マキタスポーツ プチ鹿島 サンキュータツオが語る『ごちそうさん』論

プチ鹿島 NHK朝ドラ『ごちそうさん』ジャイアント馬場プロレス説 東京ポッド許可局

マキタスポーツさん、プチ鹿島さん、サンキュータツオさんがTBSラジオ『東京ポッド許可局』でNHKの朝ドラ『ごちそうさん』について、前作の『あまちゃん』と比較しながら語っていました。

(ナレーション)ここは東京のはずれにある事務所、東京ポッド許可局。例によって暇を持て余した局員たち。今日もおしゃべりが止まらないようです。3人が語らっているのは『ごちそうさん』論。いったいどんな話が飛び出すのやら。ちょっと覗いてみましょう。

(サンキュータツオ)あの、『ごちそうさん』、しゃべんない?ごちそうさん(笑)。

(プチ鹿島)見てるよね?

(サンキュータツオ)俺ね、バリバリ見てる。っていうか俺、むしろ、またマイノリティーとか言われちゃいますけど、俺、『あまちゃん』よりごちそうさんの方が面白いわ。

(プチ鹿島)あ、そうなんだ。

(マキタスポーツ)俺ね、また同じ感じになるんですけど、遅れて見出しましてですね。いまですね、遅れてはいるんですけど、リアルタイムで追いきれてはいないんですけど、録画して後からゆっくり楽しむようにしています。あれ、楽しいです。あれ、面白いです。

(サンキュータツオ)面白いですか?キムラ緑子さん、出てきました?

(マキタスポーツ)まだです。出てきてません。

(プチ鹿島)僕とタツオの中では、キムラ緑子以前・以後でぜんぜん・・・

(サンキュータツオ)ぜんぜん違いますから。

(プチ鹿島)キムラ緑子。朝ドラのだから王道だなっていうのは、ごちそうさんって、そうは言ってもあまちゃんと違って、熱中して毎日毎日見るわけでもなく、2・3話飛ばしても、4日ぶりに見てもいいんですよ。で、終わったらなにもない。いいじゃないですか。ただ、キムラ緑子がね、姑というか、お義姉さんで。小姑ですか?出てきてから。大阪編ですね。

(サンキュータツオ)いや、最高ですね。

(プチ鹿島)本腰でまた、見だしましたよ。

(サンキュータツオ)本腰で見ちゃうわ、あれ!イビリ大喜利。

(プチ鹿島)久しく見ないね・・・いいヒール出てきたよ。

(サンキュータツオ)いいヒール出てきた!

(マキタスポーツ)それこそ朝ドラのカスタム問題がありますけど、そういうことで言うとちゃんと踏襲感があるのは、冨士眞奈美とかが昔やってたイジメの、そういうことをちゃんと踏まえているかもしれないんだよね。それってね。

(プチ鹿島)だからむしろ、これ真っ当な朝ドラですよっていうのは、ずっと見続けている人は思うだろうけど。僕がね、懸念してるのは、あまちゃんから見始めたね、あの多幸感だけの、いい人だらけのあまちゃんで多幸感で。それはもう、ごちそうさん始まった時点で斜に構えてるじゃないですか。私たちの、なんだったら敵!みたいな。もうそれはおかしいと思うんだけども。

(サンキュータツオ)そうですね。おかしいですね。

(プチ鹿島)その人たちにとって。あの、あまちゃんのアイドル。上野の。あの子(マメりん役・足立梨花)が・・・

(サンキュータツオ)アメ女?

(プチ鹿島)ブログで叱られたっていうぐらいのレベルが、いまのキムラ緑子見たら、もう殺意抱くと思うんですよ。もう。それぐらいキムラ緑子、大活躍ですから。

(サンキュータツオ)いや、素晴らしい。

(マキタスポーツ)でもさ、そもそも話がさ、この許可局で出た1つのタームとしてあるのは、サウナ基準だと思うんですよ。だから集中力を要さなく見えるのは、やっぱり話の筋としてさ、起こることとかがデカいじゃん。デカいっていうのはつまり、フォームがデカいわけですよ。だからわかりやすいわけですよ。だから本当に集中力を要さなくても、だいたい起こっていることが速読できるみたいな感じなんだよね。だからあれは本当にすごくいいことだよね。本当、1日の中の15分で、だいたい夜中に見るんだけど、あれを最後に見たるすることによって俺は1日のピリオドが打てるんですよ。

(サンキュータツオ)もう俺なんか、東京編もかなり熱心に見ちゃってて。東出くんと杏ちゃんの恋愛模様だけで2クール走り抜けてくれ!って思うんです。

(マキタスポーツ)俺、いまそこよ!

(プチ鹿島)もう納豆食う・食わないで2週ぐらい引っ張るから。もうね、どっちの糸が伸びてんだよ?っていうぐらいね。でも、あの杏と東出くんの、前も言いましたけど、デカい2人にね・・・

(サンキュータツオ)はいからさんが通る感。

(プチ鹿島)デカい2人に、だけど真を取れる2人にやらしとけっていう。これ、もう馬場イズムなんです。だから。ジャイアント馬場のプロレスなんです。王道なんです。あれは。

(サンキュータツオ)そうなんだよね!

(マキタスポーツ)完全な王道だよね。

(プチ鹿島)いいですよ。デカいっていう。で、真取れるっていうのはなかなかいないことですから。

(サンキュータツオ)あまちゃんの後、あれしかないよ。本当に。

(プチ鹿島)あまちゃんっていうのは新日本プロレスだったんですね。

(サンキュータツオ)新日・全日だったんすね。

(プチ鹿島)面白いけど、見終わったら疲れる。だけど、数年後にも語れる。

(マキタスポーツ)だからさ、俺いま終わってみてさ、まだ波及効果があって。俺の知り合いの人がさ、あまちゃんのキャラクターのもので仕事をし始めたんですよ。1つね、やったんだけど。要はさ、業界の人たちを食わせてんだよね。あまちゃんって。活性化したんですよ。

(サンキュータツオ)あまちゃんね。だから視聴率以外の経済効果みたいな意味では大きかったのかもしれない。

(マキタスポーツ)それをさ、やるにあたってはマスコミはそういうの宣伝してナンボだしさ。自分たちをマッチポンプみたいにしてさ、動かしていかなくちゃいけないわけじゃない。だからその時にあまちゃんって本当に良くて。アマノミクスってよく言ったものでさ。要するにさ、3本の制作みたいなことで言うとさ、女の成長と戦争と方言っていうのがまさにそういうことになっていてさ。

(サンキュータツオ)マキタさんが言った3つの要素。

(マキタスポーツ)3つの要素をクドカンなりにカスタマイズしたものじゃない。だから朝ドラのパロディーみたいなこととかも言ってたし。

(サンキュータツオ)そもそもメタなんだよね。作品が。

(マキタスポーツ)そう。メタ的な朝ドラの大喜利っていう風になっていたということとかで。

(プチ鹿島)だから業界の人とかが食えるわけですよ。いくらでも好きな人は解釈があれば見たい、知りたいだから。

(サンキュータツオ)俺らレベルで話があったぐらいだからね。仕事の話。

(マキタスポーツ)俺らだってそれで食わせてもらったみたいなところがあるわけだけど。

(プチ鹿島)あまちゃん語りって聞きたいもんね。そこが出来るわけですよ。

(マキタスポーツ)まさにPKさん(プチ鹿島)の専門のところだけど、昔のプロレスのジャーナリズムのあり方とかによく似ててさ。

(プチ鹿島)週刊プロレスっていうのがすごく・・・もう何10万部。週刊文春より売れた時があったんですよ。それはどういうことかって言うと、ビックマッチがあったら、みんな週刊プロレス。ネットもない時代ですから。木曜日発売の週刊プロレスが何を書いているのか?どういう切り口で見てたのか?っていう答え合わせをずーっとするのが。だから、試合を見ないのに週刊誌だけ買っているっていうファンが普通に多かった。

(マキタスポーツ)だからさ、本当にそういう人たちを、活字プロレスなんて言われていたのは、それを内側の人たちが活性化して、相当メシ食えたわけだし。

(プチ鹿島)活字あまちゃんだよね。本当に。

(マキタスポーツ)まさになっていて。

(サンキュータツオ)プロレスと同じだね。

(プチ鹿島)だから終わったからこそ、あとはどんどん語りつがれるだけだから。まだまだ需要はあると思いますよ。まだまだあまちゃんです。

(マキタスポーツ)まだまだあまちゃん(笑)。でもほら、業界団体をさ、食わせてるみたいな感じで言うとさ、たとえば構造改革!とかなんか政治家の人たちが言ったこととかさ、アベノミクスとかとよく似ててさ。本当にそれで食えた人たちってことは本当に一部で。他の人たちはPKさん、最近よく言ってるじゃないですか。『勝ち馬に乗った』って。だから勝ち馬に乗ってただけで、本当にあのあまちゃんって何だったのか?みたいなとこまで味わって考えている人はほとんどいないし。

(サンキュータツオ)みんなが見ているから見たっていう人たちが多かった。

(マキタスポーツ)それで幸せな気分をずっと継続させていってる人たちも、いま全くいなくなっちゃってるわけでしょ?ほとんどの人たちは。

(サンキュータツオ)だから面白かったのがさ、みんな見てるからっていう理由で見てる人に対して、こういう見方があるっていうのを提示する仕事っていうかさ。世の中の人とか、どれだけ見方に自信がないの?っていうのが露呈したと思うんだよ。

(プチ鹿島)本当に僕は久しぶりにあまちゃんで、その活字プロレスを思い出したんですよ。で、次回のあれは、始まるまでは見ない。自分の中で予想する。だからこそ、いまのごちそうさんがすごく、何もない。これ、悪口でもなんでもなく、何もないのが清々しくて、気持ちいいんです。

(サンキュータツオ)そうだよね。一方でさ、俺は最後のあまちゃん論で『あまちゃんつまんなかった』って言っちゃったけど、1回そういった利潤が発生してしまった分、『つまらない』とも言えない空気になっちゃったじゃない。だけど、本来面白い・つまんないって自分対作品の問題であってね、別に自由なはずなんだよ。それを言うのはさ。だけどいざ仕事になっちゃった手前、もう言えないみたいな。それ、どうなのよ?っていうさ。俺がまたマイノリティーになっちゃったんだけど。ごちそうさんの場合は、もう本当そういうところもフリー。自由に語れる感じするんですよね。

(マキタスポーツ)うんうん。

(サンキュータツオ)こう、まとめ感がないっていうかさ。

(プチ鹿島)そう。語らなくてもいいんだもん。

(サンキュータツオ)勝ち馬に乗っかっている愛のない人に、なんでわざわざ解説しなきゃいけないの?ってそういうのもないし。すごい清々しく見れている。

(マキタスポーツ)だから途中から、俺なんかの感覚で言うとあまちゃんを語るために見ているみたいな感じでいて。それはやっぱりちょっと違うなって思っちゃったのよ。本当はそれは思っていて。自分の中の、咀嚼する時の速度感と合っていないっていう感じがしたわけですよ。それはもう、なにかの間違いだと俺は思って、途中からは客観的に見てるようにはしたんだけど。それがやっぱり今回のごちそうさんにはないんだよね。本当に。

(サンキュータツオ)だからごちそうさんに美保(純)さん出ていたら、完璧なんだけどね。

(マキタスポーツ)(笑)。それはごちそうさんにほしい人材、いくらでもいますよ。

(プチ鹿島)ごちそうさん、始まる前ね、やっぱり何人かの女性の友達とかが、『えー?ごちそうさん?杏?』みたいなことを言っていたんだけども、いざ始まったらそういう・・・『これって、はいからさんが通るとおんなじじゃん?』みたいなノリですげー楽しんでます。そこに重たい意味とか価値はないんだけど。それこそ納豆地獄に落ちるあれなんか、本当に少女漫画の、萌えなんですか?っていうのを、本人たちが言っていた。

(サンキュータツオ)なるほど!いいじゃない。

(マキタスポーツ)あと、俺はとにかく東出くんの演技が、たまらなく愛おしく思えて。っていうか、毎回ご褒美みたいな気持ちに。俺、よく言ってましたよね?昔、剛力彩芽がミュージックステーションで、それでものすごくネットが炎上して・・・みたいなこと、あったじゃないですか?いやいや、違うと。剛力彩芽が生歌を披露したことで、そこでちょっとミスったりしているところとかが、むしろご褒美だってこと、言ったじゃないですか。

(サンキュータツオ)まあ、そうですね。隙を見せてくれているわけですもんね。

(マキタスポーツ)だって毎回ですよ!東出くんの。あの、どこの言葉なんですか?あれは。あの関西弁だかなんだかよくわからないやつ。

(サンキュータツオ)(笑)。東出語ですよ。

(マキタスポーツ)あの、身体性を伴ってね、あの声と・・・

(プチ鹿島)ちょっとちっちゃかったりなんかして。なんか置きにいっている感じの。

(マキタスポーツ)そう(笑)。

(プチ鹿島)だからね、俺は東出くんはすごく楽しめるようになったんです。

(サンキュータツオ)俺、すっごい好き!

(プチ鹿島)東京編の中盤ぐらいは、これ、明らかにちょっとお腹いっぱいだ・・・あ、ごちそうさんにかけてるわけじゃないですよ。ちょっと箸置きそうになったんです。

(サンキュータツオ)(笑)。ちょっと待って。その顔、やめて(笑)。ラジオだけど、その顔やめて。

(マキタスポーツ)ほしがってるやつね。

(プチ鹿島)それで俺、心折れかけたんです。東出くん、これはないわ!って。ちょっと俺、辛いわと思ったんですけども、なんかこう・・・化学調味料がたくさん振りかけられているラーメンみたいな、ちょっとクセになっちゃったんですね。まあ、これでいっか!っていう。

(サンキュータツオ)関西ものの朝ドラで言えば、常に『こんなの関西弁じゃねー』っていうツッコミに、歴代朝ドラがあってたわけじゃん。

(マキタスポーツ)あったのはもちろんでしょうよ。

(プチ鹿島)ただ、言わせてください。これだけ言うと、ただ演技だけを求めているみたいな感じになるけど、そうじゃない。それを超越して、俺が東出くんを楽しみになっているのはさっきの杏じゃないけど、やっぱりデカくて、センター取れる人じゃないですか。

(サンキュータツオ)そうだね。プロレス上手いとか下手とかじゃないと。まずデカくていいじゃねーかと。キャラあるし。

(プチ鹿島)ちっちゃな劇団で汗水たらしてバイトしてやっと立てるとか、そういうんじゃなくて。モデルで、演技知らないけど出なよ!っていうぐらい。そういうことですよ。それでいいじゃん!っていう。敵わないでしょ?誰だって、そんなの。

(マキタスポーツ)まさにそれを思うんだよな!昔ね、なにかのテレビ番組で見たんですけど、あの大役者のデビュー当時っていうやつを特集が組まれて見たんですよ。したら、菅原文太さんかなんかのデビュー当時とか、高倉健さんのデビュー当時とか映像見たんですけど、めちゃめちゃ演技がやっぱり上手じゃないんですよ。だけど、それはリアルタイムで俺ら見てるわけじゃないじゃないですか。あくまで後で見させられたもんで。東出くんはいま、成長している過程を見れてるんですよ。

(サンキュータツオ)萌えじゃないですか。

(マキタスポーツ)そうそうそう。

(プチ鹿島)あのころってさ、ニューフェイスとか言って、何年ごとに・・・素材だけじゃん。

(マキタスポーツ)素材だけだもん。肩だけだもん。

(プチ鹿島)そこでそこそこのね・・・

(マキタスポーツ)ほら、PKさん。肩だけだもん・・・

(プチ鹿島)肩だけでしょ?130キロ、140キロ投げれるよりは、めちゃくちゃコントロールねーけど、150キロぐらい。それ、東出くんなんですよ。

(サンキュータツオ)そうそうそう!高校時代の寺原みたいな。

(プチ鹿島)だから素材。良くしたものでいま、ニューフェイスとかないけど。あのころ、映画業界潤っていたから毎年、金の卵を。それは実力なんかどうでもいいんですよ。ただ、人前に、センターに立てる人材かどうか?それがデビューしたら下手にきまっているから。たぶん東出くんね、そういうことでしょ?

(マキタスポーツ)そう。だって俺はまた覚えているのが、鉄砲肩だったのが、仲村トオル。

(タツオ・鹿島)あー!

(マキタスポーツ)仲村トオル、ぜんぜん球種なんかなかったんですよ。球種、全くなくて。めちゃめちゃ鉄砲肩だったんだ。でも。

(プチ鹿島)ただ、大器。素材はデカかった。

(マキタスポーツ)素材はすげかった!でもいまは、微細な演技とか球種を覚えたから、本当にできるようになった。

(プチ鹿島)阿部寛だってそうですよ。あれもメンズノンノで。鶴ちゃんにイジられて。鶴太郎がちっちゃい脇に、『阿部ちゃーん』とか言って風間トオルとかとイジられてたのが、役者本腰でいま10年・・・いまむしろ性格俳優じゃないですか。たまらない味じゃないですか。そういうことですよ。それ、エンタメたるや何かっていうことじゃないですか。

(サンキュータツオ)だから前、コンテスト論でもしゃべったけどさ、みんな小さくまとまっちゃうんだよね。いま、このツッコミ時代になると。

(プチ鹿島)だから自戒をこめて言ってるんですよ。憧れで言ってるんですよ。やっぱり、小手先の実力とかじゃなくて、デーン!ってやっぱり取れる人、いるんです。椎名桔平さんとか。

(サンキュータツオ)そうだ。だからまだ、キャラすごいあるけど下手な芸人とかほしいわけだよね。

(マキタスポーツ)そうそうそう。

(サンキュータツオ)そういうことなんだよね。

(マキタスポーツ)だから俺、毎回本当に『ありがたい、ありがたい』って言いながら、東出くんに。『東出くん、ありがたい、ありがたい』って(笑)。

(プチ鹿島)(笑)。わかるわかる。すげーわかる!大谷翔平ですよ!いま、二刀流でごちそうさん。

(サンキュータツオ)二刀流でごちそうさんって、なんですか。

(プチ鹿島)東出くん、そうです。

(マキタスポーツ)『東出くん、ありがたい、ありがたい』って思いながら。

(サンキュータツオ)だから貴重な存在ですよね。しかもそれを萌えられるっていうさ。高度な精神状態を僕ら、あまちゃんで学習してるじゃないですか。それをだから・・・能年玲奈の次は東出くんだったんですね。杏ちゃんじゃなかったんですよ。東出くんだったんです。

(プチ鹿島)能年玲奈の場合はやっぱり、ガチでオーディションとか。で、NHKの朝ドラってやっぱり各プロダクションの大器を、じゃあ育てながら使いましょうっていうコンセプトがあったと思うんですよ。だからそこがもう1回王道に戻って、東出くん。だから俺が本当に申し訳なかったなって思うのはね、東出くんに。この、『どうなの?』っていうあの時の心折れそうになった俺がつまんない!で、杏とがっぷり四つでさ、デカい2人がさ、それこそニューフェイスがやってるわけですよ。いいじゃん、それで。でも、桐島(、部活やめるってよ)でああいうデビューも飾ったから、いろんな才能ある人たちが・・・

(サンキュータツオ)桐島デビューなの!?そうか!

(プチ鹿島)野球部辞めて、なんでもできるスーパースター。

(マキタスポーツ)バスケやってた。

(サンキュータツオ)半分主役でしょ?だから元々ああいう朴訥とした、しゃべれない感じのキャラなのかな?って思ってたんだけど。

(プチ鹿島)ああいう、監督とかそういう人にとって、『あ、このデカい素材を使いたい』っていう。

(マキタスポーツ)じゃあ、木で言いましょうか?あれはただ切ったばっかりの木ですよ。材木にもなってないです。まだ。だからまだ、枝葉みたいなもんもついていて。加工前の、切りっぱなしの木なんですよ。だからそれを見れるなんて、滅多にないんだもん。

(サンキュータツオ)誤解ないように言っておくと、東出くんを褒めてますからね!僕らね。

(プチ鹿島)だって杏が、ヒロインなんだけど、東出くんを盛り立ててる感じが・・・

(マキタスポーツ)試合を作ってるんだろ?

(プチ鹿島)ごちそうさんじゃないですか、もう。本当に。

(サンキュータツオ)本当、『ごちそうさん』の使い方違うし・・・その顔、やめてくださいよ。ラジオなのに。

(マキタ・鹿島)(笑)

(プチ鹿島)あれ、いいんだよ。本当に。いいタッグチームですよ。

(サンキュータツオ)そうですよね。だから東京編だけでも結構、余すところなく食べれたわけですよ。1個も無駄なかったっすよ。まあ、また原田泰造さんの親父ぶりとかも良かったっすよ。

(マキタスポーツ)泰造さんなんか、いいじゃないですか。財前直見さんもいいじゃないですか。

(サンキュータツオ)財前直見が俺、お母さん役やるようになると思わなかったよ。だから結局、世界が小さいんだよね。あのアニメ。あのアニメじゃなくて、あのドラマ。

(マキタスポーツ)(笑)。アニメ好きすぎて。タツオ、あれアニメじゃないよ!

(サンキュータツオ)箱庭が小さいのよ。もう、東京の家、学校。あとは大阪の家、市場。もうそれだけでロケ終わってっからさ。

(マキタスポーツ)だってさ、本当にさ、大正時代ですよね。いまね、とりあえずね。大正時代の女学校の会話が、恋愛編のところを見てるから。

(サンキュータツオ)あれ、良かった。あの友達・・・

(マキタスポーツ)あんなことさ、恋愛のあんな話なんてしてるわけないだろ?『してるわけないよ!』って俺、言ってるもん。ニコニコしながら。あの関係、いいわ。俺。

(サンキュータツオ)いいよね。大正時代に自由恋愛っていうのがもう、早くもちょっと時代を感じるじゃないですか。モガですよ。あの人たち。でも、『もう少し、応援してたかったな』みたいなこと言われたら・・・なにこれ?

(マキタスポーツ)俺はツイートせずに、画面に向かってツッコんでるの。

(プチ鹿島)それ、正しいよ。つぶやきってそういうことだから。

(マキタスポーツ)よく考えたら、こんなスマホでいじってるの面倒くさくて。画面に向かってツッコんでるよ。『そんなわけないもーん!』って言いながら。

(プチ鹿島)ごちそうさんって、スマホいらないんですよね。親和性がないんですよ。だからいいんです。

(サンキュータツオ)なるほど。音楽がさ、また菅野よう子さんがやってるのよ。だから俺にとっては、アニメなんすよね。もう。『あ、菅野よう子!』みたいな感じで。劇伴のBGMやってて。

(プチ鹿島)あと、ゆずのオープニングテーマ、あれずーっとグルングルン回ってる時ない?

(サンキュータツオ)回ってますね。

(プチ鹿島)あまちゃんってやっぱり歌手の声がなかったから、改めて今年NHK朝ドラ見始めたから、がっぷりでゆずの曲・・・気がついたらあれが頭の中回ってるんだよね。雨のち晴レルヤ。

(サンキュータツオ)だからあまちゃんも面白かったけど、ごちそうさんも本当面白い。だからもう、何?朝の連ドラ、こんな面白かったっけ?っていうぐらい。

(プチ鹿島)面白さの質が違うんです。あまちゃんは『うほー、おもしれーな!』っていうので。ごちそうさんはもう普通に見てて。で、なんだったらごちそうさんの時はスマホと親和性がないって言いましたけど、他のことやりながら見てますからね。それって主婦とおんなじじゃないですか。ご飯食べながらとか。

(サンキュータツオ)だから、あまちゃんで萌えって気持ちを覚えて、僕らごちそうさんで主婦になってるわけですよ。これ、完全に。

(マキタスポーツ)(笑)。よくわかんねーことを・・・

(サンキュータツオ)乙女が成長しちゃってるわけよ。

(マキタスポーツ)(笑)。成長して、主婦になったの?

(サンキュータツオ)だっていま、大阪編見てください!キムラ緑子、最高!

(プチ鹿島)キムラ緑子、いいの投入した。キムラ緑子。本当にね、意地悪すぎて投書しようかと。この俺ですら。本当に。

(サンキュータツオ)(笑)

(マキタスポーツ)それさ、俺もやるんだろうね。たぶん、それ。やる気になるんだろうな、俺。

(プチ鹿島)ちょっとだから、あまちゃんに肩揉まれすぎたから。『こんなに世の中って優しくて、いいんだよ。現状肯定で』っていう感じで、慣れちゃったから。

(マキタスポーツ)だからたぶん本当にいい意味でね、いい加減に見られるかもしれないけど。局地的には俺、すごい主観的になって。『そんなことねーよ!』って言えてる感じ

(プチ鹿島)いいじゃない。いいじゃない。

(サンキュータツオ)ちゃんとボケやってくれてるわけ。そういう意味では。そんなわけねーよ!って。

(マキタスポーツ)『志村、うしろ!』っていうことだよね。

(サンキュータツオ)そう。

(プチ鹿島)あまちゃんって、もしかしたら『そんなわけねーよ!志村、うしろ!』っつったら、後ろじゃない可能性も・・・ちょっとこれ、ちゃんと見ようっていうのがあるじゃん。ごちそうさんはそのままなの。

(サンキュータツオ)絶対あれ、うまくいってくれるしね。なんかもう、安心して見れるじゃないですか。

(プチ鹿島)だって、全員死んでるし。

(サンキュータツオ)(笑)。主人公も割と前向きで。そこも本当はキャラクタライズされているんだけど。重くは受け止めてるんだけど、そんなに鬱々しないしね。基本、前向きだし。ぜったいキムラ緑子ってツンデレだからさ。もう最後、デレるに決まってる。

(プチ鹿島)デレるに決まってるんだけど、でも面白いのがさ、やっぱり連続ドラマでもそうだけど、やっぱりそこまで、ケツはわかっていても、その間の辛いを見るのが嫌だっていうのが、意外と昭和よりは耐性低いよね。視聴者の忍耐力が。

(サンキュータツオ)うん。甘やかされてる。本当、肩揉まれすぎ。あれ、耐えなきゃ!だって、あなた方、大映ドラマ見てるからぜんぜん大丈夫だけど。

(プチ鹿島)俺はもう、楽しくて仕方ないですよ。

(サンキュータツオ)そうでしょう?

(プチ鹿島)でも一方で、俯瞰して、ああ楽しいなじゃなくて、『キムラ緑子、ひでーことするな!』って。少年の俺が怒りつつ、見てる。

(サンキュータツオ)わかるわかる。少年の自分、いる!酷い!この女、酷い!

(プチ鹿島)ひっでーな!なんだこいつ!?って思って。でもよく考えれば、終わってよく考えると、こういう役を授かって、千載一遇のチャンスをモノにしているキムラ緑子の成長途上ですよ。役者としてのね。ビッグになりかけてる。も、すげーなって思いつつ。

(サンキュータツオ)もう鹿島さんの立ち位置がよくわかんなくなってきましたけど(笑)。

(マキタスポーツ)ちょっと話を戻すんだけど、俺、杏ちゃんにも言及したいんだけど。杏ちゃんの演技も、僕、またご褒美をいただいてるんですけど。杏ちゃんの肉体ね、タッパもあってデカいわけじゃないですか。まさに。しかもスラッとして、手足も長い。大正時代にいねーよ!っていうのが。しかも大正時代とは思えないような演技プランでやっているわけでしょ?しかも、少女的な、いわゆるパターン化された媚態みたいなものとかを。たとえばおにぎり1つ握っても、『あつい・・・』みたいにちょっと唇とがらせて言う感じとかね。

(プチ鹿島)アヒル口ね。

(マキタスポーツ)アヒル口。あの感じとかさ・・・

(プチ鹿島)友達の口うるさい女性の視聴者に言わせると、アヒル口最初、連発したんだけど、いま抑え気味なんだって。だから女性に向けて、なにかアドバイスがあったんじゃないかな?スタッフから。『アヒル口、連発するな』っていう。

(マキタスポーツ)だけど、いろいろ球種試しているところだと思うし。だから杏ちゃんだって、ベムとかばっかりじゃなくてね、ああいうかわいらしい媚態とかいうものも。あれだって、テクニカルルーティンだから。言ってみれば。杏ちゃんっていうのはやっぱり、渡辺謙の娘だなっていう風に思うし。まさにもっとなっていく最中を俺、見てるような気がするんですよ。ただ、広い意味では東出くんっていうすごい荒れ球。棒球(笑)。

(プチ鹿島)もっとデカい棒球。

(マキタスポーツ)を受け止めている構図になってるからなんですけど。杏ちゃんもトライしてますから。非常に違和感を前提にした上ですけど、すっごいかわいらしいです。そこの健気なところが俺、好きだわー。あの子。いま、だって我が家でも本当、『杏ちゃん、杏ちゃん』って。『杏ちゃん見よう!』。

(サンキュータツオ)東出くん、杏ちゃん見よう!あのタッグ、だから最強タッグですよ。

(プチ鹿島)最強ですよ。だから。本当に。

(マキタスポーツ)あれはいいね。

(サンキュータツオ)しかも大阪編いったら、またぜんぜん違う人たち出てくるから。キムラ緑子、宮崎美子、しかもまた下の妹も綾波レイみたいなぜんぜんしゃべんないキャラみたいな。

(プチ鹿島)いいですよー。

(マキタスポーツ)うんうん。言ってた通りだ。じゃあ。

(サンキュータツオ)たまんないっすよ。本当に。

(マキタスポーツ)結婚、断ったから。ヤバいからって。ウチはヤバいからって断ってた。やっぱ、言ってた通りになるの?

(サンキュータツオ)そう。そういうことになるわけですよ。

(プチ鹿島)だって、なんの意味もないんだもん。明日までドギマギするとか、なんにもないから。その15分では、あるよ。あるけど、『これ、どういう展開になるのかな?』ってない。決まってるに決まってる。

(サンキュータツオ)ただ本当、逆境への立ち向かい方みたいなのは、本当素晴らしい。本当、心が洗われるっていうか。毎回、イビられるんだけど、すごく前向になれるような。杏ちゃんがまたさ、学術的な面っていうかさ。若干学者肌っぽいところを見せる時があるのよ。おにぎりの時、あったじゃない?

(マキタスポーツ)あったね。

(サンキュータツオ)どの塩加減とかさ。研究してたでしょ?あそこになんか萌芽を見るわけよね。それが割と連続的に、しかも計画的にちゃんとスケジュール切ってあるっていうかさ。たとえば1ヶ月かけて東京編やります。で、翌月大阪編行きます。ここ何週目まではイビりがあります。その次はこうなります、みたいな。ちゃんと順路を案内されている感じ。

(マキタスポーツ)俺さ、そういうところで言うとさ、東出くんと杏ちゃんの子供が見たい。早く。

(サンキュータツオ)わかる。

(プチ鹿島)まあそれ、あるよね。

(サンキュータツオ)1回だけ、下ネタあったからね。

(プチ鹿島)あった!

(マキタスポーツ)えっ!?

(サンキュータツオ)あれ、ちょっとザワッとしましたよね。大阪でちょっと下ネタ、ありました。

(プチ鹿島)緑子が。朝ね、放り込んできた。あれ、みんな視聴者、『うわっ!恥ずかしい!』って。

(サンキュータツオ)なった!あれ、やっぱあまちゃん見てた俺らに対する強烈なパンチだったよね。頬を張られたような。

(マキタスポーツ)そうなんだ。ナメんなよ!って。

(サンキュータツオ)そう。ナメんなよ。もうこの2人、大人なんだから。

(プチ鹿島)朝食の図でね、またネチネチ嫌味を言うんだけど。杏ちゃんはまた、朝ごはんの支度をしてて。東出くんは勤め人でやったんだけど、『昨日そんなに眠れなかった』っつったら、『遅くまでバッタンバッタンうるさかったわ。大きな2人が』みたいな。

(マキタスポーツ)(爆笑)

(サンキュータツオ)ね!

(プチ鹿島)だからもう、馬場プロレスなんですよ。

(サンキュータツオ)そしたら2人も、マンガみたいなリアクション。あれ、馬場プロレス?

(プチ鹿島)馬場プロレスですよ。デカい2人がバッタンバッタンやっているわけだから。もう王道じゃないですか。

(サンキュータツオ)大人のいいわけじゃないですか!

(マキタスポーツ)受け身をやらないと・・・

<書き起こしおわり>

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