吉田豪さんがbay fm『with you』に出演。雑誌クロスビートで選んだ年間ベスト曲に入れられなかった4曲を紹介していました。
(松本ともこ)今日はどんな特集ですか?
(吉田豪)ええと、年間ベストプラスα特集。
(松本ともこ)あ、クリスマス。これは?
(吉田豪)ええと、choice?っていう東京の地下アイドルシーンで結構な力を占めているフィノリア・ファクトリーというレーベルがあるんですけど。
(松本ともこ)レーベルなんですか、それ。
(吉田豪)素晴らしいんですよ。とにかく、微妙に変な曲。そして変な声の良さをちゃんと抽出してくれる事務所で。
(松本ともこ)そういう個性があるってことですか?
(吉田豪)個性。個性ですよ。本当によくできてらっしゃるっていう。そこの『トナカイの鼻は赤くない!?』っていう。choice?っていうグループのクリスマス・ソングですね。会場行かないと買えないです。これ。
(松本ともこ)そういう会場に行かないと買えないものをお持ち。『トナカイの鼻は赤くない!?』。
(吉田豪)というのを聞きながら、要は年間ベストを僕、毎年クロスビートっていう洋楽誌がありまして、そこで選んでるんですよ。選んでいるっていうか、僕、そこでコラムの連載をしてたんですけど・・・
(松本ともこ)これ、洋楽の。そうですよね。
(吉田豪)僕、駄々こねて、『洋楽相当聞いてるんだから、僕にも書かせてくださいよ』って言って入ったんですよ。入ってったんですけど、だんだん邦楽を入れるようになって。っていうか邦楽を入れて最初怒られてたんですよ。
(松本ともこ)そりゃそうでしょうね。
(吉田豪)最初はPerfumeの『スウィートドーナッツ』っていう上京後の初シングル。中田ヤスタカと最初に組んだ、それを紹介しようとして止められたんですよ。『アイドルは扱わないでください』って言われて。
(松本ともこ)時代ですねー。
(吉田豪)でも結局その後、僕、そこでベストを紹介して。それきっかけで聞いた人とか結構いて。そのクロスビート陣とかでも。で、地道にアイドルとかを扱う数を増やして。今年ついに20枚を全部アイドルと声優とAV女優みたいな感じで(笑)。ひどいことになってますよ(笑)。
(松本ともこ)そこまでよくやりましたね(笑)。
(吉田豪)洋楽は、他のライブとかそういうところにしかいれないッて言うようにして。でも、それだけ20個も選んでも、入れそこなったのがあったりとか。それを選んだ後に出てすごいいいのとか。どういうことかって言うと、10月ぐらいなんですよね。〆切っていね。で、11月、12月に出た分って、だいたい入れられなくなって。で、翌年だいたい1月からスタートになっちゃうんですよ。11月、12月のアルバムって基本無視されちゃうんで。
(松本ともこ)そこ、ね。いまもそうなんですね。
(吉田豪)そうなんです。ということなんで、そのへんを拾っていきたいなという企画です。はい。ということで、クロスビートのそっちをね、まず見ていただけたら助かりますが。ちなみに1位はamiina(あみいな)になっていますね。
(松本ともこ)はい。すごい!だってクロスビートだからね(笑)。
(吉田豪)アルバムも選んでないですから。そもそも。全部シングルっていう(笑)。
(松本ともこ)だからこのコーナーを聞いている方にとっては、あー!っていうことね。楽しめると思いますね。
(吉田豪)半分ぐらいはここで流れたなーっていう感じの。
(松本ともこ)すごーい(笑)。じゃあそんな中で、まず曲を聞くという。
(吉田豪)そうなんですよ。これも完全に忘れてたんですよね。選ぶのね。ええと、平賀さち枝とホームカミングスっていう・・・
(松本ともこ)これさ、昔のグループサウンズみたいな名前だけど。どういう方なんですか?
(吉田豪)コラボなんですよ。平賀さち枝っていうソロのアコースティックギター弾き語りの人がいて。この人は僕も取材したりしてるんですけど。ホームカミングスっていう最近出てきたギターポップというかなんというか。そういうバンドのコラボ盤が9月に出てるんですよ。これが素晴らしくて。コラボってあんまり僕、気乗りしないっていうか。あんまり1+1が・・・よくね、『1+1が2にも3にもなる』とか言いますけど。コラボってだいたい1とか0.5なんですよ。
(松本ともこ)うん(笑)。
(吉田豪)むしろ目減りする感じで。
(松本ともこ)逆に大成功したものっていうのはすごい目立つというか。
(吉田豪)化学反応を起こすことっていうのが本当、稀で。基本、1でしかないようで。1と1を足しても。って感じが多いんですけど、これはちゃんと2になっているっていうか、すげーいい。
(松本ともこ)この平賀さち枝さんと、ホームカミングスが。
(吉田豪)平賀さんの曲をちゃんとしたアレンジでやってくれたっていう感じで。いってみますかね。平賀さち枝とホームカミングスで『白い光の朝に』。
平賀さち枝とホームカミングス『白い光の朝に』
(松本ともこ)平賀さち枝とホームカミングス『白い光の朝に』。吉田豪さん選曲ですけど。ちょっと意外だった。吉田豪さん、こういうナチュラルな曲。しかもホームカミングスはライブを見に行ってたって聞いて。なんか吉田豪の違う一面を知ってしまった。
(吉田豪)ぜんぜん。ぜんぜん。普通にファンで。ホームカミングスはちょうどニューアルバムが本日発売ですね。それも非常に素晴らしい出来です。
(松本ともこ)それがファーストアルバムということね。男の子1人、女の子3人のバンド。
(吉田豪)女の子3人で男の子1人なのに、いちばんかわいいのが男の子っていう特殊なグループで。
(松本ともこ)なんちゅう褒め方を(笑)。
(吉田豪)インストアを見に行った時も、言動から動きから全部かわいいんですよ。
(松本ともこ)そうなの?(笑)。
(吉田豪)友達っぽい、ちょっとガタイのいい男の人が見に来てたんですよ。僕の隣で。そしたらその人の腕とか組んだりして。なにこれ!?っていう(笑)。
(松本ともこ)でもさ、そういう子だから女子3人ともバンドをすごくやっていける、なんか女子力があるんでしょうね。
(吉田豪)女子力高いっぽいですね。
(松本ともこ)へー。そんなホームカミングスと一緒にやったことで彼女の曲が非常にプラスαになったと。
(吉田豪)そうですね。フォークっぽいメロディーにこのギターポップなアレンジが加わって。本当、正しい足し算になっている。
(松本ともこ)原曲、私は知らなかったので。
(吉田豪)平賀さんの曲自体が基本フォークなんで。
(松本ともこ)フォークで。ギター一本で。なるほどー。へー。ということで、まず1曲。なんか今日、おだやかな気持ちになってまーす。
(吉田豪)おだやかですよね。
(松本ともこ)じゃあ、続いては?
(吉田豪)続いてはですね、ドレスコーズという元毛皮のマリーズの志磨遼平さんが2010年に結成したバンドがあるんですが。最近メンバーがね、全員いなくなって。1人のユニットになったんですよ。
(松本ともこ)ん?そうなんですか?いま、お一人?
(吉田豪)あの、毛皮のマリーズの時もね、最後のアルバムとかは1人で作ってたりとかして。まあね、『人間的に問題がある』とか本人も言ってるんですけど。なんか、ね。ただ、この人、そういう時に作ったアルバムが最高なんですよ(笑)。あの、自己嫌悪とかいろんな状況とかで、おセンチなモードになった、おセンチでポップなアルバムを作るんですよ。すんごい名盤になるんですけども。
(松本ともこ)じゃあバンド絶好調でみんなすごいベクトル一緒っていうよりも・・・
(吉田豪)ロックだぜ!っていう時よりは、この人、根が渋谷系な人で。そういうモードになるんですよ。1人になると(笑)。
(松本ともこ)いいなー、いいですね。
(吉田豪)すっごい良くて。で、そのファーストアルバム『1』っていうのがね、12月10日に出たんですが。これがですね、タワレコで買うと、まだあるかな?渋谷店はまだありましたけど、特典で弾き語りのCDがついてんですよ。
(松本ともこ)あ、アルバムを買うと。
(吉田豪)そう。そっちのバージョンを聞いちゃおうっていう(笑)。
(松本ともこ)『1』からじゃあ、特典でもらえたやつを聞ける。
(吉田豪)『スーパー、スーパーサッド』っていうタイトル曲に近いような素晴らしい曲があるんですが。これの弾き語りバージョン。行ってみましょう。
ドレスコーズ『スーパー、スーパーサッド』
※動画は弾き語りバージョンではありません
(松本ともこ)これはもしかしたらまだタワレコで特典としてね、買ったら。
(吉田豪)ないところもあるっぽいですけど、新宿店はありました。たしか。
(松本ともこ)数に限りはあるだろうけど。『スーパー、スーパーサッド』の弾き語りバージョンをお届けしちゃいました。ドレスコーズです。12月10日、もうリリースになっています。
(吉田豪)アルバムも最高です。
(松本ともこ)バンドはいま、お一人。タイトルは『1』。
(吉田豪)ロック大っ嫌いな掟ポルシェも大絶賛してね。掟さんがTVブロスですごい泣けるCDレビューを書いていて、それに志磨さんも感動してたんですけど。これ、たぶんどっちもバンドを経て1人になった人にしかわかり得ない何かがあるんだろうなっていう風に僕がつぶやいたら、掟さんがすごいまた泣けるつぶやきをTwitterでやって。それを読んだ志磨さんが『泣けてきた』とか(笑)。結構おセンチなモードになっていて。すごくいいんですよ。そういうのも含めて。ぜひとも。
『TVブロス』の掟ポルシェによるドレスコーズのCDレビューもすごい良かった。バンドを経て1人で活動することになった人にしかわからない何かがあるのかも。
— 吉田光雄 (@WORLDJAPAN) 2014, 12月 10
バンドが出来ないって、最低の最低だから。人生の落伍者だと思ってるんですよ。仲のいい人とすら、
自己顕示欲の結果上手くやれなかったって、
そういう意味。理由はそれぞれだけど、バンドで失敗した人の気持ちはわかるつもりでいる。そんないいもんじゃないけどね。
— 掟ポルシェ (@okiteporsche) 2014, 12月 10
だめだ もう掟さんのツイート見たら、忘れかけてたの蘇ってきて泣いてしまう
— 志磨遼平(ドレスコーズ) (@thedresscodes) 2014, 12月 10
掟さん、全部言ってくれてありがとう
— 志磨遼平(ドレスコーズ) (@thedresscodes) 2014, 12月 10
(松本ともこ)ぜひ、いま音楽好きでバンドなんかもさっていうwith youリスナーの男性陣もいっぱいいると思いますので。ぜひ聞いてほしいですね。さあ、ではもう1曲。次はなんですか?
(吉田豪)この番組では初期に流したことがありますが。BELLRING少女ハートという僕がかなり推しているアヴァンギャルドなアイドルグループがいまして。サイケデリックな。
(松本ともこ)当時はまだ会ったことがないんだけど、おすすめのアルバムに入ってましたね。
(吉田豪)そうですね。そんなに交流のない時期にコンピに選んでみたいな感じで。で、その後イベントとかで何度か交流したりとかで。たぶん、今年いちばんライブを見たの、ベルハーなんですよ。
(松本ともこ)そうでしたか。
(吉田豪)それが、ようやくセカンド・アルバムができたんですが。相変わらず初回限定で異常な装丁で。こうやるとCDが出てきて、みたいな。
(松本ともこ)なんか、立体的な・・・紙工作みたいで、すごいですね。
(吉田豪)紐で縛らなきゃCDが飛び出しちゃうという、異常な装丁のセカンド・アルバムが出て。まあ配信でもう全部買えるんですけどね。セカンド・アルバムの、本当1曲目の歌い出しの声の破壊力だけでも最高!っていうような。
(松本ともこ)えっ、BELLRING少女ハートって結構大人数なんでしたっけ?
(吉田豪)結構大人数ですね。6人で、もうすぐ2人抜けるんですけどね。
(松本ともこ)いろいろあるんだ。
(吉田豪)やっぱり、洗練されなさの良さっていうか。歌唱力を向上させない良さっていうか。それなんですけど、メンバーが『努力も認められない世界にいるのが辛い』って脱退するんですよ。
(松本ともこ)(笑)
(吉田豪)そういう気持ちもわかるんですよ。その気持もわかる!その気持もわかるけれども・・・
(松本ともこ)でも、人気は上がってるんですか?
(吉田豪)上がってますけどね。クワトロのワンマンが埋まるぐらいの。ソールドアウトになるぐらいになってるんで。
(松本ともこ)すごいじゃないですか。でも、本人たちには実感がなくて辞めちゃったリ。もったいないですね。
(吉田豪)そうですね。ちょっとね。まあ、新メンバーを募集してるそうなんでね。
(松本ともこ)そうなんだ。いま、そういう過渡期。
(吉田豪)アルバムの最後の曲が、またいままでとちょっと違う流れの面白さがあったんで、聞いてみたいなと思いまして。BELLRING少女ハートで『Revelry!!!』。
BELLRING少女ハート『Revelry!!!』
(松本ともこ)あれっ!?っていう。この良さが変わらないんですね。
(吉田豪)いいですよねー。ここが魅力です。これがアイドルの良さ。
(松本ともこ)うん、そう。でも本人たちの中ではいろいろと、あるんでしょうね。
(吉田豪)ねえ。でも、これを保ってほしいんですよ。この感じを。
(松本ともこ)うんうんうん。
(吉田豪)アーティストとかを目指さないでほしいっていう。
(松本ともこ)アイドルの良さを保ってくれという。
(吉田豪)これが武器です。はい。
(松本ともこ)BELLRING少女ハート、まだまだ見ていこうと。
(吉田豪)はい。もちろんでーす。そして最後の曲、いきます?
(松本ともこ)最後の曲、もう1曲。
(吉田豪)はい。スマイレージの・・・スマイレージが最近ね、グループ名も変わることになったりとか。
(松本ともこ)変わることになる?
(吉田豪)あの、スマイレージというグループ名が商標登録されていたというね。他所の組織に商標登録されて使えなくなっちゃって。とにかくそういうトラブルの多い、不幸なグループなんですよ。メンバー抜けてから、オリジナルメンバーのブログがどんどん切なくなってきて。明らかにちょっと精神的なダメージを受けている感じの。がんばれ!っていう感じの。『スマイレージはいつもこうだ』っていうタイトルとか、もうすごい泣けてきて。
[関連リンク]和田彩花オフィシャルブログ『スマイレージはいつもこうだ』
(松本ともこ)ねえ。なんかこんなことになって本人たちは、なんか気がつかないことだしね。
(吉田豪)でもね、今年武道館まで行ってたりとかね。いろいろいいこともあって。ツアーも。まあ、いろいろ大変なことが多いんですが。大変なことが多い人たちが、『SMILE FANTASY!』っていう舞台をやって。それはそういう切ない状況とかも織り込まれた感じの。みんな『泣けた!』って言ってるんですね。で、僕は行けなかったんですが、DVDは買って。そのエンディングテーマがすごい名曲だったんで。聞いてみようかなという感じで。
(松本ともこ)ぜひ。
(吉田豪)つんく♂さん以外の曲なんですけどね。スマイレージで『か~てぃんこ~るんるん』。
スマイレージ『か~てぃんこ~るんるん』
(松本ともこ)スマイレージ。平仮名で『か~てぃんこ~るんるん』。あ、(曲と)一緒に言っちゃった(笑)。
(吉田豪)一緒に歌っている感じの(笑)。
(松本ともこ)いいですねー。これがDVDでは買えたということですね。
(吉田豪)3曲入りのCDが一部限定で売ってるのかな?で、もっとソロとかも含むCDがDVDに付いているので、ぜひともそっちで買うのがおすすめです。
(松本ともこ)そっちがおすすめ。
(吉田豪)3曲ダブっちゃったっていうね。僕ね。
(松本ともこ)そういうことですよね。まあでも、ファンとしては。で、これからスマイレージじゃなくて。でもさ、せっかく覚えてもらった名前をね、もう1回変えるってやっぱりちょっと悲しいところはあるじゃないですか。
(吉田豪)また、新しいグループ名、いまだに僕もよく覚えてないレベルでね。
(松本ともこ)私、覚える。アンジュルムでしょ?
(吉田豪)そんな感じです。
(松本ともこ)アンジュ・・・だから天使と涙、ですっけ?
(吉田豪)そうなんですよ。ラクリマ・クリスティみたいな感じじゃないですか(笑)。
(松本ともこ)そうそうそう(笑)。ちょっとそっち系の。
(吉田豪)ビジュアル系っぽいですよね。
(松本ともこ)ビジュアル系っぽいですね。アンジュルム(笑)。覚えにくい。アンジュルムって噛みそうですけど。覚えていきましょうよ。ということで、今日、曲をいろいろ聞いたなーっていう気がして、私としては充実の豪さんベスト特集プラスαということでしたけど。皆様、いかがだったでしょうか?
<書き起こしおわり>