠償が町から約束されたんですね。ただ、これは「遺族に対して支払う」という形ではなくて、「こういうことが再発しないようにするための予算」っていうことなんですよ。それが12億円。ただ、これがすごくおかしいのは、最初はその警官を撃ったブリオナ・テイラーさんの彼氏を逮捕して、その彼を有罪にしようとしていたんですよ。地元警察は。「彼が撃ったからこういうことになった。彼が悪いんだ」っていうことにしようとしたんですね。

ところが彼はちゃんとしたライセンスを持って銃を所有していて。なおかつ、警官側が名乗らないで突入したことが分かっていて。それが報道されたんで、慌ててその彼に対する起訴状を取り下げてるんですよ。地元警察は。地元警察は、最初にその彼を犯人にでっち上げようとしてたんです。それで大問題になっていったということがわかってもらえるといいかなと思いますが。

詳しいことはいろんな雑誌に出てるんでね。アメリカの方ではね。もう検証がほとんど終わって。だからもちろん、その警察と市が12億円を払って再発防止に努めると決めたってことは、内部調査がほとんど終わって。「警官側のミスだった」ということが分かったわけですけれども。ただ、じゃあその犯人の警官を起訴するのか?っていうと、それはまだしてないという状態でね。間違いを認めながら、起訴をしないっていうのはどうなってるのか?っていうことになってますね。

まあ、そういうことも調べないで……というか、日本ではあまり報道されてないんでね。調べないで、大坂なおみさんのマスクを見て「犯罪者だ!」とか言っているのは本当に「どうかしてる」としか言いようがないですが。はい。

<書き起こしおわり>

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