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松尾潔 2000年アメリカR&Bチャートを振り返る

松尾潔 1992年アメリカR&Bチャートを振り返る 松尾潔のメロウな夜
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松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中で2000年のR&Bチャートを振り返り。この年にヒットした曲を聞きながら、解説をしていきました。

(松尾潔)続いては、こちらのコーナーです。いまでも聞きたいナンバーワン。2010年3月31日に始まった『松尾潔のメロウな夜』。この番組は、メロウをキーワードにして、僕の大好きなR&Bを中心に大人のための音楽をお届けしています。ですが、リスナーのみなさんの中には『そもそもR&Bって何だろう?』という方も少なくないようです。そこでこのコーナーでは、アメリカのR&Bチャートのナンバーワンヒットを年度別にピックアップ。歴史的名曲の数々を聞きながら、僕がわかりやすくご説明します。

第10回目となる今回は、2000年のR&Bナンバーワンヒットをご紹介。2000年ですよ。うーん、ミレニアムっていう言葉。もう覚えたてのミレニアムっていう言葉をみんながこぞって使っていた、あの2000年からもう14年がたってしまいました。ミレニアム以外の名称で言いますと、Y2K(Year 2K)っていう言い方もありましたね。で、それをもじってB2Kっていう男の子たちがデビューしたこともありましたね。そこからソロに身を転じたのが、いま人気シンガーとして活躍していますオマリオン(Omarion)なんですけれども。

まあ2000年。物事のはじめの年でもありましたし、僕は個人的になにをやっていたか?っていうと、当時は平井堅さんのプロデュースと、あとはCHEMISTRYの発掘、そしてそのデビュー準備ということをやっておりましたね。ええ。あれから14年たつのかという気がしますが。その頃、アメリカのR&Bシーンではどんな流れが起きていたかと言いますと、2000年と言いますとね、90年代にワールドワイドに大きな存在感を獲得したR&Bが円熟してきた時期なんですね。そして、ヒップホップがあって当たり前という感じになってきた。いよいよそういう感じになってきた。

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ヒップホップがあって当たり前に

で、ヒップホップアーティストと共演しない、ギリギリまで粘っていたような歌唄いたちも、まあラッパーとの共闘戦線を組みだした。そんな時代ですね。この年にR&Bチャートでナンバーワンヒットの栄誉に輝きましたのは全19曲ございます。全19曲。まあ正確に言いますと、その前の年からの持ち越しでドネル・ジョーンズ(Donell Jones)『U Know What’s Up』という曲が1月1日付けでは1位ということになるんですけども。

まあ、チャートはお休みでしたから、実質的には1月8日付けのミッシー・エリオット(Missy Elliott)がNas、Eve、Q-Tipというラッパーだけの4人組でリリースした『Hot Boyz』という曲がこの年のチャートのスタートを飾りました。6週間に渡って、多少の入れ替わりはあったものの、返り咲きも含めてね。6週間1位という、立派な記録ですよ。

そして、モンテル・ジョーダン(Montell Jordan)『Get It On Tonite』。

で、マライアとジョー、『98 Degrees Thank God I Found You』の共演。

そして、まだまだソロデビューを控えているビヨンセ(Beyonce)が在籍していた頃のデスティニーズ・チャイルド(Destiny’s Child)『Say My Name』。

そんな2000年です。まずは2曲、ご紹介したいのですが。うーん、バランスよく春のヒット、秋のヒットを1曲ずつ聞いていただきいと思います。さっきお話しました、まあいろんなアーティストがラッパーとか、ヒップホップというものを取り入れるようになったという、その象徴的な1曲でもあるのですが。なんと、サンタナ(Santana)です。サンタナはね、『Supernatural』というアルバムをね、この頃リリースしまして。そこから『Smooth』という曲が大ヒットするんですよ。これ、ロブ・トーマス(Rob Thomas)という人をフィーチャーした曲なんですが。

なんとね、日本語カバーも出まして。サンタナを敬愛している野口五郎さんが自らギターを持って、ねえ。本当に彼はギターリストとして、超絶テクの持ち主ですから。もう、五郎さんがサンタナばりのギターを弾いて、『愛がメラメラ♪』って歌うっていう。いまとなっては、ちょっとファニーな響きもあるんですけどね。その時は、あっ、かっこいいななんて僕、思って聞いてました。そのサンタナが『Smooth』に続いて世に出した曲っていうのはローリン・ヒル(Lauryn Hill)のグループとして、いまでは語られることが多いフージーズ(Fugees)のリーダー、ワイクリフ(Wyclef Jean)のコントロールのもとに作った曲ですね。The Product G&Bというボーカルユニットをフィーチャーしております『Maria Maria』。

まあ、R&Bチャートのトップヒットになるぐらいですから、もちろんソウル・ミュージックと呼んで差支えのない、いわゆるR&B感覚を含んだ曲なんですが。それ以上に、まあサンタナのギターの良さを引き出すための曲でもあるので。歌詞にもサンタナの名前が織り込まれていたりとかね、ちょっと楽しい仕掛けがありました。これ、2000年の4月8日から22日付けまで3週間連続でナンバーワンを獲得しました。

そしてもう1曲、エリカ・バドゥ(Erykah Badu)です。『Bag Lady』。『Bag Lady』っていうのは、この年のR&Bチャートの最大のヒットになりました。10月7日から11月11日付けまで、なんと7週間連続でナンバーワンを獲得いたしました。この『Bag Lady』という言葉の意味については曲の後にご紹介したいと思います。サンタナ feat.The Product G&Bで『Maria Maria』。そしてエリカ・バドゥで『Bag Lady』。

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Santana『Maria Maria』

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Erykah Badu『Bag Lady』

2000年のナンバーワンヒットを2曲続けてご紹介しました。The Product G&Bのやるせない、切ない歌声が印象的なサンタナ『Maria Maria』。そして、もう1曲はエリカ・バドゥで『Bag Lady』でした。エリカ・バドゥは1996年あたりからシーンで注目されるようになりました。そして、97年がまあ、当たり年なのかな?『On & ON』というデビューシングルですとか、後は『Tyrone』というね、もう本当に金食い虫のような、女性に寄生している男の人を痛烈に批判するような歌を世に送り出して、全米の黒人女性の精神的な支柱になりました。大げさに聞こえるかもしれませんけれども。いまでも、会話の中に『エリカのような』とか、普通に出てきますね。

そしてあの、バドゥというね、非常にアフロセントリックな響きのファミリーネームを芸名にしてますけども。このバドゥのね、髪に布をグルグルグルッとね、巻くんですね。本当にアフリカンなスタイルなんですが。これが当時ね、『バドゥ巻き』なんていって、東京でも渋谷円山町あたりでは、結構見かけたもんですね。つまり、ファッションアイコンでもありました。で、このやっぱり思ったことをキチッと言葉にして、気持よく言うっていうのはこう、いつの時代でも支持されるのですが。まあ、バッシングとね、隣り合わせなんですが、まあエリカはそういうことに屈する人じゃないですね。この2000年に年間通して最大のヒットになった『Bag Lady』も、またエリカのリリシストとしての才能が光ってますね。まああと・・・(緊急放送のため、途中中断)

(松尾潔)・・・全てに捧げられているんだなと。これって私の歌でもあるんだなと。極論を言っているようでいて、実は普遍。真ん中っていうのはいつも中心にあるわけではないという真理をエリカ・バドゥはこの1曲で言い当てているんですよね。もう本当に詩人として素晴らしいなと思います。僕が彼女に初めて会ったのは96年だったかと思いますね。ロスアンゼルスのあるホテルで、たまたま一緒に居合わせて。作り話のような本当の話なんですけど。で、その時、彼女はバカンスでもあったのかな?家族と一緒にいたんで。結構、割と素の感じで。いわゆるバドゥ巻気でもなくて。普通のお姉さん。シスターっていう感じだったんですけど。

そんな時に話していたことと、まああの、メディアでインタビューの時に話したりすることがもう、内容とかトーンも変わんないんですよね。これはやっぱり、うん。同性に好かれる人だよなって思いましたけども。まあ、異性にも大変人気がございます。僕もその
1人です。ファンの1人です。女のままならなさを歌ったのがエリカならば、男の愛の無常を歌ったのはカール・トーマス(Carl Thomas)でした。2000年の5月の下旬から7月の頭まで6週間連続でナンバーワン。エリカ・バドゥの『Bag Lady』に次ぐ、この年2番目の大ヒットを記録しましたのがカール・トーマスの『I Wish』でした。後見人はパフ・ダディこと、ショーン・パフィ・コムズ。

これはもう、1回聞いて、即クラシック!インスタントクラシックと言いますけども。これは殿堂入りだな!っていうところで、もうハートを鷲掴みにされまして。いまでも僕、よく聞きます。この番組でも何度かご紹介していますが。2000年のヒットです。お届けいたしましょう。カール・トーマスで『I Wish』。

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Carl Thomas『I Wish』

2000年のナンバーワンヒットをお届けしました。カール・トーマスの『I Wish』。カール・トーマスの『I Wish』の向こうに、カールと同じような持ち味のCaseですとかね、Tyreseとか、そういった人たちの存在も見え隠れします。こういったオーセンティックな持ち味の男性シンガーが、まあヒップホップの色合いのヒットを出すっていうのは大変難しい時代にもうなってきていたんですが。やり方によっては、というか曲の力があれば、そういうことができるんだなと思ったのがこの『I Wish』でした。本当にあの、この10年前に世に出てもおかしくないし、いま出てもおかしくないという、タイムレスな魅力を携えた曲ですね。

で、その後見人がヒップホップシーンの大立者のパフ・ダディだったっていうのがこれ、本当面白い話です。まあ、男性版フェイス・エバンスという言い方もできますね。このカール・トーマスの6週連続ナンバーワン。そして7週目の1位を阻んだのが、アヴァント(Avant)の『Separated』だったっていうのは、こういう曲調、こういうトーンで2000年の夏が彩られていたという証ですね。カール・トーマスもアヴァントも持ち味はかなり近いですよ。うーん。

そして、この年はいまとなってみれば・・・っていうことで言いますとね、Jagged Edge の『Let’s Get Married』という曲がアヴァントに続いて3週間連続ナンバーワンだったんですが。こういう男性ボーカルグループがチャートのトップっていうのはなくなりましたね。すっかり減りました。

っていうか、メジャーでボーカルグループっていうのは受難の時代です。9月にはプロファイル(Profyle)の『Liar』という曲も1位になりましたけども。もう、それもちょっと昔話のような気がいたします。

ちなみに、ちょっと色っぽいお話でいきますと、エリカ・バドゥの子どものパパでありますアウトキャスト(OutKast)のアンドレ3000という人がいますが。そのアウトキャストも、この年、12月。『Ms. Jackson』という曲でナンバーワンになりました。その後の大爆発を予感させております。

<書き起こしおわり>
https://miyearnzzlabo.com/archives/32657

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