ジェーン・スー 赤江珠緒たまむすび 『スー刊現代』書き起こし

たまむすび

ジェーン・スーさんがTBSラジオ『赤江珠緒たまむすび』で担当するコーナー、『スー刊現代』の初回放送の書き起こし。赤江珠緒さん、博多大吉さんと、未婚のプロが見出した私たちがプロポーズされない理由について語り合います。

(BGM カオマ『ランバダ』が流れる)

(赤江珠緒)さあ、それでは改めてご紹介しましょう。スタジオには作詞家・コラムニストのジェーン・スーさんです。こんにちは。

(ジェーン・スー)よろしくお願いします。はじめまして。

(博多大吉)どうもはじめまして。大吉と申します。僕は本当の初対面ですね。いまが。よろしくお願いします。

(赤江)ビビビと来ましたか?

(大吉・ジェーン)ん?

(赤江)ビビビッと。

(ジェーン・スー)すごいですね。いきなりですか?あのね、小学校の時の初恋の三田先輩にすごい似てるんですよ。

(大吉)えっ?三田先輩?人生で3回目です。

(赤江)大吉さん、いまモテ期に入ってるっていう。

(ジェーン・スー)あ、そうなんですか。すごい。あっ、三田先輩っていう。まあ、13才以降会ってないんでわからないんですけど。

(大吉)たぶん三田先輩もこんな感じに育っているかもしれませんが。

(ジェーン・スー)よろしくお願いします。

(大吉)こちらこそ、お願いします。っていうかその前に、これ(BGM)、なんですか?ランバダ。

(赤江)なぜランバダ?

(ジェーン・スー)あ、あのですね、実は高橋芳朗さん。いま『星影ジュークボックス』っていう番組をやってらっしゃるんですけども。が、以前『HAPPY SAD』という番組をやってらっしゃった時に、私がゲストに出させていただいた時に、『これを聞いているとだいたいのことはどうでも良くなるよ』っていう曲として紹介したんですよ。

(赤江)あ、なるほど。

(ジェーン・スー)だいたい真剣な悩みとかがあっても、ランバダをリピートで聞いていると、『ま、いっか・・・』みたいな感じに。

(赤江)そうですね。あとは破れかぶれ、みたいな。そういう気持ちになりますね。

(大吉)どうにかなるさ、みたいなね。

(ジェーン・スー)っていうご提案だったんですけど、なぜか私のテーマソングになってしまいまして。最近。

(赤江)いや、でもすごくハマッてらっしゃると思います。

(ジェーン・スー)ま、いっか・・・っていう感じのジェーン・スーでございます。よろしくお願いします。

(赤江)ね。ジェーン・スーさんもTBSラジオでは『ザ・トップ5』などでもすでにお馴染みでございますが。たまむすびもね、2度目のご登場ということなんですけども。改めてプロフィール、ご紹介させていただきます。

(大吉)お願いします。

(赤江)1973年の東京生まれ・東京育ちの日本人の方でいらっしゃいます。

(大吉)ジェーン・スーさんは日本人なんですね。芸名なんですよね?

(ジェーン・スー)そうです。芸名っていうほどのものでもないんですけども。

(大吉)いやいや、だってカタカナで『ジェーン・スー』はこれ・・・

(ジェーン・スー)こんなことになるんだったら、もうちょっとちゃんとした名前をつけておけばよかったなという・・・

(大吉)これはご自分で考えたんですか?

(ジェーン・スー)そうなんです。昔、mixiとかがあった時の、まあ今もあるんですけどね。mixiネームみたいなものだったんですけど。手短に言いますと、外人割引があるホテルに『ジェーン・スー』っていう名前で泊まったことがあるという。日本人よりも外人の方が安くなるっていうんで。

(大吉)で、カタコトの日本語をしゃべれば、外国の方と思われると。

(ジェーン・スー)で、電話で予約をいたしましたところ、ものすごい(英語)ベラベラの人が出てまいりまして、『ジェーン』って言った後に、ヤバい!私、その後に『スミス』とか来るような顔していない!と思って、とっさに出てきたのが『スー』だったんですけど。『ジェーン・スー』で行った・・・

(赤江)それでこれだけのお仕事をされていくことになるとは。

(ジェーン・スー)いやー、びっくりしましたよ。その節はホテルの方には申し訳ないんですけど。

(大吉)そういった理由からのジェーン・スーさんで。生粋の東京の方。

(ジェーン・スー)日本人でございます。

(赤江)作詞家、コラムニスト、音楽クリエイター集団『agehasprings』での作詞家としての活動もされておりますし、自意識をこじらせた大人たちへの名言の数々。前回はね、火曜日の山ちゃんとも、いろいろと語っていただきましたけども。

(ジェーン・スー)仲良くしたかったんですけどね。

(大吉)どうでした?山ちゃんは。

(ジェーン・スー)すごく警戒されてしまいました。

(赤江)(笑)。こじらせすぎている2人という感じでしたけれどもね。ジェーン・スーさん、この時間は月イチのラジオコラム。その名も『スー刊現代』というタイトルでレギュラー出演していただくことになりました。改めてよろしくお願いいたします。どんなコーナーにしていきましょうね?

(ジェーン・スー)今回ですね、ファミレスで女性同士が語りあっているような、身も蓋もなければ中身もないみたいな。でも、意外と大事なことも言っているかも、みたいな話をですね、『スー刊現代』で特集して、こちらにお届けするという。

(大吉)私はウェイターみたいな役でいいですかね?暇な感じで。ちょっと聞き耳を立てているような。

(ジェーン・スー)そうですね。あの、賢者のご意見番みたいな感じでいていただけると。

(赤江)いや、正直ね、私スーさんの・・・私、友達にスーさんみたいなタイプの人が多いんですよ。

(ジェーン・スー)あ、そうなんですか。おいたわしゅう。

(赤江)ちょっと迂闊なっていう感じの友達の感じ。ちょっと多いんですけど。そういうタイプとですね、また大吉先生は九州男児を絵で書いたような方なんですけども。このお二人が合わさった時に、どういう化学反応になるのか?これ、本当に見ものだなと思って。楽しみにしている状態で。

(ジェーン・スー)嫌われないようにするのが精一杯ですよ。本当に。

(大吉)こちらこそ、ですよ。

(赤江)どうなりますか?ですよ。だからそんな、ウェイトレス的な、そんな傍観者の立場ではいられないと思いますよ。大吉先生。

(大吉)まあまあ、でもね、男は僕1人なんで。発言できるのは。

(赤江)ごっそり巻き込まれていくと思いますけども。

(ジェーン・スー)嫌いにならないでくださいね。

(大吉)大丈夫です。僕、本をね・・・

(赤江)今週はね、スーさんはじめてということで。そして今ね、ご著書も出されたということで、ご紹介させていただきましょうか。『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』という本を出されたと。

(ジェーン・スー)まあ、身も蓋もない、まさにこれはファミレストークから始まったものでございまして。

(赤江)なかなか・・・綴られましたね。本当にね。

(ジェーン・スー)あの、101書く必要、なかったなっていうのが最終的な結論でございます。

(赤江)101、きちんと出されましたよ。

(大吉)これ、独身の女性のみなさんが、スーさんを含む。みんなで自分たちがなんで結婚できないんだろう?っていうのをファミレスでいろいろしゃべって。それを箇条書きで。あと、文章を書いてもらってるんですけど。

(赤江)スーさん曰く、『未婚のプロ』。

(ジェーン・スー)そうなんです。だから7-8年前にそれをやりまして。ここで往生際が悪いのは、『結婚できない』とは口が裂けても言わないんですよ。『プロポーズされない』っていうことで。可能性がないわけではない的な。相手がいないわけではない的な空気をにおわせるところの、往生際の悪さも含めて、未婚のプロというところなんですけど。

(大吉)でもこれ、僕読ませていただきまして。すごくね、共感しました。

(ジェーン・スー)あ、そうなんですか!?

(大吉)男から見ても、もう本当おっしゃるとおりだと。

(ジェーン・スー)私たちの数々の失敗がね。本当に。

(大吉)逆にこんなにわかっているのに、なんでプロポーズされないんだろう?って思うぐらい。

(ジェーン・スー)できないからなんですよ!この101は・・・

(大吉)できないんだ。わかっちゃいるけど・・・

(ジェーン・スー)わかっているけどやめられない。もう、スースースーダラダッタと40まで来ちゃったんですけど。

(大吉)だからね、パッと見ね、女性向けの本に見えますけど、これ男こそ読むべきだと思います。

(赤江)ズバリ核心を突いてると思いますよ。私の周りの未婚のプロたちに、すごくカブりますもん。あーカブるな、これって。

(ジェーン・スー)ガンガンすすめていただけますか?

(大吉)で、先に言いますと、男がイラッとする101なんですよ。これ。

(ジェーン・スー)そうなんですよね。そうそう。男の人をイライラさせる、とかゲンナリさせる。

(大吉)ゲンナリ。もう!って言いたくなる101個だから。

(赤江)今日はこの本の中から取り上げさせていただくということで。まあ101もありますから、その中のいくつかをピックアップして。今日はお話いただければと思っております。ではですね、タイトル、私の方が読ませていただきましょうか。

(ジェーン・スー)お願いします。

(赤江)はい。『以前付き合っていた男性のプロポーズを、もっといい人がいるかも、という理由でお断りした』。

(ジェーン・スー)まさにこれがですね、はい。まず手短に未婚のプロとはなんぞや?っていうのをご説明いたしますと、予想に反して未婚の人生が楽しい。だがしかし、このままでいるのは世間体的にも、私になにか欠陥があるのでは?という不安も、そして貯金が尽きたらどうしよう?っていう恐怖も感じながら、1人で楽しむことを止められないチキンレーサーのことなんですよ。

(大吉)それを、未婚のプロ。

(ジェーン・スー)未婚のプロと申し上げるわけですけども。

(赤江)楽しくてしょうがないんですね。

(ジェーン・スー)そうですね。ただ、楽しくてしょうがないっていうほど思ってないけど・・・って言う人も、よくよく考えてみると手放せないことが多すぎる。で、そのうちの1つがですね、『もっといい人がいるかも』現象なんですけど。こちらが大変な大きな問題に私たちの間でなっておりまして。

(赤江)わかりますよ。

(大吉)これはね、男女問わず。男性の独身の方も、こういう方いらっしゃると思いますけど。

(赤江)だからドラえもんの昔、道具でね、一生で知り合う異性の写真とプロフィールが出てくるっていう道具があったんですよ。これぞ、あれば夢の道具っていう感じですよね。

(ジェーン・スー)まあ、夢っていうかパンドラの箱、バーッ!っと開けちゃった感じが。ねえ。

(大吉)もうこっから先の人生、なんの楽しみもないですよ。全部わかっちゃったら。

(ジェーン・スー)答え合わせになっちゃいますからね。で、まさに、何を言ってるのかというと、もっといい人とか、あと普通の男って私たちがよーく言っていた、いまも言っているぐらいなんですけども、これを煮詰めていくと、もっと自分にとって都合がいい男っていうだけだったってことに気がついたんですよ。

(大吉)おお、未婚のプロたちは。

(ジェーン・スー)そうなんですよ。どういうことか?って言いますと、たとえば収入ね。そんなに高くなくていいのよ。ただ、◯◯円ぐらいっていうのは、対世間だったりとか、自分の生活レベルを落とさないためのことだったりとか、なにかとその人がどうっていうよりも、自分がいまの楽しみをなくさない、もしくは下手したら倍増させたい。みたいなところにとって、『都合のいい人』。

(大吉)うん。

(ジェーン・スー)っていうところで、相手の人格を丸ごと受け入れる気なんか、さらさらなかった!って言って、ファミレスでバンバンバンバンバンッ!すいませーん!生、おかわりお願いしまーす!っていう。

(大吉)ファミレスで酒飲んでた。

(赤江)突き詰めた結果、それがわかるというね。ああ、なるほどね。

(ジェーン・スー)だから未確認生命体みたいなものをまだ探している人がいっぱいいて。自分にとって都合のいい人っていうのを、なんかね、愛とか恋っていう言葉をつけると・・・

(赤江)いや、人間の本性だと思いますよ。正直。

(大吉)どっかで折り合いをつけるというか。まあ、降りるというか。ポーカーで言うと、もうこのへんでいいか・・・みたいな。

(赤江)大吉先生はどうやってそこを決めてきたんですか?

(大吉)いや、僕はもうそういうのも考えなかったですね。倫理上、そういうことかみたいな。付き合いも長かったし、みたいな。

(赤江)これですよ。スーさん。

(大吉)そんな感じでしたけどね。

(ジェーン・スー)私、お二人が既婚者なんで、こういう、もっといい人幻想とかをどうやって捨てられたのか?って思ったんですけど、そもそもそれがなかったっていうのがね。

(大吉)いや、だから逆に結婚してから、いまの方が思いますね。『あれ?もっといい人おったんやないか?』と。

(赤江)ああ、なるほどね。だから赤江もね、迂闊に。さらに度が過ぎて迂闊だったんで、結婚を決めたのも、コンサートで自分の気持ちが盛り上がって、『よし!』って言っちゃって結婚したんですよ。だからその翌日に、『ちょっと結婚届、取り下げられないかな?』って相手に言ってしまったぐらい。

(ジェーン・大吉)ええーっ!?

(赤江)だったので。だから私の周り、本当そういう人が多いですよね。

(ジェーン・スー)ちょっと待って下さい。さっき、私の周りには迂闊な未婚が多いみたいなことを言っていて、いちばん迂闊なの、赤江さんじゃないですか。

(赤江)そうなんです。だから迂闊な未婚がですね、もっと迂闊なやつがいる、みたいな感じで。私はまだ、迂闊な未婚のプロたちは留まっているところは留まっているじゃないですか。それを、ツルンと滑りよった、あいつは!みたいな状態で見られてるんですよね。

(大吉)たぶん多くの方は勢いでやっちゃうから。僕らも含めて。

(赤江)いや、どうなんだろう?もっと吟味・・・うーん・・・

(ジェーン・スー)なんか年とればとるほど、だいたいみんな不動産査定みたいになってくるんですよ。『あの人は駅近だけど南向きじゃない』みたいなことを言ってみたりとか。じゃあベストの家が見つかったとして、あなた払えますか?家賃っていう話で。

(赤江)(笑)

(ジェーン・スー)身の丈の家っていうのがあるはずじゃないですか。そのへんがね、私たちわかってないんですよね。

(赤江)だから一点に絞るしかないと思いますね。

(ジェーン・スー)そうですね。あ、それすごい。届け、未婚のプロへ!って感じ。

(赤江)だから日当たりだったら日当たり。風通しだったら風通し。

(大吉)出窓があるだけでいい!とかね。

(ジェーン・スー)出窓さえあれば、日は当たらなくてもいいと。

(大吉)窓は大丈夫だ、とかね。まあ、わかんないですけどそういうね。こういう理由で断る方が未婚のプロになってしまうと。

(赤江)はい。じゃあ続いてはこちら。『誕生日やクリスマスに、彼の好みを変えようとするプレゼントを贈ったことがある』。ありますか?スーさん。

(ジェーン・スー)これ、私150万回ぐらいやってますね。まあ、そんなの付き合ってないんですけど。誰とも。

(大吉)体感。実数とはかけ離れてますけど。

(赤江)なんかちょっと変えたいんですか?

(ジェーン・スー)これ、なにかって言いますと、女性の方で共感していただける方がいるかな?と思うんですけど、コミュニケーションの一環として、『こんなに素敵なあなたなんだから、ここをこうすればもっと良くなる』っていう。あくまでコミュニケーションの一環としてそれをやるんですが、私たち知らなかった。これはね、ダメ出しだったんですね。

(赤江)あ、そっか・・・

(ジェーン・スー)そう。男性の対しての。いまのままで、ここがダメだよって言ってるように・・・

(赤江)もっと向上してほしいんですもんね。気持ちとしてはね。

(ジェーン・スー)ってことはつまり、未来のその人に担保をかけて、いまの現状にダメ出しをしてるっていうことにね、気がつかなかったんですねー。うっかり、ぼんやり・・・

(赤江)いやー、好きですよ。そういうね、なんか一生懸命さね。だけど、裏を返せばダメ出しとなりますか。

(ジェーン・スー)赤江さんはたとえば旦那さんの、どうしても気に入らない趣味とか、たとえばそのカバン、もう嫌だわ!っていうのがあった時、どうしてるんですか?

(赤江)もうね、いろいろ気に入らないというか、私のタイプじゃないところからスタートしてるんで。どこから手を付けていいか、正直わからないっていう(笑)。状態から。すごくベースが低いところから始まってるんですよね。ウチはね。

(ジェーン・スー)でもそれって逆に言うと、期待しすぎないってことになって、なんでもありがたくなりますよね。そうすると。

(赤江)そうなんです。ちょっと変えてくれただけで、よし、進歩!みたいな。これは育てるべし!みたいな状態になりますけどね。でもね、大吉先生はスーさんね、本当にこだわりもあり・・・

(大吉)いや、そんなに無いですよ。

(赤江)大吉先生、本当に優しいんです。女性にも本当に優しいんですけど、九州男児なんで冷蔵庫の麦茶も自分で出したことがないって。

(ジェーン・スー)ええーっ!?

(大吉)まあまあそれは女性の仕事だと、私そういう教育を受けてるんで。

(赤江)『お茶』って言ったら出てくるって。

(大吉)はい。ある意味、そういうモンスターに私、育て上げられてるんで。ウチの両親に。

(ジェーン・スー)なるほどなるほど。

(大吉)その辺はちょっと特殊な事情があるんでアレですけど。話戻しますけど、これが似合うと思うんだ?みたいな感じで洋服とかもらうと、イラッとするんです。

(ジェーン・スー)そうなんですってね!

(大吉)似合わんて、こんなの!って思うけど、着なきゃいけないでしょ?

(ジェーン・スー)それがまた、負担みたいですね。着なきゃいけないのが。

(大吉)で、もう外いくのがめっちゃ恥ずかしいの。こんなジャンバー、俺着ないのに!って。

(赤江)ああ、そう?でも、『すごい似合ってる!』『すごいかわいい!』『すごいバッチリ!』みたいなことを言われても、ダメ?

(大吉)そういうのって口に出してくれるのは、くれた人だけじゃないですか。道、歩いている人が『それ、いいですね』とかは絶対言ってこないから。実感もわかないし、見慣れるまでの我慢が出来ないんですよ。だから、そういうのもらうと困るな、困ったなっていう経験は、すごくあります。

(赤江)なるほどー。

(ジェーン・スー)本当、そうなんですって。

(赤江)これをやりたい場合っていうのは、本当にセンスが悪い人をターゲットにすべきですよ。

(ジェーン・スー)いや、あのセンスのいい悪いじゃなくて、どうでもいい人ってことだと思うんですよ。別に何をもらっても気にならないっていう人にあげるのはいいと思うんですけど、私たちは結局最終的に着地したのは、その自分から見て変な服も含めてその人なんだから・・・

(赤江)そうかー。ウチの旦那はね、本当にセンスが。唐獅子とかを着てるようなタイプだったんで。

(ジェーン・スー)ちょっと待ってください!

(赤江)買ってくるシャツがアロハでも唐獅子ばっかり、みたいな感じだったんで、それはさすがにもうちょっと、こういう風にって言ったところ、褒められるようになったと。周りの人から。

(ジェーン・スー)そう。そこね。

(赤江)それで『全面的に珠緒のセンスを支持します』みたいに変わってきましたよ。だからそれぐらいのレベルの人には、効果ありますよ。

(ジェーン・スー)そうそう。そうなんですよ。だから結局、外に行って、大吉さんみたいに自分のセンスが結構確立している人ではなくて、そうでもない人が外で褒められると。いままで何を着ていいかわかんなかった人が褒められたりすると、うまく行くんですけど。それってだいたいね、既婚者なんですよ。『褒められたよ』みたいなことで、上手くそれが回っていくのって。

(赤江)たしかにね。

(大吉)それがまだお付き合いしている段階では、そうはいかない。

(ジェーン・スー)そうなんですよ。

(赤江)なぜ変えられなきゃいけないんだ?って。

(ジェーン・スー)私たち、これ101のうち80ぐらいが『結婚してから、やれ!』っていう話なんですよね。本当に。

(赤江・大吉)(笑)

(赤江)なるほど。

(大吉)ちなみに僕も、スーさん、あんまりおしゃれわかっていない芸人なんですよ。

(ジェーン・スー)あ、そうなんですか?

(大吉)僕、センスがいい悪いじゃなくて、着たいTシャツがあるんですよ。プロレスであったり、藤子不二雄であったり。それを否定されると・・・

(赤江)オバケのQ太郎のO次郎の刺繍をしたり・・・

(大吉)入れたりとか。今日もゲームウォッチの『オクトパス』の柄を・・・

(ジェーン・スー)ああ、いいですね。

(大吉)着てるんですけども。40を越えてそれは何だ?と言われたら、グウの音も出ないんですけど。それはでも、ちょっと見逃してくれよって。

(赤江)いまさら変えられないと。

(大吉)そうです。キョンキョン以上に、見逃してくれよという感じでやってる人、多いと思うんでね。そこはちょっと。

(ジェーン・スー)私もね、ファイヤーマンのやつがあったら買っちゃいますからね。ゲームウォッチの。

(大吉)ちょっと趣味が合いそうですね。

(赤江)あるんですね。スーさんもこだわりがね。続いてまいりましょうか。続いては、こちら。『将来に一縷の不安も抱かせない完璧な男と結婚しようと思っている』。

(ジェーン・スー)これはね、やっちゃいました。どういうことかと言いますと、20代、私たちは自分に自信がなかったんです。全く。鼻っ柱だけ強くて。で、自分の城に自信がないので、しっかりとした城に移り住むことで人生を前に進めようと思ったんですね。が、しかし、しっかりとした城、つまり年収だったり、頼り甲斐があったり、何も欠点がないような男性っていうのは、別に私たちを選ぶ必要はまるでなかったんですね。

(赤江)(笑)

(ジェーン・スー)だから入城できず。シンデレラ城に入城できず終わりまして。30代になりますと、今度だんだん自分の城が変な感じにカスタマイズしてくるんですよ。さっきのTシャツじゃないんですけど、こだわりの出窓みたいな感じになっていって、まあ別に完璧な城を男性に求めるわけではないけれど、こだわりのポイントが同じじゃないと移り住めないよねー、みたいなそんなことを言い出すわけですよ。

(赤江)あー。

(ジェーン・スー)で、今度は30代後半や40代になっていくと、もう自分の城がワンルームだろうがなんだろうが、完全に確立されて、誰も入ってくるな!って。今度は入城拒否っていう状態に入りまして。だから結局いちばん最初に、元をただしていくと、一縷の不安も抱かせないような完璧な男と結婚したいと思った、あの10何年前の私が悪かった!ってことに。

(赤江)はー!そっか。やっぱりそうですね。ヤドカリみたいなもんですもんね。もう殻は背負ってるわけで、これを他の人の殻に、何もなしで入ってくってことはないってことか。

(ジェーン・スー)そうなんです。でも、既婚の方を見ていると、『はー、これ気がつかなかった!』っていうのが、『不安な者同士がお互い、一から城を作っていこう』っていうのが既婚者なんですよ。見てると。なんやかんや言って。

(赤江)そんなにうまく行ってますかね?

(大吉)まあ、そうかわからないですけど、だいたい結婚ってそういうものなんでしょうね。お互いで、それは将来がどうなるかわからないけど、とりあえず頑張りましょうみたいな。

(ジェーン・スー)赤江さん!赤江さん!大丈夫ですか?既婚者ですか?

(赤江)いやー、私ね、正直言ってこのスーさんの本を読ませていただいて、すごい自分が男性目線なんだなっていう。

(ジェーン・スー)あ、男寄りだと。

(赤江)だからね、『仕事でへとへとな彼を休日のIKEAに連れて行った』。そりゃあダメだよ!みたいな。これやられたら、私もダメだよ!っていうね。思いながら、あれ?男の方に立っていた、みたいな。

(ジェーン・スー)だからうまく行ってるんじゃないですか?男2人の同居みたいな感じだから。

(赤江)ウチはそうですね。

(大吉)決してご主人がコッチ系じゃなくて。そういう逆転ではなく。

(ジェーン・スー)気にならないところがお互い一緒みたいなのが。

(大吉)じゃあ僕ね、この本で101のうちのダントツで1位があったんです。

(ジェーン・スー)もう是非教えてください。

(大吉)あの、テレビ見てる時、話しかけるやつ。これ、わかります?

(赤江)わかりますね。わかる。

(大吉)これが、スーさんの本に書いてあったんですけど、テレビを見ている時に話しかけられると男はイライラするんですよ。いま、テレビを見てるんだ!と。で、一緒に見てるくせに、テメーなにしゃべりかけてきてるんだ?って思うけど、スーさん曰く、女性は違うんですね。同時にいろんなことが。

(ジェーン・スー)そうなんです。だから『テレビ見てるんだけど』って言われるけど、『私もよ』っていう感じで。こちらとしては。『I know. 私もよ』っていう。

(赤江)(笑)。そうなんですよ。

(大吉)だからこの本でわかりましたよ。元々造りが違うんですね。

(ジェーン・スー)全然違うんですね。

(大吉)で、赤江さん、どっちなんですか?

(赤江)私ね、男性の方です。大吉先生と一緒なんですよ。なのに周りに集まる友達はスーさんみたいな人で。みんな話しかけてくるんですよ。見てるのに!みたいな。

(ジェーン・スー)あー。っていうことは、赤江さんのお家では、旦那さまと2人でじーっと無言でテレビを見てるわけですね。

(赤江)それも全然OKなんですよ。見てる時は。

(ジェーン・スー)やっぱり結婚はなにかしら似通った人とって話は聞いたことがありますけど、かなり似通っておりますね。

(赤江)あとね、スーさんがこの中でも書かれていますけど、『女子同士か、楽しいオカマとそれはやれ!』っていうが、その通りだなと思って。女子会はそうですもんね。

(ジェーン・スー)そうなんです。ネットの悪口を言ったりとか、芸能人の誰が整形だとかいう話をしたりとか、メディアの裏をかいて何がヤラセだとかの話をするのは、自分の好きな人とじゃなくて、口の悪い友達とか、オカマとやろうっていう。分けよう!って。棲み分けよう!って。

(赤江)でもね、私もこれ楽しいなと思う。友達にしたら本当に楽しいのが、『彼氏の誕生日プレゼントに期待以上のことをしてしまう』っていうね。

(ジェーン・スー)これね、やりますね。

(赤江)白ご飯が好きって言って、イチから米を作り始めたって。もう、いいじゃないですか。このお友達。

(ジェーン・スー)いるんですよ。あいつ、まだ未婚ですから。もちろん、まだ未婚ですから。

(赤江)(笑)。愛しくなりますね。こんなエピソード、そして理由が・・・

(大吉)とりあえずこの本ね、みなさん1回読んでいただいて。

(赤江)見事に101も集まってますから。もうすごいですよ。

(ジェーン・スー)ねえ。煩悩まであと7つ!

(大吉)(笑)。あっという間でしょ。7つは。あっという間に集まると思いますね。

(赤江)そんなジェーン・スーさんにはね、これから月に1回。毎月水曜日、1回来ていただきますけども。スーさん初のご著書、『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』。こちら絶賛発売中ですので。是非手にとってお読みいただければなと思います。スーさん、あっという間に時間が来てしまいました。来月は2週目の登場ということですので。

(ジェーン・スー)はい。来月もよろしくお願いします。

(大吉)こちらこそ、お願いします。

(赤江)よろしくお願いいたします。

<書き起こしおわり>

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