愛川欽也 昭和九年会の仲間たちとの思い出を語る

愛川欽也 昭和九年会の仲間たちとの思い出を語る たまむすび

愛川欽也さんが2013年9月にTBSラジオ『たまむすび』に出演した際の書き起こし。芸能界の昭和九年生まれが集まった、昭和九年会の仲間たちについて、話をしていました。

(玉袋筋太郎)いやー、でも愛川さん、やっぱり番組でグルメとかああいうのにこだわったのって、僕、愛川さんからかな?って思ったんですよ。荻窪のラーメン屋さんとか。

(愛川欽也)俺、荻窪で天ぷら屋やって潰したんだよ。

(玉袋筋太郎)(笑)

(愛川欽也)でね、そん時にね、この話だけでも25分は語れるんだけど・・・

(玉袋筋太郎)あ、やべー(笑)。

(愛川欽也)何にする?なんでもいいから。何がいちばん聞きたいの?

(玉袋筋太郎)いや、これ、どうですかね?じゃあ、うつみ宮土理さんの話を・・・

(愛川欽也)うつみ宮土理さん?今日もなんか、元気に稽古してるよ。いま、芝居をやっているから。

(玉袋筋太郎)キンキン・ケロンパ シャボン玉こんにちはですよ!ええ。

(愛川欽也)すごいよー、元気だよー。

(小林悠)もうご結婚、何年目ですか?

(愛川欽也)どうも数が数えられないんだけどね、35年は過ぎていると思うよ。

(玉袋筋太郎)すごい!ねえ。オシドリ夫婦。

(愛川欽也)普通は25年ぐらいでカタつくよね?

(小林悠)カタつくって(笑)。玉さんは何年ぐらいですか?

(玉袋筋太郎)おなじ昭和九年会のね、長門さんところもカタついちゃったし。

(愛川欽也)だけど、昭和九年会っていうの知ってる?

(玉袋筋太郎)知ってます!

伝説の昭和九年会メンバー

(小林悠)これ、何の会なんですか?昭和九年って。

(玉袋筋太郎)昭和九年生まれの人たち。

(愛川欽也)ほとんど死んでるんだよ。もう。

(玉袋筋太郎)そう。いま、絶滅危惧種ですからね。

(愛川欽也)そう。

(小林悠)あ、大橋巨泉さん。

(愛川欽也)あ、これは生きてるよ。

(玉袋筋太郎)生きてます。生きてます。

(小林悠)いやいやいや、もちろん。もちろん。いま、リストを読んだだけ・・・

(愛川欽也)誰?

(玉袋筋太郎)あと、おひょいさんですよね。

(愛川欽也)あ、おひょい。おひょい、生きてるよ。かすかに呼吸してる。

(玉袋筋太郎)うん。かすかに(笑)。ええ。

(愛川欽也)他、あと誰?

(玉袋筋太郎)まあ、(坂上)二郎さん、亡くなっちゃいました。牧伸さん(牧伸二)もこの間、ちょっとね、悲しい死に方されちゃって。初代引田天功さんもそうだったんですか?

(愛川欽也)そうなんだ。初代引田天功ってね、いちばん先だった。それと、藤村有弘が。日活の。

(玉袋筋太郎)あ、藤村有弘さん。

(愛川欽也)タモリが生まれるのは、藤村有弘がインチキな英語を使ってて。

(玉袋筋太郎)四ヶ国語麻雀ですよね。

(愛川欽也)そうそう。それを真似していたのがタモリ。

(小林悠)ああ、そうなんですか!

(愛川欽也)でも、死んじゃった。

(玉袋筋太郎)玉置(宏)さんも、そうだ。

(愛川欽也)玉置さんもそう。玉置さんっていうのは、あれだよ。川崎のあっちの方にいるんだね。住んでる。あのそばが、有名な、特別なお風呂屋さんがあって。

(玉袋筋太郎)特浴があるところ。

(愛川欽也)特別なお風呂。みんなでね・・・あ、その話は・・・

(玉袋筋太郎)いや、いいですよ。いいですよ。

(小林悠)ぜひぜひ。

(愛川欽也)何しろ、ロクなもんじゃないから。みんなで遊ぼうよ!って。昔はね、俺たちの先輩。まあ、オヤジたちっていうのは、たとえばどっかでね、料理屋で芸者さん相手にね、都々逸のひとつも歌えるようなのが、その筋のオヤジだったの。俺たちさ、わかんないだろ。そういうものは。

(玉袋筋太郎)はいはい。

(愛川欽也)そこで、まあくっだらない話をしてるんだけど。当時もうすでにね、引田天功。一代目のね。あいつは心臓病だから。で、まあその川崎に行くわけだ。で、行くのに車がね、二郎さんところの車があって。これが割とデカい中型のワゴン車なの。それで、玉置があのへんに住んでるんだよ。なんか、オヤジが商売していて。で、『玉置、お前は行かない方がいいだろ?近所でさ、お風呂に入るの』っていうんだけど、行くんだよ。あいつは。

(玉袋筋太郎)あらららら!

(愛川欽也)やっぱり、行きたいんだよ。

(玉袋筋太郎)一週間ぶりのご無沙汰で。

(愛川欽也)そうすっと、上がパタンと開くんだよ。二郎さんの車の。そこから二郎さんは顔を出してさ、それで、『これから九年会、お風呂に入りに参ります!』って。『バカヤロー!お前!』ってことで。で、バーッと行って・・・

(玉袋筋太郎)(爆笑)。『浴びます♪浴びます♪』。

(愛川欽也)そう。『入ります♪入ります♪』。それで・・・

(小林悠)お風呂というのは、普通のお風呂じゃないですよね?

(玉袋筋太郎)特殊浴場。

(愛川欽也)もっと、ちょっといいお風呂。

(小林悠)ちょっといいお風呂ですね。はい(笑)。

(愛川欽也)今度あの、この玉筋に聞いちゃって。詳しくは。番組終わってから。

(玉袋筋太郎)堀之内!

(愛川欽也)それでね、その頃、うちのカミさんだよ。俺、この頃カミさんをおふくろって呼ぶんで、怒られるんだよ。ちょっと。

(玉袋筋太郎)(笑)

(愛川欽也)そいでね、カミさんはね、フジテレビで『3時のあなた』とか、そういう番組をやっていたんだ。そう。そこでね、南田洋子さん。これが長門裕之の女房。

(玉袋筋太郎)九年会ですよね。

(愛川欽也)南田洋子さんがゲストかなんかで出てたの。で、司会をやっていたらね、よく、その川崎の帰りにね、『俺ん家、来いよ!俺ん家、来いよ!』って、晃夫・・・長門くんのことを俺たちは昔、同級生だから。で、晃夫の家に行くわけ。ゾロゾロゾロゾロ。みんなね。風呂あがりに。そうすっと、次の日の番組はうちのカミさんが司会をやっているわけだ。全国放送で3時のあなた。

(玉袋筋太郎)(笑)

(小林悠)生放送ですよね?

(愛川欽也)生放送。そしたらそこにゲストが南田洋子。『あのね、九年会もいいけどね、お宅の旦那たちもみんな一緒ですよ』『そうそう。いつもお世話になってます』なんて、カミさんも普通の話をしていたの。『なんでもいいけど、揃って夜中に帰ってきてね、同じ石鹸の匂いしてるのは、どういうわけ?』って。

(玉袋筋太郎)(爆笑)

(小林悠)ええーっ!?

(愛川欽也)これ、内緒にしておいて。

(玉袋筋太郎)内緒(笑)。

(小林悠)それ、生放送で言っちゃったんですか?

(愛川欽也)まあ、何でも言ってるよ。俺は。

(玉袋筋太郎)(笑)。いい時代!おおらかな時代ですなー!

(愛川欽也)おおらかだよな。うん。そうだろ?

(玉袋筋太郎)うん。九年会。いいなー!

(愛川欽也)いまはもう、そんなのないよな。

(玉袋筋太郎)ないっすね。

(愛川欽也)なあ。ほんで、いまの連中を見てると、かわいそうだよ。みんなね、コツコツコツコツ金だけ貯めてさ。ほんでなんか、小さくなってさ。ねえ。寂しい話になっちゃったな。

(玉袋筋太郎)(爆笑)

(愛川欽也)みのだって、辞めるんだか辞めないんだかわかんねーけどさ。あの倅もしょうがねーな。

(玉袋筋太郎)しょうがないっすね。

(愛川欽也)それはまあ、親がやっぱりそりゃ、そうだよ。ねえ。

(玉袋筋太郎)いやー、もう今日、まだまだまだ・・・パックインミュージックの話も聞きたかったし。

(小林悠)最後に1個だけお聞きしたかったんですけど。たまむすびリスナーの方からメールが来まして。52才の男性の方が、『パックインミュージックのカトリーヌコーナーが懐かしい』というメールがありました。

(愛川欽也)これはね、カトリーヌにみんななっているの。全国の。まだこれ、昔の話だからね。40年ぐらい前だから。つまり、ラブレターを俺が、『マルチェロ』って自分のことを言っていたの。

(玉袋・小林)(笑)

(愛川欽也)なんで言っていたか?っていうと、マルチェロ・マストロヤンニ。で、俺がマルチェロになると、みんながカトリーヌになるの。

(小林悠)じゃあ、愛川欽也さんへのラブレターってことですか?

(愛川欽也)そう。向こう側にマルチェロ・マストロヤンニがいるわけだ。俺を通して。で、ラブレターを片っ端から読んだんだけど。しかし、ああいうものはいいもんだね。みんな、自分で書くんだけど、上手いんだよ。それで全国に、○○のカトリーヌ。例えば、風のカトリーヌとかね。紫葵のカトリーヌとかね。みんな、自分でカトリーヌなって。

(玉袋筋太郎)カトリーヌがいるんですね。

(愛川欽也)いっぱいいるわけだ。どのぐらいいたか、わかんないね。十二単のカトリーヌとかね。マルチェロは俺1人だから。

(玉袋筋太郎)マルチェロ、いいなー!

(愛川欽也)やれよ!うん。

(小林悠)このコーナー、真似しますか(笑)。

(玉袋筋太郎)マルチェロ・マストロヤンニ(笑)。

(愛川欽也)やっぱりね、ものを書くっていうのがいいんだよ。いまは書かないでこんなこと、なんかボタンを押したり、ちっちゃいのを横に指でこうやって指紋つけながらしゃってるのを見るとね、『ああ、かわいそうだな。ダメだな』って思うんだよね。やっぱり自分で文章を書くっていうのはね、その時に何かが生まれるんだよね。たとえば、仮想の恋人にしてみてもね。だから、『マルチェロ様。私はいま、空を見たらマルチェロ様がそこに浮かんでいた』なんて、なんか好きなことをみんな書くんだよ。

(小林悠)なかなかね、メールじゃ思い浮かばないかもしれないですね。

(玉袋筋太郎)そうですね。

(愛川欽也)メールじゃダメだろ?

(玉袋筋太郎)やっぱ、現在も書いてます?

(愛川欽也)俺、書いてます。シナリオ書いて、映画ばっかり撮って。もう7本目の映画を撮り終わって。

(玉袋筋太郎)すげー!

(愛川欽也)今度、俺のキンケロ・シアターっていう劇場まで作っちゃったよ。中目黒に。おいで!

(小林悠)あ、わかりました。お邪魔しましょう。

(玉袋筋太郎)ちょっと、修行させてください。

(愛川欽也)うん。そこでいろんな劇団がいま、芝居してるよ。すっごいいい劇場ってみんなに言われてるよ。一回使った人は。下北沢あたりのね、ションベン臭い座布団の芝居なんかやったら、ダメだよ!

(玉袋筋太郎)(爆笑)。本多劇場じゃねーぞ!と。

(愛川欽也)いや、本多劇場はちゃんとしてる。あと、駅前ルパンみたいなの。あるじゃない。

(小林悠)もう本当に毎日がお忙しいと思いますが。あっという間の時間でした。すいません、本当に。

(愛川欽也)終わった?今日も次の映画のいま、衣装合わせ中なの。俺、監督やってるの。

(小林悠)本当にすいません。ありがとうございます。またぜひ、いっぱい筋が残っていますので。

(愛川欽也)はいはいはい。

(小林悠)今日は愛川欽也さんにお越しいただきました。

(玉袋筋太郎)ありがとうございました!

(愛川欽也)はいはい。どうもありがとうございます。

(小林悠)またいらしてください。お疲れ様でした。

<書き起こしおわり>

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