春風亭一之輔 中村獅童との2人会・開演前の観客トラブルを収めた中村獅童の手腕を語る

春風亭一之輔 中村獅童との2人会・開演前の観客トラブルを収めた中村獅童の手腕を語る JFN

春風亭一之輔さんが2023年12月29日放送のJFN『マキタスポーツと春風亭一之輔の年忘れ ラ・時事放談2023』の中で中村獅童さんと行った2人会についてトーク。開演前に発生した観客トラブルで怒り狂うおじさんを落ち着かせ、丸く収めた中村獅童さんの手腕について話していました。

(春風亭一之輔)(配信だと)時事ネタなんかも、だから本当にちゃんとあったことをちゃんと伝えようとしないとダメだから。「空気で感じてくださいよ」っていうことがね、枕ができないんで。なかなか大変でしたね。

(マキタスポーツ)それがコロナの分類が五類になって。ちゃんとお客さんも日常に戻ってくるかのようにして、寄席にも戻ってきたと。

(春風亭一之輔)戻ってきたんだけども、なんかいろんなもんがシャッフルされているんですよね。

(マキタスポーツ)どういうことですか?

(春風亭一之輔)今まで来ていた人が来なくなって、新規の人が来るようになって。で、ライブで見ることにまだ慣れてない方が混ざるようになったりなんかして。客席がごちゃごちゃごちゃごちゃしてる感じが……それでまた、ほら。僕が結構ね、有名になっちゃったじゃないですか。

(マキタスポーツ)そうそう。本当にそうですよ、これ。どこまで有名になるつもりなんですか?

(春風亭一之輔)結構有名になっちゃったんで。

(マキタスポーツ)『徹子の部屋』とかも出たでしょう?

(春風亭一之輔)徹子がね、僕のことをね、好きらしいんすよ。あの女が(笑)。

(マキタスポーツ)「徹子」呼ばわりするな(笑)。「あの女」じゃないんですよ(笑)。

(春風亭一之輔)うるんだ目をしていましたよ?(笑)。

(マキタスポーツ)うるんだ目、してんの? うるんだ目で「ジェネリック」って言っているの?(笑)。

(春風亭一之輔)「ジェネリック! パンダ大好き!」って(笑)。「一之輔も好き!」なんつって(笑)。だからこの間もね、客席でケンカがおっ始まっちゃったんですよ。

(マキタスポーツ)えっ、どういうケンカ?

(春風亭一之輔)開演前に。歌舞伎役者の中村獅童さんと2人で、トークもありつつ、歌舞伎と落語の融合みたいな。そんな会だったんですけども。開演前に、あれはおじいさんかな? なんか肩にバーン!って荷物がぶつかったみたいで。で、ぶつけたのがなんか、女の子だったのかな? で、お母さんもいて。「おい、謝れ!」みたいな、そういう感じで。で、お母さんが謝っているんだけども、「その娘に謝らせろ!」みたいな。声高にワーッて、こう……。

(マキタスポーツ)その怒り方、おじさんらしいなー。

(春風亭一之輔)アンガーマネジメントっていうんですか?

(マキタスポーツ)そう。6秒、我慢すりゃいいんだよ。でも、できねえんだよ、あれ。

アンガーマネジメントできないおじさん

(春風亭一之輔)そしたら、それを見ていた脇のおじさんとか、遠くにいる女の人が「あんたの方が悪いわよ!」とか……。

(マキタスポーツ)ああ、加勢してきた?

(春風亭一之輔)そう。加勢して。「違う! 俺は悪くない! 表現の自由だ!」みたいな、よくわからないことを言って、混沌としちゃって。「こんなこと、今まであったかな?」っていうようなことが。

(マキタスポーツ)そうか。それもだからやっぱり力学が変わっちゃって。今まで、マニアのお客さんとかがいる中では、その中でのルールであるとか、マナーみたいなものがあったんだけども。

(春風亭一之輔)それがガラガラポンになったのかな? このコロナのせいっていうのもあるのかなと思うんですよね。エンタメを見るっていうことをまた1から、始める人がやっぱり増えてきたのかなと。

(マキタスポーツ)でも、その時に、袖とかで待機してて。どういう風にしてたんですか? 噺家さんたちは。

(春風亭一之輔)僕と弟子がいて。「これ、やべえな、おい」とか言ってたら、そこは中村獅童さんが……まあ、その後のトークに備えて紋付袴で構えていて。それが、どこかに行ったんですよ。そしたら、客席に端の方から降りていって。「皆さん、今日はご来場、ありがとうございます!」って。そう言ったら客席、響くでしょう? で、みんながパッと見たら獅童さんがいるから。「うわーっ!(拍手)」ってなって。

(マキタスポーツ)おおっ! なった!

(春風亭一之輔)なってい。で、その泣いてるのか、女の子にポンポンって肩を叩いてあげて。「大丈夫だよ」みたいな。で、その怒っているおじさんにも「今日はこういう席ですから。皆さん、楽しく落語をご覧ください。皆さん、そうですよね?」っつったらみんなが「うわーっ!(拍手)」って。で、怒ってるおじさんも何となく「まあまあ、獅童が言うならな……」って。

(マキタスポーツ)その振り上げた拳をゆっくり下ろして?(笑)。

(春風亭一之輔)下ろして。ちゃんと落ち着かせるっていう。

(マキタスポーツ)おお、すごい! 獅童! かっこいい!

(春風亭一之輔)いや、やっぱりちょっとタッチの差で、僕がやろうと思っていたことを……。

(マキタスポーツ)いや、違うでしょう、絶対に(笑)。全然……弟子っ子をつかまえて「どうする、どうする?」って困っていただけじゃないですか(笑)。

(春風亭一之輔)やっぱりね、歌舞伎役者さんの場を制するっていうか。現れただけでファッとみんなが向いて、フッと吸い込まれる力にね。

(マキタスポーツ)やっぱり役割が違うんでしょうね。向こうは歌舞伎役者。役者の人はその役を演じるようにですね、かっこよく決める時は決めるっていう。お笑いはやっぱり茶化しですからね。

仮に自分が間に入ったら……

(春風亭一之輔)たとえば仮に僕が入っていったとして、どうなるか?っていうと。「ええと、どっち? 謝っちゃえよ、お前。怒ってるんだから。ねえ、おじさん? はい。謝っちゃえ、謝っちゃえ」って。

(マキタスポーツ)フハハハハハハハハッ! それはもう、そのまんま落語じゃないですか(笑)。「謝っちゃった方がいいよ」なんて(笑)。

(春風亭一之輔)「ほら、こんなに謝ってるんだから。ねえ。そうですよね、皆さん?」っていう。そういうやり方になるなって思って。

(マキタスポーツ)どこか、小物感が出ちゃうんだよね(笑)。それがお笑いのいいところですけどね。

(春風亭一之輔)どうもやっぱり大衆芸能と伝承古典芸能っていうのは違いますね。

(マキタスポーツ)いやー、おもしれえなー。

(春風亭一之輔)それもコロナの影響なのか、わからないですけどね。

<書き起こしおわり>

タイトルとURLをコピーしました