吉田豪さんがMXテレビ『モーニングCROSS』に出演。キノコホテルがカルメン・マキさんの『ノイジー・ベイビー』をカバーしたことを発端とした騒動について、現在までの状況をまとめて紹介していました。
【6/23(火)OA後のCROSS】 ゲストは三木哲男さん&山口真由さん&吉田豪さん #クロス pic.twitter.com/lKwQKSvq6E
— モーニングCROSS (@morning_cross) 2015, 6月 23
(堀潤)さあ、続いて、最後に豪さん、お願いします。
(吉田豪)はい。『カルメン・マキ キノコホテル騒動』。
(脊山麻理子)『歌手のカルメン・マキさんがTwitter上で自身の歌う曲、「ノイジー・ベイビー」をめぐり、女性4人組バンド、キノコホテルのメンバーとトラブルになる事態が発生しました』。
(堀潤)キノコホテルさん。僕、初めて聞いたんですが。最近出てこられた?
(吉田豪)いや、そこそこキャリアがありますね。
(堀潤)あ、結構キャリアがある。はあ。『ノイジー・ベイビー』っていうのはどんな曲?ということで・・・(カルメン・マキ版が流れる)これ、原曲。カルメン・マキさん。
(吉田豪)はいはい。
(堀潤)かっこいいですね。カルメン・マキさんね。(キノコホテル版が流れる)こっちがカバー?
(吉田豪)ずいぶんワイルドな感じで。
騒動の発端
(堀潤)あ、いまっぽいですね。かっこいいですね。こちらも。いいじゃないですか。ただ、トラブルの発端はキノコホテルの演奏を偶然見ていたカルメン・マキさんが『あれ?これ、私の曲だ』と。なんの断りもなく自身の曲をカバーをしていることを知り、憤慨。『人の曲をカバーする時は、歌手にも一言報告するのが常識』とTwitterで批難。それに対してキノコホテル側はTwitterで『著作権者である作詞・作曲者にはちゃんと承諾を取っているのに。面倒くさいから、二度とこの曲、やりません』とツイートしたことで音楽業界関係者やミュージシャンを巻き込んだ議論に発展したということで。
(吉田豪)まあ、正確には最初、偶然見た時に、『あまり知られていない自分の曲を、こうやってやってくれているのはうれしい』みたいな感じで喜んでいたんですけど。
(堀潤)あ、よかったよかったと。
(吉田豪)そのうちに、Twitter上で、『あれ、ずっとキノコホテルの曲だと思ってました』とか言われて、『はっ!?』ってなったりとかするうちに、『そういえばCDも送ってきてもらってないし・・・』って。だからCD出てたことを知らなかったんですよ。
(堀潤)なるほど。Twitterのコメントでちょっと怒りが増幅していくっていう(笑)。
(吉田豪)で、その増幅された果てに、その、ね。『面倒くさいからやらない』ってその言葉に対して、『リスペクトは無いのか?』ってなっていった流れなんですね。
知らない人は全く知らない話、カルメンマキさんとキノコホテルのツイッター騒動をテレビで報じる吉田豪さん。騒動をリツイートしただけで悪者にされたのか。気の毒に。 #クロス pic.twitter.com/wcJrghsMf1
— 元ちゃりまま (@atkshibuya) 2015, 6月 23
(堀潤)へー。本人同士もメッセージのやり取りみたいなのはあったんですか?
(吉田豪)いや、やってないですね。ええ。キノコホテル側がもうほぼ、そこには触れないようにしてて・・・っていう。で、カルメンさんがちょっとエキサイトしている状態です。
(堀潤)まあでもこれは、だから手続き上は著作権者に対しては仁義を切ったと。あとはその、歌を歌っている方には、これ、なんで行かなかったんですかね?
(吉田豪)まあ、あとは筋道論みたいな感じで。正直僕、どっちの気持ちもわかるっていうか、どっちも正しいことを言ってるんですよ。だからその筋道論で言うと、僕、コンピレーション盤。CDを作ったりとか、ボーカロイドのカバー集の選曲を手伝ったりとか、何度かしたことがあるんですけど。その経験で知っているのが、要はレコード会社関係って、いわゆる権利をちゃんと取れば、それ以外の部分には、下手に触れると出せなくなることがたまにあるんですよ。
(堀潤)へー。
(吉田豪)本来だと、そのまま出せるのが、『じゃあ歌手の人にも一応、筋を通そうか』と思ったら、『僕は嫌です』って言われたら・・・『嫌だ』と言われたら、もう出せなくなっちゃうじゃないですか。
(堀潤)そうか。法律的には、もう十分クリアしてるんだけど。あとはその本人の気持ち次第。
(吉田豪)だから、ヤブヘビみたいになっちゃうから。だったらそこは触れないで出して、後でなんかあったら謝ろうみたいになっちゃっているっぽく僕は見えたんです。
(堀潤)究極の話、訴訟リスクを考えると、ぜったいに負けないよっていうことですね。
(吉田豪)そうです。筋を通すっていうか、許可はちゃんとできているんでって。で、実際にそういうの、何度か見たことがあって。元すかんちのローリーさんっていう人が『キャンディ・キャンディ』のカバーを録ったんですよ。それはもちろん権利も取って、さあ出そうとした時に、あれってちょうど原作者と漫画家がモメてて・・・っていうのがあって。だからイラストとかは使えないんですけど、イラストを使わなきゃ出せるはずなのに、そのへんを気を使っちゃってレコーディングしてるのにお蔵入りになったりとか。
(堀潤)はー!
(吉田豪)意外とそういう出せなくなっているカバー曲ってすごい多くて。って考えると、下手に触れずに許可だけ取って出しちゃおうになっているんだと思うんですよ。その結果がこれだろうなと。
(堀潤)なるほど。
(吉田豪)で、僕ちなみにその騒動を最初から見ていて、Twitterでずっとリツイートしてたんですよ。両方の言い分を。その結果、気がついたら『なにやら吉田某という人が裏で本件を扇動しているようですね』とカルメン・マキさんが突然言い出して。
(堀潤)あ、マキさんが、吉田さんがこう、黒幕なんだと。
(吉田豪)両方をただリツイートしてただけで、僕一切コメントしてなかったんですけど。『昔はこういう人のことを芸能ゴロと言いました』と(笑)。芸能ゴロ認定が入ったという(笑)。
(堀潤)いわれなき批判を(笑)。そうですか。カルメンさん、違うそうですからね。ちょっと誤解がありますよ。
(吉田豪)(笑)。まあ、芸能ゴロでもいいんですけどね。
(堀潤)そうですか。まあでも、著作権をめぐる問題というのはクリアされていたとしても、感情面で・・・
(吉田豪)そうなんですよね。
(堀潤)これ、どうですか?でも、訴訟などに発展した場合ですよ、仮にです。こういったのはどういう判例が出るんでしょう?
(弁護士 山口真由)いや、著作者側が・・・もう、作詞・作曲家というのが権利を持ってますよね。で、歌手の方は、まあ著作権法上、そういう権利を持ってないわけですから。それを法律上カバーしようって動きはあるかもしれないですけど。これって別にキノコホテルの側に法律上、何ら落ち度があるとは思えないですけどね。
(堀潤)うん。なるほどね。
(婦人公論元編集長 三木哲男)いま、出版でも多いですよ。だから著作権が切れていて、出せるってわかっても、遺族のところに行ったら『出さないでほしい』って言われたら、出せないんですよ。やっぱり。
(堀潤)ああー、まあまさにこの間の『絶歌』が・・・
(三木哲夫)『絶歌』がそうで。あれ、行かなかったでしょ?あれ、行くとですね、当然『出さないでくれ』って。出す前に記者会見されちゃったら、出せませんから。だからあれは強行したんだと思います。
(堀潤)うーん。まあそれはあとは社会が判断するっていうところですよね。
(三木哲夫)そうですね。
(堀潤)豪さん、これ落とし前、どうつけていきそうですか?
(吉田豪)あの、Twitter上ではもうね、『キノコホテルとカルメン・マキを呼んで吉田豪司会でイベントをやれ』とか・・・
(一同)(笑)
(吉田豪)どこまで巻き込まれるんだ?っていう(笑)。
(脊山麻理子)『双方にとっていい宣伝になったんではないか?』っていうコメントがね、さっき来てました。
(吉田豪)両方知らないでツイートしてるのが多かったので、結果、聞くきっかけにはなったと思うんですよ。
(堀潤)たしかにね。いや、でも知的財産権、著作権の話はこれから、自由貿易の話も含めて焦点ですからね。ぜひ、注目してください。ありがとうございました。
<書き起こしおわり>