安住紳一郎 深夜の新宿歌舞伎町で人生を賭けてボウリングをする

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安住紳一郎さんがTBSラジオ『日曜天国』の中で2009年4月に話したトークの書き起こし。安住さんが金曜日深夜、新宿歌舞伎町で人生を賭けたボウリング勝負に挑んだ話をしていました。


(安住紳一郎)さて、ええと、一昨日の金曜日ですね。私、金曜日の夜にボウリングをいたしました。

(中澤有美子)そうでしたか(笑)。へー。

(安住紳一郎)今日はこの話です。私は一昨日の金曜日の夜に、ボウリングをしました。しかも、人生を賭けて!

(中澤有美子)ええーっ!?

(安住紳一郎)金曜日の夜半にかけて行いましたので、すでに1日半。35時間ぐらい、もうすでに経過してるんですけども。正直、私はまだ、その興奮と余韻を引きずっております。

(中澤有美子)まあ!

(安住紳一郎)ちょっとね、まだ手が震える感じなんですよね。

(中澤有美子)(笑)。いま、グーパー、グーパーされてますけど。

(安住紳一郎)大変な経験をしました。

(中澤有美子)そうなんですか?そんなすごい勝負があったんですか?

(安住紳一郎)ボウリングをしたことがあるという方は、多いと思います。みなさん、経験したことがあると思うんですけども。人生を賭してボウリングをしたことがあるという人は、あまりいらっしゃらないのでは?と思います。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)先月、この番組にもプロボウラーの姫路麗さんにお越しいただいた時にもね、そんな話を伺いましたけども。ボウリングというスポーツは、仲間内で楽しくする分には、大変手軽なレクリエーション。まあ、さほど大層な運動量があるわけでもないので、適度な都市型レジャーとして人気がありますけどね。

(中澤有美子)そうですね。

(安住紳一郎)しかしながら、このボウリングをですね、一対一で、しかも真剣勝負でやるとなるとですね、ボウリングというスポーツは、まったく違う表情を見せます。

(中澤有美子)(笑)

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一対一の真剣勝負のボウリング

(安住紳一郎)やったこと、ありますか?みなさん。真剣勝負で、一対一ですよ。いわゆるその、マッチプレイボウリングっていうんですか?

(中澤有美子)あー。ないですね。

(安住紳一郎)まあ、相手よりも1ピンでも多く倒していれば勝ちっていうね。スコア勝負じゃないというね。

(中澤有美子)スコア勝負じゃないんですか。

(安住紳一郎)もう完全な対戦型のね。まあ、メンタルスポーツってよく言いますけれども。射撃とかね、アーチェリーとか、ビリヤードとか、カーリングなんかもそうですけども。メンタルファイトね。神経戦。精神的にものすごく疲労するんですよ。で、昨日・今日と私、もうグッタリなんです。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)あの、肉体的に筋肉痛があるのと同じように、その神経が摩耗して、神経の筋肉痛なんですよ。

(中澤有美子)ああ、そう(笑)。

(安住紳一郎)いや、本当にこれ、笑い事じゃなくて。マスターズ明けの片山晋呉が国内戦のツアーをね、欠場したっていう気持ちがわからなくもない。

(中澤有美子)ほー。

(安住紳一郎)大変な疲労(笑)。あまりの精神の困ぱいぶりに、昨日、眠れなかったんですよね。あまりにも疲れていて。

(中澤有美子)へー。

(安住紳一郎)うん。なぜそんなに真剣に金曜日の夜にボウリングをやったか?

(中澤有美子)まったくですね。

(安住紳一郎)ええ。事の経緯を一から説明しますと、すごく時間がかかりますよ。

(中澤有美子)(笑)。いや、でも、はい。お願いします(笑)。

(安住紳一郎)いいんですか?

(中澤有美子)はい(笑)。

(安住紳一郎)さらに、結局のところ、私がいかに素晴らしいかという話になりますけれども、よろしいですか?

(中澤有美子)(爆笑)。どうしよう?じゃあ。

(安住紳一郎)結局のところ、私、安住紳一郎がいかに素晴らしいかという類の話になりますが、それでもよろしいでしょうか?

(中澤有美子)(笑)。い、いいと思います(笑)。

(安住紳一郎)まあ、いつもじゃないか?というみなさんの声がここまで届いてきそうですけれども。まあ、だいたいね、世の中にあるラジオの話し手の話っていうのは、だいたいがとどのつまりね、自慢話ばっかりなんですよ。これはね、仕方がないです。

(中澤有美子)そうかな?

(安住紳一郎)ええ。まあ、ラジオの話だけじゃなくて、もう世にあふれるエッセイ、随筆、そういう類のものは、とどのつまりもう、自慢話ですから。

(中澤有美子)ああ、そうかもしれませんね。

(安住紳一郎)人間は自慢話じゃないと、そう簡単に饒舌になりませんよ。

(中澤有美子)そうかー。

(安住紳一郎)ええ。うん。枕草子だって徒然草だって、全部自慢話ですから。

(中澤有美子)ああー、そうかな?

(安住紳一郎)そうですよ。ええ。枕草子だって上中下300編くらいありますけれども。あれ、全部読むとわかりますけれども、結局、清少納言はなにを言いたいのか?っていうと、『私の感性、いとをかし』っていうことを言いたいだけですから。

(中澤有美子)(爆笑)。そうね!うん。

(安住紳一郎)そうですよ。結局、『私の感性、すごいでしょ?』っていうことを書いているだけですから。あれも随筆ですから。

(中澤有美子)ああ、そうか。そうね。

(安住紳一郎)吉田兼好だってそうですよ。『私の人を見る目、すごいでしょ?』っていうことを、延々書いているだけですから。ええ。『俺の達観ぶりって、つきづきし』って言っているだけですから。『うるわし、あらまほし』って言っているだけですから。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)では、心置きなく自慢話を。

(中澤有美子)そうですね、はい(笑)。

(安住紳一郎)ちょっと長いですよ。この4月に、TBSがテレビの番組編成を大幅に変更したんですよね。

(中澤有美子)そうですね。

(安住紳一郎)ご存知の方も多いんじゃないかなと思いますけども。さんざんね、コマーシャルなどでも流れていたと思うので。TBSのテレビ・・・ラジオもね、ずいぶん変わりましたけれども、TBSテレビの方も大きく変わって。特に、夕方のニュース番組の変更が大きかったんですよね。

(中澤有美子)そうですね。

(安住紳一郎)これまでの、『イブニング・ファイブ』という番組から、『総力報道!THE NEWS』という、名前も変わり、また放送時間もゴールデン帯に張り出し、午後8時までの放送。ずいぶんこれは大きな変更で、当然その内容も濃いものへということになるわけなんですけども。そのリニューアルに当たり、リポーターがね、少し足りないということになっていたんですよね。ええ。それで、そのリポーターが足りないということで、『安住、お前もたのむよ』というような、そういう声がかかったんですけども。

(中澤有美子)はい。

(安住紳一郎)本当に、声をかけてもらうのはありがたいんですけれども。とても、1人のアナウンサーとして、とてもうれしいことなんですけれども。でも、さすがにちょっといまは手いっぱいなところがあって。それから、半年前の10月から始まった土曜の新番組のこともありますし。ちょっと、本当にあの、ね。お家の一大事ということはよくわかっているんですけれども。でも、ちょっといま抱えている番組が疎かになってもね。ちょっと本末転倒なので・・・ということで、そういう交渉の繰り返しがね、ずーっと続いていたんですよ。

(中澤有美子)ええ。

(安住紳一郎)それで、まあ僕自身も本当は手伝わなくちゃいけないっていう気持ちもあるんですけれども、でも、結構いまもやっているよという、そういう自負もあって。いや、ちょっと待ってよっていう、そういう強気で交渉するところもありつつ。そんなことをずーっと繰り返してたら、新しい番組の方は報道局が制作しているんですけども。

(中澤有美子)はい。

(安住紳一郎)報道局長。いわゆるそのトップが来ちゃったのね。もう交渉を繰り返しているうちに。

(中澤有美子)はい。

(安住紳一郎)『もう、なにをグダグダ言ってんの?』っつって。

(中澤有美子)『安住くん!』って?

(安住紳一郎)うん。突然ね。で、俺、会ったこともなかったんだけれども。その、局長っていうのは結構偉い人なのよね。

(中澤有美子)そうですよね、ええ。

(安住紳一郎)それで、なんだろうな?普通の会社で言うと、工場長的な感じかな?現場第一線のトップなんですよね。それで、ドラマとかバラエティーを作る制作局っていうのがあって、報道局っていうのがあって、スポーツ局とか事業局とか、要するにそういう何局かに分かれてるわけなんですけれども。

(中澤有美子)はい。

(安住紳一郎)そこの報道のトップの人が出てきちゃって。それで、交渉をするんですよね。それで、私も最初は肩書に怯んだんですけれども。でも、ね。自分の言ってることは間違ってないと思うからと思ってね。がんばって、交渉をし続けて。これがもう、去年の12月よ。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)で、そんなことをさ、もう4ヶ月もやってんの。大げさじゃなくて、ほぼ毎日話し合いしてるのよ(笑)。

(中澤有美子)そうなんですねー。

(安住紳一郎)それで、まあね、向こうもね、ど偉い人ですからね。こっちはね、一介の係長ですからね。向こうもそんな、ねえ。若造と対等に話をしたくないとは思うんですけれども。そんなことをずーっと、4ヶ月間やっているわけですよ。で、最近はこう、向こうサイド、それからこちら側サイド、それぞれ中にね、入ってくれる人たちも何人かいて。さすがにね、本人同士で話してね、ちょっと悪い雰囲気になっても・・・ということで、気を使って真ん中に入ってくれる人も何人かいるんですけれども。

(中澤有美子)ええ、ええ。

(安住紳一郎)それでもう、番組は始まってますしね。

(中澤有美子)そうですよね。ええ。いよいよ、4月から。

(安住紳一郎)で、リポーター足りない中でやっていて。まあ、向こうも大変だろうなって。安住くんも早く手伝いなさいよ!みたいな感じになっていて。で、ちょっとお互い精神衛生上も良くないしね。お互いの番組を応援しないみたいな、そういうことになっても良くないから。恨みつらみがね、重なっちゃって、それもちょっとおかしなことになるからっていうことで。そんなこう、ちょっと混沌とした状況。まあ、みなさんにとってはどうでもいいことだと思うんですけれども。そしたら先週、その、現体制支持派。だから比較的、僕の事情を汲み取ってくれている、真ん中に入ってくれている、ある人がいて。

(中澤有美子)はいはい。

(安住紳一郎)現体制支持派ね(笑)。の、1人から電話が突然入って。それで、『あの、例の件ですけれど、安住さん、ボウリングで決めませんか?いかがでしょう?この事、局長はすでに了承しています』っていう言うの。

(中澤有美子)ええーっ!?(笑)。ほ、ほ、ほ、本当!?(笑)。携帯にかかってきて?(笑)。

(安住紳一郎)携帯にかかってきたの。突然だよ?『例の件ですが、ボウリングで決めたらいかがですか?局長はすでに了承しています』って。

(中澤有美子)(笑)。耳を疑いますよね。

(安住紳一郎)耳を疑いますよ。局長って57才よ。で、言わばもう現場のトップで、要するにゼネラリストだと社長とか副社長になるようなタイプの人で、現場が好きで残っているから、要するに、ね。工場で言うと工場長みたいな。刑事で言うと、捜査一課長みたいな感じのね、バリバリの感じなんですけどね。

(中澤有美子)ええ、ええ。

(安住紳一郎)で、私もサラリーマン生活13年やってますけども、さすがに、まあ、ね。放送局っていろいろ、突飛なことを考える人が多いから、そう簡単には驚かないけれど。さすがにですよ、『えっ!?ボウリング!?』って。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)でも、その間に入ってくれている人は、『これは妙案ですよ』って言うの。で、その間に入ってくれている人っていうのは、実はラジオをずっとお聞きいただいている方は覚えてらっしゃるかもしれませんけども。1年、2年くらい前に、ずーっと一緒にボウリングを誘ってくれていた人。で、俺の力だったら、たぶん局長に勝てる。局長は57才で、言わば律子さん世代のちょっと後ろぐらいなんだけれど。ボウリング世代とは言え、もう10年近くやっていないと。で、どう見積もっても、局長のスコアは135から150くらいだろうと。

(中澤有美子)もう結構、わかってるんだ(笑)。だいたいね。

(安住紳一郎)で、俺は一応、1年くらい前のアベレージが165くらいあったから。これは勝てる!と。それで、この間に入ってくれている人もなかなかの策士で。一応、局長側にも、『いや、局長の方が勝てるよと焚きつけてありますから・・・』って。

(中澤有美子)(笑)。悪いなー。

(安住紳一郎)それで、モメにモメたこの交渉を、一気にお互い解決できると思って、乗り気で入ってくるから、笑い事かもしれないけれども、これでたぶん決着をつけた方がお互いのためですよっていう。なかなかのね、策士ぶりなのよ。

(中澤有美子)そうね。フェアプレーの精神でね。

(安住紳一郎)うんうん。

(中澤有美子)なにも後に残さず。ほうほう。

(安住紳一郎)でも、さすがにちょっと待てと。生き馬の目を抜くようなね、報道記者たちのトップに立った人だからね。仮にもトップだからね。そんなこう、曖昧な、先の見通しのきかないものにね、そんな運命を託すものだろうか?と。

(中澤有美子)そうね。まあ、社運を左右すると言ってもいい・・・かもしれないよね。

(安住紳一郎)『局長だよ?さすがに。記者のトップに立っている人が、そんなに簡単に、見通しの甘いものにゴーサインを出すかね?』って言ったら、『いや、安住さん。秘策があるんですよ』って、その真ん中に入ってくれている人が、この妙案を出してくれた人が。『場所を、新宿のコパボウルに指定しました。時刻は、今週金曜日の午後11時のスタートです。これなら、抜かりはありません』。

(中澤有美子)(笑)。完全ホームですね。

(安住紳一郎)うん。で、私はもうね、膝を叩いたね。『うーん、なんたる妙案!こちらも快諾の旨、先方にお伝えくだされ!』。

(中澤有美子)早馬を飛ばして(笑)。

(安住紳一郎)早馬を飛ばして。これにはちょっとね、解説が必要になると思うんですけども。まあ、ラジオをずっとお聞きいただいている方、秋田ファンキーボウルのくだりぐらいをご記憶されている方はお分かりかと思いますけれども。この新宿コパボウルというのは、新宿の歌舞伎町のど真ん中にあるボウリング場なんですよね。東洋一の繁華街、新宿歌舞伎町2丁目ですよ。コマ劇のすぐ隣にあるんですよね。で、本当に賑やかっていうか。もうスポーツをする感じじゃあない雰囲気ですね。

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(中澤有美子)うーん。

(安住紳一郎)さらに、金曜夜11時ともなれば、もう酔っぱらいやホステス、キャバクラ嬢、外国人がわんさわんさと押し寄せて。もう真面目にボウリングしてる人は皆無なわけですよ。もう、酔っぱらいが中国人のホステスにキスをせがむ中、怒られている。そういうような状況の中でボウリングをするわけですから。

(中澤有美子)ほうほうほう(笑)。

(安住紳一郎)もう、よっぽどの集中力がない限りは、そんなにボウリングに集中できない。

(中澤有美子)たしかに(笑)。

(安住紳一郎)ええ。もう本当に、いわゆるボウリング界のアーメンホールと呼ばれているんですけども。ましてや、4月ですから。歓迎会シーズン、賑やかなることベストシーズンですね。

(中澤有美子)たしかに。ええ、ええ。

(安住紳一郎)しかも、先ほど中澤さんからお話ありましたように、私はここのボウリング場で、かつて1年前、この雰囲気を逆に利用して、集中力を養い精神修養を行った懐かしのホールであります!

(中澤有美子)そうでした(笑)。

(安住紳一郎)まさに、ホームグラウンドだから。ここでその雰囲気の中で、いかにボウリングに集中できるか?ということで、仕事で、放送で使うための集中力を養ったという、いわば修行の場なわけですよ。

(中澤有美子)ええ(笑)。

(安住紳一郎)これは地の利は俺にある!と。これたたぶん、実力が向こうが仮に上まったとしても、勝てるかもしれない!

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)話、よろしいでしょうか?

(中澤有美子)いいと思います(笑)。

(安住紳一郎)大丈夫ですか?そしていよいよ、当日を迎えるわけですね。一昨日です。平成21年4月17日金曜日午後11時。局長と係長の一戦は火蓋が切って落とされました。

(中澤有美子)あー!

(安住紳一郎)先んずれば人を制す。ね。常に相手よりも余裕を持つことがボウリングでは肝要ですから。

(中澤有美子)そうなんですか。

(安住紳一郎)試合開始の指定された午後11時。少し余裕を持って、30分前に私はコパボウルに到着します。ちょうど4階に受付がありますんで、4階のエレベーターの扉がこう、ザッと開くわけですね。よし!と思って堂々と入場したら、敵もさるもの引っ掻くもの。局長はすでにUFOキャッチャーの横に立って、エレベーターの扉を睨んでいた!

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)やるな、小次郎!局長がUFOキャッチャーの横に立ってたのよ。

(中澤有美子)早いですね(笑)。

(安住紳一郎)やるね。さすが出世する人は違うね。局長さ、もうさ、俺がどっから来るかわかっててさ。エレベーターの扉を睨んでるわけよ。

(中澤有美子)(爆笑)

(安住紳一郎)そしたらやっぱり、試合前にたじろぐよね?こっちはやっぱり少し早く行ってさ、精神的余裕を持ちたいっていう気持ちをやっぱり・・・それを当然、睨んでるのね。その先を行ってるのよね。

(中澤有美子)ええーっ!?

(安住紳一郎)局長、やるな!と思って。しかしね、局長はいつものグレーのスーツ姿だったんですよ。ちょっと甘いなと思って。特にね、あのボウリングをやってらっしゃる方はお分かりでしょうけど。長袖のワイシャツはね、投げる時に袖とか肩がつるからね、ボウリングにはとても不向きなんですよね。

(中澤有美子)ほー。

(安住紳一郎)プロボウラーが全員半袖なのには意味があるわけだ。

(中澤有美子)そう言えば、そうですよね。

(安住紳一郎)『甘いな、局長!長袖じゃないか!』とは言わなかったけれども、心の中で『甘いぞ、局長!』と思ったんだけども。こちらは一応、恥を忍んで動きやすい格好。ジョギングしはじめそうな感じのね。非常にその、動きやすさ重視の格好で行ってるわけ。そしたら局長金、『安住くんはスーツじゃないのか。じゃあ、遠慮はいらないね。僕はいまから着替えるよ』って。

(中澤有美子)持ってるんだ!(笑)。

(安住紳一郎)着替え、持ってきてるんだよ!局長、57才だよ?TBSを代表する人だよ。家出の中学生よろしく、ボウリング場のトイレで着替えをすませるんだよ。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)局長がだよ?普通の会社で言うと、副社長クラスよ。そしたらコパボウルの奥からさ、出てきたよ。決してきれいなトイレとは言えないトイレから。ケミカルウォッシュのジーパンに、蛍光緑にポロシャツ!57才、報道局長の勇姿だよ。びっくりしちゃった。ケミカルウォッシュで出てきたんだもん。

(中澤有美子)そうですか(笑)。

(安住紳一郎)ベルト、茶色。うわーっ!って。

(中澤有美子)Tシャツ、入れて。中に(笑)。

(安住紳一郎)で、いよいよ局長と係長のね、3ゲームトータル1本勝負。

(中澤有美子)へー!

(安住紳一郎)1ゲーム目。安住係長172。もう、これ以上ない立ち上がり。

(中澤有美子)すごい。はい。

(安住紳一郎)これは来てるな!と。やっぱりホームグラウンドだと。隣、結構騒いでいるんですよ。ええ。第16レーンでしたけど。ええ。左の方にはね、なんかインド人のIT系のなんかサラリーマンとか、韓国人とかいて。で、もうレーンの上でゴロゴロゴロゴロ!ニャーニャーニャー!って、もうムツゴロウさんみたくなっているわけよ。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)いや、新宿のコパボウル、金曜午後11時じゃあこういう状態なのよ。

(中澤有美子)そ、そうなの?(笑)。

(安住紳一郎)もう、ウワワワワーッ!っつってやってんの。みんな。ええ。その中で投げて、172。これはやっぱり俺のね、精神修養。無駄じゃなかったな!という感じ。

(中澤有美子)すごいですね。しかもIT系とか見抜いている(笑)。

(安住紳一郎)しかし、局長は私の成績を上回ること3ピン。

(中澤有美子)ええーっ!?すごいですね!

(安住紳一郎)おかしいんだよね。10年投げてないって言ってたんだよ。で、真ん中に入ってくれていた人の読みも『そんなに行かないと思います』って言ってたんだけれども、10年投げてない人のボールではない。しかも、この雑踏の中で。うん。で、『やばい、俺、謀られたかな?』って一瞬思ったの。

(中澤有美子)ほうほう。

(安住紳一郎)やっぱりね、所詮係長だから。局長と係長だったらやっぱり局長の言うことになびくんじゃないか?と。そういうこともあって、もう動揺甚だしいわけ。

(中澤有美子)そうですね(笑)。

(安住紳一郎)『裏切られた!これは俺が一杯盛られてんだ!』と思って。そんな動揺も手伝って、2ゲーム目は大幅に成績を崩しまして、係長135。局長150。

(中澤有美子)わー。

(安住紳一郎)ここで18ピン、向こうにリードを奪われて。もう完全にマズいわけですよ。3ゲームトータルですから。なかなか20ピン返すのは難しい。

(中澤有美子)そうですね。

(安住紳一郎)で、3ゲーム目。6フレを終わっても僅差。このままだと、もう局長の勝ち。私、THE NEWSのリポーター決定か!?みたいな。

(中澤有美子)そうですねー。

(安住紳一郎)ええ。これまで4ヶ月間ゴネてきたのが、なんの意味があるんだ?みたいなことになっちゃって。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)それでちょっと余裕を持ち始めた7フレに向かう局長に、ちょっとこれは勝負だなと思って。『局長・・・』って。局長がボールを持とうとして。局長がボールを置いて。『局長・・・こんなに真剣に自分と向き合ってくれた上司は初めてです。局長、負けました!』って。顔を半分隠して言ったの。

(中澤有美子)『泣いているのか、安住くん!?』みたいな感じ?(笑)。

(安住紳一郎)したらね、局長の顔から一瞬闘志がフッと消えたの。

(中澤有美子)へっ?

(安住紳一郎)甘いな、局長!アナウンサーは言葉が最後の武器なんだよ!

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)局長のカーブボールがね、ちょっとキレが甘くなったね。ヘッドピン外して3・6ピンに当たっちゃって。勝つと思うな、思えば負けよ!甘いわ、局長!そっからターキー3連続返し!

(中澤有美子)ええーっ!?

(安住紳一郎)係長152。局長132。3ゲーム終了。トータル、係長459ピン。局長457ピン。係長、2ピン差で勝利!

(中澤有美子)ええーっ!?はー!

(安住紳一郎)震えた。

(中澤有美子)ねえ(笑)。

(安住紳一郎)2人とも、『なにをやってるんだろう、俺たち?』って思いながら、2人とも手が震えていた。

(中澤有美子)へー!

(安住紳一郎)すごい勝負だった。ええ。本当に2人ともね、手が震えていた。『なにやってるんだろうね、俺たち』みたいな(笑)。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)なにやってるんだろう?みたいな(笑)。もう最後のゲーム終了のボタンが押せないのよ。手が震えちゃって。

(中澤有美子)うわ、そんなに!?

(安住紳一郎)うん。で、帰り際、局長が負けたということもあって、お会計、局長にお願いしたんだけども。

(中澤有美子)ああ、そうですか(笑)。

(安住紳一郎)局長もぐんなり。うん。不甲斐ない!って言って。お会計してるんですけど。フロントの人に、『あれー?今日は1人じゃないんですね』って言われてて。『えっ?なになに?』と思って。で、ちょっとさすがにそこでは問い詰められなかったんだけども、後から報道の人に聞いたら、局長、1週間前から1人で毎日コパに通って練習してたんだって(笑)。

(中澤有美子)ほほー!

(安住紳一郎)やるね。危なく騙されるところだった。うん。

(中澤有美子)そうですかー。さすが、好敵手でしたね。

(安住紳一郎)好敵手でしたね。なかなかやるね。やっぱり報道局トップはね。危ない危ない。本当に危なかった。

(中澤有美子)勝てたんですねー。

(安住紳一郎)それで、『局長、勝負は勝負ですから、この話はなかったことにしますよ』って言ったら、『そうだね。4月中は』って言ってて。『4月中はってなんですか?』『期限、約束してなかったよね?』なんて言って。汚ねーな、局長!

(中澤有美子)えっ?(笑)。

(安住紳一郎)一応4月中のリポートは見送ると。で、5月にまたやってもらえるかどうか、もう一勝負って。『今度はマイボール持ってくるから』って言ってた。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)汚ねーな、局長!

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)局長、タクシー乗って帰っちゃった。

(中澤有美子)言いおいて(笑)。

(安住紳一郎)歌舞伎町のあそこの区役所のところで、『汚ねーぞ、局長!』って。

(中澤有美子)(爆笑)

(安住紳一郎)また来月。今度は調布ボウルでやりたいって。

(中澤有美子)そうなんですか(笑)。そっち、ホームかな?局長の(笑)。

(安住紳一郎)まあ、テレビご覧になる方もいらっしゃるかもしれませんけれども。もし、5月に入り、夕方の総力報道THE NEWSで私がリポートをやっておりましたら、局長に負けたということです!

(中澤有美子)(爆笑)

(安住紳一郎)なかなかね、改編したばかりということもありまして、夕方の弊局のニュース番組は苦戦しておりますけれども。ぜひ、総力報道THE NEWSの方を、そういう局長が作っておりますので、ご覧いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします!

(中澤有美子)はい、そうですね(笑)。よろしくお願いします。

(安住紳一郎)汚ねーんだよ、局長!

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)あんた、報道局のトップだろうが!

(中澤有美子)(笑)

<書き起こしおわり>

※この翌週も、安住さんは局長とのやり取りの話をしていました。

(安住紳一郎)さて、先週ですね、ちょうど1週間前。仕事で大事な話し合いの結論を、ボウリングの勝敗で決めようとしたという話をしました。

(中澤有美子)そうでした(笑)。

(安住紳一郎)あまりに下らないので、事の次第を詳らかに振り返りはしませんが、先週聞いてらっしゃる方は、『ああ、あの話だな』という風に思い出してくださっているかもしれませんけれども。

(中澤有美子)ええ。

(安住紳一郎)あの後、放送を聞いた数人の同僚から、『あれはいかがなものなのか?』という意見をもらいました。

(中澤有美子)ああ、そうですか(笑)。

(安住紳一郎)私も、話しながら薄々はなんとなく、こういうことにもなるだろうなとは気づいていたんですけれども。いかんせん、そのボウリングに勝った余韻でしゃべってしまったということもありまして。当然、その、真剣に仕事に取り組んでいる同僚からすると、『なにをしているんだ?新番組で忙しいなどと言っていたようだが、ボウリングする時間があるんじゃねーか!おい、安住くん。真剣味が足りないな!』と。

(中澤有美子)はー(笑)。

(安住紳一郎)まあ私も、なにも言い返しはできなかったんですけども。まあ、心の中では、並みの会議の多数決よりも、はるかに迫力のあるゲームだったぞと、心の中では思いながらも・・・(笑)。

(中澤有美子)ええ。緊迫のね、ゲームでした。

(安住紳一郎)そしたら、例のボウリングで対戦した局長から、会社のパソコンにメールが入っておりまして。

(中澤有美子)はい。

(安住紳一郎)パソコンをお使いの方はおわかりかもしれませんけれども、まず、件名。タイトルというのだけ、表示されるんですよね。差出人の名前と一緒に。それで、そこの先に見えるタイトルには、『ラジオ聞きました・・・』っていう件名が入っているわけですよ。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)まず、その一行だけが目に触れるわけですね。で、『あ、これはマズいな。これは完全に、静かに怒られるパターンのひな形だな』と。

(中澤有美子)あ、その『・・・』がね、またなんかちょっと。はい。

(安住紳一郎)さすがにやはり、あの内容は赤裸々すぎたなと。まあちょっと、心の中では、どうやって言い訳しようか?ってことも、心づもりしながら。『ああ、これはマズったな。やっぱりちょっとね、俺のいけないところだな。なんでもかんでも、しゃべればいいってもんじゃねーな』と思って(笑)。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)『いやー、本当ちょっとやっぱり、会社員として失格だったな』と思って。それで、恐る恐る本文を開くんですよね。そしたら、『ラジオ聞きました・・・やっぱり、今週末に新しくマイボールを作ることにしました。穴のあけ方がいろいろあることに驚いています。対戦の日程はお任せします』というメールでした。

(中澤有美子)(爆笑)

(安住紳一郎)さすがはケミカル局長だね。

(中澤有美子)ケミカル局長(爆笑)。

(安住紳一郎)向こうも処分覚悟で来てますよ。

(中澤有美子)そうですね!

(安住紳一郎)サラリーマン人生賭けてきてますね。

(中澤有美子)もう、腹をくくってらっしゃいますね。

(安住紳一郎)職責は向こうの方がはるかに重いですから、処分も向こうの方がはるかに重いでしょう。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)気が楽ですよ。とことんまで付き合いますよ!

(中澤有美子)さすがですねー(笑)。

(安住紳一郎)このご時世に、なんたる楽観ぶり!お見事ですよ。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)弊局の夕方の番組、依然苦戦しております。どうぞ、総力報道THE NEWS、ぜひご覧いただきたいと思います。心から、お願いを申し上げます。

(中澤有美子)はい(笑)。

<書き起こしおわり>



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