安住紳一郎 一人暮らしの真夏の生ゴミ処置方法と人間の尊厳を語る

安住紳一郎『出演番組を見る際は自分自身を全力で応援する』 安住紳一郎の日曜天国

安住紳一郎さんが2010年8月にTBSラジオ『日曜天国』でしたトークの書き起こし。多忙でなかなか家に帰れずゴミ出しができない安住さん。腐敗してしまう生ゴミの処置について語っていました。

局アナ 安住紳一郎

(安住紳一郎)さてそれから、先週の話の続きですよね。覚えてらっしゃるでしょうか?ちょうど先週、番組冒頭でお話しましたけども。生ゴミの話ですね。

(中澤有美子)網網ネットの件ですね。

(安住紳一郎)私、37才独身。東京で一人暮らしということでございまして。出張や、会社で夜なべ仕事を急にすることがありまして、不意に2日ぐらい家に帰らないままという、そういう時がたまに、月に何回かできてしまう。そうしますと当然、まあ一人暮らしの方は、あるは共働きの方もそうかもしれませんけども。いま、特にこの8月。この時期、家に帰りますと、日中家に誰もいませんので、部屋が蒸し風呂のように。

(中澤有美子)うん。

(安住紳一郎)家のドアを開けると熱気がムーッ!っと押し寄せるという。そういう状況になってるんですけども。また、ムッぐらいなら、まだまだいい方で。時にはドアを開けると、プシューッと音がするんだという話でしたね。

(中澤有美子)そうでしたね(笑)。

(安住紳一郎)いつもより、ドアが軽く感じるくらいというね。まあ、私の部屋は引くドアなんですけども。向こうから軽く誰かに押されているような感じで、フッと開いちゃうっていう。スーッと開いちゃうっていう。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)中で何かが腐っているという話だったんですけども。

(中澤有美子)ええ(笑)。

(安住紳一郎)特に、一人暮らししてますと、生ゴミをどうしたらいいのだろう?ということだったんですけども。私の住んでいるところは、生ゴミを出していいのが週に2日。水曜日と土曜日ですね。たしかね。そうしますとこの時期、一日半くらい。時間にしますと36時間くらい部屋を開けると、まあプシューッとなってしまっているということで、困っているんだ。生ゴミの処理、どうしてるんですか?みなさんっていう話になったんですけども。

(中澤有美子)はい。

真夏に生ゴミを冷凍庫で保管する

(安住紳一郎)そこで、まあ私としましては解決策として、生ゴミを冷凍庫に入れて、ゴミ出しのタイミングが合う日まで、冷凍庫の中で生ゴミをスタンバイさせておくんだという話だったんですよね。

(中澤有美子)そうでした。

(安住紳一郎)で、その行為が、私自身ちょっとこれはやっちゃいけないんじゃないかな?っていう気持ちの上でやっている。『ちょっと人の道に外れているなということは、自覚しつつやっているんですけども、この行為は世間的に許されている行為なんですか?みなさん』ということをちょっとね、先週お話したんですよ。

(中澤有美子)そうでしたね。

(安住紳一郎)で、まあ放送の後ぐらい、私の周りにいる人たちなどは、『いや、ちょっとそれはないんじゃないのか?』っていう否定的な意見が結構多かったんですね。

(中澤有美子)ああ、そうだったんですね。うん。

(安住紳一郎)で、世間的には一体どうなんだろうか?ってことが知りたかったわけなんですけども。まあ、理屈的には冷凍すれば当然、腐敗のスピードを止めることは可能ではあるけれど、生ゴミ。まあ、ゴミですからね。ゴミを、商品を入れる冷蔵庫、冷凍庫に入れるという行為は品、道徳、倫理、そういった意味でどうなのか?という。

(中澤有美子)(笑)。うん、深い問題です。

(安住紳一郎)まあ物理的にはできたとしても、人としてはダメということが社会には往々にしてあるわけですよね。

(中澤有美子)そうですよね(笑)。

(安住紳一郎)ありますよね?たとえばその、靴下で額の汗をぬぐうとか。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)これ、物理的っていうかね、布ですからね。全く用をなしてるわけですよ。

(中澤有美子)そうそうそう(笑)。

(安住紳一郎)ただ、靴下で額の汗をぬぐっていいのか?人として、品として、道徳としてどうなのか?っていうね。ええ。骨壷が余っていたので、それでぬか漬けを漬けてみました、とかね。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)なんか、あるでしょ?

(中澤有美子)そうね(笑)。そういうことですよね(笑)。

(安住紳一郎)いくらノリのいい学校だからっていっても、仏さんのお輪で合奏とかをしてる幼稚園とかは、なんかどうなの、それ?みたいな。ちょっと嫌だわ、人として、みたいなことありますよね。

(中澤有美子)そうですよ(笑)。

(安住紳一郎)往々としてあるわけですよね。上司と同じポロシャツを着てるよ、この人、とかね。ええ。彼女と別れた後、その彼女の母親と付き合っている、とかね。いいですよ、別に。構わないのかもしれない。

(中澤有美子)そうね(笑)。

(安住紳一郎)でも、人としてどうなんだ?っていうね。話がちょっとね、ナイル川のように蛇行しましたけれども。生ゴミを冷蔵庫に入れるというね。これは大丈夫なのか?と。ラジオをお聞きのみなさんの意見、真っ二つに分かれました。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)まずやっぱり、当然人としてダメ!ちょっとおかしいんじゃないの?というご意見。やっぱり多かったですね。これは76才の女性の方からいただきましたけども。『ラジオを聞いてびっくりいたしました。聞き間違いではないか?と耳を疑いました。ゴミを冷蔵庫に入れるなんて。本当にびっくりです』と。うーん。たしかにね。そうでしょう。

(中澤有美子)はい。

(安住紳一郎)取手市の女性の方。『高校3年生の女子です。番組の冒頭、父と聞いていたのですが、生ゴミを冷蔵庫の中に入れるという一言を聞いてドン引きしました。テレビでよく見ていますが、清潔というイメージが崩れましたね』っていう。

(中澤有美子)あらー・・・応えますね。

(安住紳一郎)でもその一方、その方法、ありますよ。知ってます。私もやっていますという方も非常に多かった。ホテル、レストラン、うなぎ屋さんにお勤めの方からもいただきましたけども。よくご商売では、よくやる方法だそうです。

(中澤有美子)ああ、そうなんですね。

(安住紳一郎)さらには主婦系の雑誌なんかでも、よく紹介されているという。そういうお便りも多数ありました。だいたいこの生ゴミの処置に関してのお便り、トータルで250通ほどいただいたんですけども。まあみなさん、生ゴミに関してはちょっとね、一言ありますよという方が多かったんですけども。それぞれ大変読み応えがありまして。

(中澤有美子)ええ。

(安住紳一郎)もうほぼ、夏休みの自由研究に出したら、小学生、中学生、間違いなく文部大臣賞をとれるんじゃないか?っていうぐらいの奥深さがあるんですけども。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)で、だいたい、250いただきましたみなさんの総意をまとめますと、私、東京一人暮らし。週2日、生ゴミを出せる日。で、まあ1日半から2日ぐらい家を空ける。でも、この条件下でも、生ゴミは冷凍しなくても十分にやっていけるだろう。でもまあ、冷凍するのもひとつの手段ですね。ただし、いろいろ条件がつきますけどね。というのがだいたいの答え。

(中澤有美子)ほうほうほう。

(安住紳一郎)生ゴミの処置のポイントはみなさん、たくさん詳しく教えてくださったんですけども。簡単にまとめると、やっぱり水分、新聞紙、人としての尊厳。この3つのキーワードが、生ゴミの処置に関しては重要になってくる。

(中澤有美子)(笑)

(安住・中澤)水分、新聞紙、人としての尊厳。

(安住紳一郎)これが三大キーワード。まず水分をよく取るというのが生ゴミに関しての鉄則ね。それから新聞紙。これはまあ、水分を取るということに加えて、吸水。さらには防臭効果。よく靴のね、臭いを取ったりします。それから新聞紙、中が見えないということもありますので、この水分をよく取って新聞に包むというのが鉄則のようですね。

(中澤有美子)そうなんですねー。

(安住紳一郎)で、さらにビニール袋のようなもので空気を抜いて、そして置いておけば、室温でもそこそこ大丈夫。それで心配だったら、冷蔵庫。もっと万全を期したいんだったら冷凍庫というステップを踏むと。

(中澤有美子)ふーん。

(安住紳一郎)で、しっかり水分をよく取って新聞紙に包んで、そこにお茶殻とか、生ゴミ一発消臭みたいな消臭スプレーとか、キッチンハイターとか、お酢をかけるっていう方もいましたね。それから重曹をかける。あるいはその袋にワサビを塗るっていう人もいましたけども。

(中澤有美子)わお、わお。へー。

(安住紳一郎)要するに、水分をしっかり取って、新聞に包んで、空気を抜いてビニールに密閉しておくと、室温でも3、4日いけますよという。なので、安住さん、冷凍庫措置は必要ないんじゃないですか?と。でも、結構これをきっちりやるっていうのは大変。なので心配だったら、その状態でさらにジップロックとかビニール袋にきちんと入れて冷蔵庫に入れたら、さらに1週間ぐらい。心配だったら冷凍庫。で、冷凍庫に入れてパリッパリになると新聞紙ごとゾッと取れるんで。それを生ゴミの日に出せばいいんじゃないですか?と。

(中澤有美子)ほー。

(安住紳一郎)要するにステップがあるっていうことですよね。

(中澤有美子)そうですよね。需要によって。

(安住紳一郎)いきなり強い薬を飲まないで!ってことだよね。ええ。

(中澤有美子)そうか(笑)。

(安住紳一郎)そうそうそう。でも、心配だからいちばん強い薬からやっちゃうんだよね。心配だから。冷凍庫っていうのは。

(中澤有美子)効かないと困るから(笑)。

(安住紳一郎)でも、冷蔵庫、冷凍庫に入れる場合でも、やっぱり大事なのは3つめのキーワード。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)これ、みなさん本当に書いてくださったんですけども。で、『私、冷蔵庫、冷凍庫を使って生ゴミの出す日を調整しています』っていう方は多いんですけども。ことごとくみなさん書いてるんですけども。『生ゴミをやむなく冷蔵庫・冷凍庫に入れる場合、ゴミという認識を持たない。ここがいちばんのポイントです』ってみなさん書いてるんですね。あくまでもこれは、食べない食材の一部だと思って冷蔵庫・冷凍庫を利用する。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)本当にこういう人が多かった。

(中澤有美子)なるほどね。そうそうそう。そっかー。

(安住紳一郎)だからゴミになる前のニュアンスで撤収して、もう食材の一部。まあ、包丁で切った端っことかだから。野菜くずだから。

(中澤有美子)そうね。うん。

(安住紳一郎)で、ゴミになる前の段階で、まあ新聞紙に包んで、冷蔵庫・冷凍庫に入れる。だから私は食材の一部を入れてるんだと。

(中澤有美子)なるほどね。切り離したばっかりの皮。根っこ。

(安住紳一郎)そう。食べない食材の一部なんだ!という強い気持ちを持って使うって書いてある。

(中澤有美子)強い気持ち(笑)。

(安住紳一郎)本当にみなさん書いてある。ちょっとね、ちょっと引っかかるんだよね。

(中澤有美子)うんうんうん。

(安住紳一郎)で、主婦の方、多かったのは、『他の家族には決して口外しない。特に生ゴミの処置の大変さを知らない男、子どもには絶対に言わない』。

(中澤有美子)男、子どもには(笑)。

(安住紳一郎)騒いじゃうから。『お母さん、ゴミ冷凍庫に入れてんのー!?』なんて言うから。『違う!バカ!』って。

(中澤有美子)わかってないなー(笑)。

(安住紳一郎)事情をくんでない人たちには言わない!いたずらにね。

(中澤有美子)そうね。いたずらにね(笑)。

(安住紳一郎)そして最後。これは本当に私、胸を打たれましたけども。70代の女性の方なんですけども。冷凍庫に入れる場合、ビニールの袋の上に赤いペンで『腐敗防止のため一時冷凍』と書いて入れておくようにしています。これ、深いですよ。うん。『腐敗防止のため一時冷凍』と書いて入れておきます。なんだと思います?これ。

(中澤有美子)ご自身で・・・忘れないようにですか?

(安住紳一郎)そうですね。まあ次、その生ゴミを出せる日が来たら、それを取り出すと。他の冷凍食品とね、ゴチャゴチャにならないようにというのもありますけども。これ、一時冷凍の『一時』という、この文字がポイントになりますね。

(中澤有美子)ほう。

(安住紳一郎)この70代の女性の方が書いてくださったんですけども。もし、次の生ゴミを出す日までの間に、私自身に何かあった場合、自分が急に天国行きになった場合、後から家族が冷凍庫を見て、『ああ、婆さんやっぱりボケが始まっていたんだね。生ゴミを冷凍庫に入れちゃって。嫌だよ。しっかりしてそうに見えたけど、やっぱりちょっとボケてたんだよ』と言われるのが悔しいからです。

(中澤有美子)おおーっ!(爆笑)。

(安住紳一郎)ズバリ、人間の尊厳ね。

(中澤有美子)すごい(笑)。そうですね、わー!

(安住紳一郎)そのために。急にね、天国に召された場合でも、まあね、子どものみなさん、孫のみなさんが冷凍庫を出して、見て、『腐敗防止のため一時冷凍』。ああ、ボケてないわってね。ああ、そういうことかって思うの。でも、なにも書かずに入れておくと、ああ、婆さんボケちゃってたんだな、みたいなことになるから。

(中澤有美子)そっかー。開けてみてね。ゴミだよと。

(安住紳一郎)ゴミだよ、婆さん、ゴミ冷凍庫に入れてるよ、なんてなっちゃうから。そのために、『腐敗防止のため一時冷凍』。

(中澤有美子)すごい!すごい!すごい!

(安住紳一郎)過不足ないね。

(中澤有美子)もうすごい矜持を感じますね。

(安住紳一郎)そうでしょう?(笑)。ということで、まあ水分を取る、新聞紙、それから3つめのキーワードは人間の尊厳ということですね(笑)。

(中澤有美子)なるほど(笑)。

(安住紳一郎)うん。それから、ディスポーザー組。これ、便利ですよ!っていう方もいましたね。うん。

(中澤有美子)そうなんですね。

(安住紳一郎)4人家族分の生ゴミを7日分ぐらいまで入れることが、いま可能だそうですけどね。地方自治体からの補助も出てるそうですね。3万円から6万円。さいたま市は最大で2万円の補助まで出るそうです。

(中澤有美子)ああ、そうなんですね。

(安住紳一郎)それからあの、先ほどもありましたけども、これ水分って意外と大事で。水に濡らさないと生ゴミはもう本当に腐敗のスピードが愕然と落ちるんですって。まあちょっとね、イカとかそういう足の早いものは別ですけども。なので、そのまな板なりピーラーから出た野菜くずをそのまま三角コーナーとか、まして網網ネットとかではなくて。水に濡れるようなところじゃなくて、台所の乾いたところにそのままスッと移動させて、それを牛乳パックなりタッパーでもいいですけど、入れておくともう生ゴミっていうよりも、しばらく野菜の状態で。生ゴミにならずに。腐敗のスピードが比較的緩まるということで。

(中澤有美子)むしろ乾燥するぐらいで。

(安住紳一郎)むしろ乾燥するぐらい。ええ。天日に干して乾燥させるっていう方もいますね。まあ6時間ぐらいでね、いま太陽強いですから。乾燥できますから。後々のことを考えると、こっちの方がぜんぜん便利だっていう風にね。全くもって便利だっていう方、いらっしゃいましたしね。ええ。ただ私、大変感動下の葉ですね、排水口にかぶせて使うゴミ取り用の網のことをね、みなさん『網網ネット』と呼んでくださって。

(中澤有美子)そうなんですね(笑)。ああ、合わせてくださって。

(安住紳一郎)私、大変胸に熱いものがこみ上げましてね。

(中澤有美子)本当ですよね。

(安住紳一郎)今後とも引き続き、『網網ネット』とぜひ呼んでいただきたいなと思います。はい。生ゴミの処置の仕方。大変奥の深い問題でございました。

(中澤有美子)そうですね。

(安住紳一郎)しかしですね、もうひとつ。さらに、世の中にはこういう、ピンチをチャンスに考える人がやっぱりいるんですね。こういう人によって人類は進歩してきたんだと思うんですけども。この、一人暮らしで家に買えるとムッとするこの熱気。生ゴミが腐る。部屋から変な臭いがする。困った!困った!じゃなくて、何か役に立てないか?と。何かあるんじゃないですか?

(中澤有美子)ピンチをチャンスに?

(安住紳一郎)ということをおっしゃっている方が1人。たった1人いらっしゃって。250人の中で1人。『納豆が作れるんじゃないですか?』って方がいらっしゃって(笑)。

(中澤有美子)(爆笑)。ああ、たしかに・・・

(安住紳一郎)私、胸を打たれまして。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)さっそく、納豆づくり始めております!

(中澤有美子)本当!?(笑)。

(安住紳一郎)なかなかね、難しいんですよ(笑)。

(中澤有美子)ええっ!?(笑)。

(安住紳一郎)『俺の塩』に続く第二弾。『俺の納豆』。近日発売になりますんで、お楽しみに。

<書き起こしおわり>
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