安住紳一郎さんがTBSラジオ『日曜天国』の中で2009年4月に話したトークの書き起こし。安住さんが金曜日深夜、新宿歌舞伎町で人生を賭けたボウリング勝負に挑んだ話をしていました。
(安住紳一郎)さて、ええと、一昨日の金曜日ですね。私、金曜日の夜にボウリングをいたしました。
(中澤有美子)そうでしたか(笑)。へー。
(安住紳一郎)今日はこの話です。私は一昨日の金曜日の夜に、ボウリングをしました。しかも、人生を賭けて!
(中澤有美子)ええーっ!?
(安住紳一郎)金曜日の夜半にかけて行いましたので、すでに1日半。35時間ぐらい、もうすでに経過してるんですけども。正直、私はまだ、その興奮と余韻を引きずっております。
(中澤有美子)まあ!
(安住紳一郎)ちょっとね、まだ手が震える感じなんですよね。
(中澤有美子)(笑)。いま、グーパー、グーパーされてますけど。
(安住紳一郎)大変な経験をしました。
(中澤有美子)そうなんですか?そんなすごい勝負があったんですか?
(安住紳一郎)ボウリングをしたことがあるという方は、多いと思います。みなさん、経験したことがあると思うんですけども。人生を賭してボウリングをしたことがあるという人は、あまりいらっしゃらないのでは?と思います。
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)先月、この番組にもプロボウラーの姫路麗さんにお越しいただいた時にもね、そんな話を伺いましたけども。ボウリングというスポーツは、仲間内で楽しくする分には、大変手軽なレクリエーション。まあ、さほど大層な運動量があるわけでもないので、適度な都市型レジャーとして人気がありますけどね。
(中澤有美子)そうですね。
(安住紳一郎)しかしながら、このボウリングをですね、一対一で、しかも真剣勝負でやるとなるとですね、ボウリングというスポーツは、まったく違う表情を見せます。
(中澤有美子)(笑)
一対一の真剣勝負のボウリング
(安住紳一郎)やったこと、ありますか?みなさん。真剣勝負で、一対一ですよ。いわゆるその、マッチプレイボウリングっていうんですか?
(中澤有美子)あー。ないですね。
(安住紳一郎)まあ、相手よりも1ピンでも多く倒していれば勝ちっていうね。スコア勝負じゃないというね。
(中澤有美子)スコア勝負じゃないんですか。
(安住紳一郎)もう完全な対戦型のね。まあ、メンタルスポーツってよく言いますけれども。射撃とかね、アーチェリーとか、ビリヤードとか、カーリングなんかもそうですけども。メンタルファイトね。神経戦。精神的にものすごく疲労するんですよ。で、昨日・今日と私、もうグッタリなんです。
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)あの、肉体的に筋肉痛があるのと同じように、その神経が摩耗して、神経の筋肉痛なんですよ。
(中澤有美子)ああ、そう(笑)。
(安住紳一郎)いや、本当にこれ、笑い事じゃなくて。マスターズ明けの片山晋呉が国内戦のツアーをね、欠場したっていう気持ちがわからなくもない。
(中澤有美子)ほー。
(安住紳一郎)大変な疲労(笑)。あまりの精神の困ぱいぶりに、昨日、眠れなかったんですよね。あまりにも疲れていて。
(中澤有美子)へー。
(安住紳一郎)うん。なぜそんなに真剣に金曜日の夜にボウリングをやったか?
(中澤有美子)まったくですね。
(安住紳一郎)ええ。事の経緯を一から説明しますと、すごく時間がかかりますよ。
(中澤有美子)(笑)。いや、でも、はい。お願いします(笑)。
(安住紳一郎)いいんですか?
(中澤有美子)はい(笑)。
(安住紳一郎)さらに、結局のところ、私がいかに素晴らしいかという話になりますけれども、よろしいですか?
(中澤有美子)(爆笑)。どうしよう?じゃあ。
(安住紳一郎)結局のところ、私、安住紳一郎がいかに素晴らしいかという類の話になりますが、それでもよろしいでしょうか?
(中澤有美子)(笑)。い、いいと思います(笑)。
(安住紳一郎)まあ、いつもじゃないか?というみなさんの声がここまで届いてきそうですけれども。まあ、だいたいね、世の中にあるラジオの話し手の話っていうのは、だいたいがとどのつまりね、自慢話ばっかりなんですよ。これはね、仕方がないです。
(中澤有美子)そうかな?
(安住紳一郎)ええ。まあ、ラジオの話だけじゃなくて、もう世にあふれるエッセイ、随筆、そういう類のものは、とどのつまりもう、自慢話ですから。
(中澤有美子)ああ、そうかもしれませんね。
(安住紳一郎)人間は自慢話じゃないと、そう簡単に饒舌になりませんよ。
(中澤有美子)そうかー。
(安住紳一郎)ええ。うん。枕草子だって徒然草だって、全部自慢話ですから。
(中澤有美子)ああー、そうかな?
(安住紳一郎)そうですよ。ええ。枕草子だって上中下300編くらいありますけれども。あれ、全部読むとわかりますけれども、結局、清少納言はなにを言いたいのか?っていうと、『私の感性、いとをかし』っていうことを言いたいだけですから。
(中澤有美子)(爆笑)。そうね!うん。
(安住紳一郎)そうですよ。結局、『私の感性、すごいでしょ?』っていうことを書いているだけですから。あれも随筆ですから。
(中澤有美子)ああ、そうか。そうね。
(安住紳一郎)吉田兼好だってそうですよ。『私の人を見る目、すごいでしょ?』っていうことを、延々書いているだけですから。ええ。『俺の達観ぶりって、つきづきし』って言っているだけですから。『うるわし、あらまほし』って言っているだけですから。
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)では、心置きなく自慢話を。
(中澤有美子)そうですね、はい(笑)。
(安住紳一郎)ちょっと長いですよ。この4月に、TBSがテレビの番組編成を大幅に変更したんですよね。
(中澤有美子)そうですね。
テレビの番組編成大幅改変
(安住紳一郎)ご存知の方も多いんじゃないかなと思いますけども。さんざんね、コマーシャルなどでも流れていたと思うので。TBSのテレビ・・・ラジオもね、ずいぶん変わりましたけれども、TBSテレビの方も大きく変わって。特に、夕方のニュース番組の変更が大きかったんですよね。
(中澤有美子)そうですね。
(安住紳一郎)これまでの、『イブニング・ファイブ』という番組から、『総力報道!THE NEWS』という、名前も変わり、また放送時間もゴールデン帯に張り出し、午後8時までの放送。ずいぶんこれは大きな変更で、当然その内容も濃いものへということになるわけなんですけども。そのリニューアルに当たり、リポーターがね、少し足りないということになっていたんですよね。ええ。それで、そのリポーターが足りないということで、『安住、お前もたのむよ』というような、そういう声がかかったんですけども。
(中澤有美子)はい。
(安住紳一郎)本当に、声をかけてもらうのはありがたいんですけれども。とても、1人のアナウンサーとして、とてもうれしいことなんですけれども。でも、さすがにちょっといまは手いっぱいなところがあって。それから、半年前の10月から始まった土曜の新番組のこともありますし。ちょっと、本当にあの、ね。お家の一大事ということはよくわかっているんですけれども。でも、ちょっといま抱えている番組が疎かになってもね。ちょっと本末転倒なので・・・ということで、そういう交渉の繰り返しがね、ずーっと続いていたんですよ。
(中澤有美子)ええ。
(安住紳一郎)それで、まあ僕自身も本当は手伝わなくちゃいけないっていう気持ちもあるんですけれども、でも、結構いまもやっているよという、そういう自負もあって。いや、ちょっと待ってよっていう、そういう強気で交渉するところもありつつ。そんなことをずーっと繰り返してたら、新しい番組の方は報道局が制作しているんですけども。
(中澤有美子)はい。
(安住紳一郎)報道局長。いわゆるそのトップが来ちゃったのね。もう交渉を繰り返しているうちに。
(中澤有美子)はい。
(安住紳一郎)『もう、なにをグダグダ言ってんの?』っつって。
(中澤有美子)『安住くん!』って?
(安住紳一郎)うん。突然ね。で、俺、会ったこともなかったんだけれども。その、局長っていうのは結構偉い人なのよね。
(中澤有美子)そうですよね、ええ。
(安住紳一郎)それで、なんだろうな?普通の会社で言うと、工場長的な感じかな?現場第一線のトップなんですよね。それで、ドラマとかバラエティーを作る制作局っていうのがあって、報道局っていうのがあって、スポーツ局とか事業局とか、要するにそういう何局かに分かれてるわけなんですけれども。
(中澤有美子)はい。
(安住紳一郎)そこの報道のトップの人が出てきちゃって。それで、交渉をするんですよね。それで、私も最初は肩書に怯んだんですけれども。でも、ね。自分の言ってることは間違ってないと思うからと思ってね。がんばって、交渉をし続けて。これがもう、去年の12月よ。
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)で、そんなことをさ、もう4ヶ月もやってんの。大げさじゃなくて、ほぼ毎日話し合いしてるのよ(笑)。
(中澤有美子)そうなんですねー。